心地良い天気の続くレイキャビクです。先週は強風警報が久々に発令されましたが、その後また15˚C程度の穏やかな日々に戻っています。
この15˚Cは公式の気温なのですが、実際には日差しの下などでは20˚Cくらいにはなっているのだろう、と思います。家のベランダに据え付けの温度計では、いつも公式温度よりは高めの気温が表示されています。
アイスランドの自然 私の写真ではありません 多少なりとも清涼感が出るように願いつつ
Myndin er eftir Jonathan_Auth @Unsplash
前回書きましたように、私はこの二週間を夏休みとして過ごしました。文字通り「な〜んもしない」二週間で、頭や身体を使うことはまったく、なにもしませんでした。したことといえば、ネットで日本のニュース、バラエティやお笑い番組を見ること。
決してクリエイティブではないのかもしれませんが、今年のように心が沈むようなニュースのオンパレードの日々の中では、「お笑い」というのは実は非常に大切なものだな、と認識を新たにさせられました。
ちなみに最近ハマっていたのは「太田上田」とか「あちこちオードリー」でした。これらの番組、ご存知の方はご存知でしょう。「太田上田」って、見始めると止まりませんよ、本当に。(*^^*)
こちらへ移ってから、再来年で満三十年となりますが、「心の底から笑う」ということに関しては、いまだに日本のテレビに頼っています。なんというか、感性?が違うんですよね、こちらとは。大笑いするのは日本の番組を見る時です。お笑い関係者の皆さん、日々のお働き、感謝いたします。m(_ _)m
その他のニュースは相変わらずヘビーですね。コロナの逆襲、大雨洪水被害、アメリカの不安定な社会情勢、GoToを巡るドタバタと国と小池都知事の確執等々。コロナ や大雨はまだ自然災害の範疇でしょうが、GoTOドタバタや、国と東京の喧嘩なんかは、側から見ていても「いいかげんにしてくれ!」と言いたくなります。
我が家の寒暖計は20˚C到達!
さてアイスランドですが、こちらではコロナは収まってくれていますが、周囲の世界にコロナが居続ける以上、負の影響は残っている、というよりは波のように繰り返して押し寄せてきます。
先週の金曜日のニュースですが、アイスランド大学の国際関係オフィスの長であるフリズリーク・ソウルさんが「少なくともこの秋学期(八月末からの新年度の前期、年末まで)には、交換留学のプログラムはキャンセルされる見通しです」とメディアに語りました。
すでに日本を含む各国の提携大学とも話し合い、相互決定がなされているようです。前回、高校生のホームステイ留学がサスペンドされたということを書きましたが、同じ内容の決定が大学レベルでも確認された、ということですね。留学に向けて準備をしてこられた皆さんには、とても残念なことだろうと察します。
このように「人の移動」ということを、大きく妨げているコロナ禍です。そんな中で、今年2020年の前半、1月始めから6月末までの、アイスランドでの居住人口の統計が発表されました。
発表は統計局によるもので、今年の上半期での、移民を含むアイスランドでの居住者の「国内外への」住居移動の数を示すものです。私が目にしたのは、モルグンブラウジィズ紙Morgunbladidの記事のみで、もとの統計局の資料ではありませんので、ごく簡単な数値のみとなります。
まずアイスランド人を見ますと、今年の上半期に国内へ戻ってきたアイスランド人は670人。このうち660人はノルウェー、スウェーデン、デンマークからのご帰還組です。その他の国からが10人程度あるようです。
フィンランド以外のスカンジナビア国からの帰還は、第一四半期に320人、第二四半期に340人とほぼイーブンなのですが、経済学者のマグヌス・アルトゥニさんの説明では「留学生の多くがコロナの発生の故に、授業がリモートになったりしたのと、加えて身の安全を考えて帰還したのでは」とのこと。
実は私の息子もスウェーデンに留学中でした。スウェーデンは、ご承知の方も多いかもしれませんが、コロナに対してノルウェー、デンマーク、フィンランドそれにアイスランドの他の北欧国とはまったく異なった対処法を選びました。
他の国が「集会規制」「外出自粛」「営業自粛」を中心にして、感染封じ込みを測ったのに対して、スウェーデンは特に何の規制もせず「国民総免疫」化を図りました。結果は惨残で、スウェーデンでのコロナ死者はノルウェーなどの二十倍(ノルウェー255人に対しスウェーデン5676人: 7月23日現在)、今、国内外から厳しい批判の言葉がスウェーデン政府に浴びせられています。
さすがに私も息子の心配をしましたが、幸い感染を免れて学校を修了。七月に一時帰国していましたが、職探しでまたスウェーデンに戻って行きました。
上半期の人口移動を報ずるモルグンブラウジィズ紙の記事
統計に戻りますが、逆に上半期にアイスランドを離れたアイスランド人もあり、計430人が他の国へ移って行きました。帰還組と出発組をトータルすると、240人のプラスとなります。「プラス」というのは変な表現ですが、要するに「アイスランドに居を構えるアイスランド人が増えた」ということです。
ただ、昨年2019年の同時期の統計を見ると、スカンジナビアから帰還したアイスランド人の総数は630人、出発組は530人でしたので、今年の統計とほぼ同じ。必ずしもコロナは影響していないのでは?という気もします。
ついで外国人、つまり移民ですが、今年の上半期にアイスランドへ移ってきた外国人の増減は1190人の増加となっています。移ってきた数、出て行った数の各々は明記されていません。すみません、ザックリです。
ですが、この数にはかなりはっきりとコロナの影響が出ていると思います。というのは、過去三年間のアイスランドの移民の増減数を見てみると、2017年プラス7888人、2018年プラス6621人、そして昨年2019年がプラス5020人、とかなり大きな数で増加してきていたからです。
それが今年は年の半分を終えて1200人弱というのは、やはり国境封鎖や、コロナ禍での営業休止等の故だと推察して間違いないだろうと思われます。
さらに過去を振り返って見ても、移民数の増減がマイナスになったのは稀で、経済恐慌直後の2009年から2011年までの三年間だけなのです。それも2009年はマイナスが2369と大きな数だったものの、2010年は400人余り、2011年は93人のマイナスで留まっています。
内容とは無関係 これは私のホーム教会の前の原っぱのタンポポ
言うまでもないことですが、移民の増減は、アイスランドの経済が伸びているか、縮んでいるかに直接左右されます。ここのところ数年はアイスランド経済は、経済恐慌直前の時期と同様に好況を保っていましたので、経済の底辺を担う移民労働者も増加傾向にありました。
現在の移民総数は五万人以上となっています。コロナにより経済生活もめちゃめちゃになってしまいましたが、その実態がどのようなものであるのかは、徐々に明らかになってくるだろうと思います。その中で移民総数がどのように変化していくのか、それも明らかになってくるでしょう。
私自身は、移民牧師ですが、現在の仕事の比重は難民の方にシフトしています。その難民の流れも一時期ストップして(させられて)いたのですが、国境が再オープンして以来、すでに難民申請者数は増加しつつあります。
二週間の強制「コロナチェック隔離」がありますので、まだ私の仕事そのものには影響が出ていませんが、八月には、またそのような新しい状況に相対しなくてはなりません。
冒頭に「暗い時期だからこそ『お笑い』が必要」みたいなことを書きましたが、お笑いに頼り切っているのは情けない話しで、私ら教会関係者も社会に光を提供すべき立場です。心してかからないと。
いずれにせよ、このコロナはそう簡単には消えてくれそうもないですし、「コロナがそこにいる」ということを前提条件として、これからのプランを立てる必要がありますね。面倒ですが、それにアジャストしていかなくてはいけませんね。
日本の皆様も、十分に気をつけながら、それでも良い夏休みをお過ごしください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
この15˚Cは公式の気温なのですが、実際には日差しの下などでは20˚Cくらいにはなっているのだろう、と思います。家のベランダに据え付けの温度計では、いつも公式温度よりは高めの気温が表示されています。
アイスランドの自然 私の写真ではありません 多少なりとも清涼感が出るように願いつつ
Myndin er eftir Jonathan_Auth @Unsplash
前回書きましたように、私はこの二週間を夏休みとして過ごしました。文字通り「な〜んもしない」二週間で、頭や身体を使うことはまったく、なにもしませんでした。したことといえば、ネットで日本のニュース、バラエティやお笑い番組を見ること。
決してクリエイティブではないのかもしれませんが、今年のように心が沈むようなニュースのオンパレードの日々の中では、「お笑い」というのは実は非常に大切なものだな、と認識を新たにさせられました。
ちなみに最近ハマっていたのは「太田上田」とか「あちこちオードリー」でした。これらの番組、ご存知の方はご存知でしょう。「太田上田」って、見始めると止まりませんよ、本当に。(*^^*)
こちらへ移ってから、再来年で満三十年となりますが、「心の底から笑う」ということに関しては、いまだに日本のテレビに頼っています。なんというか、感性?が違うんですよね、こちらとは。大笑いするのは日本の番組を見る時です。お笑い関係者の皆さん、日々のお働き、感謝いたします。m(_ _)m
その他のニュースは相変わらずヘビーですね。コロナの逆襲、大雨洪水被害、アメリカの不安定な社会情勢、GoToを巡るドタバタと国と小池都知事の確執等々。コロナ や大雨はまだ自然災害の範疇でしょうが、GoTOドタバタや、国と東京の喧嘩なんかは、側から見ていても「いいかげんにしてくれ!」と言いたくなります。
我が家の寒暖計は20˚C到達!
さてアイスランドですが、こちらではコロナは収まってくれていますが、周囲の世界にコロナが居続ける以上、負の影響は残っている、というよりは波のように繰り返して押し寄せてきます。
先週の金曜日のニュースですが、アイスランド大学の国際関係オフィスの長であるフリズリーク・ソウルさんが「少なくともこの秋学期(八月末からの新年度の前期、年末まで)には、交換留学のプログラムはキャンセルされる見通しです」とメディアに語りました。
すでに日本を含む各国の提携大学とも話し合い、相互決定がなされているようです。前回、高校生のホームステイ留学がサスペンドされたということを書きましたが、同じ内容の決定が大学レベルでも確認された、ということですね。留学に向けて準備をしてこられた皆さんには、とても残念なことだろうと察します。
このように「人の移動」ということを、大きく妨げているコロナ禍です。そんな中で、今年2020年の前半、1月始めから6月末までの、アイスランドでの居住人口の統計が発表されました。
発表は統計局によるもので、今年の上半期での、移民を含むアイスランドでの居住者の「国内外への」住居移動の数を示すものです。私が目にしたのは、モルグンブラウジィズ紙Morgunbladidの記事のみで、もとの統計局の資料ではありませんので、ごく簡単な数値のみとなります。
まずアイスランド人を見ますと、今年の上半期に国内へ戻ってきたアイスランド人は670人。このうち660人はノルウェー、スウェーデン、デンマークからのご帰還組です。その他の国からが10人程度あるようです。
フィンランド以外のスカンジナビア国からの帰還は、第一四半期に320人、第二四半期に340人とほぼイーブンなのですが、経済学者のマグヌス・アルトゥニさんの説明では「留学生の多くがコロナの発生の故に、授業がリモートになったりしたのと、加えて身の安全を考えて帰還したのでは」とのこと。
実は私の息子もスウェーデンに留学中でした。スウェーデンは、ご承知の方も多いかもしれませんが、コロナに対してノルウェー、デンマーク、フィンランドそれにアイスランドの他の北欧国とはまったく異なった対処法を選びました。
他の国が「集会規制」「外出自粛」「営業自粛」を中心にして、感染封じ込みを測ったのに対して、スウェーデンは特に何の規制もせず「国民総免疫」化を図りました。結果は惨残で、スウェーデンでのコロナ死者はノルウェーなどの二十倍(ノルウェー255人に対しスウェーデン5676人: 7月23日現在)、今、国内外から厳しい批判の言葉がスウェーデン政府に浴びせられています。
さすがに私も息子の心配をしましたが、幸い感染を免れて学校を修了。七月に一時帰国していましたが、職探しでまたスウェーデンに戻って行きました。
上半期の人口移動を報ずるモルグンブラウジィズ紙の記事
統計に戻りますが、逆に上半期にアイスランドを離れたアイスランド人もあり、計430人が他の国へ移って行きました。帰還組と出発組をトータルすると、240人のプラスとなります。「プラス」というのは変な表現ですが、要するに「アイスランドに居を構えるアイスランド人が増えた」ということです。
ただ、昨年2019年の同時期の統計を見ると、スカンジナビアから帰還したアイスランド人の総数は630人、出発組は530人でしたので、今年の統計とほぼ同じ。必ずしもコロナは影響していないのでは?という気もします。
ついで外国人、つまり移民ですが、今年の上半期にアイスランドへ移ってきた外国人の増減は1190人の増加となっています。移ってきた数、出て行った数の各々は明記されていません。すみません、ザックリです。
ですが、この数にはかなりはっきりとコロナの影響が出ていると思います。というのは、過去三年間のアイスランドの移民の増減数を見てみると、2017年プラス7888人、2018年プラス6621人、そして昨年2019年がプラス5020人、とかなり大きな数で増加してきていたからです。
それが今年は年の半分を終えて1200人弱というのは、やはり国境封鎖や、コロナ禍での営業休止等の故だと推察して間違いないだろうと思われます。
さらに過去を振り返って見ても、移民数の増減がマイナスになったのは稀で、経済恐慌直後の2009年から2011年までの三年間だけなのです。それも2009年はマイナスが2369と大きな数だったものの、2010年は400人余り、2011年は93人のマイナスで留まっています。
内容とは無関係 これは私のホーム教会の前の原っぱのタンポポ
言うまでもないことですが、移民の増減は、アイスランドの経済が伸びているか、縮んでいるかに直接左右されます。ここのところ数年はアイスランド経済は、経済恐慌直前の時期と同様に好況を保っていましたので、経済の底辺を担う移民労働者も増加傾向にありました。
現在の移民総数は五万人以上となっています。コロナにより経済生活もめちゃめちゃになってしまいましたが、その実態がどのようなものであるのかは、徐々に明らかになってくるだろうと思います。その中で移民総数がどのように変化していくのか、それも明らかになってくるでしょう。
私自身は、移民牧師ですが、現在の仕事の比重は難民の方にシフトしています。その難民の流れも一時期ストップして(させられて)いたのですが、国境が再オープンして以来、すでに難民申請者数は増加しつつあります。
二週間の強制「コロナチェック隔離」がありますので、まだ私の仕事そのものには影響が出ていませんが、八月には、またそのような新しい状況に相対しなくてはなりません。
冒頭に「暗い時期だからこそ『お笑い』が必要」みたいなことを書きましたが、お笑いに頼り切っているのは情けない話しで、私ら教会関係者も社会に光を提供すべき立場です。心してかからないと。
いずれにせよ、このコロナはそう簡単には消えてくれそうもないですし、「コロナがそこにいる」ということを前提条件として、これからのプランを立てる必要がありますね。面倒ですが、それにアジャストしていかなくてはいけませんね。
日本の皆様も、十分に気をつけながら、それでも良い夏休みをお過ごしください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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