13日(金).昨日,池袋の新文芸坐で「さすらいの女神たち」と「家族の庭」の2本の映画を観ました ここでは「家族の庭」を中心に書きます
「家族の庭」は2011年秋に日本で公開されたイギリス映画.監督はマイク・リーです
「地質学者トムと医学カウンセラー,ジェリーの夫婦は,休日には市民農園でガーデニングを楽しみながら,穏やかな毎日を過ごしています 一人息子のジョーは30歳ですが,恋人がいません 夫婦のもとに,ジェリーの職場の同僚メアリーや,古くからの友人ケンなどが気軽に訪れてきます.ケンは孤独な人生を嘆き,メアリーは男運のなさを嘆いて酒におぼれ,乗用車を買って憂さをはらすものの,自分自身のせいで廃車に追い込まれて落ち込みます.さらに密かに想いを寄せていたジョーに恋人が現われ,ますます落ち込んでいきます」
何と言ってもトム役のジム・ブロードベントとジェリー役のルース・シーンが渋くも素晴らしい演技ですが,それを上回るほど凄いと思ったのはメアリー役のレスリー・マンヴィルの演技です もう若くない中年女性の悲哀を顔の表情や身体全体で表し,見る者の同情を引き,共感を誘います
物語は春,夏,秋,冬と4つに分かれて進みます.春に撒いた種は秋には実となって収穫されます 原題は「アナザー・イヤー」です.幸せなトムとジェリーから観た1年は,孤独なメアリーやケンから観たらまったく違った1年になります.観終わった後で,メアリーとケンにも幸せが訪れんことをと切に思いました
なお,この音楽では残念ながらクラシック音楽は使われていませんでした 一方,「さすらいの女神たち」は旅役者のドサ回りの物語とでもいうべき映画ですが,ロックがガンガン流れるような基調の中,なぜかモーツアルトの歌劇「魔笛」序曲の冒頭の和音と,パパゲーノのアリアが流れてきて驚きました
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます