昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

ブルーまぁだらぁ 蒼い友情 十六

2010-03-05 23:40:07 | 小説
新一と出会う前のような暗さとは違い、
どこか慇懃さがある、と思える。
人間不信といったものではないと思うのだが。

心の中に内在しているーでんと居座っている新一を、
消し去る為の一人旅だ。
別人格を育て上げて苦痛からの逃げ場を作ったことが
時に重荷となり障害となることに気付いた。

遅かったかもしれない、
或いは気付かぬままの方が良いのかもしれない。

「朝食のご用意、よろしいでしょうか?」
鈴とまではいかないけれど、
それでもすがすがしい声で尋ねられた。

「そうですね、散歩をしてきます。
三十分ほどで戻りますから、その間にお願いします。」

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