3日(日)。昨日、上野の東京藝大奏楽堂で「東京芸術大学室内楽コンサート2012 ライプツィヒ弦楽四重奏団を迎えて」を聴きました 曲目は①ハイドン「弦楽四重奏曲第38番変ホ長調」、②ブラームス「ピアノ四重奏曲第2番イ長調」、③メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲変ホ長調」で、③にライプツィヒ弦楽四重奏団のメンバーが加わります
ちょっと昼寝をしていて出足が遅かったので,会場到着が開演15分前になりました 全自由席なので通路側席が押さえられていました しかたなく1階18列9番(通路から4番目)に座りました.会場は8~9割方埋まっています
1曲目のハイドン「弦楽四重奏曲第38番」は1781年に書かれた6曲の弦楽四重奏曲のうち2番目の曲ですが,最終楽章の曲末の性格から「冗談」という愛称で呼ばれています
この曲を演奏するのは東京芸大4年に在学中の俊英4人です.石田紗樹(第1Vn)は淡いグリーン,下田詩織(第2Vn)は淡いオレンジ,松村早紀(Va)は淡いパープルのドレス,山本直輝(Vc)は上下黒のスーツで登場です
第1楽章が始まると石田が他の3人に語りかけるように身体を左に乗り出して演奏します.この人は表情が豊かです 最後の第4楽章のフィナーレは,「これで終わりか」と思っていると,また演奏が始まり,「今度こそ終わりか」と思うと,またしても演奏が始まる,というパターンが3~4回繰り返されて,やっと終わります.これが「冗談」のニックネームの由縁です.そういう雰囲気が良く出た演奏でした
2曲目のブラームス「ピアノ四重奏曲第2番」を演奏するのは,松原勝也(第1Vn),市坪俊彦(第2Vn),菊地知也(Vc),日下知奈(ピアノ)という室内楽のプロの集まりです 曲目も演奏者も「子供から大人へ変わった」という印象です
ブラームスはピアノ四重奏曲を3曲作りましたが,この曲も他の2曲と同様に1855年ごろに着想されたと言われています.このころブラームスはシューマンの妻クララへの愛を募らせていた時期と言われていますが,そんな情熱がほとばしる曲想です.この曲はピアノが重要な役割を担いますが,日下知奈は充分その役割を果たしていました
3曲目のメンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」は1825年,メンデルスゾーンが16歳の時に作曲した傑作です.日本人演奏家の長尾春花(Vn),對馬哲男(Vn),多井千洋(Va),島根朋史(Vc)は東京芸大大学院1~2年在学生で,これにライプツィヒ弦楽四重奏団員が加わります アルツベルガ―(第1Vn),ビュニング(第2VN),バウアー(Va),モースドルフ(Vc)の4人ですが,このうちモースドルフを除く3人はライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンサートマスターや首席を務めた実力者です
舞台上は日本人演奏家とゲヴァントハウスSQのメンバーが交互に座る編成で,コンマスは紅一点の長尾春花が務めます 長尾春花の演奏は数年前にドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲を聴いたことがあります.小さな身体ですが,全身で他の7人をリードします
8人の演奏を聴いていると「青春の息吹」を感じます.なにしろメンデルスゾーンが16歳の時に作った曲ですから やっぱり彼は天才でしたね
演奏が終わって8人が一列に並んで声援に応えましたが,長尾があまりにも小柄なので,大人の中に小学生が一人混じっているという感じがします でも,音楽は背の高さではありません.彼女はよくリードして懸命に演奏していました
〔おまけ〕
芸大に行く途中の上野公園では噴水が目を楽しませてくれていました
噴水前の広場では「さつきフェスティバル」を開催していました
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