14日(月)。昨日、東京文化会館でウィーン・フォルクスオパー来日公演、J.シュトラウスⅡ世のオペレッタ「こうもり」を観ました キャストはアイゼンシュタインにセバスティアン・ラインターラー,ロザリンデにエリーザべト・フレヒル,アデーレにベアーテ・リッター,イーダにマルティナ・ドラーク,ファルケ博士にダニエル・シュムッツハルト,オルロフスキー侯爵にアレクサンドラ・クル―ゼ、アルフレートにヴィンセント・シルマッハー、イワンにハインツ・フィッカ,フランクにクルト・シュライプマイヤ―、フロッシュにロベルト・マイヤー,ブりント博士にロマン・マルティンです と,名前を連ねてみましたが,私はただの一人も知りません
演奏はウィーン・フォルクスオパー管弦楽団、同合唱団、ウィーン国立バレエ団で、指揮はアルフレート・エシュヴェ,演出はエンハインツ・ツェドニクです。舞台設定からして極めてオーソドックスな演出です
会場ロビーでプログラムを買いました.予想通り1冊2,000円です 立派な装丁で写真もふんだんに載っているので,まあ2,000円も仕方ないか,と思いますが,やっぱり高いな
自席は1階25列19番で,後方ながらほぼ会場の中央の席.会場はほぼ満席です.エシュヴェの指揮で軽快な序曲が始まります
最初に女中のアデーレ役のベアーテ・リッターが登場しますが,彼女は当初姉のイーダを歌う予定だったのが,アデーレ役を歌う予定のボブロが出演できなくなったため”配役変更”となったものです.このリッターが,歌といい演技といい素晴らしいのです
次いでロザリンデ役のエリーザベト・フレヒルが登場しますが,歌はもちろんのこと,コミカルな動きが素晴らしく,まさに”喜歌劇こうもり”に相応しいヒロインを演じていました.とくに第2幕で歌うチャルダーシュ「ふるさとの調べよ」は感動的でした
アイゼンシュタイン役のセバスチャン・ラインターラーは,ファルケ博士のしかけた罠にはまる役柄を楽しく演じ,歌いました
特筆すべきはオルロフスキー公爵を歌ったアルクサンドラ・クルーゼの存在感でしょう.ダイナミックな公爵役を見事に演じていました
そして,フロッシュを歌ったロベルト・マイヤー 彼は2007年9月からウィーン・フォルクスオパーの監督の地位にあります.監督自ら出演し,酔っぱらいの看守役を務めます.並みの歌手では務まらない高度な演技力が求められますが,彼はウィーン国立歌劇場でも歌った経験を生かして,見事に酔っぱらいフロッシュを演じ,観客の笑いを誘っていました
もう一つ感激したのはウィーン国立バレエ団によるバレエです これまで,ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートのテレビ映像でしか観たことのないウィーン国立バレエ団によるバレエを生で観ることができました 第2幕のオルロフスキー公爵邸の豪華な広場で,「ピチカート・ポルカ」に合わせて男女10人ずつで踊るのですが,実に美しく思わず見とれてしまいます イーダ役のドラークもバレエ団に混じって踊るのですが,これがすごく上手なのです.観る限りバレエの経験があると思われる軽やかな身のこなしです
2回目の登場は同じ第2幕で,ポルカ「雷鳴と電光」に合わせて踊ります.こういう美しいバレエを観るとウィーンに憧れてしまいます ウィーン国立歌劇場かウィーン・フォルクスオパーで観てみたい
ところで,かつて何回か観たことのある新国立オペラによる「こうもり」公演と比べて,決定的に違うと感じたのは言葉の違いです.このオペレッタはセリフの部分が多くドイツ語で上演されるのですが,歌っているときはそれほど違いを感じないものの,セリフの部分になると途端にその違いが明らかになります多くの歌手がドイツ・オーストラリア出身ということもあり,この日の公演はウィーン情緒たっぷりの公演だったと言えます 前述のとおり,私はこの日の出演者を一人も知りませんが,一人一人が歌も演技も素晴らしく,実に感動的でした いかにウィーン・フォルクスオパーの水準が高いかを見せつけられた公演でした
閑話休題
私の右隣りの男性が,歌手の歌が終わるたびに低い声で「ボー」と声を上げるのです どこかで聞き覚えのある声だ,と思って考えたら,東京交響楽団のサントリーホール定期公演の自席の後ろの席で低い声で「ボー」と叫んでいる人と同じ声であることがわかりました この人の声援は「ブラボー」が「ボー」に聞こえるのです.もっとも男性だから「ブラ」を外してもいいわけか,と一人納得したりして・・・・・声の質からもっと高齢の太った人かと想像していましたが,普通の中年男性でした いつか,別のコンサートでもこの人の声を近くで聞きました.ひょっとすると,同じ神保町の三省堂内のチケットぴあでチケットを買っているのかも知れません.これからは別のプレイガイドで買おうかな・・・・・・・いや,別に嫌ではないのですが・・・・・何となく,ね
声の出元を探るなんて、少年探偵団ですね。
本場の舞台は、上手さもさることながら、全体の雰囲気が違うのでしょう。
客も建物も、、と願えばきりがないのですが、、。
イタリア人がメトロポリタンオペラを馬鹿にするのも
所詮、まがい、、なんでしょう。
(私には十分でございます)