人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

METライブビューイングでヴェルディ「アイーダ」を観る ~ フランコ・ゼッフィレッリの絢爛豪華な演出に別れを告げ、37年ぶりの新演出で臨む:アイーダにエンジェル・ブルー

2025年03月05日 00時04分58秒 | 日記

5日(水)。わが家に来てから今日で3704日目を迎え、トランプ米大統領が目指す関税引き上げや政府職員削減が、堅調さを保つ米景気に冷や水を浴びせるとの懸念が浮上している  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     言いたい放題 やりたい放題で 世界中を引っ掻き回すトランプを 止める者はいない

    昨日は夕食に「ビーフカレー」と「生野菜とモッツアレラチーズのサラダ」を作りましたが、残念ながら写真投稿が出来ません   

         

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、ヴェルディ「アイーダ」を新演出で観ました これは2025年1月25日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です 出演はアイーダ=エンジェル・ブルー、ラダメス=ピョートル・ベチャワ、アムネリス=ユディット・クタージ、アモナズロ=クイン・ケルシー、ラムフィス=モリス・ロビンソン。合唱=メトロポリタン歌劇場合唱団、管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、指揮=ヤニック・ネゼ=セガン、演出=マイケル・メイヤーです

オペラ「アイーダ」はジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)がパナマ運河開通を記念してエジプトに建てられたカイロ歌劇場のこけら落としのために作曲、1871年に同歌劇場で初演されました

物語の舞台はファラオの時代のエジプト。エジプトとエチオピアが戦いに明け暮れている エジプトの捕虜となり、身分を隠して王女アムネリス付きの奴隷になっているエチオピアの王女アイーダは、敵方の将軍ラダメスと恋に落ちていた やはりラダメスを愛しているアムネリスは、2人の仲を疑う ラダメス率いるエジプト軍がエチオピアに勝利し 凱旋してくるが、捕虜の中にはアイーダの父でエチオピア王ァモナズロの姿もあった    再起を狙うアモナズロは、アイーダを使ってラダメスからエジプト軍の進路を聞き出す 反逆罪で捕らわれたラダメスは、アムネリスの助けも拒み 神殿の地下牢に閉じ込められるが、そこには忍び込んで隠れていたアイーダがいた。2人は地下牢の中で息を引き取る

METの「アイーダ」といえば、これまでフランコ・ゼッフィレッリによる絢爛豪華な演出・舞台が定番で、強いインパクトで繰り返し上演されてきました 日本の新国立劇場でも杮落し公演をはじめ何度か上演されてきました 今回のMET「アイーダ」の大きな特徴は、36年ぶりの新演出による公演であることです マイケル・メイヤーの演出は、考古学者がエジプトの古い遺跡を探検するという設定になっており、古代エジプトと現代とが微妙に交差しながら進んで行きます ただし、演出は音楽を邪魔していません

舞台装置・衣装の絢爛豪華さにおいて、マイケル・メイヤーの演出はゼッフィレッリに負けず劣らずだと思います 一番の違いは2幕でアイーダ・トランペットが活躍する「凱旋行進曲」のシーンです ゼッフィレッリの演出は、勇壮な音楽に乗って 次から次へと兵士の行進が途切れないばかりか、生きた馬も登場して聴衆を驚かせます それに対し、マイケル・メイヤーの演出では、考古学者たちが様々な出土品を運びながら行進していくという内容になっています メイヤーにとって この場面が演出上一番苦労したのではないか、と察します   また、ラストのアムネリスの自害は、まさに新演出の真骨頂だと思います

アイーダ役のエンジェル・ブルーは1984年カリフォルニア州生まれのソプラノです UCLAで音楽博士号を取得。ロサンゼルスの若手アーティスト育成プログラムに参加後、国際的キャリアをスタートさせた METライブでは2019-20シーズン「ポーギーとべス」、23-24シーズン「つばめ」に出演 フォルティシモからピアニッシモまで、卓越したヴォイスコントロールによる美しい歌唱により、ヒロインの心情を感情表現豊かに歌い上げました

ラダメス役のピョートル・ベチャワは1966年ポーランド生まれのテノールです METでは デビュー以来18年間で16役を歌ったという大ベテランです 情熱的な歌唱によりラダメスの愛と悩みを表出しました

アムネリス役のユディット・クタージはルーマニア出身のメゾソプラノです 「アムネリス」役はこれまで60公演以上で歌っているだけあって、登場しただけで存在感があります 深みと艶のある歌声で聴衆を魅了しました この日の公演で一番印象に残りました

アモナズロ役のクイン・ケルシーは1978年ハワイ生まれのバリトンです 説得力のある歌唱でエチオピア王の存在感を示しました

ラムフィス役のモリス・ロビンソンは1969年ジョージア州アトランタ生まれのバスです 深みのある低音の魅力を発揮しました

特筆すべきはメトロポリタン歌劇場合唱団の迫力あるコーラスです また、ヤニック・ネゼ=セガン指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団は、歌手に寄り添いながら、アイーダの悲しみ・苦悩、ラダメスの葛藤を歌い上げました また、私が大好きな第2幕で踊られるバレエの音楽も躍動感に溢れて素晴らしかった ただ、出来れば女性ダンサーに踊ってほしかったです

いずれにしても、今回の公演はMETの水準の高さを示す素晴らしいパフォーマンスでした


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