人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

福田和代著「ディープ フェイク」を読む ~ フェイク画像により貶められた教師の怒りを描く / ブレイディみかこ著「他者の靴を履く」、堤未果著「国民の違和感は9割正しい」他を買う

2024年05月21日 00時01分01秒 | 日記

21日(火)。手元の本が残り1冊になったので、いつものようにジュンク堂書店池袋本店で10冊購入しました

1冊目はブレイディみかこ著「他者の靴を履く」(文春文庫)です 著者の本は「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」をはじめとして、文庫化された作品はすべてご紹介してきました 本書は文庫最新刊です

     

2冊目は津村記久子著「ポトスライムの舟」(講談社文庫)です この著者の本は、先日「この世にたやすい仕事はない」を読んで面白かったので、著者に興味を持ち他の作品も読んでみたくなりました 今回は3冊まとめて購入しました

     

3冊目は同じく津村記久子著「つまらない住宅地のすべての家」(双葉文庫)です

     

4冊目はまたまた津村記久子著「やりたいことは二度寝だけ」(講談社文庫)です 著者の初エッセイ集とのことです

     

5冊目は高原英理著「不機嫌な姫とブルックナー団」(講談社文庫)です この本はタイトルに騙されて、もとい、タイトルに惹かれて購入しました

     

6冊目は原田ひか著「ランチ酒 今日もまんぷく」(祥伝社文庫)です 著者の「ランチ酒」シリーズはこれまでもご紹介してきましたが、文庫最新刊です

     

7冊目は垣内美雨著「七十歳死亡法案、可決」(幻冬舎文庫)です シュールなタイトルに惹かれて購入しました

     

8冊目は林真理子著「小説 8050」(新潮文庫)です 「8050(はちまるごーまる)」つまり50歳が80歳を介護する「老老介護」問題をテーマにした小説です

     

9冊目は堤未果著「国民の違和感は9割正しい」(PHP新書)です 「お金、人事、歴史」の3つから違和感の正体と身を守る秘策を明かすーというのがキャッチフレーズです

     

最後の10冊目は田原総一朗著「全身  ジャーナリスト」(集英社新書)です 「最高齢にして最前線にいるジャーナリストによるオーラルヒストリー」というのが売り文句です

     

いずれも読み終わり次第、このブログでご紹介していきます

ということで、わが家に来てから今日で3416日目を迎え、全米ライフル協会(NRA)は18日、トランプ前大統領への支持を表明したが。トランプ氏は同日、テキサス州で開かれたNRAの集会で、「皆さんの権利と自由のために立ち上がる」と語り、銃の所有者らに投票を呼びかけた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     環境問題といい 銃規制問題といい トランプは世界の潮流に逆行する姿勢を隠さない

 

         

 

昨日、夕食に「チキンカレー」と「生野菜サラダ」を作りました 本当はバターチキンカレーを作りたかったのですが、市販のルーが売り切れだったので、いつものバーモント ✕ ゴールデンのミックスにしました

 

     

 

         

 

福田和代著「ディープ  フェイク」(PHP文芸文庫)を読み終わりました 福田和代は1967年、神戸市生まれ。神戸大学工学部卒業後、システムエンジニアとなる。2007年「ウィズ・ゼロ」でデビュー。「ハイ・アラート」は大藪春彦賞候補となる 「怪物」はテレビドラマ化され話題となる

本書は2021年10月にPHP研究所から刊行された作品に加筆・修正を行ったものです

「鉄腕先生」としてテレビのコメンテーターとしても活躍する中学教師の湯川はある日、自分と女生徒がホテルで密会したという記事が週刊誌に掲載されていることを知る さらに、ディープフェイク(AIによる画像合成技術)で作られた、湯川が生徒に暴力を振るう動画もSNS上で拡散し、ネット上では湯川への批判があふれ大炎上する このため湯川は学校から出勤停止命令を受け、テレビ番組も降板させられる まったく身に覚えのない湯川は、誰がどういう動機で自分を貶めたのかを、数少ない知人や弁護士の力を借りながら突き止めるべく奮闘する

 

     

 

本書で語られているのは、「自分の身に覚えがないことでも一度SNSにアップされた情報はあっという間に拡散し、取り消しが利かない。反論すれば炎上が待っている そしてあらゆる方面で信用を失い 平穏な日常生活が出来なくなる」ということです 誰が書き込んだかを突き止めるには、多大な費用と相当な時間がかかることを覚悟しなければなりません 一番いいのは他人から恨みを買うような行動をしないことですが、どんな行動が恨みを買うのか誰にも分かりません 湯川のケースは”嫉妬”が絡んだ事件だったわけですが、人の心の中は読むことはできません

ネット上の誹謗中傷について今年1月9日付の日本経済新聞(Net)は次のように報じています

「SNSなどで名誉を傷つけるような悪質な投稿が社会問題になっている 総務省が運営委託する『違法・有害情報相談センター』に寄せられた相談件数は2022年度は5745件と、8年連続で5000件を超えた 22年度の相談のうち8割が個人からだった。名誉や信用を損なう投稿への相談が半数に上がった 20年に女子プロレスラーの木村花さんがSNSで中傷された後に亡くなった事件を機に、対策を目的とした法改正が進んだ 22年7月に施行した改正刑法で侮辱罪を厳罰化する手続きを簡素化した ネット空間を安心して利用できる環境整備に向けた民間による自主的な取り組みもある。23年6月には米グーグルの日本法人やユーチューバー事務所のUUUMなどが参加し、中傷対策を始めた LINEヤフーは人工知能(AI)などを活用し、ニュース配信サービス『ヤフーニュース』のコメント欄で不適切な投稿を削除し、一定の効果を上げている

しかし、現実問題として いくら法律を厳罰化しても、プロバイダーが中傷対策をしても、匿名性をいいことに人を誹謗中傷する悪意に満ちた人間はどこにもいます われわれ一般市民としては、Net上の怪しい情報は少なくとも”拡散しない”ことが肝要だと思います また、自分がSNSで誹謗中傷された時には、総務省の「国民のためのサイバーセキュリティーサイト」に書かれた「該当箇所の削除請求」などの対応策を読んで対策を施すことが肝要だと思います

本書は425ページの長編小説ですが、先が読めない展開に読む手が止まりませんでした 本書を読んで「ディープ  フェイク」の実態がよく分かるとともに、SNSやブログなどで情報発信する際には、他の人を誹謗中傷していないかなど、十分留意したうえでアップしなければならないと思いました

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小泉和裕 ✕ 新日本フィルでベートーヴェン「交響曲第8番」、チャイコフスキー「交響曲第4番」を聴く ~ 第656回定期演奏会:第1ヴァイオリン堀内麻貴さん退団

2024年05月20日 00時01分03秒 | 日記

20日(月)。わが家に来てから今日で3415日目を迎え、金正恩総書記の妹・与正氏は17日、北朝鮮がロシアと兵器の取引を行っているとの指摘について、「最も荒唐無稽な憶測だ」と否定した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     国連機関がウクライナで北朝鮮製の兵器が使われたと報告している  荒唐無稽は誰?

 

         

 

昨夜、サントリーホールで新日本フィル「第656回定期演奏会」を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「交響曲第8番 ヘ長調 作品93」、②チャイコフスキー「交響曲第4番 ヘ短調 作品36」です 指揮は新日本フィル初代音楽監督を歴任した小泉和裕です

先月の定期演奏会が他公演とダブったためトリフォニー・シリーズに振り替えたので、今回が新シーズン初めてのサントリー・シリーズ定期の指定席です

 

     

 

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いうもの新日本フィルの並び コンマスは伝田正秀、隣はアシスタント・コンマスの立上舞です

1曲目はベートーヴェン「交響曲第8番 ヘ長調 作品93」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1811年から12年にかけて作曲、1813年にルードルフ大公邸で私的に初演され、1814年2月27日にウィーンのレドゥーテンザールで公開初演されました この曲はベートーヴェンにしては規模が小さく、第3楽章にメヌエットを置いていることから、古典派回帰か?と思われるのが特徴です 第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ・エ・コン・ブリオ」、第2楽章「アレグレット・スケルツァンド」、第3楽章「テンポ・ディ・メヌエット」、第4楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

小泉が指揮台に上がり第1楽章に入りますが、「相変わらず、変わらないなぁ」と思ったのは、まるで指揮台に根が生えたかのように両足を固定して、演奏中は全く足を動かさないのです そして、ほとんど上半身だけで指揮をします 指揮の振りは大きく、ほとんどカラヤンの振りにそっくりです 1973年カラヤン国際指揮者コンクールで第1位となり、ベルリン・フィルを指揮してベルリン・デビューを飾ったことと無関係ではないでしょう

冒頭から極めて速いテンポですっ飛ばします 弦楽セクションのアンサンブルがとても美しい 第3楽章「テンポ・ディ・メヌエット」の「トリオ」で小泉はテンポを落とし、ホルンに存分に歌わせましたが、この演奏は聴きごたえがありました 第4楽章では、固いマレットで打ち込まれるティンパニが心地よいリズムを刻むなか、管弦楽によるメリハリのある演奏が繰り広げられました

この曲で小泉が目指したのは、作品規模に応じた小規模編成のオケによる”軽め”の演奏ではなく、現代の大規模編成によるオケによる”重厚感”溢れる演奏だったように思います

 

     

 

プログラム後半はチャイコフスキー「交響曲第4番 ヘ短調 作品36」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1877年から78年にかけて作曲、1878年2月10日にサンクトペテルブルクで初演されました 第1楽章「アンダンテ・ソステヌート ~ モデラート・コン・アニマ ~ モデラート・アッサイ、クアジ・アンダンテ ~ アレグロ・ヴィーヴォ」、第2楽章「アンダンティーノ・イン・モード・ディ・カンツォーナ」、第3楽章「スケルツォ:ピッツィカート・オスティナート:アレグロ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・コン・フォーコ」の4楽章から成ります

良く知られているように、チャイコフスキーは1877年から14年間、富豪の未亡人であるナジェンダ・フォン・メック夫人から金銭的援助を受けながら作曲活動を行いました 2人は一度も会ったことがなく、夫人は何の見返りも求めなかったと言われています 第4交響曲は彼女の援助を得て作曲した最初の成果のひとつと言える作品です

第1楽章冒頭はホルンを中心とする金管のファンファーレで開始されます これは「運命の動機」と呼ばれる音楽で、全曲を統一します 第2楽章では冒頭の神農広樹のオーボエの抒情的な演奏が冴えていました 第3楽章では渡辺泰のピッコロが際立っていました 全体を聴き終わって思ったのは、小泉はかなり緩急のテンポと強弱を変えてメリハリのある演奏を展開していたことです 歌わせるべきところはテンポを落として存分に歌わせ、アレグロの部分では思い切ってテンポを上げて、アグレッシブな演奏を楽員から引き出しました オケ総動員による力強く輝かしいフィナーレは圧巻でした

満場の拍手とブラボーが飛び交うなか、カーテンコールが繰り返されました

 

     

 

そして、この日の演奏会を最後に新日本フィルを退団することになった第1ヴァイオリン・フォアシュピーラー堀内麻貴さんに小泉氏から花束が贈られました

 

     

 

帰りがけにホール入口脇の事務局受付に寄り、登原さんと ほんの短く立ち話をしましたが、「堀内さんは、皆さんから慕われていました」とのことです 堀内さんは1985年に新日本フィルに入団以来、39年にわたり第1ヴァイオリン・フォアシュピーラーを務めてこられました

堀内さん、長い間素晴らしい演奏を聴かせて下さりありがとうございました いつまでもお元気で ご活躍ください

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井上道義 ✕ 森山開次 ✕ 読響の「ラ・ボエーム」のチケットを取る / NHK交響楽団から会員継続案内届く ~ Aプロ・Bプロとも席替え希望で会員継続へ

2024年05月19日 00時01分27秒 | 日記

19日(日)。昨日、行きつけの理髪店で髪を切ってきました 2か月ごとに通っていますが、この時ほど「えっ、もう2か月も経ったのか!」と、時の流れの速さを感じることはありません この日は、先客に声が大きく やたらと注文をつける中年男がいました   しかし、そこはベテランの理髪師さんなので軽くあしらっていました こういうのを理髪な対応と言います 正確には利発な対応ですが

ということで、わが家に来てから今日で3414日目を迎え、米ロサンゼルス市議会は17日、大リーグのドジャースに在籍する大谷翔平選手に因み、5月17日を「大谷翔平の日」とすることを決めたが、17は大谷選手の背番号で、5月は米国ではアジア・太平洋諸島系米国人の文化遺産継承月間とされている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     この決定が MLB「三冠王」獲得への 良い意味でのプレッシャーになればいいね!

 

         

 

9月23日(月・休)14時から東京芸術劇場コンサートーホールで開かれる全国共同制作オペラ「ラ・ボエーム」のチケット(2階センター後方ブロック通路側)を先行販売で取りました    この公演は、今年末で指揮を引退する井上道義が最後に指揮をとるオペラ公演です 出演はロドルフォ=工藤和真、ミミ=ルザン・マンタシャン、マルチェッロ=池内響、ショナール=高橋洋介、コッリーネ=スタ二スラフ・ヴォロビョフ、ムゼッタ=中川郁文、アルチンドロ=仲田尋一、べノア=晴雅彦、パルピニョール=谷口耕平。合唱=ザ・オペラ・クワイア、児童合唱=世田谷ジュニア合唱団、管弦楽=読売日本交響楽団、指揮=井上道義、演出・振付・美術・衣裳=森山開次です

 

     

 

         

 

NHK交響楽団から「2024-2025シーズン定期公演」会員継続案内が届きました 現在 私はAプロ2日目(NHKホール)とBプロ2日目(サントリーホール)の会員ですが、新シーズンは各プログラムとも大幅値上げになっているので継続するかどうか迷っていました 検討の結果、Aプロについてはプログラムが重量級で好みの内容なので継続することとしました ただし、現在の席が若干後方なのでもっと前に席に席替えすることにしました Bプロについては毎回協奏曲が組まれていて魅力なので継続することにしました ただし、あまりにも席が後ろ過ぎるので席替えすることにしました

 

     

 

取りあえず、Aプロ、Bプロとも「席替え」する旨を通知しました これからの手続きは、①Bプロの席替えについては、7月1日~同7日の間に新しい席を選んで登録する、②Aプロの席替えについては、7月7日~同15日の間に新しい席を選んで登録する。③Aプロ、Bプロとも希望する席替えが出来たら、現行の席をキャンセルする ④Aプロ、Bプロとも希望する席替えが出来なかったら、現在の席を継続する手続きを行うーという手順になります

 

     

 

     

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アジア ユース オーケストラ(8/30)のチケットを取る ~ ムソルグスキー(ラヴェル編)「展覧会の絵」他 / Netflixで中国人作家・劉慈欣のSF小説を映画化した「三体」を観る

2024年05月18日 00時01分11秒 | 日記

18日(土)。昨日は朝から忙しい思いをしました 午前中はいつものように整骨院で腰痛の治療を受け、池袋のSデパートで 単身赴任中の息子にすき焼き用の牛肉を送る手続き(毎月送っている)をしました 昼食後は内幸町のNPCビル内の日本記者クラブ・レストランに行き、2日前にS氏を救急搬送した際に持ち出していた布ナプキンを返却し、帰りがけに同ビルの防災センターに寄って、当日救急車を呼んでくれたI隊長にお礼を言い、地元 巣鴨まで戻って Aクリニックで胃がん検診(胃内視鏡検査)の予約をしてきました   ここまでで8200歩を超え、さすがに疲れました

8月30日(金)19時から東京オペラシティコンサートホールで開かれる「アジア ユース オーケストラ 東京公演 2024」のチケットを取りました アジア ユース オーケストラ(AYO)は日本、中国、韓国を含むアジア11か国でオーディションにより選抜された若手演奏家103名から構成される臨時編成オーケストラです 毎年夏に約6週間の活動を行い、練習の成果を各地で発表しています プログラムは①ガーシュイン:歌劇「ポーギーとベス」交響的絵画、②バーンスタイン「ウエスト・サイド・ストーリー」から「シンフォニック・ダンス」、③レスピーギ:交響詩「ローマの松」、④ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」です 指揮はAYO首席客演指揮者ヤデル・ビニャミー二です 本当は31日の公演も聴きたいのですが、すでに東響定期演奏会が入っているので諦めました プロのオーケストラも良いですが、アマチュアの若者たちの真摯な演奏を聴くと、プロ以上の感動をもらえることが少なくありません

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で3413日目を迎え、4月にあった衆院東京15区補欠選挙で他陣営の街頭演説を妨害したとして、警視庁は17日、政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦(45)と幹事長で補選に立候補し落選した根本良輔(29)の両容疑者ら3人を公職選挙法違反(選挙の自由妨害)容疑で逮捕した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     明らかな選挙妨害だ! 恥ずかしいから「表現の自由」は持ち出すな ただのエゴだ!

 

          

 

昨日、夕食に「チキンステーキ」を作りました 久しぶりに作ったので、白ワインを飲みました。断酒のはずが、掛け値なしの「なし崩し」です

 

     

 

         

 

Netflixで中国人作家・劉慈欣(リウツーシン)による異星人との戦いを描いたSF小説「三体」を原作とする同タイトルの映画を観ました 2008年に中国で出版された「三体」は、14年の英訳をきっかけに国外でもヒットし、世界で2900万部も売れ、SF界の世界的な文学賞であるヒューゴー賞をアジア圏の作品としては初めて受賞しました Netflixで公開されている版は舞台を中国から英国に移し、登場するキャラクターは、原作の中国人からオックスフォード大学出身の多様な人種の5人組へと再構築しています また、現在公開されているのは「シーズン1」(エピソード1~8)で、1話あたり44分から63分までとまちまちになっています 私はここ数日の間に4回に分けて全8エピソードを観ました

 

     

 

物語は1960年代の中国から始まります 天体物理学専攻の女子大生・葉文潔は、父親が文化大革命の紅衛兵によって批判され、殴り殺されるのを目撃します その後、彼女は謎めいた軍事基地「紅岸基地」に入り、そこで太陽の増幅反射機能を発見します 彼女は密かにこの機能を使って地球文明の情報を宇宙に送り出し、地球と最も近い恒星系の惑星に住む異星人「三体星人」と関りを持ち始めます 彼女は、地球は人類の手によって救うことはできないと危機感を覚え、異星人に地球救済を求めたのです 三体星人たちは過酷な環境で生きており、質量がほぼ等しい3つの恒星からなる三体星系の運動は解析的に解くことが出来ない多体問題を抱えています 彼らは宇宙に移民することで数百回も滅んでは生き返ってきました 一方、地球人は三体星人の高度な文明を受け入れるか、それとも戦うかの選択を迫られます エピソード1から8までで、三体星人と地球人の接触、科学者たちの謎の死、地球の未来をかけた三体星人との壮絶な闘いが描かれています

「エピソード1」で描かれた、文化大革命時における紅衛兵による知識人に対する断罪シーンは生々しくてリアルです 英国版だからこそ描くことが出来たのではないかと推測します

とにかく、実際に観てみないと分からないSF映画の面白さがあります 「シーズン2」が待ち遠しいです

 

     

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新国立オペラでヴェルディ「椿姫」初日公演を観る ~ 中村恵理、グスターボ・カスティーリョ、リッカルド・デッラ・シュッカ、新国立劇場合唱団にブラボー!

2024年05月17日 00時59分14秒 | 日記

17日(金)。わが家に来てから今日で3412日目を迎え、北朝鮮の金正恩総書記は、戦術ミサイルの生産現場を視察し、これらが軍に配備されれば「戦争準備で画期的な変革をもたらす」と強調した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     さすがは我らの将軍様! いつもミサイル開発・軍拡最優先で 国民の生活は二の次

 

         

 

昨日、夕食に「麻婆茄子」「生野菜サラダ」「大根の味噌汁」を作りました 麻婆茄子は何とか美味しくできました

 

     

 

         

 

昨夜、新国立劇場「オペラパレス」でヴェルディ「椿姫」初日公演を観ました 出演はヴィオレッタ=中村恵理、アルフレード=リッカルド・デッラ・シュッカ、ジェルモン=グスターボ・カスティーリョ、フローラ=杉山由紀、ガストン子爵=金山京介、ドゥフォール男爵=成田博之、ドヴィ二ー侯爵=近藤圭、医師クランヴィル=久保田真澄、アンニーナ=谷口睦美、ジュゼッペ=高橋康晴、使者=井出壮志朗、フローラの召使=上野裕之。合唱=新国立劇場合唱団、管弦楽=東京フィル、指揮=フランチェスコ・ランツィロッタ、演出=ヴァンサン・プサールです

 

     

 

「椿姫(ラ・トラヴィアータ)」はジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)が1853年に作曲、同年ヴェネツィアのフェニーチェ劇場で初演された全3幕4場から成るオペラです

パリの高級娼婦ヴィオレッタは、富豪の息子アルフレードからの求愛に ためらいながらも、真摯な愛に心を開く    二人はパリ郊外で一緒に暮らすが、アルフレードの父ジェルモンがヴィオレッタを訪れ、自分の娘の縁談のためにも二人の関係を終わらせるように頼む   ヴィオレッタは涙を呑んで身を引く   これを裏切りと捉えたアルフレードは夜会で彼女を罵倒するが、やがて誤解と分った時はすでに遅く、ヴィオレッタは病床で愛するアルフレードに看取られ息絶える

 

     

 

私が新国立オペラ「椿姫」を観るのは2002年、2004年、2008年、2011年、2015年、2017年、2019年、2022年に次いで今回が9回目です また、ヴァンサン・プサールの演出で観るのは5回目です

ヴィオレッタ役の中村恵理は大阪音楽大学・大学院修了、新国立オペラ研修所第5期修了のソプラノです 2008年英国ロイヤルオペラにデビュー。2010年~16年はバイエルン州立歌劇場専属歌手となり「フィガロの結婚」スザンナ、「魔笛」パミーナ役などに出演。ウィーン国立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラなど主要歌劇場で活躍し、新国立オペラでは「蝶々夫人」タイトルロール、「トゥーランドット」リューなどに出演しています 2022年の新国立オペラ「椿姫」では、アニタ・ハルティヒの代役として出演し大成功を収めています 今回のヒロイン役はその時の実績を踏まえての出演と思われます

今回は過去の実績が自信になったのか、中村恵理に余裕が窺えました 第1幕のアリア「ああ、そはかの人か ~ 花から花へ」、第2幕でのジェルモンとの長大な二重唱、第3幕のシェーナ「さようなら、過ぎた日よ」をはじめ、卓越した声量コントロールにより、長いパッセージもモノともせず完璧に歌い上げました ヴィオレッタ役を任せられるのは、歌唱力、演技力に加え、体力も備えた歌手だけです 今回の公演で中村恵理はこの「3つの力」により、この役を「自分のもの」にしたように思います 彼女は小柄な女性ですが、実力に身体の大小は関係ないことを証明しています

 

     

 

アルフレード役のリッカルド・デッラ・シュッカはイタリア出身のテノールです 2017年にミラノのアドリアーナ・マリポンテ国際声楽コンクール、アンジェロ・ロフォレス国際オペラコンクールで優勝 現在、イタリアの歌劇場を中心に活躍しています 歌唱に無理がなく、自然に美声が出てくる印象があります

ジェルモン役のグスターボ・カスティーリョはベネズエラ出身のバリトンです エル・システマで音楽教育を受け、2016~18年ミラノ・スカラ座アカデミーメンバーとなる。ボローニャ歌劇場などで活躍しています 声に独特の艶があり、威厳のある落ち着いた歌唱により存在感を示しました 第2幕でのヴィオレッタとの二重唱、そしてアリア「プロヴァンスの海と陸」はバリトンの魅力が十分発揮された素晴らしい歌唱でした

特筆すべきは新国立劇場合唱団の迫力のあるコーラスです 第1幕での「乾杯の歌」をはじめ、力強い合唱により存在感を示しました また、ローマ出身のフランチェスコ・ランツィロッタ指揮東京フィルは、歌手に寄り添いつつ、ヴィオレッタの悲しみを、アルフレードの悔しさを、ジェルモンの親心を歌い上げました

ヴァンサン・プサールによる演出・舞台つくりの特徴は、床面と左右両サイドの壁を鏡張りにしていて、幻想的な世界を表出していることです 第2幕第2場でアルフレードがヴィオレッタを罵倒するシーンで、背景の壁が奥の方に倒れる演出は斬新です また、第3幕では手前のヴィオレッタと他の登場人物の間に巨大な薄い幕(レースカーテン)が下ろされていて、ヴィオレッタはすでに死の世界にいることを暗示しているように見えます 何回観ても分からないのは、第2幕のパリの屋敷で、空中に浮いている白いパラソルです あれはいったい何を意味しているのか? とてもシュールです

満場の拍手にカーテンコールが繰り返されましたが、ヒロインの中村恵理に一層大きな拍手とブラボーが浴びせられました 聴衆の熱狂的な反応を見る限り、初日公演は成功裏に終わったと言ってもよいと思います 終演は21:55でした

 

     

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阿川佐和子著「話す力 心をつかむ44のヒント」を読む ~ 自主性に乏しい日本人だからこその会話の妙や楽しみ方を指南:「他人の話の中にヒントがある」「話相手との距離感」など

2024年05月16日 00時19分18秒 | 日記

16日(木)。昨夕5時から、内幸町のNPCビル9階の日本記者クラブ・レストランで、新聞関係団体(NSK)でお世話になった「Kさんを囲む会」が開かれたので参加しました Kさんは私が同団体に入職した時の国際部の直属の上司で、現在は年の半分をイギリスの家で、半分を東京の家で過ごしています 現在、ちょうど東京に滞在中であることから、Kさんが総務部長時代の部下だったU氏が当時のゆかりの職員たちに声をかけて集まったものです 会の様子は このブログの最後に書きます

ということで、わが家に来てから今日で3411日目を迎え、トランプ前米大統領(共和)の刑事裁判が続くニューヨーク州の裁判所を14日、共和党のジョンソン下院議長が訪れ、「これは茶番劇の裁判だ」と痛烈に批判したが、法廷には共和党の有力政治家らが次々と傍聴に訪れては、トランプ氏に忠誠を示すかのように裁判を批判する異例の展開になっている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ますますトランプが敗れた時の 共和党議員の手のひら返しが 楽しみになってきた

     

  昨夜は娘も私も外食だったので、夕食作りはお休みしました  

 

         

 

阿川佐和子著「話す力 心をつかむ44のヒント」(文春新書)を読み終わりました 阿川佐和子は1953年東京都生まれ。エッセイスト。作家。慶応義塾大学文学部西洋史学科卒。1983年からTBS系「情報デスク Today」のアシスタント、89年から「筑紫哲也 NEWS23」のキャスターを務め、98年から「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)にレギュラー出演している 99年に檀ふみとの往復エッセイ「ああ言えばこう食う」で講談社エッセイ賞、2000年に「ウメ子」で坪田譲治文学賞を受賞 12年「聞く力 ~ 心をひらく35のヒント」が年間ベストセラー第1位になり、14年に菊池寛賞を受賞

 

     

 

2012年に刊行された「聞く力 ~ 心をひらく35のヒント」についてはこのtoraブログでもご紹介しましたが、1993年から週刊文春で連載中の「阿川佐和子のこの人に会いたい」のインタビュアーとしての知識・経験が披瀝されていて、大いに参考になりました

本書は「『聞く力』が売れたから、もう一儲けしてやろうということで出版された」のではないようです アガワさんは15ページにも及ぶ「ちょっと長めのまえがき」の中で、次のように”言い訳”しています

「『聞く力』を出したあと、読者からさまざまな感想が届きました その中に、『読んで良かったです。仕事の打ち合わせとかで、どうやって話を切り出したらいいかわからず、そんなときの参考になりました』。こういう声が意外に多かったと編集部から報告を受けました そうか、人の話を引き出すことに悩んでいる人が多いだけでなく、話の切り出し方に苦労している人も多いのか。そう気が付きました そこで二匹目のドジョウ目指して、というわけではありますが、『話す』をテーマにまとめてみることになった次第

そして、日本人は会話が苦手な人が多いのではないかと指摘した上で 次のように書いています

「自主性に乏しい日本人だからこその会話の妙や楽しみ方はあるはずです 最初から自分の意見を押し出すのではなく、相手やまわりの気持ちを推し測りつつ、発言を試みる。それもまた悪くない文化だと思えば、話の切り出し方の小さな糸口が見えてくるような気がします ならばどんな方法があるのか。あくまでも私自身の経験や人からの伝聞によって心に留まったあれこれですが、本書ではちょっくらお喋り、いや、お話ししていきたいと存じます

そして本文に入っていきますが、本書は次の4つの大項目から構成されています

Ⅰ。他人の話のなかにヒントがある

Ⅱ。話し相手との距離感

Ⅲ。日本語は相手の様子を見る言語

Ⅳ。上手な話と良い日本語

アガワさんは「Ⅰ。他人の話のなかにヒントがある」の中で、「自分が話したいことを見つける」「相手の話のリズムを察する」「相手の話に共感し反応する」「助け舟を出すことを心がける」ことの重要性を説いています

「Ⅱ。話し相手との距離感」の中では、「相手との距離感をつかむ」「距離と時間をおくことも必要」「絶妙な突っ込みは会話の妙」「話題に窮したら病気自慢」「小話を頭の抽斗に入れておく」などのヒントを与えています

「Ⅲ。日本語は相手の様子を見る言語」では、「日本語は相手の出方によって自分の発言を変えられる」「語り手をノセる合いの手」「初対面での会話術」「スマホ依存は言葉を忘れさせる」などの知識を披露しています

「Ⅳ。上手な話と良い日本語」では、「専門用語で逃げるな」「話の使い回しは落語と同じ」「ダジャレを嫌がらないで」「不幸な体験は宝物」「大惨事になる前に、笑うところを見つける」などのアドヴァイスを与えています

誤解のないように補足しますが、「ダジャレを嫌がらないで」は、ダジャレを言う人に対して「ダジャレを嫌がらないでどんどん言いなさい」ということではなく、ダジャレを聞く立場に人に対して「ダジャレを言われても嫌がらないで聞いてあげれば、本人は気分が良くなって良い方向にいく」という意味です 私は時々”シャレ”は言いますが、”ダジャレ”は言わないので関係ありませんが

また、「不幸な体験は宝物」についてアガワさんは次のように書いています

「話のネタというのは、不幸な内容ほど聞きたくなるものです 『人の不幸は蜜の味』と昔から言うように、『私、酷い目に遭っちゃったの』と告白された途端、『えええ、どうしたのよぉ』と同情の声をかけながら、目がキラキラ光り出すのが人の常 人は他人の不幸話に魅了されます。長生きして、高齢者施設に入ったとき、過去にどれほど酷い目に遭ったかを周りの人たちに話してみるのはいかがでしょう たぶん施設のいちばんの人気者になると思います

「いやぁ、腰痛でコンサートのチケットを3枚も無駄にしてしまった」・・・・どうです、蜜の味でしょう

ところで、会話をする上で「合コンさしすせそ」は年齢層を問わず参考になりそうです アガワさんは、若い女性に合コン事情を聞いて「ためになった」として紹介しています それは次のようなものです

さ・・・さすが!

し・・・知らなかった!

す・・・すごーい!

せ・・・センスいい!

そ・・・そうなんだ!

相づちとして、これだけ使い分けていれば、とりあえず相手は気持ちよく話し続けてくれるという ー とアガワさんは解説しています

本書はアガワさんの経験に基づいて書かれているので、内容が具体的で説得力があります 「聞く力」とセットで読むと一層理解が深まると思います    ビジネス・パーソンに限らず様々な分野の方々にお薦めします

 

         

 

昨夜開かれた「Kさんを囲む会」の話に戻ります

前回、Kさんを中心に集まったのは昨年3月16日で、NSKが入居しているビルを管理するNPCの監査役を務めたA君の退任慰労会を兼ねた会合でした 今回はKさんと娘さんのほか、呼びかけ人のU氏(元NPC専務)、U氏の同期M女史とH氏、NPC元監査役S氏とA君、元NSK事務局次長で現在東京都多摩市の市長を務めているA君(途中参加)、映倫関係の仕事をしているS君、そして私の計10人が参加しました Kさんは今年秋に満92歳になられるということで、今回は娘さんが付き添って参加されました

会では参加者各自がKさんとの思い出を語りましたが、2時間ほど経過した7時頃に、S氏の意識が薄れてきて、声をかけても反応がなくなったので、急きょ防災センターを通じて救急車の出動を要請しました 誰かが付き添わなくてはならないので、NSKでもNPCでも後輩にあたる私が救急車に同乗することになりましたが、幸い近くの虎ノ門病院が受け入れてくれました S氏が検査を受けている間、私は待合室で待つことになりました 1時間くらい経って、看護師さんに呼ばれたので室内に入って点滴中のS氏と会話をしたのですが、かなり意識はハッキリしていて、緊急連絡先の娘さんに本人が電話をかけたくらいでした(留守電だったが、後でつながった)。8時半頃、検査担当医師が説明してくれたのですが、「心臓の疾患でもないし、脳梗塞のような症状でもないので、水分不足の中をアルコールを飲んだ(生ビール1杯とワイン少量)ことが原因だと考えられる 入院の必要はないので帰ってよい」とのことでした この間、会の呼びかけ人U氏から心配の電話が何度かかかってきたので、経過を報告しました その後、会計を済ませている間にA君が病院に来てくれて、S氏と帰る方向が同じなのでタクシーで自宅まで送ってくれるというので、バトンタッチしました

つい先日、サントリーホールで演奏中に急病患者が出て救急搬送されたことに関して「コンサートでは 何が起こるか分からない」と書いたばかりです 今回「飲み会では 何が起こるか分からない」と書くことになるとは 思ってもみませんでした  今回の件については、大したことがなくて本当に良かったと思いますが、これは決して他人事ではありません 「明日はわが身」を今回の教訓としたいと思います

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METライブビューイングでグノー「ロメオとジュリエット」を観る ~ ネイディーン・シエラとベンジャマン・ベルナイムにブラボー! / 朝日新聞・吉田純子編集委員「『音楽』を書くこと・5」を読んで

2024年05月15日 00時01分39秒 | 日記

15日(水)。昨日の朝日朝刊のコラム「新聞記者の文章術」は吉田純子編集委員の「『音楽』を書くこと・5」(最終回)でした 見出しは「書く 人を、人生を愛するため」です 俎上に載せたのは2023年1月8日の朝日に掲載された吉田さんの記事です。この記事で吉田さんはAdoの「うっせぇわ」を取り上げていますが、実はこれは記事に注意を引き付けるためのキャッチで、本当に言いたいことは別にあります 連載最終回の「文章術」は、「『偶然』の中に本質を探し、新たな世界へと連なってゆく『いま』を楽しむ」です

吉田さんは記事の冒頭で次のように書いています

「演奏会の最中にメモをとるのですか、と聞かれることがあります よほど急ぎの原稿が待ち受けている時でなければ、音楽が流れている間はなるべく心をそらすことはしないようにしています 電車の車窓と同じように、音の風景はどんどん後方へ流れていきます。見逃した景色はもう永遠に見ることはかないません 常に、今に集中する その時間の積み重ねの先に、実感を携えた言葉がにょきっと芽を出す。その瞬間に心を凝らすしかないと思います 書くということは、自身の無意識を掘り起こし、嗜好を顕在化させることでもあります

ブログを書く関係から、私は数年前までは、演奏の最中でもメモを取っていました 聴いたそばから思ったことを文字として記録していかないと、後で思い出せないからです 記憶力が働く若い頃なら良いのですが、忘却力が強くなってからは なおさらです しかし、数年前の あるコンサートで、演奏中にメモを取っていた時、隣席の人から注意を受けたのです 「気が散るからやめてほしい」というものでした それ以降は、演奏中にメモを取るのは止めて、楽章間や休憩時間にまとめてメモを取るようになりました ただ、楽章間はほんの十数秒しかないので、例えば「オーボエが巧い」とか「チェロの音が豊かだ」と思った時は、プログラム冊子の欄外に「Ob」とか「Vc」とか、楽器の略称だけを書いておきます 時々「弦楽器のグルーブ感が素晴らしい」などと短い文章でメモしておくこともありますが、急いで書くので悪筆となり、後で読むと判読できないケースがママあります まさか隣席の人に訊くわけにはいかないので、コンサート終了後、必死に思い出すことになります ただ、演奏の最中にメモを取らなくなったので、吉田さんの言うように「常に、今に集中する」ことができるようになったのは良かったと思います

ということで、わが家に来てから今日で3410日目を迎え、トランプ前米大統領が自身の不倫の口止め料を不正に処理したとして罪に問われている裁判で13日、口止め料を手渡した本人とされ、トランプ氏の顧問弁護士を務めていたマイケル・コーエン氏が証人として出廷し、不倫相手の女優への支払いを「トランプ氏が私に進めるよう指示した」と証言した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプは有罪濃厚となるけど 支持者らは逆にトランプに同情して献金するからね

 

         

 

昨日、夕食に「茄子と鶏肉の炒めもの」「生野菜サラダ」「シメジの味噌汁」を作りました あとは「十五穀米」と「キュウリの浅漬け」です。「茄子と~」は久しぶりに作りましたが、豆板醤がピリリと利いて美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、グノー「ロメオとジュリエット」を観ました これは今年3月23日に米ニューヨーク、メトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です 出演はジュリエット=ネイディーン・シエラ、ロメオ=ベンジャマン・ベルナイム、マキューシオ=ウィル・リバーマン、ティボルト=フレデリック・バレンタイン、小姓ステファーノ=サマンサ・ハンキー。管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、指揮=ヤニック・ネゼ=セガン、演出=バートレット・シャーです

 

     

 

「ロメオとジュリエット」はシャルル・グノー(1818-1893)がシェイクスピアの同名戯曲に基づくジュール・バルビエとミシェル・カレの台本により1865年から67年にかけて作曲、1867年にパリのテアトル・リリークで初演された全5幕から成るオペラです

モンタギュー家のロメオとキャピュレット家のジュリエットは舞踏会で偶然出会い、ひと目で恋に落ちる しかし、両家はお互いに敵対する家柄であることを知る ロメオとジュリエットはローラン神父に、お互いの恋を打ち明け、神父は2人に結婚の許しを与える 敵対する両家の若者たちが乱闘になり、ジュリエットの従兄ティボルトに友人のマキューシオが刺殺されるのを見たロメオは、ティボルトを殺す ヴェローナ大公はロメオを街から追放処分とする ジュリエットの父親はパリス伯爵との結婚を強要する。神父は仮死状態になる薬をジュリエットに与え、彼女をそれを飲む ジュリエットが死んだと思ったロメオが埋葬所に現れ、絶望して毒を飲む 仮死状態から目覚めたジュリエットは瀕死のロメオを見つけ、短剣で自らの胸を刺す 2人はともに息絶える

 

     

 

最後まで観終わって思うのは、本公演は「ネイディーン・シエラとベンジャマン・ベルナイムあってこそ」ということです

ジュリエット役のネイディーン・シエラは1988年フロリダ州生まれのソプラノです マリリン・ホーンに師事し、彼女の名前を冠した声楽コンクールに最年少で優勝、16歳でオペラデビューしました 最近のMETライブでは「ランメルモールのルチア」と「椿姫」でタイトルロールを歌い、美しく力強い歌唱と卓越した演技で大きな反響を呼びました 今回のジュリエット役でも抜群の声量コントロールと本人に成り切った演技力で聴衆を魅了しました 第1幕のワルツ「私は夢に生きたい」を聴いた時は、背筋が寒くなるほどの感動を覚えました

ロメオ役のベンジャマン・ベルナイムは1885年パリ生まれのテノールです 2010年にチューリヒ歌劇場に入団して頭角を現し、世界各国の歌劇場で歌っています 特に本作のようなフランス語によるオペラは他の追随を許さない歌唱力を発揮します 今回のロメオ役では、第2幕のアリア「昇れ太陽よ」をはじめ美しいフランス語で歌い上げました

また、シエラとベルナイムによるデュエット=第4幕の愛の二重唱「ああ、結婚の夜」と第5幕の最後の二重唱「気の毒な魂よ」も息がピッタリ合い完璧でした 幕間のインタビューで、指揮者ヤニック・ネゼ=セガンが「これまで何組かの『ロメオとジュリエット』と共演してきたが、この二人は現在までで最高の組み合わせだと思う」と語っていましたが、納得です

いつもは他の出演歌手もご紹介するところですが、今回はその気になれません それほど二人は完璧でした

METライブ「ロメオとジュリエット」の上映時間は、休憩(10分)、歌手へのインタビューなどを含め3時間20分です 新宿ピカデリーでは16日(木)まで上映されます

 

     

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新日本フィル「室内楽シリーズ 知られざる名曲 ~ ロマン派の調べ ~ 城満太郎プロデュース編」でメンデルスゾーン「ピアノ六重奏曲」、ファランク「ピアノ五重奏曲第1番」を聴く

2024年05月14日 00時07分56秒 | 日記

14日(火)。わが家に来てから今日で3409日目を迎え、韓国の脱北者団体「自由北朝鮮運動連合」が北朝鮮の金正恩総書記を「民族の仇敵」と非難するビラ30万枚を付けた風船と、K-POPなどの動画が保存されているUSBメモリを北朝鮮に向けて飛ばした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     K-POPのUSBメモリは良いアイディアだが 北朝鮮の国民は再生装置持ってるのか?

 

         

 

昨日、夕食に「アスパラ、ベーコンとジャガイモの炒めもの」「生野菜サラダ」「舞茸の味噌汁」を作りました それから久しぶりに「十五穀米」を炊きました。ヘルシーですね

 

     

 

         

 

昨夜、すみだトリフォニーホール(小)で新日本フィル「室内楽シリーズ 知られざる名曲 ~ ロマン派の調べ ~ 城満太郎プロデュース編」を聴きました プログラムは①ファランク「ピアノ五重奏曲第1番 イ短調 作品30」、②メンデルスゾーン「ピアノ六重奏曲 ニ長調 作品110」です 出演はヴァイオリン=西江辰郎、ヴィオラ=脇屋冴子、日高夕子、チェロ=サミュエル・エリクソン、コントラバス=城満太郎、ピアノ=岸美奈子です

小ホール入口の「受付」に、この度 パトロネージュ部からチケットボックス部に異動した登原さんが座っていて、「今日が当日券受付デビューです」と挨拶してくれました 元気そうで何よりでした

 

     

 

自席は8列16番、右端です 会場は結構入っています

1曲目はファランク「ピアノ五重奏曲第1番 イ短調 作品30」です この曲はベルリオーズやリストと同時代に女性ピアニスト&作曲家として活躍したルイーズ・ファランク(1804-1875)が1839年に作曲した作品です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ・ノン・トロッポ」、第3楽章「スケルツォ:プレスト ~ トリオ」、第4楽章「フィナーレ」の4楽章から成ります

西江、脇屋、エリクソン、城、そして岸が登場し、さっそく演奏に入ります

第1楽章冒頭を聴いた第一印象は、「ピアノが雄弁だな」ということです ピアノ対弦楽合奏という構図の中で、岸のピアノがよく歌います 曲想としてはシューベルト風だと感じました 第2楽章はピアノをバックにエリクソンのチェロが抒情的な旋律を奏でますが、感銘深い演奏でした その後、同じフレーズを脇屋のヴィオラが奏でますが、これもしみじみ良い演奏でした 第3楽章もどことなくシューベルトを思わせる曲想でした 第4楽章はピアノと弦楽合奏の和声の中で、推進力に満ちた演奏が繰り広げられました 終結部が静かに終わるところは作曲家のセンスの良さを感じました

 

     

 

プログラム後半はメンデルスゾーン「ピアノ六重奏曲 ニ長調 作品110」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)が1824年に作曲しました   第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「メヌエット:アジタート ~ トリオ」、第4楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります   なお、作品番号が110となっているため、晩年の作品と思われがちですが、彼の死後に出版されたため番号が大きくなっているに過ぎず、実際にはメンデルスゾーンが15歳の時の作品です この曲の大きな特徴は独特の楽器編成です 「ヴァイオリン、ヴィオラ2本、チェロ、コントラバス、ピアノ」という六重奏曲は極めて珍しい編成です プログラム・ノートを音楽評論家の鉢村優氏が書いていますが、なぜヴァイオリンが2本でなくヴィオラが2本なのかについて「(この曲は)ヴィオラはメンデルスゾーン、ピアノは名手として知られる姉ファニー(の演奏)が作曲の念頭にあったという 姉を愛してやまぬ弟は、ピアノのあでやかな雄姿が引き立つようにと高音域の楽器を間引いたのである」と説明しています これは分かり易い解説です

1曲目の演奏者にヴィオラの日高夕子が加わり、6人で第1楽章に入ります 作曲家の指示通り、快速テンポで演奏が進みます この曲でも岸のピアノが雄弁です 弦楽合奏とのコラボにより疾走感溢れる演奏が繰り広げられます 第2楽章はピアノが中心となって抒情的な演奏を展開しますが、メンデルスゾーンはこの楽章で、ピアノを弾く姉に華を持たせたのだと思います 第3楽章は実質的にスケルツォだと思われます 第4楽章は冒頭、ピアノが愉悦感に満ちた音楽を高速で演奏し、弦楽アンサンブルが合流し、推進力に満ちた演奏を展開します 実に爽快な演奏でした

この演奏を聴くにあたり、下のCDで予習しておきました

 

     

 

満場の拍手のなかカーテンコールが繰り返されますが、仕掛け人の城満太郎(じょう・まんたろう)は、「アンコールにシューベルトの『ます』(ピアノ五重奏曲)を演奏します ヴィオラが1本多いですが、川幅が広い川を泳いでいる『ます』です」とジョークをかまして演奏に入りました プレトークの時は冗談の一つもなく、真面目にトークに専念していたので、「なんだ、この人。マジメ一直線かと思ったら、冗談も言えるじゃん 城満太郎のジョーはジョークのジョーだったのか」と悟りを開きました

前回同様、カーテンコール時の写真撮影の可否について事前に事務局に確認してOKが出ていたので、記念に写メしました ほかに誰も写メしている人がいないようなので、皆さん知らないのではないかと思います 主催者側としては、もっと積極的にPRしてSNSで紹介してもらった方がお互いにメリットが大きいのではないかと思いますが、どんなもんでしょうか

 

     

     

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ジョナサン・ノット ✕ 高橋絵理 ✕ ドロティア・ラング ✕ ベンヤミン・ブルンス ✕ 東京交響楽団でマーラー「大地の歌」、武満徹「鳥は星形の庭に降りる」他を聴く

2024年05月13日 00時01分15秒 | 日記

13日(月)。わが家に来てから今日で3408日目を迎え、国連総会(193か国)は10日、緊急特別会合を開き、パレスチナの国連正式加盟を支持し、国連安全保障理事会に加盟の再検討を求める決議を143か国の賛成で採択した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     イスラエルに ロシアのようにやりたい放題やられたら シンパ国を増やしたくなる

 

         

 

昨日、サントリーホールで東京交響楽団「第720回定期演奏会」を聴きました プログラムは①武満徹「鳥は星形の庭に降りる」、②ベルク:演奏会用アリア「ぶどう酒」、③マーラー「大地の歌」です 演奏は②のソプラノ独唱=高橋絵理、③のメゾ・ソプラノ独唱=ドロティア・ラング、テノール独唱=ベンヤミン・ブルンス。指揮=東響音楽監督ジョナサン・ノットです

 

     

 

オケは12型で、左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置をとります コンマスはグレブ・ニキティン、隣は小林壱成というダブルトップ態勢を敷きます

1曲目は武満徹「鳥は星形の庭に降りる」です この曲は武満徹(1930-1996)が1977年に作曲、同年11月30日にサンフランシスコで初演されました なお、岡部真一郎氏のプログラム・ノートに「1997年の管弦楽曲《鳥は星形の庭に降りる》は、」とあるのは「1977年の~」の誤りです 同氏の解説によると、「武満は 後頭部を星形に刈り込んだマルセル・デュシャンの写真に接し、その後、一群の白い鳥が一羽の黒鳥を中心に五角形の庭に降りる夢を見たことが、この作品の作曲に結び付いた」旨を書いています

この作品を聴くのは初めてだと思いますが、武満らしい神秘的な響きに満ちた音楽でした

2曲目はベルク:演奏会用アリア「ぶどう酒」です この曲はアルバン・ベルク(1885-1935)がソプラノ歌手ルツェナ・ヘルリンガーからの委嘱により、ボードレールの詩集「悪の華」をゲオルゲが翻訳したドイツ語版から「ぶどう酒」章の「ぶどう酒の魂」「愛する者たちのぶどう酒」「孤独な男のぶどう酒」の三篇の詩をもとに1929年に作曲、1930年6月4日にプロイセンのケーニヒスベルクで初演されました

ソプラノ独唱の髙橋絵理は国立音大・大学院修了。二期会及び新国立劇場オペラ研修所修了。第6回静岡国際オペラコンクール第3位入賞 二期会のオペラ公演を中心に活躍しています

オケは14型に拡大します 髙橋絵理はノット ✕ 東響の確かなバックに支えられながら、ワインの喜びを歌い上げました

 

     

 

プログラム後半はマーラー「大地の歌」です この曲はグスタフ・マーラー(1860-1911)が1908年に作曲、マーラーの死後の1911年11月20日にミュンヘンでブルーノ・ワルターの指揮により初演されました 第1楽章「酒興の歌、地上の苦しみについて」(李太白の詩)、第2楽章「秋、孤独な男」(銭起の詩)、第3楽章「若さについて」(李太白の詩)、第4楽章「美しいものについて」(李太白の詩)、第5楽章「春に酔った者たち」(李太白の詩)、第6楽章「別れ」(猛浩然の詩)の6楽章から成ります

マーラーは本作を9番目にあたる交響曲として作曲しましたが、ベートーヴェンの交響曲が第9番で終わったことから、9番が死につながる番号であると考え、交響曲第9番とせず、自筆譜に「アルトとテノール、そして大オーケストラのための交響曲」と記しました マーラーはこの後、交響曲第9番を作曲しましたが、交響曲第10番は未完に終わりました。マーラーは結局「第9番」のジンクスから逃れることが出来ませんでした

オケは14型を維持し、ステージ上手奥にハープが2台スタンバイします

メゾソプラノ独唱のドロティア・ラングはハンガリー・ブタペスト生まれ。ウィーン国立音楽大学で学び、ウィーン・フォルクスオーパーを経て、マンハイム国立劇場、ハンブルク州立歌劇場でアンサンブルを務めました 現在 ヨーロッパ各地の歌劇場に出演しています

テノール独唱の ベンヤミン・ブルンスはドイツ・ハノーファー生まれ。ハンブルク音楽演劇大学で学び、ブレーメン歌劇場でキャリアをスタート  ケルン市立歌劇場、ドレスデン国立歌劇場を経て、ウィーン国立歌劇場でアンサンブルを努めました    現在 世界の主要なオーケストラとの共演を重ねています

ソリストの2人が登場し、指揮者の前の椅子にスタンバイします ドロティア・ラング はゴールドのゴージャスな衣装に包まれての登場です

ノットの指揮で第1楽章「酒興の歌、地上の苦しみについて」の演奏に入ります 冒頭から雄弁な管弦楽に乗せて ベンヤミン・ブルンスのテノールがトップ・ギアで入ってきます 彼の声はオーケストラを突き抜けて届きます 恐るべきテノールです 第2楽章「秋、孤独な男」ではドロティア・ラングが包容力のある豊かな歌唱で孤独な男の心情を歌い上げます 素晴らしいメゾソプラノです

第3楽章「若さについて」でテノールのブルンスが歌っている時でした 1階センターブロック18列目辺りで、「大丈夫ですか?」という声が聞こえたかと思ったら、周囲が騒然として、何人かの客が立ち上がりました 間もなく男女数人のレセプショニストが駆けつけ、気分が悪くなったらしい高齢男性客を2人がかりで抱き上げて、自席のすぐ右側の通路を通って搬出していきました 指揮をとるノットは背中を見せているので気がつきようがなかったと思います 何度も言いますが、コンサートは何が起きるか分かりません これは 決して他人事ではありません   ご無事であればよいのですが

そうこうしているうちに、演奏は最後の第6楽章「別れ」に入ります この楽章だけで全体の半分(約30分)を占めますが、ドロティア・ラングの息の長いパッセージをモノともしない独唱が圧巻です マーラーの頭から離れなかった「永遠に」というテーマが7回静かに繰り返されました この楽章に限らず、オーボエの葉加瀬太郎、もとい 最上峰行、フルートの相澤政宏、ファゴットの福士マリ子の演奏が素晴らしい また、ハープの2人も大活躍しました

ノットのタクトが静かに下ろされると、満場の拍手とブラボーの嵐が吹き荒れ、カーテンコールが繰り返されました

ジョナサン・ノット ✕ 東響はドロティア・ラングとベンヤミン・ブルンスという理想的なソリストを得て、マーラーの死生観が垣間見られる「大地の歌」を見事に歌い上げました 掛け値なしの素晴らしい演奏でした

 

     

     

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ファビオ・ルイージ ✕ NHK交響楽団でレスピーギ「ローマの松」「ローマの噴水」「ローマの祭り」、パンフィリ「戦いに生きて」を聴く~N響5月度Aプロ定期演奏会

2024年05月12日 01時14分26秒 | 日記

12日(日)その2.昨日開かれた東京シティ・フィル「第370回定期演奏会」の感想は「その1」に書きました モコタロはそちらに出演しています。是非ご訪問ください

         

昨夜、NHKホールでN響5月度Aプロ定期演奏会を聴きました プログラムは①パンフィリ「戦いに生きて」(日本初演)、②レスピーギ「ローマの松」、③同「ローマの噴水」、④同「ローマの祭り」です 指揮はN響首席指揮者 ファビオ・ルイージです

私はAプロでは2日目の会員ですが、「東響定期演奏会」と日時が重なったため、N響を1日目の公演に振り替えました 振り替え後の自席は1階L12列12番、左ブロック最後列の右からも左からもど真ん中です 前回振り替えた時と同じ席だと気が付きました。正直言って奥に入った席は苦手です ついでに言うと、会員席より1つランクが下の席です   しかし、振り替えなので仕方ありません

 

     

     

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並び コンマスはマロさんこと篠崎史紀です

1曲目はパンフィリ「戦いに生きて」(日本初演)です この曲はイタリア生まれのリッカルド・パンフィリ(1979~)が、2017年にフィレンツェ五月音楽祭管弦楽団の委嘱により作曲、同年12月31日にルイージの指揮で世界初演されました

ルイージの指揮で演奏に入りますが、聴きにくい現代音楽ではなく、比較的耳に馴染みやすい音楽でした どちらかと言うと、それぞれの楽器が発する音の響きを純粋に楽しむような音楽で、特に後半は美しさを感じました

満場の拍手のなかカーテンコールが繰り返され、1階客席のほぼ中央辺りに座っていたパンフィリがルイージによって紹介され、盛んな拍手を浴びました

2曲目はレスピーギ:交響詩「ローマの松」です この曲はオットリーノ・レスピーギ(1879-1936)が1923年から24年にかけて作曲、24年12月14日にローマで初演されました 第1曲「ボルゲーゼ荘の松」、第2曲「カタコンブ付近の松」、第3曲「ジャ二コロの松」、第4曲「アッピア街道の松」の4曲から成ります

なお、「ローマ三部作」は、作曲年からは「ローマの噴水」「ローマの松」「ローマの祭り」の順になりますが、指揮者ルイージは、抒情的な「ローマの噴水」を挟み、両端に派手な2曲を置くことで、一繋がりの交響曲のような形で演奏したいとし、演奏順を入れ替えました

オケは14型のまま。ステージ下手にはチェレスタ、ピアノ、ハープがスタンバイし、ステージ上手の2階辺りのパイプオルガンにもオルガニストがスタンバイします

ルイージの指揮で第1曲「ボルゲーゼ荘の松」の演奏に入ります 冒頭から弦・管・打楽器に、チェレスタ、ハープ、ピアノが加わり、壮麗かつ色彩感豊かで壮大な音楽が奏でられます 第2曲「カタコンブ付近の松」では低弦による重心の低い演奏が繰り広げられる中、トランペットの抒情的なソロが素晴らしい 第3曲「ジャ二コロの松」はピアノの分散和音に続きクラリネットのソロが演奏されますが、抑制を利かせた松本健司の演奏が素晴らしい 名演奏と言っても良いでしょう また、弦楽セクションの艶のある響きが印象的です 最後にナイチンゲールの鳴き声が鳥笛で演奏されますが、客席のあちこちから聴こえてきます 自席からは演奏者が確認できませんでしたが、どことどこで吹いていたのだろうか 素晴らしい囀りでした 第4曲「アッピア街道の松」では池田昭子のイングリッシュホルンの演奏が冴えています そして、ステージ上の金管楽器群とパイプオルガン席にスタンバイしたバンダ(トランペット、トロのボーン各2本)との相乗効果により壮大な大伽藍を築き上げました

満場の拍手とブラボーが飛び交い、カーテンコールが繰り返されました そして、20分間の休憩に入りましたが、2階中央席辺りから男性の大きな怒鳴り声が聴こえてきました 周囲の人はびっくりしたと思います 何があったのか分かりませんが、季節の変わり目には、ちょっとしたことでカッと火が付く発火点の低い人物が出没するようになります おそらくその種族の一員だと思われますが、コンサートホールは、出演者が大きな声で歌うことはあっても、聴衆側が大きな声を張り上げて怒鳴るようなことはあり得ません 来るべき場所を間違えたのでしょう。恥ずかしいです。大の大人が

 

     

 

プログラム後半の1曲目はレスピーギ:交響詩:「ローマの噴水」です この曲は1916年に作曲、1917年3月11日にローマで初演されました 第1曲「夜明けのジュリアの谷の噴水」、第2曲「朝のトリトンの噴水」、第3曲「昼のトレヴィの噴水」、第4曲「たそがれのメディチ荘の噴水」の4曲から成ります

この曲では、第1曲「夜明けのジュリアの谷の噴水」におけるオーボエの演奏が印象的でした 第2曲「朝のトリトンの噴水」では、弦楽器群が勢いよく水しぶきを上げる様を切れ味鋭い演奏で表現していました 第4曲「たそがれのメディチ荘の噴水」では、ラストで静かに鳴らされる鐘の音が印象に残りました

最後の曲はレスピーギ:交響詩「ローマの祭り」です この曲は1928年に作曲、1929年2月21日にトスカニーニ指揮ニューヨーク・フィルにより初演されました 第1曲「チルチェンセス」、第2曲「五十年祭」、第3曲「十月祭」、第4曲「主顕祭」の4曲から成ります

ステージ上手2階のパイプオルガン席にトランペット3本のバンダがスタンバイします 下手にはピアノが控え、4手で演奏されます

ルイージの指揮で第1曲「チルチェンセス」の演奏に入ります 冒頭からバンダを交えた切れ味鋭い衝撃的な演奏が展開します たった3本のトランペットの別働隊ですが、これが効果抜群です 第3曲「十月祭」では今井仁志のホルン、マロさんのヴァイオリン独奏が素晴らしく、マンドリンの演奏も聴けました 第4曲「主顕祭」は弦・管・打楽器総動員によるアグレッシブな演奏により祭りの喧騒が描かれました

この曲は6日前のLFJ音楽祭(井上道義 ✕ 新日本フィル)で聴いたばかりです あの演奏は爆演でしたが、この日のルイージ ✕ N響の演奏も負けず劣らず熱く素晴らしい演奏でした

恒例によりカーテンコールを写メしておきました

 

     

     

 

     

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