「ところでさ、のぶこ。さっきの話だけど、どうするの? わたしは実家に戻るんだけど、就職するんでしょ?」
手作りらしき少しいびつな形のクッキーを乗せた皿を中央に置くと、。
のぶこはクッキーをほおばりながら、
「そうなのよねえ、来年も厳しいからさ。あたしも冬休みに少し回ってみたんだけど、今いちでさ。
反応が鈍いのよねえ。まあねえ、彼は『俺の会社に来ればいいさ』って、言ってはくれるんだけど」
と、答えた。
「だけど、嫌なんでしょ、情実入社は。第一、彼の勤める会社だ、色々と不都合な面も出てくるしねえ」
「そうなのよ。耀子! 腕、上げたわね。このクッキー、美味しいわ。
耀子は、ホントお菓子だけは上手ね。お料理は今いちだけど。
でさあ、最近彼の態度が大きいのよ。今日だって、結局はすっぽかされちゃったし」
話の内容は切実なのだが、緊迫感といったものはまるで無かった。
彼にしてみれば、コネだろうが何だろうが、就職先が決まれば良いじゃないか、と思えるのだが。
口を挟むわけにもいかず、黙ってコーヒーをすするだけだった。
「ミタちゃん、遠慮しないで食べてね。良かったら、食事する?
ピザがあるんだけど、どう? 冷凍物だけど、結構いけるのよ」
耀子は、彼の返事を待たずにレンジの中にピザを入れた。
「そうしなさい。美味しいのよ、そのピザ」
と、のぶこも勧めた。
手作りらしき少しいびつな形のクッキーを乗せた皿を中央に置くと、。
のぶこはクッキーをほおばりながら、
「そうなのよねえ、来年も厳しいからさ。あたしも冬休みに少し回ってみたんだけど、今いちでさ。
反応が鈍いのよねえ。まあねえ、彼は『俺の会社に来ればいいさ』って、言ってはくれるんだけど」
と、答えた。
「だけど、嫌なんでしょ、情実入社は。第一、彼の勤める会社だ、色々と不都合な面も出てくるしねえ」
「そうなのよ。耀子! 腕、上げたわね。このクッキー、美味しいわ。
耀子は、ホントお菓子だけは上手ね。お料理は今いちだけど。
でさあ、最近彼の態度が大きいのよ。今日だって、結局はすっぽかされちゃったし」
話の内容は切実なのだが、緊迫感といったものはまるで無かった。
彼にしてみれば、コネだろうが何だろうが、就職先が決まれば良いじゃないか、と思えるのだが。
口を挟むわけにもいかず、黙ってコーヒーをすするだけだった。
「ミタちゃん、遠慮しないで食べてね。良かったら、食事する?
ピザがあるんだけど、どう? 冷凍物だけど、結構いけるのよ」
耀子は、彼の返事を待たずにレンジの中にピザを入れた。
「そうしなさい。美味しいのよ、そのピザ」
と、のぶこも勧めた。
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