22日(日).昨夕,サントリーホールで東京交響楽団の第602回定期演奏会を聴きました プログラムは①マーラー「歌曲集:さすらう若人の歌」,②リスト「ファウスト交響曲」の2曲,①のバリトン独唱はヴォルフガング・ホルツマイア,②のテノール独唱はチャールズ・キム,男声合唱は東響コーラス,指揮は常任指揮者ユべール・スダーンです
1曲目のマーラー「歌曲集:さすらう若人の歌」は作曲者初めての本格的な連作歌曲集です 第1曲「恋人の婚礼の日」,第2曲「朝に野原を往けば」,第3曲「ぼくは燃える刃を抱え」,第4曲「恋人の碧い二つの瞳」の4曲からなりますが,作詞はマーラー自身が手掛けました きっかけは,マーラーが音楽監督を務めていたカッセル歌劇場のコロラトゥーラソプラノ歌手ヨハンナ・リヒターに失恋したことだと推測されています 彼が友人に当てた手紙でほのめかしているとのことです
バリトンのオーストリア生まれのヴォルフガング・ホルツマイアは,ウィーン,ベルリン,ロンドンなどの主要な歌劇場に出演しているとのことですが,マーラーの失恋の歌を軽くも深いバリトンで表情豊かに歌い上げます
マーラーの交響曲第1番に出てくるメロディーが,第2曲と第4曲に出現します.マーラーは,「さすらう若人の歌」と「交響曲第1番」をほぼ同時並行的に作曲していたのです
ゲーテの「ファウスト」はドイツやフランスの作曲家にも大きな影響を与えました 1840年にはワーグナーが「ファウスト序曲」を,1844年にはシューマンが「ファウストからの情景」を,1846年にはベルリオーズが「ファウストの劫罰」を,そしてリストが1857年に「ファウスト交響曲」を完成しています
管弦楽器,打楽器を中心に,第3楽章ではオルガン,テノール独唱,男声合唱が加わって大規模な編成に拡大,約70分にわたり演奏が続きます 第1楽章「ファウスト」,第2楽章「グレートヒェン」,第3楽章「メフィストフェレス」からなりますが,ゲーテの「ファウスト」の筋を描写したものではなく,ファウスト,グレートヒェン,メフィストフェレスの3人の人物像を描くことに重きが置かれています
とにかく,滅多にナマで演奏される機会のない曲なので,あらかじめホーレンシュタイン指揮BBCノーザン・シンフォニー・オーケストラによるCDで予習をしておきました にもかかわらず,非常に複雑な(いや,逆に単調な?)曲のようで,なかなかすんなりと頭に入ってきません 聴き馴染みがないので仕方がないのですが,メロディーを追っていくのが非常につらい曲でした マーラーではこんなことはまったくありません.まあ,要は”慣れ”の問題だと思いますが・・・・・・
演奏の方は,オーケストラの総力をあげた白熱の演奏で,とくに最終楽章のフィナーレでは,テノールと男声合唱約100人が両サイドから入場して演奏に加わり,マーラーの「千人の交響曲」を凌駕するかのような迫力で聴衆を圧倒しました
終演後,会場割れんばかりの拍手とブラボーが,滅多に取り上げられない大曲=「ファウスト交響曲」を見事に再現した指揮者とソリストとコーラスとオーケストラを包み込みました
でも、私も行っちゃうと思います。会社は休んでもコンサートはあきらめられません…あ、tora様はちゃんと会社にも出社されてますね(^-^;私も仕事は一応真面目にやってますよ。先日のコンサートのハシゴの日は有給休暇でした♪
今月はもう予定がなくて寂しいんです(;_;)