レイキャビクではやっと夏らしい日々を迎えています。先の木曜日には気温が21,6度にまで上がり、これは2008年以来の記録だそうです。日本の皆さんには「?!」ではないかと思いますが、これがこちらの盛夏なのです。
天気が良くなると、外へ出て行きたがるのはアイスランド人の習性です。たぶん、日本でも同じでしょうが、日本の場合は気温が「天気がよい」の限度を超えて上がって行きますので、その場合には屋外へ出ようとする足も止まりますよね。
実は私は明後日の火曜日、レイキャビク郊外のHvaleyravatnクヴァールエイラヴァトンという小さな湖のほとりで結婚式を担当することになっています。チャペルがあるわけではなく、周囲を木で囲まれた小さな草はらでの野外結婚式です。
天気が良ければ、それはそれで気持ちの良いものなので、どうか今の好天が持続して欲しいものです。

今週の野外挙式の舞台 クヴァールエイラヴァトン
Myndin er ur Pjatt.is
このような野外での結婚式は、アイスランドでは決して珍しいものではありません。「頻繁に」というところまではいかないでしょうが、「野外で挙式したいです」と言われても、驚くようなことはありません。
こちらでは婚姻は、公式に挙式を司ることができるVigslumadurヴィグスルマーズルと呼ばれる人の前で、新郎新婦が婚姻の約束を交わすことによって成立します。ヴィグスルマーズルというのは主に教会の牧師さんや、他の宗教団体の指導者や地方法務官等々の皆さんです。
挙式後に書類も提出することになりますが、挙式をした後で「やっぱりやーめた」と言って、書類を提出しなかったとしても、婚姻はすでに法的に有効になってしまっています。
ちなみに「新郎新婦」とは言ったものの、実際には「新郎新郎」「新婦新婦」でも構いません。ここでは同性結婚が認められています。
で、結婚式のメインは「約束の交換であって、場所ではない」という基本があることになります。それで、自由に自分たち向きの式を持ちたい向きは「自然の中で」とか他のユニークな場所を希望することもあるわけです。
私自身が担当したわけではないのですが、覚えているのは冬にスキー場の山の上での雪上結婚式がありました。知り合いの牧師さんが担当したのですが「ご苦労なこった」と思ったのを思い出します。
ブルーラグーンの野外スパで挙式をしたカップルもありましたね。これはテレビのニュースで見たように思います。正直言ってこれは何が楽しいのか理解できません。私なら遠慮させていただくケースですね。
「乗馬の旅を数日して、その途上で式を挙げたい」という外国のカップルの相談を受けたこともあります。乗馬について何も知らない私は手伝いようがなく、「まずは乗馬ツアー」を提供しているオフィスに連絡して、そこから近隣の牧師さんを紹介してもらうよう勧めました。
私自身が担当した結婚式の中ではまったくの野外での式は二回、住居の庭での式が二回くらいのものです。もっとも「庭先」の一回は、サマーハウスの庭だったので、ほとんど原野の真ん中でしたが。
もともと私は邦人の方が関係していない挙式はあまり担当する機会がなく、年間を通してもせいぜい三、四回くらいしか結婚式に関わることがないのです。そして日本からのカップルの皆さんは、大抵ハットゥルグリムス教会での式を望まれるのです。
私が関わった「まったくの野外」挙式のひとつは、レイキャビクから車で三十分くらいのところにあるBlafjallブラウヒャットゥル「青い山」というスキー場ででした。夏だったので、もちろん雪はなくスキー場ロッジはクローズド。挙式後の披露宴用に開けてもらっていたようです。

Blafjallからの式当日の景色
Pic by me
式そのものはスキー場から歩いて十分くらいのところにある洞窟。洞窟といっても、トンネルのようではなく、むしろ地下に空いた空間、という感じでした。かなり広くて、総勢六十人くらいいたゲストが皆入れましたから。声はエコーしてくれるし、結構いい環境でした。
ただ、自然を舐めてはいかんぜよ。新婦のお父さんが式前に頭を天井にぶつけてしまいました。振り向くと、頭から血を流しているのでびっくりしましたが、幸い大したことなく、式が始まる前に止血できました。

「挙式会場」の洞窟入り口
Pic by me
「まったくの野外」その二は、レイキャビク沖の海の上です。普段はホエールウォッチング用の大型のボート(船)をチャーターしての挙式でした。「沖」というのは言い過ぎかもしれません。港からに十分くらいのところで、外海ではないので波も静かで、天気も良かったのでとても気持ち良かったです。

海上挙式の船の上から
Pic by me
他の「庭先」での二回の式を含め、いずれも好天に恵まれたのですが「ラッキー!」なのか、あるいは神の恵みなのか。せっかくですから神の恵みと理解しておきましょう。
自然の中での結婚式は、天気がいい時には本当に素晴らしいものになります。良い思い出になることも間違いありません。ですが、ふたつの留意点があります。
まず天候はコントロールできない、ということ。雨天や強風の可能性は必ずありますから、屋内プランBを用意しておくか、「雨でも風でもめげない」と覚悟を決めておくかです。まあ、お客さんのこともありますからね。ついでに牧師さんも。
もうひとつの留意点は、これは特に牧師さん用、というか私の個人的注文事項なのですが、トイレがないということをお忘れなく。できればそれほど遠距離でないところにトイレがあるような場所を選んで欲しいものです。
今現在はこの火曜日が良い天気、いや謙虚に言って雨天ではないことを祈ります。今回の新郎新婦はもうウキウキして舞い上がっていますので、雨でも雪でもものともしないでしょうが、私は濡れ鼠になるのは嫌ですし、ゲストの皆さんからの「お前の徳が足りんからこうなるんじゃ」という視線もお断りですからね。
日本から挙式をされるために来られるカップルの皆さんには... 私はやはりハットゥルグリムス教会の方をお勧めしたいと思います。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
天気が良くなると、外へ出て行きたがるのはアイスランド人の習性です。たぶん、日本でも同じでしょうが、日本の場合は気温が「天気がよい」の限度を超えて上がって行きますので、その場合には屋外へ出ようとする足も止まりますよね。
実は私は明後日の火曜日、レイキャビク郊外のHvaleyravatnクヴァールエイラヴァトンという小さな湖のほとりで結婚式を担当することになっています。チャペルがあるわけではなく、周囲を木で囲まれた小さな草はらでの野外結婚式です。
天気が良ければ、それはそれで気持ちの良いものなので、どうか今の好天が持続して欲しいものです。

今週の野外挙式の舞台 クヴァールエイラヴァトン
Myndin er ur Pjatt.is
このような野外での結婚式は、アイスランドでは決して珍しいものではありません。「頻繁に」というところまではいかないでしょうが、「野外で挙式したいです」と言われても、驚くようなことはありません。
こちらでは婚姻は、公式に挙式を司ることができるVigslumadurヴィグスルマーズルと呼ばれる人の前で、新郎新婦が婚姻の約束を交わすことによって成立します。ヴィグスルマーズルというのは主に教会の牧師さんや、他の宗教団体の指導者や地方法務官等々の皆さんです。
挙式後に書類も提出することになりますが、挙式をした後で「やっぱりやーめた」と言って、書類を提出しなかったとしても、婚姻はすでに法的に有効になってしまっています。
ちなみに「新郎新婦」とは言ったものの、実際には「新郎新郎」「新婦新婦」でも構いません。ここでは同性結婚が認められています。
で、結婚式のメインは「約束の交換であって、場所ではない」という基本があることになります。それで、自由に自分たち向きの式を持ちたい向きは「自然の中で」とか他のユニークな場所を希望することもあるわけです。
私自身が担当したわけではないのですが、覚えているのは冬にスキー場の山の上での雪上結婚式がありました。知り合いの牧師さんが担当したのですが「ご苦労なこった」と思ったのを思い出します。
ブルーラグーンの野外スパで挙式をしたカップルもありましたね。これはテレビのニュースで見たように思います。正直言ってこれは何が楽しいのか理解できません。私なら遠慮させていただくケースですね。
「乗馬の旅を数日して、その途上で式を挙げたい」という外国のカップルの相談を受けたこともあります。乗馬について何も知らない私は手伝いようがなく、「まずは乗馬ツアー」を提供しているオフィスに連絡して、そこから近隣の牧師さんを紹介してもらうよう勧めました。
私自身が担当した結婚式の中ではまったくの野外での式は二回、住居の庭での式が二回くらいのものです。もっとも「庭先」の一回は、サマーハウスの庭だったので、ほとんど原野の真ん中でしたが。
もともと私は邦人の方が関係していない挙式はあまり担当する機会がなく、年間を通してもせいぜい三、四回くらいしか結婚式に関わることがないのです。そして日本からのカップルの皆さんは、大抵ハットゥルグリムス教会での式を望まれるのです。
私が関わった「まったくの野外」挙式のひとつは、レイキャビクから車で三十分くらいのところにあるBlafjallブラウヒャットゥル「青い山」というスキー場ででした。夏だったので、もちろん雪はなくスキー場ロッジはクローズド。挙式後の披露宴用に開けてもらっていたようです。

Blafjallからの式当日の景色
Pic by me
式そのものはスキー場から歩いて十分くらいのところにある洞窟。洞窟といっても、トンネルのようではなく、むしろ地下に空いた空間、という感じでした。かなり広くて、総勢六十人くらいいたゲストが皆入れましたから。声はエコーしてくれるし、結構いい環境でした。
ただ、自然を舐めてはいかんぜよ。新婦のお父さんが式前に頭を天井にぶつけてしまいました。振り向くと、頭から血を流しているのでびっくりしましたが、幸い大したことなく、式が始まる前に止血できました。

「挙式会場」の洞窟入り口
Pic by me
「まったくの野外」その二は、レイキャビク沖の海の上です。普段はホエールウォッチング用の大型のボート(船)をチャーターしての挙式でした。「沖」というのは言い過ぎかもしれません。港からに十分くらいのところで、外海ではないので波も静かで、天気も良かったのでとても気持ち良かったです。

海上挙式の船の上から
Pic by me
他の「庭先」での二回の式を含め、いずれも好天に恵まれたのですが「ラッキー!」なのか、あるいは神の恵みなのか。せっかくですから神の恵みと理解しておきましょう。
自然の中での結婚式は、天気がいい時には本当に素晴らしいものになります。良い思い出になることも間違いありません。ですが、ふたつの留意点があります。
まず天候はコントロールできない、ということ。雨天や強風の可能性は必ずありますから、屋内プランBを用意しておくか、「雨でも風でもめげない」と覚悟を決めておくかです。まあ、お客さんのこともありますからね。ついでに牧師さんも。
もうひとつの留意点は、これは特に牧師さん用、というか私の個人的注文事項なのですが、トイレがないということをお忘れなく。できればそれほど遠距離でないところにトイレがあるような場所を選んで欲しいものです。
今現在はこの火曜日が良い天気、いや謙虚に言って雨天ではないことを祈ります。今回の新郎新婦はもうウキウキして舞い上がっていますので、雨でも雪でもものともしないでしょうが、私は濡れ鼠になるのは嫌ですし、ゲストの皆さんからの「お前の徳が足りんからこうなるんじゃ」という視線もお断りですからね。
日本から挙式をされるために来られるカップルの皆さんには... 私はやはりハットゥルグリムス教会の方をお勧めしたいと思います。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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