29日(水)。マネジメント会社ヒラサオフィスは27日付の公式サイトで、以下の「指揮者 秋山和慶 逝去のお知らせ」を掲載しました
「指揮者 秋山和慶は2025年1月26日(日)22:57に入院先の病院にて安らかに永眠いたしました。享年84 死因は肺炎でした。今年1月1日に自宅で転倒し重度の頚髄損傷を負い 治療に専念するため1月23日に音楽活動からの引退を表明していました。故人が生前賜りました御厚誼に深く感謝いたしますとともに 謹んでお知らせいたします」
1月23日付の同社の公式サイトに掲載の秋山家のコメントに「これから厳しいリハビリとの戦いになりますが、引き続き温かいご支援を頂戴できますことを願っております」と書かれていたので、いずれは回復されるのではないか と期待していました あまりの急変に驚き、無念の思いでいっぱいです 私が20年以上前に秋山さん率いる東京交響楽団の定期会員となり、その後も音楽監督がユベール・スダーン、ジョナサン・ノットと代わってからも会員継続しているのは、秋山さんが初代監督を務めておられたからこそです
真面目で紳士で正確無比の指揮ぶりで名演を聴かせてくださった 秋山さんのご冥福をお祈りいたします
ということで、わが家に来てから今日で3669日目を迎え、トランプ米政権が「米国第一主義」に基づく外交政策との整合性を検証するとして、海外での人道支援や開発のための対外援助を一時停止したことに対し、国連や支援団体などからは現場への影響を懸念する声が出ている というニュースを見て感想を述べるモコタロです
トランプ政権は今や”世界一の駄々っ子”だ 米国が困った時は どの国も助けないだろ
昨日は娘が外食で 私がコンサートだったので 夕食作りはお休みしました
昨夜、すみだトリフォニーホールで「2025 都民芸術フェスティバル」参加公演「読売日本交響楽団」 演奏会を聴きました プログラムは①ショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 作品77」、②チャイコフスキー「交響曲第5番 ホ短調 作品64」です 演奏は①のヴァイオリン独奏=毛利文香、指揮=海老原光です
このフェスティバルは、これまで池袋の東京芸術劇場が会場でしたが、改修工事により休館しているためトリフォニーホールに変わりました 新日本フィルの本拠地トリフォニーホールで読響を聴くのは初めてです
オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び。コンマスは日下紗矢子です
1曲目はショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 作品77」です この曲はディミトリ―・ショスタコーヴィッチ(1906-1979)が1947年から翌48年にかけて作曲、1955年にレニングラードで初演されました 初演が遅れたのは完成後に当局から作曲家に対する批判が出たためです 第1楽章「ノクターン:モデラート」、第2楽章「スケルツォ:アレグロ」、第3楽章「パッサカリア:アンダンテ」、第4楽章「ブルレスケ:アレグロ・コン・ブリオ ~ プレスト」の4楽章から成ります
指揮をとる海老原光は1974年鹿児島生まれ。ハンガリー国立歌劇場で研鑽を積む。2007年ロブロ・フォン・マタチッチ国際指揮者コンクール3位
ヴァイオリン独奏の毛利文香は2015年パガニーニ国際コンクール2位、エリザベート王妃国際音楽コンクール6位、2019年モントリオール国際音楽コンクール3位
黒を基調とした銀のラメ入り衣装を身に着けた毛利文香が登場し、海老原の指揮で第1楽章に入ります 低弦の導入部に続き、毛利のヴァイオリンがほの暗い主題を奏でます この楽章は ほとんどヴァイオリンのモノローグを聴いているような感覚です 第2楽章では一転、速いテンポにより切れ味鋭い独奏ヴァイオリンが諧謔的な音楽を繰り広げます 第3楽章では毛利のヴァイオリンとイングリッシュホルンのアンサンブルが美しく響きました 続くカデンツァでは、ひたすら演奏に没頭する毛利が修道僧のように見えました 第4楽章では、超絶技巧の独奏ヴァイオリンが、速いテンポにより躍動感あふれる演奏を展開しました 素晴らしい演奏でした 海老原 ✕ 読響は独奏者にピタリと寄り添い、ソリストを引き立てました
満場の拍手とブラボーが飛び交い、カーテンコールが繰り返されました 毛利はアンコールにJ.S.バッハ「無伴奏ヴァイオリンパルティータ第1番」より「サラバンド」を超絶技巧で演奏、聴衆を黙らせました
プログラム後半はチャイコフスキー「交響曲第5番 ホ短調 作品64」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1888年に作曲、同年ペテルブルクで初演されました 第1楽章「アンダンテ ~ アレグロ・コン・アニマ」、第2楽章「アンダンテ・カンタービレ、コン・アルクーナ・リセンチア」、第3楽章「ワルツ:アレグロ・モデラート」、第4楽章「フィナーレ:アンダンテ・マエストーソ ~ アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります
海老原の指揮で第1楽章がクラリネットの暗い響きで開始されます チャイコフスキーは構想メモに、この主題を「運命、もしくは神の摂理への完全な服従」と書いていることから「運命の主題」と呼ばれています この主題はすべての楽章に登場します アレグロに移ってからは金管楽器が重厚な演奏を展開し、鈴木康浩、柳瀬省太両首席が率いるヴィオラ・セクションのアンサンブルが美しく響きました 第2楽章は冒頭の日橋辰朗のホルン独奏が素晴らしく、続いて演奏される荒木奏美のオーボエ独奏が冴えていました 中間部では金子平のクラリネットが印象に残りました 第3楽章はスケルツォではなく、チャイコフスキーらしいワルツです 弦楽セクションを中心に流麗な演奏が繰り広げられます クラリネット、ファゴット、オーボエ、フルートといった木管楽器が素晴らしい演奏を展開しました 第4楽章は冒頭から、第1楽章で暗い響きで現れた”運命の主題”が、まるで勝利のテーマのように鳴り響きます 同じメロディーがまったく異なる曲想で展開する、まさにチャイコフスキー・マジックです オーケストラの総力を挙げての躍動感あふれる演奏により、堂々たるフィナーレを飾りました
満場の拍手とブラボーの嵐の中、カーテンコールが繰り返されました 海老原は読響からゴージャスなサウンドを存分に引き出し、スケールの大きな演奏を展開しました