昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

「祭りの夜(改)」 七

2013-06-18 21:31:09 | 小説
(七)

「許可って、そんなの…。
卒業したら、みんな別れちゃうんだし。

良い思い出になればと思ってるんだ。
このメロディが気に入らなきゃ、替え歌でも良いと思うんだ。」

友人も引き下がらなかった。
結局のところこの事件は、担任の「良いんじゃないか。」のひと言で、幕引きとなった。

そしてその後、女子の文字で歌詞が書きこまれたけれども、卒業に至るまで誰も歌うことはなかった。
以来クラスの中での友人は浮いた存在となってしまい、その友である私は変人扱いされる始末だった。

そんな友人との冒険談が、今、思い出された。


「そこのお兄ちゃん二人。
哀しい哀しい、へび女を見ていっておくれな。

それはそれは奥深い山の中で生まれ育った娘で~、
食べる物に事欠いたことから~、とうとうへびを食べるようになっちまいました~。

ある日猟師が~とある山の、山中深く押し入って~」


その呼び声が面白く、つい足を止めてしまった。


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