昭和の日、ですね。いよいよGWもエンジンがかかってきますね。旅や行楽地へ出かける方も多いかと思いますが、むしろ自宅でのんびりDVDや読書三昧という方もいらっしゃることでしょう。
最近何度か書籍、読書について書いてみましたがひとつ忘れていることがありました。愛読書です。愛読書となると事はずっとパーソナルな感じになっていく気がします。
私は読書は結構好きですので愛読書はかなりあります。その中でも長―い付き合いということを考えると、第一クラスの愛読書はロバート・B・パーカーのスペンサー・シリーズです。分類でいうと一応チャンドラーやハメットなどと同じハードボイルドに入るようです。
主人公のスペンサー(なぜかファーストネームは絶対に出て来ない)はボストンの私立探偵。といってもマーロウのようなニヒルなタイプではなく、もとボクサーという点は伝統的ですが、その他は料理好きの健康志向派で、自分の騎士道に忠実、詩を愛し恋人スーザンといつもイチャイチャしている大男です。
その現代的な設定の故にファンと敬遠する派がかなり分かれるシリーズのようです。
初めてスペンサーものを読んだのは大学1年生の時でした。プロットや謎は全くというほどないストーリーで、むしろスペンサーの生き方や人生哲学?が表に出てくる作品でしたが、私もたまたまボクシング大好き人間、詩も好きで人生道的な話しも好きでしたし、少し後には料理好きも加わり、要するにスペンサー氏とは共通するものが多かったので気に入りました。(ワタシはチビで、イチャイチャする相手もいませんが)
それからのスペンサーものとのお付き合いは今に至るまで34年にもなりました。残念ながら作者のパーカー氏は二年前の2011年に他界され、シリーズは一応全39巻で終わっています(弟子が引き継ぐという噂あり)。実は最後の二作品、持っていますがまだ読んでいません。終わらせたくないというケチな出し惜しみ根性です。

スペンサーものの核は極論すると「男はどう生きるか」「プライドとは何か」「スタイルのある生活」というようなことでしょう。評論家の中には「スペンサーは私小説だ」というような声もありました。確かにオタクっぽいアプローチも結構見受けられます。前述のように好き嫌いが分かれる由縁だと思います。
初期の頃の作品「残酷な土地」の中でのスペンサーと女性キャスター、キャンディとのやりとり:
キャ「あなたはいい人だわ。.... あなたは白人の男性、少数民族の立場を理解するのは不可能だわ。...」
ス「その論理を拡大すると、おれたちは結局、誰も他人は理解できない、と断定せざるをえなくなる。...おれは飢餓を経験したことは一度もないが、飢餓が存在することには反対だ。... その場合、おれがそのような状態を理解しているかどうか、という問題は生じない」
...
キャ「あなたはずいぶん深い物の考え方をする人ね、そんなに図体の大きい男にしては」
ス「きみはおれほどの大きさになったことがない。だから、理解できないよ」
小説や映画、どちらでもそうなのですがワタシは気に入ったものは何度でも繰り返し読んだり見たりするタチです。このスペンサーシリーズ37巻(最後の2巻を除いて)の通算読み切り数は相当なものになると思います。
京王線の車中で一冊目を読んでいた時はこんなに長いお付き合いになるとは思いませんでした。パーカー氏が亡くなる前、初めからの32冊を訳された翻訳家の菊池光さんも途中で他界されています。「愛読書」を送っていただきありがとうございました。感謝をもって黙祷。
最近何度か書籍、読書について書いてみましたがひとつ忘れていることがありました。愛読書です。愛読書となると事はずっとパーソナルな感じになっていく気がします。
私は読書は結構好きですので愛読書はかなりあります。その中でも長―い付き合いということを考えると、第一クラスの愛読書はロバート・B・パーカーのスペンサー・シリーズです。分類でいうと一応チャンドラーやハメットなどと同じハードボイルドに入るようです。
主人公のスペンサー(なぜかファーストネームは絶対に出て来ない)はボストンの私立探偵。といってもマーロウのようなニヒルなタイプではなく、もとボクサーという点は伝統的ですが、その他は料理好きの健康志向派で、自分の騎士道に忠実、詩を愛し恋人スーザンといつもイチャイチャしている大男です。
その現代的な設定の故にファンと敬遠する派がかなり分かれるシリーズのようです。
初めてスペンサーものを読んだのは大学1年生の時でした。プロットや謎は全くというほどないストーリーで、むしろスペンサーの生き方や人生哲学?が表に出てくる作品でしたが、私もたまたまボクシング大好き人間、詩も好きで人生道的な話しも好きでしたし、少し後には料理好きも加わり、要するにスペンサー氏とは共通するものが多かったので気に入りました。(ワタシはチビで、イチャイチャする相手もいませんが)
それからのスペンサーものとのお付き合いは今に至るまで34年にもなりました。残念ながら作者のパーカー氏は二年前の2011年に他界され、シリーズは一応全39巻で終わっています(弟子が引き継ぐという噂あり)。実は最後の二作品、持っていますがまだ読んでいません。終わらせたくないというケチな出し惜しみ根性です。

家の居間に並ぶスペンサー本。装丁がきれいなので飾りにもなる?
スペンサーものの核は極論すると「男はどう生きるか」「プライドとは何か」「スタイルのある生活」というようなことでしょう。評論家の中には「スペンサーは私小説だ」というような声もありました。確かにオタクっぽいアプローチも結構見受けられます。前述のように好き嫌いが分かれる由縁だと思います。
初期の頃の作品「残酷な土地」の中でのスペンサーと女性キャスター、キャンディとのやりとり:
キャ「あなたはいい人だわ。.... あなたは白人の男性、少数民族の立場を理解するのは不可能だわ。...」
ス「その論理を拡大すると、おれたちは結局、誰も他人は理解できない、と断定せざるをえなくなる。...おれは飢餓を経験したことは一度もないが、飢餓が存在することには反対だ。... その場合、おれがそのような状態を理解しているかどうか、という問題は生じない」
...
キャ「あなたはずいぶん深い物の考え方をする人ね、そんなに図体の大きい男にしては」
ス「きみはおれほどの大きさになったことがない。だから、理解できないよ」
小説や映画、どちらでもそうなのですがワタシは気に入ったものは何度でも繰り返し読んだり見たりするタチです。このスペンサーシリーズ37巻(最後の2巻を除いて)の通算読み切り数は相当なものになると思います。
京王線の車中で一冊目を読んでいた時はこんなに長いお付き合いになるとは思いませんでした。パーカー氏が亡くなる前、初めからの32冊を訳された翻訳家の菊池光さんも途中で他界されています。「愛読書」を送っていただきありがとうございました。感謝をもって黙祷。