昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~ふたまわり・第二部~(十五)の十

2011-09-15 22:03:38 | 小説
“困ったことになった。
小夜子の頑固さは、折り紙付きじゃからて。
諦めてくれればいいんじゃが。
いっそ、小夜子の思いどおりに・・
いや、いかん。
とりかえしのつかんことになる。
というて、澄江のように・・”
結論は出ているのだが、認められない茂作だった。
“どうしても反対なら、家出だわ。
お母さんも昔家出したのよね。
で、あたしを産みに帰ってきて、爺ちゃんに引き止められちゃったのよね。
お母さんも可哀相に。
お父さんの所に帰りたかったでしょうに、労がいに罹るなんて。
だからあたしを避けたのね。
あたしは、違うわ。
あたしは、絶対に幸せになるんだから。
アーシアと一緒に、世界を旅するのよ。
その為にも、英会話の勉強をしなくちゃ。
だからどうしても、行かなきゃ。”


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