8日(水).昨日の新聞やテレビが大々的に「米探査機,火星着陸」を報じていました 米航空宇宙局(NASA)の火星探査機「キュリオシティ」が火星の赤道付近にあるクレーターへの着陸に成功したというニュースです キュリオシティ(”好奇心”という意味ですね)はカプセルに収められた状態で,秒速6キロのスピードで火星の大気圏に突入したとのこと.一気火星に突入したわけですね
閑話休題
昨日に続いてタルコフスキーです 渋谷のユーロスペースでアンドレイ・タルコフスキー監督「ストーカー」を観ました 原作はストルガツキー兄弟著「路傍のピクニック」で,1979年制作,カラー,163分の映画です.プログラムによると,SF愛好者なら知らぬ人のいないストルガツキー兄弟が,自らの原作をもとに脚本も執筆したとのことです ストーカーと言っても特定の誰かを追いかける迷惑千万な輩とは違います
隕石でも落ちたのか,大地に突然現れた空間「ゾーン」.そこには鉄条網が張りめぐされ警備隊が配備されています 「ゾーン」には願いが叶う”部屋”があるといわれているため,危険を冒してゾーンに入り込もうとする人々が絶えません 彼らを”部屋”に案内するのは”ストーカー(密猟者)”と呼ばれる部屋案内人の男です.そのストーカーは妻と足の不自由な幼い娘の3人家族で暮らしています.妻はストーカーである夫が”ゾーン”に行くことを嫌がっています 二度と戻って来られないと思っているからです.ある日,作家と大学教授の二人の男性が”部屋”まで案内するようストーカーに依頼してきます.3人は車で,途中から徒歩で”ゾーン”に向かいます
この映画を観ていて感じるのは,水のシーンが多いと言うことです.雨あり,湖あり,池あり,川あり
3人は”ゾーン”に行って帰ってきますが,果たして彼らはそれぞれの願いが叶ったのか,それは分かりません.ストーカーは妻と娘と再会し元の生活に戻ります.それこそ彼が望んでいたことなのでしょうか
最後のシーンで,娘がテーブルに顔を伏せているとき,汽車の振動でテーブル上のコップが動きます.その時突然,ベートーヴェンの第9交響曲の”喜びの歌”の合唱が響き渡ります.”百万の人々よ,兄弟になれ”という例の歌です プログラムの解説によれば,この映画は「規制の多いソヴィエト社会の暗喩と,そこに生きる人々の苦悩と未来への希望を描く」とあります.もし,そうだとすれば,第9の”喜びの歌”は,未来への希望の象徴と言えるのではないか
タルコフスキーは4年後の1983年に「ノスタルジア」を発表,その後イタリアに亡命します.あの第9は亡命の前兆だったのでしょうか
ユーロスペースの「タルコフスキー生誕80周年映画祭」は8月17日(金)まで,毎日午前11時から,午後2時から,午後6時15分からの3回上映されています.上映作品の詳細はホームページをご覧ください
私も断然,映画館派です.コンサートでも映画でも,わざわざ出かけて観に行くことに意義があると思っています
今見たら、最後まで見られるでしょうかね。
音楽は素直にそのままの音が耳に入ってきますが,映画は,とくにタルコフスキーのような映画は,観るとどうしても”解釈”しようと構えてしまいます.でも,本当のところは監督本人にしかその作品の”本意”は分からないのかもしれません.そう思って,もっと気軽に観てもいいのかも知れませんね
ストーカーって密猟者という意味なんですね…怖い(-.-)
でも面白そうです。私はタルコフスキーの映画は大学生の時に「サクリファイス」と「鏡」の二本立てで見ました。正直、難解過ぎてよくわからなかったですが、当時はそういうの(なんかインテリっぽいヨーロッパ映画)をたとえわからなくても観に行くのがマイブームだったんですね(笑)この手の映画はやはり時代背景とかよくわかってないと厳しいですよね…歴史を勉強すると理解が深まるかも。私もtora様を見習ってもっと勉強しなきゃいけませんね(-_-;)タルコフスキーがわかればショスタコも楽しめるようになるかな(笑)