29日(日)。N響のチケットを取りました。12月17日(木)午後7時からサントリーホールで開かれるコンサートで、プログラムは①プロコフィエフ:バレエ音楽「シンデレラ」(抜粋)、②チャイコフスキー「交響曲第4番ヘ短調」 指揮は井上道義です。すでに12月6日(日)の井上 ✕ N響の公演(ショスタコーヴィチ「交響曲第1番」、伊福部昭「日本狂詩曲」他)のチケットは取ってあります 今、井上道義は乗りに乗っています
ということで、わが家に来てから今日で2250日目を迎え、製薬大手の英アストラゼネカが、北朝鮮とみられるハッカー集団からサイバー攻撃を受けていたことが分かったが、同社が開発を手掛ける新型コロナウイルスワクチンの情報を狙った可能性があるものの 成功しなかった模様である というニュースを見て感想を述べるモコタロです
北朝鮮はコロナ感染者ゼロだと自慢してたよね? 新薬開発能力ゼロということか
昨日、東京オペラシティコンサートホールでバッハ・コレギウム・ジャパンの第140回定期演奏会を聴きました プログラムはベートーヴェン①交響曲 第5番 ハ短調 作品67 ”運命”、②ミサ曲 ハ長調 作品86 です 演奏は、②のソプラノ=中江早希、アルト=布施奈緒子、テノール=櫻田亮、バスー加来徹、管弦楽・合唱=バッハ・コレギウム・ジャパン、指揮=鈴木雅明です
今回も、コロナ禍を見据えて全員日本人による演奏となりました
(このチラシは別会場の本日の公演のものですが、内容は同じです)
下に掲げたのは1808年12月22日、オーストリアのアン・デア・ウィーン劇場で開かれたベートーヴェンのコンサート・プログラム(ほとんどが初演)です
①交響曲第5番「田園」(現在の第6番)
②アリア「Ah、Perfido」作品65
③「ミサ曲ハ長調作品86」より 「グロリア」
④ピアノ協奏曲第4番ト長調作品58
( 休 憩 )
⑤交響曲第6番ハ短調(現在の第5番)
⑥「ミサ曲ハ長調作品86」より「サンクトゥス」と「ベネディクトゥス」
⑦合唱幻想曲
つまり、この日BCJが取り上げる「交響曲第5番」と「ミサ曲ハ長調」は同じ日の同じコンサートで演奏されているのです
この演奏会の記録によると、当日は4時間以上も「暖房もない劇場で、少数の観客が寒さに耐えながら演奏を聴いた」とされており、失敗に終わったと言われています
さて、本番です。古楽器集団バッハ・コレギウム・ジャパンの編成は左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります コンマスは寺神戸亮、若松夏美は第2ヴァイオリンのトップに回ります 弦はBCJとしては規模が大きい 8・7・6・4・3で、弦だけで28人編成です。ホルンにはN響首席の福川伸陽、新日本フィルの藤田麻理絵がスタンバイします 木管楽器群は、オーボエの三宮正満、フルートの菅きよみ、前田りり子、ファゴットの村上由紀子といった常連が控えます コントラファゴットが異常に長く、バズーカ砲のごとく天井に向かってそびえています
1曲目は「交響曲 第5番 ハ短調 作品67 ”運命”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1807年から翌08年にかけて作曲しました 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「アレグロ」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります
鈴木雅明が指揮台に上がり第1楽章が開始されます 古楽器特有の柔らかな音が会場を満たします。やや速めの快速テンポで演奏が進みますが、自席が会場後方のせいか、控えめな演奏のように感じます ナチュラルホルンの福川、藤田の演奏が素晴らしい 第4楽章ではオーボエ、フルート、ピッコロ、クラリネット、ファゴットといった木管楽器群が冴えた演奏を展開します 第1楽章で「控えめな演奏」と感じていたのとは打って変わって、豊かな音量を伴ってオケ総力による渾身の演奏が展開します まさに、「苦悩を通しての歓喜」の爆発です
演奏を聴きながら、ベートーヴェンは初演の時、こういう音色で聴いていたんだろうな、と思いました
プログラム後半は「ミサ曲 ハ長調 作品86」です この曲は1807年に作曲、同年9月13日にエステルハージ公の邸宅で お抱えの音楽隊によって初演され、その後、上記の通り12月22日に抜粋して演奏されました 第1章「キリエ」、第2章「グローリア」、第3章「クレド」、第4章「サンクトゥス ~ ベネディクトゥス」、第5章「アニュス・デイ」の5つの章から成ります
オケの後方に いつもの2倍の34人のBCJ合唱メンバーが2列横帯で並び、その手前中央に4人のソリストがスタンバイします BCJ音楽監督・鈴木雅明のこの曲にかける意気込みを感じさせる布陣です
鈴木雅明の指揮で演奏に入ります 全体の印象としては第1章から第4章までは、さほどベートーヴェンらしさを感じない曲想ですが、最後の第5章は明らかに第4章までとは異質な印象を持ちました いかにもベートーヴェンといった感じです
歌手陣は4人とも絶好調と言っても過言ではありません
ソプラノの中江早希は北海道出身、東京藝大大学院修了、数々の音楽コンクール入賞歴がありますが、伸びのある高音が美しく、無理のない歌唱が印象に残りました
アルトの布施奈緒子は東京藝大大学院修了、バロック・オペラを中心に活躍していますが、確かな技巧に裏づけられた歌唱を披露していました
テノールの櫻田亮は今やBCJの看板歌手と言っても差し支えないほどの存在に成長しています 今回も力強い歌唱で会場を圧倒しました
バスの加来徹は実力と人気を伴った、BCJに無くてはならない存在になっています 今回も低音の魅力を発揮し聴衆を魅了しました
バッハ・コレギウム・ジャパンのコーラス陣は、①正確なドイツ語、②透明感のある歌唱で、本場ドイツでも一目置かれる存在ですが、この日の公演でも素晴らしい歌唱を披露してくれました 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパンのオーケストラがしっかりと彼らを支えました
終演後、大きな拍手の中、鈴木雅明がマイクを持って登場 「本日はこのような状況(コロナ禍)のなか、お出でくださいましてありがとうございました 海外においては、コンサートができない状況にあります そんな中、日本ではこうしてお客様をお迎えしてコンサートができるのは、まだマシだと思っています また、こうして演奏できること自体が何とも幸せなことだと思います ベートーヴェンは、この『ミサ曲ハ長調』を、ハイドンのミサ曲を意識して作曲したと言われていますが、アンコールにハイドンの『神の聖ヨハネのミサ・プレヴィス』から『アニュス・デイ』を演奏しますので、ベートーヴェンと如何に違うか確かめていただければと思います」とあいさつし、演奏に入りました
曲を聴いた感じでは穏やかな曲想で、モーツアルトの「ヴェスペレ」を思い浮かべました
この日のコンサートは、今から212年前の12月22日に開かれたコンサートで演奏された2曲をフィーチャーし、ベートーヴェンの生誕250周年を祝おうと意図したものでしたが、212年前とは違い、マスクを着用しながらも、快適な空調のもと寒さで震えることもなく、多くの聴衆が楽聖の音楽を心行くまで楽しんでいました
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