小夜子主導で始まった交際は、周囲の目をまるで気にしない奔放なものだった。
“男女七歳にして、同席せず!”等、どこ吹く風とばかりに振舞った。
連れ立って歩く折には必ず腕を組み、時にはピッタリとしがみつく小夜子だった。
すれ違う大人たちが怪訝そうな面持ちを見せても、
「こんにちわ!」と、明るく声をかける。
子供たちの囃す声に対しては、ニコニコと微笑み返す小夜子だ。
正三の友人と出会った折には、嫌がる正三を尻目に、これみよがしに見せ付けた。
「こそこそすること、ないでしょ!」
目線を伏せる正三に対し、強い口調で詰ることも間々あった。
「正三兄さん。少し控えた方が、宜しいんじゃない?
噂になってます、町中で。
私、恥ずかしいわ。小夜子さんも、小夜子さんよ。
まるで下僕扱いだわ。
あんなお方だとは思わなかった。」
憤慨する幸恵に対し、正三は
「うん・・まあなぁ・・」と、言葉を濁した。
初めの内こそ、気恥ずかしさと煩わしさを感じていたが、
友人たちの言葉の裏に潜む羨望を見てからは、誇らしさを感じ始めていた。
異性との交わりが皆無だった正三は、その甘美さにどっぷりと浸り始めていた。
“男女七歳にして、同席せず!”等、どこ吹く風とばかりに振舞った。
連れ立って歩く折には必ず腕を組み、時にはピッタリとしがみつく小夜子だった。
すれ違う大人たちが怪訝そうな面持ちを見せても、
「こんにちわ!」と、明るく声をかける。
子供たちの囃す声に対しては、ニコニコと微笑み返す小夜子だ。
正三の友人と出会った折には、嫌がる正三を尻目に、これみよがしに見せ付けた。
「こそこそすること、ないでしょ!」
目線を伏せる正三に対し、強い口調で詰ることも間々あった。
「正三兄さん。少し控えた方が、宜しいんじゃない?
噂になってます、町中で。
私、恥ずかしいわ。小夜子さんも、小夜子さんよ。
まるで下僕扱いだわ。
あんなお方だとは思わなかった。」
憤慨する幸恵に対し、正三は
「うん・・まあなぁ・・」と、言葉を濁した。
初めの内こそ、気恥ずかしさと煩わしさを感じていたが、
友人たちの言葉の裏に潜む羨望を見てからは、誇らしさを感じ始めていた。
異性との交わりが皆無だった正三は、その甘美さにどっぷりと浸り始めていた。
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