27日(月)。わが家に来てから今日で3667日目を迎え、トランプ米大統領は24日夜、政府機関内の不正や違法行為などを根絶するために議会が主導して設置した「監察官」十数人を一斉に解任したが、自身への忠誠心の高い人物を起用するのが狙いと見られている というニュースを見て感想を述べるモコタロです
トランプはプーチン・金正恩・習近平と並ぶ 現代の世界の独裁者の仲間入りをした
昨日、サントリーホールで新日本フィル「第660回定期演奏会 サントリー・シリーズ」を聴きました プログラムはマーラー「交響曲第9番 ニ長調」です 指揮は新日本フィル第5代音楽監督・佐渡裕です
「交響曲第9番 ニ長調」はグスタフ・マーラー(1860-1911)が1909年から翌10年にかけて作曲、マーラーの死後 1912年6月26日にブルーノ・ワルター指揮ウィーン・フィルにより初演されました この作品は「大地の歌」を含めると10番目の交響曲となりますが、「交響曲第10番」が未完のままマーラーが死去したため、この第9番が完成された最後の交響曲となりました 第1楽章「アンダンテ・コモド」、第2楽章「緩やかなレントラーのテンポで、いくぶん不器用に、きわめて粗野に」、第3楽章「ロンド・ブルレスケ:アレグロ・アッサイ 極めて頑なに」、第4楽章「アダージョ:非常にゆっくりと、控えめに」の4楽章から成ります
開演にあたり、いつも通り佐渡監督がマイクを持って登場し、プレトークとしてマーラーの思い出を次のように語りました
「今年は大阪万博が開催されますが、今から55年前の1970年に大阪万博が開かれた際にはカラヤン & ベルリン・フィルがベートーヴェン「交響曲全曲(第1~9番)」を、バーンスタイン & ニューヨーク・フィルがマーラー「交響曲第9番」他を演奏しました その2年後、小学5年生だった私は初めてLPレコードを買いましたが、マーラーの交響曲でした これが私とマーラーとの出会いです 今日はゆっくりとお聴きください」
1970年の万博の際にはジョージ・セル&クリーヴランド管弦楽団も来日し 演奏しましたが、帰国後まもなく多発性骨髄腫により73歳で死去しました それにしても、世界に冠たる指揮者とオーケストラがよくも大阪万博の一環として極東の島国に集まったものだと感心します 当時の日本には経済を中心に勢いがあったことが窺えます
オケは16型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの新日本フィルの並び コンマスは崔文洙、隣はアシスタント・コンマスの立上舞です チェロのトップには首席・長谷川彰子と並んで先月 正団員となった佐山裕樹(首席)がスタンバイします ステージ下手にはハープが2台控えます
佐渡の指揮で第1楽章が開始されます 冒頭の音楽を聴くとマーラーの厭世観を感じます かつての「マーラーブーム」の時、「体調の悪化から、この曲はマーラーが自らの死を意識して書いた」という見解をレコードや演奏会の解説で読んだ記憶がありますが、最近の研究ではそういうことでもないようです まだまだマーラーは次の曲を書く気満々で、実際に彼は交響曲第10番を未完ながら書いています 中盤ではトロンボーンやテューバが中低音の底力を発揮し、絶好調のホルンがベルアップ奏法を見せました 崔コンマスのヴァイオリン・ソロが素晴らしく、野津雄太のフルートも冴えています 第2楽章は丹羽紗絵(首席)率いる第2ヴァイオリンの演奏から入りますが、魂がこもっていました この楽章はテンポの緩い2つのレントラー(3拍子のドイツ民俗舞踏)とテンポの速いヴェッラー舞曲を起源とするワルツが入れ替わり立ち替わり現れますが、急緩のテンポの落差が大きく メリハリのある演奏が展開します 第3楽章は、どこかとぼけた味わいのファゴットの演奏が印象的です 豊潤な音色のホルンが素晴らしい 咆哮する金管、炸裂する打楽器、渾身の弦楽セクションにより力強く展開するラストの追い込みは、佐渡裕ならではのスピード感溢れる演奏でした さて、この曲の白眉は第4楽章「アダージョ」です 冒頭のヴァイオリン・セクションによる入魂の演奏が印象的です 引き続き分厚い弦楽セクションによる美しくも力強い演奏が展開します オーケストラの総力を挙げての演奏で一旦クライマックスを築き上げたあとは、次第にテンポが落ち、音が弱くなっていき、最後は消え入るように終結します この間の弦楽セクションの弱音による演奏は、「『静寂』を音で表したらこういう演奏になるのではないか」と思えるほど素晴らしいものでした
最後の音が消え、しばしの静寂の後、佐渡のタクトが静かに下ろされると、満場の拍手とブラボーが飛び交い、カーテンコールが繰り返されました この日の佐渡 ✕ 新日本フィルは終始 弛緩することなく、集中力に満ちた演奏を展開しました
当日券売場で、久しぶりにチケットボックス部の登原さんの姿を見かけたので、声を掛けようと思ったのですが、開演前も終演後も彼女の前に列が出来ていたので、諦めました 今週金曜日の「クラシックへの扉」に期待を繋ごうと思います
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