「それ、切れるの? ちょっとそこの木を、切ってみて。
ええ、ほんとに切れるんだ。恐くなってきたわ、うち。
大丈夫なのよね、死ぬことはないわよね。
まだ男を知らないんだから、今夜は処女よ」 . . . 本文を読む
突然店内が暗くなり、スポットライトに照らされたマネージャーがフロアの中央に立っている。
「さてさて、紳士淑女の皆皆さま!」
「おーい! どこにレディが居るんだ!」と、上本が声を上げた。 . . . 本文を読む
ひとみの差し出すグラスを手にし、口に運んだ。
「な、なんだ、これは。酒か、こんなものが。苦いし、泡だらけじゃないか!」
「初めてなん? ビールというお酒ですよ。おいしいですやん、うち好きやし」 . . . 本文を読む
フルバンドで演奏されるインストゥルメンタル。グレンミラーの演奏が流れると、一気に店内が盛り上がる。
女給たちに促されて、客がダンスに興じ始めた。
五三会の面々もそれぞれのパートナー相手に、ダンスに興じだした。 . . . 本文を読む