レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

コロナ再警報のアイスランド

2021-07-25 00:00:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。

嘘みたいな話ですが -少なくとも私にとっては- 七月も最終週に入ってしまいました。歳が進むにつれて、月日時間の進行速度が加速しているように感じてしまいます。

この分では、仮りにあと二十年生きられるとしても、その体感・「心感」・実感はせいぜい五年分くらいしかないのでは?という気がしてしまいますね。ちょっと不安かも。




本文とは無関係 清涼感アップ用ピク
Myndin er eftir John_Salvino@Unsplash.com


さて、アイスランドなのですが、ここへきて変化がありました。コロナです。書く方も食傷してはいるのですが、こちらのコロナ事情が日本のニュースに載ることは少ないと思いますので、一応マイナーブログの使命と感じて書かせていただきます。

アイスランドでは、十六歳以上の住民の約九割が少なくとも一回のワクチン接種を終えたこと、さらに実際の新規陽性者が極小になったことから、6月26日以降、ほぼすべてのコロナ感染予防用の制限が撤廃されていました。

もちろん、感染した場合や、濃厚接触者となった場合の隔離とか、入国に際しての規則、制限とかはありますよ。

それで、極端から極端へ走るのが得意なアイスランドの人たちは「コロナは終わったー!」とばかりに、連日連夜飲めや歌えや... いや、そういうのは一部でしょうが、それでも社会全体に解放感が満ちました。

海外からのツーリストも急ピッチで戻ってきており、大打撃を受けた観光業界も復活し始めています。ということは、社会全体の経済活動が復活過程に入っているわけです。経済は繋がっていますから。

ところが、同じように人の移動とコロナも繋がっています。国境を超えて人が移動すれば -という言い方はひっかかるものがありますので言い換えますが- ウイルスがいる地域といない地域を繋ぐ人の移動があれば、当然ウイルスも付いてくることになります。

そういうことが起こったようで、ここアイスランドでも流行りの「デルタ株」が出回り始めたのです。




賑わいを取り戻しつつあるケフラビク国際空港前
Myndin er ur Visir.is


二週間まえにひとり、ふたり... という感じだったのが、金曜日の新規感染判明者は95人、先週の火曜以降の五日間トータルでなんと350人の陽性者判明。これは人口十万人あたりの率で換算すると111,3人となります。ヨーロッパで使うコロナマップでは、「コロナフリー」のグリーンだったアイスランドですが、一挙に「危険」レッドに転落です。

また、ご多分にもれず、現在の陽性判明者の過半数は二十代から四十代の、比較的若い層です。

というわけで、またしても今日の日曜日からいくつかの制限が復活しました。まあ、個人的にはびっくりはしていません。海外を見ていても、そうなるだろうことは明らかでしたから。

今回の制限の主なものを挙げますと、集会は上限を二百人とする。お店等での客数も同様。ソーシャルディスタンスは1メートル。それができない状況ではマスク着用義務。

飲食店でのお酒の提供は夜11時までとし、12時には閉店のこと。 プールやジムは、収容キャパの75%を限度とする、等々です。

個々人の生活にとっての不自由さから考えると、全体として、それほど厳しい内容とはなっていません。パブやバー、ジムの経営者、それに大イベントの企画運営者にとっては、それなりに痛いものを含むと思われます。

実は、今回のちょっと目には「ゆる〜い」制限がなされる裏には、政府内でかなりの議論があったようです。

議論の下地になったのは、ソウローブルさんというコロナ対策で筆頭に立つ疫病予防医師の方の「メモ」。日本の尾美感染対策分科会会長みたいな人。このソウローブルさんは、コロナの発端より、政府に提言を出し続けてきています。

彼が指摘したのは、まず、今回陽性判明がした人の中での、ワクチン接種を受けた人の割合。これがかなり高いのです。全体数は見当たらないのですが、例えば木曜日に陽性判明した76人中、54人が二回の接種を終えていました。なんと七割強! ソーロウブルさんは正直に「期待していたほど効かない...」とがっかりを表明。

それでも、今日の時点で入院を必要するほどの症状が出ているのは、4人だけ。別の感染症関係のお医者さんは、「ワクチンは重篤化を防ぐという点ではきちんと機能している」と説明しています。

こういうところから、感染者数が拡大していても、「今すぐ人がバタバタと倒れる危険はないだろう」というのが施策者側の視線のようです。

それと合わせて、先ほど書きましたように回復方向へ動き始めた、観光業会を始めとする経済界があります。「ここでまた制限ができたら、もうもたないよ」というかなり強い危惧の声が聞かれました。




この一年あまり、コロナで働き詰めのソウローブルさん
Myndin er ur Visir.is


さらにもうひとつ、ソウローブルさんが指摘したのが、今回の感染源。かなりの多くの感染者の源がふたつ特定できるそうで、ひとつはダウンタウンのセレブなクラブ。私は行ったことがありません、当然。これから行くこともないでしょう。

もうひとつが、先のサッカーの欧州選手権で、あの満杯のウェンブリースタジアムへ感染旅行に行ってきた人たちです。まあ、ある意味、納得できる感染の状況ですよね。

ですから、バーやパブの営業時間制限や、大規模集会の上限設定、1メートルのソーシャルディスタンス等々は、確かにこちらの現状に沿った施策といって良いと思います。

逆にいうと、それ以上に締め付けをする理由は見当たらない。少なくとも現状では。むしろ人命のリスクが低い状態で、これ以上経済活動を制限するのは、逆に経済を通して人命を危うくする、みたいな考えはあるみたいです。

ただ、八月始めには「ショーザハウティーズ」という、伝統の野外ワイワイ大どんちゃん騒ぎがヴェストマン諸島で企画されています。一万、とかいう数で人が集まるお祭りです。去年は形だけで、なくなくお流れになってしまいましたが、その分今年はリキが入っていました。

それが直前での「二百人規制」。今回の制限は、一応「8月13日まで」となっていますので、お祭りの主催者は「数週間、開催時期を先へ伸ばす」ことも考えているそうです。

このお祭りについてはこちらも 「夏休みの最後の砦 の週末」




本来はアイスランドの夏の風物詩 ヴェストゥルマンナ諸島の野外祭り
Myndin er ur Hatid.is



「人命がものすごくやばい」という危機時と比べて、「感染者数は増えているが、重篤者が少ない」という状況では、むしろいろいろな利害が衝突して、特定の規制を設定するのは難しくなるようです。

夏が終わった九月(もうすぐだ!)には国政選挙もあります。ということは、政治家の皆さんもウケの良くないことはしたくない。

どこにでもある事情でしょうが、そういう中から出てきたわりには、今回の制限は、私としては納得できる的を得た施策だと評価しています。

まだ公式には明らかにされていませんが、これからははっきりと「感染者数ではなく、重篤者数に注目する」という方向を選択することになるのではないでしょうか?

東京オリンピックも始まりましたが、日本(というか東京か?)の感染者推移がこれ以上高まらないことを願います。気をつけてお過ごし下さい!


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

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PK失敗の三人と、あるポーランド人女性の落胆と怒り

2021-07-18 00:00:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。

関東も梅雨が明けたようですね。これからは相当に暑い日がくるのだろうと想像します。七月半ばにして気温が20度にも達しないレイキャビク住民からすると、夏日は多少羨ましい気もするのですが、多分、実際にその場になったら十分でギブすることでしょう。




清涼感アップ用のピック
Myndin er eftir Cris_Ried@Unsplash.com


さて、先日サッカー男子の欧州選手権「2020」の決勝がありました。イングランドvs イタリア。イングランドはまだ一度もこの選手権を奪ったことはなく、一方のイタリアも覇権は1968年と半世紀以上前のことでした。

加えて、両国ともコロナで相当散々な目に遭っていて、社会には欲求不満が溜まっていたことでしょう。そういう雰囲気が試合前から感じられ、ニュースでも試合結果による騒動などが心配されていました。なにしろ会場はウェンブレーで、もしイングランドが負けたら暴動が起きるのではないか?という声まで聞かれました。

で、実際にイングランドは負けました。1:1のまま延長でも決着がつかず、ペナルティ戦へ。ここでイタリアは最初と最後の二人が失敗。ところがイングランドはその上を行き、三人目から続けて三失敗。という、まさにイングランドファンにとっては「悪夢じゃー」だったことでしょう。

幸い暴動は防げたようですが、試合後、このPK失敗三人組に対してありとあらゆる馬事雑言が浴びせられました。三人が人種的に非白人であったことから、罵声は人種的な差別と化していきました。これ、日本でもニュースになったことと思います。

その一週間くらい前でしたか?フランスのサッカー代表二人が、一昨年に来日した際、ステイ先のホテルで、サービスに来てくれていたホテルのスタッフのことを「醜い」だの、日本が「先進国なのか?」などと嘲笑った動画を撮っていたことが話題になりましたよね。

私もYoutubeで見ましたが、まあ、下衆な連中だと思いましたよ。

考えてみると、昨年来のコロナの期間中って、やたらに人種差別や偏見に関連した話題が多くなかったですか?差別そのものは、残念なことですがいつでもあることだろうと思いますので、それが何らかの形でブレーキングポイント(する側からもプロテストする側からも)に達してしまうというのは、やはりコロナ禍でのストレスが関係しているのでしょうか?




PKに失敗し呆然とするSaka選手
Myndin er ur Sports.ndtv.com


差別はアイスランドにもあります。金曜日にあるニュースを目にしたので、今回は「差別」がらみで、そのニュースをご紹介したいと思います。

あるポーランド人の女性が、Facebookに公開で投稿したものが反響を呼び、いくつかの他のネットメディアでも取り上げられたものです。この女性はビクトリア・ジョアンナさんといいます。

私の個人的な知り合いではないので、投稿から察することなのですが、結婚していてお子さんがふたり。アイスランドに住んで十四年になるようです。良い教育を持っていると自負していますが、書いている英語もしっかりしているし、多分そうなのでしょう。

どういう教育かはわかりません。ただ、これまで自分の教育と能力に相応しい職に就くことができなかったようで、そこに「闘争」があったようです。ここ数年間、なにかふさわしくない仕事をする傍ら、ふさわしい仕事に応募し続けてきたらしいのですが、「『関心を持ってくれてありがとう』という返信の一通すらないし、インタビューにも一度も呼ばれない。

もしかしたら、私の名前が『外国人』だから?って思い始めたわ。でも、そんな時、あのマリオット・ホテルのレストラン・マネージャーの職に応募したら、翌日インタビューに呼ばれたの。

チーフのジェネラル・マネージャーは移民なのだけど(私の推察ではこの人は男性)、『あなたくらいに相応しい人材は他にはいない』と言ってくれて、私は週明けから働くつもりでいた。

ところが人事部のチーフが送ってきた契約内容では、固定給に加えてオーバーワークの支払いはなし。これは組合の規則により、そのような契約内容でサインをすることは禁じられてる。(注:レストランのマネージャーは、管理職には入らないようです)

そこで、そのことをメイルで人事部長に告げて『話し合いたい』って言ったの。そしたらいきなり『攻撃的だ』という烙印を押されて、話しは吹き飛んでしまった。

後から聞いたのよ。レストランのメイン・シェフと人事部長は『ローカル(この場合はアイスランド人)』しか雇いたくない、という考えなんだって。

十四年間、ここに住んで、言葉を学んで、友だちもたくさんいて、子供たちはアイスランドしか『ホーム』と思っていない。それでも私は『ローカル』には勘定してもらえないということ?

もういい。ここでは、私はもうすることがない」




ビクトリアさんの「告発」を扱うMannlif誌の記事
Myndin er ur Mannlif.is



かいつまんでみると、このような内容だと思います。

で、私は移民の人たちとの接点が多い仕事をしていますので、このような話しはわりと頻繁に耳にする機会があります。全部を詳細に調べているわけではないので、大雑把な印象ですが、それらの話しのうちの七割くらいは大方本当のことだろうと思います。実際に酷い話しはかなりあるのです。

残りの三割は誤解がある場合と、差別されていると訴える側にも相応な問題がある場合です。

難しいのは、この「訴える側にも相応な問題がある」ということです。このビクトリアさんの場合については、わかりません。この投稿しか材料がないので。

ただ、考えなければいけないひとつの傾向というものがあります。それは、大方のアイスランド人の人たちに当てはまるのですが、自分の国は悪く言いたくないですから「そんなバカな。文句を言っている方に問題があるんだろ」で済ましたくなることです。

このことは、移民であっても、苦しい時期を抜けてある程度社会の中での居場所を確保している人にも当てはまることでしょう。実を言うと、私自身も気をつけないとそちらに流されそうになることがあります。

以前はあからさまな差別や偏見の言葉をよく受けましたが、ともかくも世に認められるようになってからは、直接に差別や偏見を受けることは少なくなってきました。

しかし、自分への差別が少なくなったことは、社会での差別が少なくなったことを意味しません。それでも、そこでそういう勘違いを起こしてしまうことはあります。この点はよくよく心に留めておかないと。

差別の構造というのは、往々にしてふたつ(以上)の集合体の対立のようになりますね。白人対黒人、白人対有色人種、欧米人対アジア人、男性対女性、イスラム教徒対キリスト教徒、アイスランド人対移民... のような。

そして例えば黒人の個人が白人による差別を告発する時、白人の中の一定数は必ず「自分はどうすべきか?」と考えてしまうことだろうと想像します。攻撃されている「白人」の中に自分もいるのだから、自己弁護を含めて白人を擁護すべきか、はたまた黒人の人の告発に耳を傾けるべきか...?

先日のサッカー代表の問題に関して、日本に住むフランス人のYoutuberの人たちの何人もが、困惑と謝罪の表情を見せていました。




PKに失敗したラシュフォード選手の壁画に落書きされた中傷に、上から応援の言葉で対抗
Myndin er ur Nbcnews.com



自分が属する集団の非を認めることは、必ずしも容易いことではないですし、差別の中には「国ぐるみ」「社会ぐるみ」のものもあります。そうなると、いよいよ難しくなることもありましょう。

しかし、それでも不当な差別や理不尽な偏見には、ひとつひとつ対決していかないと思います。大きな差別の流れに対して対抗できるのは、結局のところ立ち上がり声を上げる一個人、一個人しかないことを、これまでの歴史は何度も示してきたものと考えます。

そしてですねえ、日本にも差別はあると思っています。例えば難民認定が極端に少ないという事実。入管での外国人の取り扱い。愉快なテーマではないでしょうが、これは是非皆さんにも考えていただきたい問題だと思います。m(_ _)m


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AnaheimのOhtani-saaaan!

2021-07-11 00:00:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。

まず、新しく着任された鈴木大使が、そのTwitterぶりで話題になり、昨日のVisirというネットニュースに紹介されていましたので、興味のある方はこちらで。こういう話題で大使がニュースになるのは珍しいかも。(*^^*)

鈴木大使のTwitterぶりについてのニュースはこちら

さて、東京オリンピックが、首都圏会場では無観客とする旨が決定されたことは、こちらのメディアでも大きく報じられています。コロナから解放された感の強いアイスランドでは、やはり驚いている感が強いように思われます。

日本ではコロナがまだ人々の生活を圧迫しているのだ、ということの認識が薄いようです。世界の情勢がこれだけ刻一刻と伝達、交換される時代であるとはいえ、それと「実感を共有する」こととはやはり別のことなのでしょう。

まあ、ある意味、しかたないでしょうね。アフガンでタリバンがまた勢力を持ちつつある、とかニュースで伝え聞いてはいても、それが自身の恐怖になることはないですし、どこかで「実感を共有できる、できない」のラインは引かれるものなのでしょう。

まあ、それと関係のあるような、ないような話しなのですが、アイスランドに住む日本人である私は、ここのところ、こちらではまったく話題になっていないけど日本ではホットな話題に夢中になっています。オータニサン!です。




この熱気がないのが寂しいアイスランド...
Myndin er ur MBL.com


毎朝目が覚めると、いの一番でMLBのサイトを開き、大谷選手の昨日(今日)の試合でホームランを打ったかどうかをチェックしてしまいます。そして打っていた場合には -ここ十日間くらいではその確率が高かったのですが- Youtubeで何度もその場面をリピートしてしまいます。

残念ながら、野球無知のアイスランド人相手では、大谷選手の活躍を口にすることはまったくできません。哀れなものだ... ワタシではなくて、あいつらが。

でも、始めに白状しておきますが、私は別に熱狂的な大谷ファンではありません。好青年ですし、好感を持って見ていますが、別に背番号17のジャージを買おうとは思いませんし、遠巻きのサポーター程度のものです。

チーム的には私はヤンキースファンで、ヤンキースのジャージやTシャツは何枚も持っています。先日は大谷選手が初めてヤンキースタジアムで先発しましたが、さすがにその際は大谷側に就きました、へへ。

マー君が去ってしまい、ヤンキースへの忠誠度は多少減少しています。

大谷選手が所属しているのはエンジェルスですが、このエンジェルスというチームも、ワタシ的にはビミョーなものがあります。大ファンではないのですが、昔から気に入っているチームではあるのです。

その理由が先日「大先輩ピッチャーと挨拶する大谷」というタイトルでYoutubeに流れていました。その大先輩ピッチャーとはクライド・ライトという人なのですが、現在七十八歳になったとか。

ビデオでは、ライトさんについて エンジェルスのホーム「アナハイム球場で初めてのノーヒット・ノーランを達成した投手」とだけ説明されていました。ライト投手はその日の試合の始球式に招かれていたようです。このライトさんが、私がエンジェルスを気にいるようになった理由なのです。

さて、今を遡ること四十五年、1976年にこのライト投手は「我が」読売ジャイアンツに入団しました。助っ人外人枠です。




ジャイアンツ時代のライト投手
Myndin er ur Tumgir.com


その頃の私は高校生で、チョージャイアンツファンでした。今は違います。で、ライト投手はその当時はかなり大物大リーガーでした。ちょっと書きましたが1970年にはノーヒット・ノーランを含んで22勝をあげていますし、以降四年連続で二桁勝利を残していました。

で、高校生の私はこのライト投手の相当なファンになりました。その当時、日本のピッチャーはものすごく投球間隔が長いのが普通でしたが、このライト投手はキャッチャーから返球されてから、ものの三秒で次の投球へ入るみたいな感じでした。

そしてですねえ、シンカーとスクリューボールを多用して、とにかく「打たせて取る」のが上手だったのです。ダブルプレーを取るのが非常に多かった記憶があります。結果、「ライトが投げると、試合が早く終わる」みたいなのはありましたね。

ところがこのライト投手、気性が荒い、というか癇癪持ちなところもあり、通訳の胸ぐらを掴んだり、カメラマンのカメラを放り投げたりと、「紳士巨人」には収まらない部分もありました。

そういうところから、「クレージー・ライト」なんていうあだ名が付けられていましたが、ユーモアのセンスもあり、当時まだ小さかった息子さんに、背の名前の部分に「Crazy 1/2」と入ったジャージを着せたりしていました。

ちなみに、ライト投手の息子さん、ジャレットも大リーグのピッチャーになり、ヤンキースで投げたりしました。私が覚えているあの子が、このジャレットさんだったのか、他に兄弟がいるのかは定かではありません。




エンジェルスの本拠地 アナハイムスタジアム
Myndin er ur Wikipedia.org


日本の野球にもポジティブで、「タナナ(当時のエンジェルスのエース)に言ってるんだ、『日本へ来て、こちらの選手を三振にとってみろ。難しいから』日本の野球はレベルが高いよ」

自分が好投したのに、チームが点を取れずに負けがついてしまった時にも「長年、点を取ってくれないチーム(エンジェルス)にいたから、それは気にならない」

やたらに野球哲学や人生観を振り回さずに、淡々ひょうひょうと試合をこなしていく姿が、高校生の私にはクールに思えたのです。

ライト投手、結局三シーズンで巨人を去りました。米国へ帰国後はアルコールの問題があったりしたそうですが、現在は立ち直り、エンジェルスの広報関係かなにかの仕事をしたり、スタジアム内で行列ができるサンドイッチ店を開いているとか。

そういう、高校生時代のスターを偶然Youtubeビデオで見ることができて懐かしかったですね。

ところでエンジェルスは、今はLAエンジェルスなのですが、前に付く「地名」は何度か変わっています。1961年の球団創設時には今と同じLAエンジェルス。

1966年、アナハイムに新球場が完成するとカリフォルニア・エンジェルスと称しました。私がエンジェルスを知った時はこの球団名でしたね。しばらくしてアナハイム・エンジェルスになり、2002年に初めてワールドシリーズを制しました。

そして2005年にはLos Angeles Angels of Anaheim という、面倒臭い名前になりましたが、2015年に、当初のLAエンジェルスに戻りました。同じ場所にいながら、地名部分だけが変わっていくというのも珍しいですね。

というわけで、大谷さんと同様、エンジェルスというチームについても、私は「遠巻きのサポーター」的なポジションです。

私が個人的にファン度の高いのは、今はダルビッシュです。去年までのカブスからパドレスへ緊急トレードしてしまったのはちょっと残念でした。カブスのジャージを買ってあったのに... パドレスのものは品切れ中。




レイキャビク西街のダルファン


ダルビッシュについてはこちらも 「還暦 ダイエット ダルビッシュ」

私がヤンキース以外のジャージを着るのは、このカブスwith Darvish のみです。そのうちパドレス with Darvishも着るでしょうが。

ついでに、MLBのグッズはAmazonで買うことはできません。米国外への売却規制があるのです。なんでかね?ですから、日本で買って転送してもらわないと。結構面倒です。

まあ、でも今シーズンはオオタニサーン! にとことん頑張って欲しいですね。季節限定でエンジェルスファンになろうかな?今週の火曜日(日本時間では水曜日)にはオールスター・ゲームです。

普段はあまり関心がないのですが、今年は例外になりそうです。そういう風にさせるオータニサン! はやはり大スターなのでしょう。


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しばしの太平 コロナフリーのアイスランド

2021-07-04 00:00:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。

カナダやアメリカでの、熱波による異常な気温上昇がこちらでも伝えられています。毎年のようにこういうことが繰り返されるということは、確かに地球温暖化の危機なのでしょう。

アイスランドでは、五月の奇跡的な好天の後、六月は全般に気温が上がらず涼しい日々が続きがっかりさせられました。北部から東部では一時雪まで降ったんです。バンクーバーのような酷暑はごめんですが、もう少し高い気温が欲しい! というのがホンネでした。

それがここ数日は気温が上がってきています。今、これを書いているのは土曜日なのですがレイキャビクの気温は12度。東部では15度から16度。中部では19度とかなっているところもあります。週間予報を見ると、来る一週間はこんな感じが続いてくれるようです。



本文とは無関係 清涼感アップ用です
Myndin er eftir Luke_Hodde@Unsplash


さて、先週ちらっと触れましたが、こちらでは一年以上形を少しずつ変形させながらも続いてきた、様々なコロナ感染予防用の制限が撤廃されました。

つまり「一度に集まるのは五十人まで」「ソーシャルディスタンスは二メートル」「室内ではマスク着用」「レストランは夜十一時まで」等々の制限がすべてなくなりました。国境を越える場合は別ですが、国内の生活に限っていうと、コロナ以前の生活に戻るゲートが開けられたわけです。

もっとも制限がなくなったからといって、すぐに生活が元に戻るわけではありません。まだ感染の危険は常にあると考えるのが妥当ですし。特にデルタ株はまだ本当には上陸していないようなので、この「無制限」がいつまで続くのかもちょい?付きです。私は「しばしの太平」とみなしています。

「もう、握手しても、ハグしても、ほっぺにチューしてもいいのよ」とか保健衛生大臣のスバンディスさんは言っていますが、私などはいざ握手となると、まだ手が出ません。ハグやチューはしてもいいけど、相手によるな。




多少の「戻ってきた夏」感のある今週
Myndin er ur Vedur.is


この制限撤廃の元になっているのは、まずは新規感染者数がずっと低く抑えられているということ、さらに今月の始めの時点で、アイスランドに住む十六歳以上の人たちの九割が、少なくとも一回のワクチン接種を終えたことがあります。

直近の二週間をとってみると、新規感染者数の割合は、十万人につき1,9人と低い数値に留まっています。ただしこれは、国内での感染者数です。例えば、国外からやってきた人が、入国時のPCR検査で陽性となった場合の数はここには含まれていません。

実際、空港での陽性判明者は継続的に出てきているとおもいます。絶対数はそれほどではなく、十人を越えるようなことはないようですが。

ちなみに、国外からアイスランドに入国する場合ですが、まずすべての入国者は事前に入国日、帰国日等を通告する必要があります。そのためのサイトがあります。

すでにワクチンの接種を二回終えている人(ジャンセン・ワクチンの場合は一回)は、その証明書を提示します。接種から十四日間が経っている場合はそのままフリーパスで入国できます。

それより短い期間しか経っていない人は、空港でPCR検査を受け、その結果が出るまでは自宅、または用意されたホテルでの待機となります。

以前コロナにかかったが全快した、という人は、これもその証明書を提示すればフリーパスです。

これらの証明書がない人は、事前(入国より72時間が経過していることが必要)のPCRでの陰性証明を示した上で、まず空港で一回目のPCR検査を受け、その後五日間を所定のホテルで待機し、五日目にニ回目のPCR検査をして、その結果が陰性となるのを待って「解放」されます。

2005年以降に生まれた未成年(つまり十六歳以下)の人は、PCR検査を受ける必要がありません。その他にもいくつか未成年者をめぐるルールがありますが、ここでははしょります。

これらのルールは感染度の高い国や地域別について特別ルールがあったり、また常時変わっていきますので、もしアイスランドにいらっしゃる方がありましたら、公式な情報提供元できちんと確かめてください。




現在のワクチン接種状況 濃いグリーンが接種完了者 薄い方は一回目のみ終了
Myndin er ur Covid.is


さて、こちらでの接種の完全終了者数は、十六歳以上の住民の75,8%に届きました。一回終了が12,9%。

この「国民の九割が少なくとも一回の接種を終了」という事実の元で、国は感染予防から、経済再生へと舵を切ったことになります。飲食関係の危機は日本と同様でしたが、こちらでのいの一番の緊急時は観光業界です。

地方のホテルやロッジ等は、昨年の夏は利用者があったとしてもアイスランド人ばかりだったのですが、今年は夏のブッキングは過半数は国外からの利用者になっている、ということでした。

実際、国内がコロナフリーになっても、国外も同じように沈静化してくれないと、お客さんを呼べないんですよね。日本のコロナの状況も、同じ意味でアイスランドにとっても重要なものです。先日会ったラトビア人の女性は、以前は旅行会社で日本人観光客を担当するセクションにいたということですが、現時点では失職中。早く再雇用されることを願います。

さて、ワタシ自身ですが、今月の一日に二回目の接種を受けてきました。一回目は4月29日でしたから、たっぷり八週間の間隔。私のはアストラゼネカで、本当は十週間開けた方が効果が高まるのだそうです。

接種を続けてきている医療関係者の皆さんも夏休みは必要です。そのため六月後半は、とりわけ頑張って集団接種が実施されました。七月中旬からはメインの集団接種はお休みになり、八月半ばになってから再開されるとか。

一回目と同じような仕組みで、つつがなく二回目の接種を終了。

一回目の様子はこちらで「日本人よりも日本的な?アイスランド人 – たまにこうなる」




私が受けた日の「ワクチン行列」私はラッキーでこんな渋滞には巻き込まれず
Myndin er ur Visir.is/Vesteinn


実は一回目の接種の後、結構カゼっぽくなり仕事ができなかったので、今回もそうなるだろうと予想しました。日本のニュースで「副反応は一回目よりも二回目がきつくなる」という数値を示していたので、接種の翌日は予定を入れず、空白にしておきました。

ところが、今回はまったく何の副反応も表れず。ラッキー! なんでしょうが、逆に「本当に効いているのか?」と心配になってしまいます。人間とは勝手なものです。っていうか、ワタシだけか?

ワクチンが活性化するには二週間は必要ということですので、私は今月中旬まではこれまでと同じように、人混みを避け、握手も避けていきます。

概して、こちらのワクチン接種状況には得心しているのですが、ひとつだけ残念だったことがあります。私がニ回目の接種を受けた日、おそらく一万人弱が接種を受けたのですが、私より少し後の番の人たちから、アストラゼネカではなく、希望すればファイザーを受けることができました。アストラゼネカの在庫が切れてしまったとのことで。

ワタシ、選べるならファイザーを打って欲しかった。アストラゼネカとファイザーのコンビは「最強」というニュースが報じられていますし、しかも権威ある筋から。

またまたワタシの贅沢文句が出てしまいました。悔恨。

世界の多くの地域で、まだまだコロナは猛威を奮っていますし、しかもどんどん変化する野郎なので、安心できる段階ではありません。ですが、それでも接種を受けていくことは確実な一歩前進だと考えます。

もし、ためらっている方がありましたら、私は受けた方が良いのではないか?と思いますが...


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