レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

オタクのいない悲劇... おじ(い)さんのテック奮闘記

2020-04-05 00:00:00 | 日記
日本の皆様、そして世界のどこかにいらっしゃる日本人の皆様、いかがお過ごしでしょうか?ワタシはちょっと疲れました。なんでこうなるかね?

もうCxxxx19の話しをするのはウンザリなのですが、そしてこのブログを覗いてくださっている奇特な皆様もゲンナリであろうことは承知しているのですが、それを避けて「日誌」を綴るのはなかなか難しいものがありますので、今回もC19の登場です。

ざっとアイスランドでの現在の状況をお知らせしておきましょう。土曜日の新聞からの情報です。まずC19への感染が確認された人の人数が1364人。そのうちの1024人がeinangrunエイナングルンという、なんというか「独房」暮らしのような状態に置かれています。

もちろん独房に実際に入るわけではなく、他者との接触がないように制限をされているということです。45人の人が病院に入院しており、そのうち重症でICUに入っている人が12人ということです。確かその人たちはみんな呼吸器を付けられています。 亡くなった方がこれまで4名。 ご冥福をお祈りしますし、家族や友人お方々にも慰めのあることを願います。 回復された方ももちろんあり、396人が「治った」と診断されたそうです。 




教会によくある祈りキャンドル


感染確認の前段階にある人たちはSottkviソットクヴィイという状態に置かれます。これは先ほどのエイナングルンの緩い版で、自宅待機とかサマーハウスとかに「自分で」二週間の間、閉じこもることです。散歩とかは行けるとのこと。ただし他者との接触はダメ。

このソットクヴィイにいる人が6300人。例えば会社の同僚が感染の確認をされた場合、その職場の人たちは全員ソットクヴィイ行きとなります。二週間しても症状がなければ一応「解放」されます。解放された人の数は10289人。ですから、17000人くらいがこのソットクヴィイを体験したことになりますね。

レイキャビクを含めて、アイスランドでは、ニューヨークやフランスのような「外出禁止令」は出されておらず、日本と同じなのかな?「外出自粛要請」の段階に留まっています。

一方で、前回書きましたように「集会禁止令」は出されており、スーパーとかも含めて21人以上が集まることはできません。スーパーといっても、大きなスーパーから小さな店までありますので、ちょっと変な感じ。

で、金曜日によく行く大きめのスーパーの前を通りかかると「この店は100人までOKの許可が出ています」という張り紙。なるほど。きっと大きなお店はこのような許可をもらっているのでしょう。

それでも、お店の中とかでも隣りの人と2メートルの距離を常に保つことが義務付けられています。これは前に書きましたが、皆、良い子でこのルールを守っているようです。この辺が「アイスランド人の不思議」です。

日本でもこのルールが適用されるとか、どこかで読みました。人口が多い土地では、なかなか大変でしょうね。「どうやって距離を測るのか?」という声も聞かれる、というようなことが書いてありましたが、こちらでは床にテープで2メートル間隔で印がつけられています。




リッカーショップでの2メートルウォーニング


当然、普通の規模のお店で20人のお客さんが入ってしまっている場合は、順番待ちで外に並ぶことになります。外にはさすがに2メートル間隔のテープはないのですが、それでもみんなきちんと2メートル「くらい」を保って待っています。感心、感心。

さて、冒頭に「ツカレター」と愚痴りましたが、その理由はたくさんあります。そのたくさんが絡み合って「疲れるなー」という状況を生み出してくれています。そのひとつ目の理由は「テック疲れ」です。

どこでも同じ状況だと思うのですが、「外出自粛」とか「集会禁止」とかのおかげで、みなが一斉にネットでのサイバーミーティングとかを始めたわけです。教会も然り。

あっちの教会でもこっちの教会でも、お客さんのいない礼拝の「ライブ配信」や「ビデオ配信」をしています。今の時代、別にこれらのことは最新テックでもなんでもなく、以前から毎日操ってきている人も多いでしょう。

ワタシも遅ればせながらビデオを作り、教会のホームページやFacebookに流し始めました。まあビデオに関しては、昨夏からYoutube進出?を期して学び始めていましたので、知識はともかく、機材はバッチリ確保してあります。

それでもライブ配信とかは、そんなに関心がなかったので、そちらの方はにわかにネットやYoutubeで知識を漁り始めたわけです。これは六十を越した人間には結構疲れる原因となります。

ビデオ配信の第一弾 ただし教会のビデオですからあらかじめご承知おきを
“Allow us to feel bad”


さて、しかしこれはまだ入り口。皆さんの中で、「ワタシ、テック関連はまるきりダメ」という方も多いと思います、そんな時、例えばFacebookとかでビデオを配信しなければならない、となったとしたらどうしますか?

普通、私たちがするのは「そうだ! テックオタクのXXくんに頼もう!」ではないでしょうか?不思議なもので、私たちの生活環境の多くの場面で、必ずそういう「オタク」がひとりくらいはいるものなのです。

ところがです。私の現在の居候先である教会は「高齢者教会」で、壮年層、青年層が極端に少ないのです。当然頼みの「オタク」もいない。そうなると自然と次善の策として、「オタク」の域には達していないくとも「興味を持っている」人間にお鉢が回っていくことになります。つまりワタシなのでした。

そういうわけで、私は自分の直接の責任である英語グループのビデオやら、ネット集会やらの面倒を見るだけではなく、居候先の教会のビデオやらライブ配信やらまで面倒を見なくてはならなくなったのです。

タイミングがいいのか悪いのか、今週は聖週間。今度の日曜日はパウスカ(復活祭)とう大きな祝日(それでも外出自粛ですから)です。ビデオとかも、そういう特別な時期用のものも流さなくてはなりません。

教会のオルガニストのオーリさんとかと話し合いながら内容を決めていきます。聖週間(余談: 変換の度に「性習慣」が出てくるんだよなー。違うって! ) には、アイス大詩人ハットゥルグリームル・ピエトゥルスソンの「受難詩集」を朗読する習慣があります。

それで、その詩の朗読と、オルガン奏を組み合わせた短いビデオを作ることに。ちなみに撮影に使うカメラ(SonyRX10M3)も、三脚も、マイクも、編集用のFinal Cut Pro Xも、ぜーんぶワタシの私物ですから。

ワタシも手慣れてはいませんから、なるべくシンプルに素人手作りで行きたいのです。そうするとカメラは一点固定で聖卓正面に設置。オルガン演奏の時は、パンしてオルガニストの後ろ姿を撮る、という図になります。

「それでいいだろ」と思ったのですが、オーリさん曰く:「後ろ姿では何をしているのかまったく見えない。少し横からのショットをいれられないか?」

ええい! 何をしてるかって、オルガンの音色が聞こえてるだろうに!

というわけで、今度はカメラを左の方へずらして、オーリさんの指捌きも映せるようにしました。でもマイクは聖卓正面に残して置かないといけません。 ということでワタシはトボトボと家電屋さんに出向き、マイクとカメラを距離を置いて繋げられるように延長コードを購入。




家電屋さんでも2メートルの距離を保ちながら入店待ち


翌日、教会で新しいアングルからオーリさんの指捌きをバッチリ収めたサンプルを視聴。すると「オルガンは手だけではなく、足も使ってるんだけど、足は映らないのか?」とのたもうではないか!

オーリさん、温厚な紳士で英語の礼拝でも弾いてもらっているのですが、やっぱりアー「ち」スト根性があるんだ! まいったなあ...

と、いうようなことがありワタシはツカレタのでした。それでもなんとか、このビデオも一作目が完成しました。上出来ではないですが、ネットに出ましたら見ていただけると幸い。ただし、素人の作り始めのものですからね。ご承知おきを。

これだけではまだ「ツカレター」の30パーくらいです。後は次回以降。ああでも、この話題でもC19よりは書いてて楽しいわン...


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is

コメント (2)
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