5日(火)。大学のOB会に出席するため一時帰省していた息子が、神保町の古本市で古本を何冊か仕入れてきました 私が読み終わった本が何冊か溜まっていたので、興味がある本があれば持っていっていいよ、と伝えたら、ガブリエル・ガルシア・マルケス著「百年の孤独」をはじめ何冊かを選びました 古本と合わせると相当重くなったので、後日郵送してあげることにしました 息子は昨日午前の新幹線で白石に戻りましたが、本好きは遺伝かもしれません
ということで、わが家に来てから今日で3584日目を迎え、千葉県四街道市の住宅に侵入し、住人の男性に殴るなどの暴行を加え 現金1万3千円を奪った疑いで、千葉県警は3日、埼玉県志木市の自称会社員、金子雄汰容疑者(28)を強盗致傷の容疑で逮捕したが、同容疑者は「借金が増え、生活が困窮し、現金欲しさにやった」と容疑を認めている というニュースを見て感想を述べるモコタロです
借金を返すためなら強盗をやってもいいのか? 1万3千円で一生を棒に振るんだぞ
昨日、夕食に「ハッシュドビーフ」と「生野菜とアボカドとモッツアレラチーズのサラダ」を作りました 「ハッシュドビーフ」は久しぶりに作りましたが美味しかったです
三宅香帆著「ずっと幸せなら本なんて読まなかった 人生の悩み・苦しみに効く名作33」(幻冬舎新書)を読み終わりました 三宅香帆は文筆家、書評家。1994年 高知県出身。京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了 (株)リクルートで勤務する傍ら執筆活動を続けるが、「本を読む時間が欲しい」として独立 小説、古典文学、漫画、ドラマほかエンタメなどの幅広い分野で批評や解説を手掛け、活躍中 「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」「人生を狂わす名著50」「文芸オタクの私が教えるバズる文章教室」「娘が母を殺すには?」など著書多数
この作品は2019年9月に幻冬舎から刊行された「副作用あります!? 人生おたすけ処方本」に加筆・修正したものです つまり、著者本人曰く”25歳の小娘”の時に書いたものです
本書は次の各項目から構成され、それぞれの項目に沿った本が紹介されています
1.対処療法編 ~ この苦しみ、とにかくどうにかしたい
2.予防編 ~ 未然に防ぐ、これ大事!
3.変身編 ~ 自分を脱ぎ捨て、劇的に変わりたい!
4.滋養強壮編 ~ この1冊で、バッチリ元気!
この大見出しだけではイメージが湧かないと思うので、具体的にいくつかご紹介します
例えば「1.対処療法編 ~ この苦しみ、とにかくどうにかしたい」の中では、次のような作品(一部)が紹介されています
①怒られた日の夜に読む本 = 豊島ミホ著「夏が僕を抱く」
②女になりたいときに読む本 = 太宰治著「女生徒」
③不当な扱いを受けたときに読む本 = エミリー・ブロンテ「嵐が丘」
④友達とギクシャクしているときに読む本 = 辻村深月著「凍りのくじら」
⑤面白くない映画を観たあとに読む本 = レイ・ブラッドベリ著「華氏451度(新訳版)」
それぞれについて、なぜそのテーマにその本を紹介したかの理由が書かれています
「1.対処療法編」の中で興味深かったのは「ひとめぼれしたときに読む本」として紹介された浅田彰著「構造と力 記号論を超えて」です ここで著者が主張したいのは「難しい古典とか学術書とか、難しいと思っても、とりあえず読んでおく」ことの大切さです その理由は、「自分がむかし わけ分からんと思いつつ一度でも手に取った本って、もう一度読むのも、そこまで億劫じゃないから」だといいます つまり、この手の本は「難しい本を読んで背伸びをするモチベーションがあるときしか読めない」から読んでおくべきだ、という主張です これは著者が、これまで生きてきた人生よりもこれから生きる人生の方が圧倒的に長い25歳だからこそ言えることだと思います
また、「面白くない映画を観たあとに読む本」として紹介されたレイ・ブラッドベリ著「華氏451度(新訳版)」の処方として、著者は次のように書いています
「面白くない本を読んだあとと面白くない映画を観たあとほどの地獄はありませんよね が、そういうときこそディストピア文学を読みましょう 『本が燃やされる』世界で生きるくらいなら、面白くない映画のひとつやふたつ許してやるか、と思いません?」
どうやらこの本は「舞台は国家が読書を禁じ、見つけた本は焼かれる未来社会」のようです 面白そうなので読んでみたくなりました
著者は同じレイ・ブラッドベリによる「霧笛」という短編小説を「海に行く前日に読む本」として紹介していますが、興味深いことが紹介されています 日本発の古典的映画として有名な「ゴジラ」の元ネタがこの「霧笛」という小説だというのです 「舞台は、とある町の夜の海。そこにはたった1匹で海の底に住む怪物がいる。それはこの町の霧笛に惹かれ灯台に近寄って来る。かつて聞いていた仲間の鳴き声とそっくりだから」という内容とのことです これが1953年に映画「The Beast from 20,000 Fathoms」となり、それが日本で「ゴジラ」として映画化されたというのです 初めて知りました
著者は30歳となった2024年、「新書版あとがき」に次のように書いています。
「正直、今の私だったら、こんなこと書かないなあ と、読み返していて思うことだらけの本書でした あくまでも2019年段階の倫理観で書いたものなので、もしかすると今読むあなたにとっては、間違っていると感じることも多いかもしれない」
間違っているとは思わないものの、やはり人生経験が浅いなあ、と思う点が少なからずありました それでも、彼女の読書量とジャンルの広さには脱帽せざるを得ません それと、若さならではの”怖いもの知らず”の新鮮な感性は素晴らしいと思います
特に若い読者、もちろん気持ちが若いシニアの読者にもお薦めします
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます