13日(土)。昨日の日経夕刊「クラシック評」で音楽評論家・江藤光紀氏がMETオーケストラ(メトロポリタン歌劇場管弦楽団)来日公演を取り上げていました プログラムは①ワーグナー「さまよえるオランダ人」序曲、②ドビュッシー「ペレアスとメリザンド」組曲、③バルトーク「青ひげ公の城」で、指揮は音楽監督ヤニック・ネゼ=セガンです 大好きなエリーナ・ガランチャが出演するので余程チケットを取ろうと思いましたが、歌うのが「青ひげ公の城」だったので止めました もっとポピュラーな楽曲だったら聴きに行ったと思います 来年6月には来日しリサイタルを開くというので、その時は万難を排して聴きに行くつもりです ところで、江藤氏の評によると、METオケの来日公演は「東日本大震災の年から13年ぶり」とのことです
私は13年前=2011年6月にMET来日公演を聴いています 次の3公演です
①プッチーニ「ラ・ボエーム」=ファビオ・ルイージ指揮。マリウシュ・クヴィエチェン、ピョートル・ベチャワ、バルバラ・フリットリ、スザンナ・フィリップス他
②ヴェルディ「ドン・カルロ」=ファビオ・ルイージ指揮。マリーナ・ポプラフスカヤ、ヨンフン・リー、ディミトリ・ホロストフスキー、ルネ・パーペ、エカテリーナ・グバノヴァ他
③ドニゼッティ「ランメルモールのルチア」=ジャナンドレア・ノセダ指揮。ディアナ・ダムラウ、ジェリコ・ルチッチ、イルダール・アブドラザコフ、ピョートル・ベチャワ他
いずれも当時のMETを代表する超一流の歌手陣です しかし、今でも忘れられない悔しい思い出は、「ラ・ボエーム」でミミを歌うはずだったアンナ・ネトレプコが、東日本大震災に伴う東電の原発事故を受けて来日しなくなったことです 私がこの公演のチケットを取ったのは彼女の歌を聴くためだと言っても過言ではなかっただけに心底ガッカリしました 代わりにバルバラ・フリットリがミミを歌いました。ネトレプコは当時 乳幼児を抱えていたので、チェルノブイリ原発事故を経験した国の出身者として日本行きには不安があったと聞いています 諦めるしかありませんでした また、オルガ・ボロディナ、ヨナス・カウフマン、ジョセフ・カレーヤも来日しませんでした 一方、「ランメルモールのルチア」でタイトルロールを歌ったドイツ出身のディアナ・ダムラウは乳児とともに来日し、立派にヒロインを歌い上げました
2011年の来日公演で忘れられないのは「ドン・カルロ」でロドリーゴを歌ったロシア出身のディミトリ・ホロストフスキーです 艶のあるバリトンが魅力で、とにかくカッコいい 残念ながら、その6年後の2017年11月に脳腫瘍のため世を去りました もっともっと聴きたかった歌手です
ということで、わが家に来てから今日で3469日目を迎え、米大統領選の進退が注目されるバイデン大統領(81)は11日、約8か月ぶりの単独記者会見に臨んだが、ハリス副大統領の資質について問われて「トランプ副大統領を」と名前を言い間違え、会見直前の演説でもウクライナのゼレンスキー大統領を「皆さま、プーチン大統領です」と紹介し、間違いに気づき「ゼレンスキー大統領だ。プーチン大統領を倒すことに集中し過ぎていた」と慌てて釈明する一膜もあった というニュースを見て感想を述べるモコタロです
これは致命的な失言だ 政敵トランプを利するだけ 民主党はもしトラを避けられる?
昨日、夕食に隔週金曜のローテにより「鶏の唐揚げ」を作りました 今回も外カリカリ内ジューシーに仕上がり、とても美味しかったです 2週間に一度のビールも美味しかったです
柚月裕子著「チョウセンアサガオの咲く夏」(角川文庫)を読み終わりました 柚月裕子は1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビュー 13年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞、16年「孤狼の血」で第69回日本推理作家協会賞を受賞 著書に「孤狼の血」シリーズ、「佐方貞人」シリーズ、「パレートの誤算」「月下のサクラ」「あしたの君へ」など多数
本書は2022年4月にKADOKAWAから刊行され、2024年4月に文庫化された著者初のオムニバス短編集で、初期の作品を中心に次の11編が収録されています
「チョウセンアサガオの咲く夏」・・老いた母親を献身的に介護し続ける娘の隠された楽しみは?・・・という話です。趣味は園芸という娘の”承認欲求”の行きつく先はここまで行くか、という怖い話です
「泣き虫の鈴」・・・郷里を出て養蚕業を営む豪農で働く12歳の少年が、瞽女(ごぜ)の少女に出逢ったときの人間ドラマを描いた作品です
「サクラ・サクラ」・・・パラオ共和国のペリリュー島に旅行に来た青年が、日本語で「さくら さくら やよいの空に~」と歌う老人と出逢う話です
「お薬増やしておきました」・・・大学病院の精神科で看護師として働く女性が、自分が女医であると思い込んでいる患者に接した時の話。思わずニヤリとします
「初孫」・・・不妊外来を受診して1年後に妊娠して出産した子どもの血液型をDNA鑑定で調べると、父親である自分と親子関係にないことが分かった しかし、血縁者であることも分かった。それはどういうことか という話です。これ、短編映画にしたら面白そうです
「原稿取り」・・・大作家の原稿を取りに行った編集者が電車の中でスリに遭い、原稿を奪われてしまう なぜか大作家は怒らずもう一度原稿を書くことを受け入れてくれた。それは何故か? という話です 筒井康隆が書きそうなストーリーです
「愛しのルナ」・・・ルナという名の可愛い猫を動画サイトに投稿している女性が、「ペットは飼い主に似ているといいます。投稿者もルナのように可愛いんでしょうね」とのコメントを受けて、ルナと自分の顔をアップするという話です さて投稿者はどんな顔の持ち主でしょうか
「鳴く猫」・・・真紀が亡き母の住んでいたアパートに行くと、見知らぬ猫がやって来る🐈 真紀はかつて母親に捨てられたことから交流がなかったが、母親の友人の話では、その猫にマキという名前を付けて呼んでいた、という話です
「影にそう」・・・「泣き虫の鈴」に出てきた瞽女の少女が、何故自分だけが厳しく躾けられるのかを悟る話です 教訓は「可愛い子には旅をさせよ」です
「黙れおそ松」・・・赤塚不二夫のギャグ漫画「おそ松くん」を原作に、主人公の六つ子を小学5年生から20歳のニートに設定変更したテレビアニメ「おそ松さん」ですが、本作は文芸カルチャー誌「ダ・ヴィンチ」の「おそ松さん」特集のために書きおろされたものです🍢 著者には珍しくギャグをかましています
「ヒーロー」・・・検事・佐方貞人の仕事を補佐する、検索事務官として働く増田陽二を主人公にしたスピンオフ作品です 高校時代の柔道部監督の告別式に参列したところ、柔道部仲間で、かつて自分を支えてくれた「ヒーロー」伊達将司と再会する 同級生の木戸彩香を交えて飲みに行くと、伊達は大阪府警で刑事をやっていると話し出したが、違和感が生じる 先に退席した伊達を追いかけて問い詰めると、伊達はかつて人を殴り前科者になっており、定職には就かず時給にの仕事を転々としていることが分かる 伊達は投げやりの態度を取るが、増田は学生時代の自分たちのヒーローを引き合いに出して励ますという話です
これらの作品を読むと、柚月裕子の初期の頃の作品の中に、後の多くの作品に共通する「人を思いやる心」を感じ取ることが出来ます
toraブログでは柚月裕子の文庫化されたすべての作品(下記)をご紹介しました
「臨床真理」「蟻の菜園~アントガーデン」「慈雨」「盤上の向日葵(上・下)」「朽ちないサクラ」「月下のサクラ」「合理的にあり得ない」「パレートの誤算」「ウツボカズラの甘い息」「あしたの君へ」「孤狼の血」「狂犬の眼」「暴虎の牙(上・下)」「小説 孤狼の血 LEVEL2」「最後の証人」「検事の本懐」「検事の死命」「検事の信義」。「ふたつの時間、ふたりの自分」(エッセイ)
柚月裕子の作品には、次の作品を読みたくなる魅力があります
柚木裕子の作品は扱うジャンルが幅広いですね
大宮は大学の教養課程のため1年間通ったので懐かしいです
これからもコメントをお寄せくださると嬉しいです
法廷物とか人間の深層心理を描いた作品は好きですね。
現在住んでいる大宮が出てくる「盤上の向日葵」は印象に残っていますが、
大宮には山がないのに何故ここにしたのか(死体を埋めた)疑問が残りました。