昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~ふたまわり・第二部~(十五)の八

2011-09-14 21:41:13 | 小説
言い渡された処分を、ケロリとした表情で茂作翁に告げた。
「やめるって、小夜子。
そんなやけを起こさないでもいいだろうに。
わしが頼んでくるから。」
「いいわよ、お父さん。
あたし、本気なんだから。
英会話のね、勉強をしたいの。
心配しないで。
お仕事しながらでも、通える学校だから。
そういった人たちばかりが集まっている学校だから。」
「だめだ、だめだ。
どうせ、この村から出て行きたいが為の方便だろうが。」
「そんなことないわよ。
ほんとに勉強したいの。
アーシアと約束したんだから。」
「なぁ、小夜子よ。
お前の、その、ロシア人を信じたい気持ちは良く分かる。
楽しい時間を過ごしたんじゃからな。
しかしのぉ、夢の時間は夢の時間に過ぎんぞ。
夢は覚めるもんじゃて。」
「何が言いたいの、アーシアは嘘をつくような人じゃないわ!
もういい!お爺ちゃんのバカ! 」
激しい言葉を投げ付けて、部屋に戻った。


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