人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

池井戸潤著「花咲舞が黙ってない」を読む ~ 大手銀行の”闇”に立ち向かう若手女子行員の矜持を描く

2024年06月28日 00時39分33秒 | 日記

28日(金)。わが家に来てから今日で3454日目を迎え、ノーベル経済学賞を受賞した16人の著名学者は米大統領選でトランプ前大統領が再選した場合、「無責任な予算を組むことでインフレが再加速する懸念がある」と警告する書簡をまとめた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     トランプは「バイデン・インフレを終わらせる」と言ってるが とても信用できない

         

昨日、夕食に「鶏の唐揚げ」を作りました 本来は隔週金曜日に作るのですが、今週はコンサートの予定があるので1日繰り上げました いつも通り美味しくできました 唐揚げなので断酒を一時中断してビールを飲みました サッポロCLASSICがないのアサヒスーパードライにしました

     

         

池井戸潤著「花咲舞が黙ってない」(中公文庫)を読み終わりました 池井戸潤は1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒業。98年「果つる底なき」で江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年「鉄の骨」で吉川英治文学新人賞、11年「下町ロケット」で直木賞、23年「ハヤブサ消防団」で柴田錬三郎賞を受賞。半沢直樹シリーズなど著書多数

     

本書は読売新聞朝刊に2016年1月17日から10月10日まで連載された小説を2017年に中公文庫として刊行したものです

銀行界を舞台に描く「不祥事」に続く「花咲舞シリーズ」第2作ですが、「不祥事」が刊行されたのは2004年のことです 時代設定としては「花咲舞が黙ってない」も20世紀末目前ということで、「不祥事」と連続しています その頃の銀行業界の出来事を振り返ると、1997年には北海道拓殖銀行や山一証券が破綻し、翌98年には日本長期信用銀行と日本債券信用銀行も破綻しています 生き残った銀行では、99年には第一勧業銀行と富士銀行と日本興業銀行の3行が「みずほフィナンシャルグループ」の設立に向かうなど再編が始まり、「銀行に就職すれば一生安泰」と言われていた時代は終焉を迎えようとしていました 「花咲舞は黙ってない」はそんな時代を背景にした物語です

本作は「たそがれ研修」「汚れた水に棲む魚」「湯けむりの攻防」「暴走」「神保町忌憚」「エリア51」「小さき者の戦い」の5話から成る連作短編集です

メガバンク・東京第一銀行の頭取からライバル行・産業中央銀行との合併が発表される 生き残りを懸けた交渉が進む中、事務部臨店指導グループの”跳ねっ返り”花咲舞は、ひょんなことから「組織の秘密」というパンドラの箱を開けてしまう。不祥事の隠蔽工作を目の当たりにした彼女は危機感を抱き、上司の調査役・相馬健を巻き込みながら組織の”闇”に立ち向かう

臨店指導グループとは、問題を起こした支店へ出向き、業務改善できるよう指導・支援し、問題を解決する部署です どちらかというと「事なかれ主義」の上司・相馬と、正義感溢れる猪突猛進気味の花咲舞との絶妙なコンビネーションによって、問題を解決していきます

以外だったのは、ライバル行・産業中央銀行のエリート行員として「倍返し」の半沢直樹が登場したことです。登場シーンは少ないものの、決定的な役割を果たします

本書を読んで一番印象に残ったのは、第7話「小さき者の戦い」の中で、事業目的で使うということで銀行が貸し付けた大金を、借り手側が株取引に使っていたことが判明した時に、相馬健が花咲舞に語った次の言葉です

「世の中にはカネに色はついていないなんて言葉があるけどな、銀行ってところはその色のついてないカネに色をつけて貸すところなんだよ かくかくしかじかの目的で資金が必要だという申請に基づいて、審査して貸すのが銀行融資だ。資金使途を違えるというのは、参考書を買うといって親からもらったカネでマンガを買うようなもんだぜ。心当たりがあるだろう

450ページを超える大作ですが、面白くてページをめくる手が止まりませんでした

本作は今年4月にテレビドラマ化されて放映されたようです 私は見逃しましたが、さぞかし面白かっただろうと想像します


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