レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

オータニさんの「珍種」度

2023-07-28 20:54:07 | 日記
こんにちは/こんばんは。

夏休み、真っ只中です。天候の方もそれにふさわしくなってくれていて、毎日晴れてますし、気温も13〜15度くらいを保っています。外に出て、陽がかげると涼しく感じますが、屋内ではタンクトップでも暑いくらいになります。

今夏のワタシはまったくの「金欠」で(実はいつもですが)、どこかに出かけるバケーションの予定はありません。現在夏休み中にもかかわらず、自宅か自宅近辺でウロウロしています。




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Joshua_sortino@unsplash_com


最近、年齢のことも鑑みて禁酒したので(というか、「少なくとも今は禁酒中」)、夕食以降の時間もたっぷり目に感じています。ともすれば退屈〜! に陥ることもあるのですが、昨日の晩は「救い」がありました。それはSho-Timeのオータニさんです。

「昨晩」というのは7月27日木曜日の晩のことで、この日エンジェルスは敵地デトロイトでタイガースと対戦しました。前々日の対タイガース三連戦の一戦目はエンジェルスが競り勝ちましたが、翌日の第二戦は雨で順延。

この時期のエンジェルスの日程は過密で、タイガース三連戦の後は、一日の休みもなくトロントでの対ブルージェイス三連戦。また日をおかずに翌日からアトランタでの対ブレーブス三連戦が組まれています。休みなしの九連戦。しかも、デトロイト、トロント、アトランタと巡業で。

メジャーリーグの厳しさですが、ともかくそういう日程だったので、雨で延期された対タイガース第二戦は、翌日にダブルヘッダーの第一試合として組まれました。試合開始、東部時間の午後1時。その時点では第2試合の開始は未定。そりゃそうですよね、第一試合が終わらないと始められないから。

これは私にとっては天の恵みで、アメリカの東部時間午後1時はレイキャビクの午後5時。野球観戦にはドンピシャの時間帯。しかも、次いでダブルヘッダーの第2試合があるとすれば、これはもう一晩中野球尽くし。

実はエンジェルスの試合はなかなか観るのが難しいのです。本拠地ロサンジェルスの午後7時(平均的な試合開始時間)は、こちらの午前2時。アメリカ西海岸との時間差は7時間もあるからです。まあ、仕事のある時は観戦不能となります。

そういうわけで、昨晩はホットドッグとウォーターボトルを交互に持ちながらの野球観戦となりました。非常に満足。

第一試合は、オータニさんが一安打完封試合。知らなかったのですが、完封勝利は渡米以来初だったんですね。続く第二試合 -なんと第一試合終了より45分後: そんなに間(ま)を詰めてやるんだ、ダブルヘッダーって- では、オータニさんは第二打席、第三打席と連続ホームランを放った後、お役御免となりました。

エンジェルスは、こうしてタイガースに三タテを喰らわせたのですが、オータニさんのスーパー活躍が一要因であったことは言うまでもないことです。




ネットでのMLB観戦、こんな感じ


で、このオータニさんについてのニュースやYoutubeはいくらでもあるのですが、確かにユニークですよね、この方は。グラウンドでものすごい超ド級の活躍をするのですが、グラウンド外ではまったく気配なし。この差がものすごくないですか?

例えば、今人気のベイスターズのバウアー選手とかとは大違い。バウアー選手とかは、実力もありますが、おとなしくしてる時がないですよね、グラウンド外でも。

その点、彼は我らがダルビッシュ選手とも共通してるところがあると思います。前にも何回か書いたことがありますが、私はまずもってダルビッシュファンです。以前は嫌いでしたが、後に信者に転身しました。

ダルビッシュ(失礼して敬称略)の好きな点は、自分が好かれる・嫌われるを超越して、自分が思うことをなし、語る点です。もちろんグラウンド内での実績を前提として。

日本のプロ野球界での、トレーニング一般についての時代遅れの考え方やメソッドへの批判や、NPBの仕組みそのものへの疑問点など、かなりはっきりと意見し、また行動しています。そういうの、私は好きです。

実は、そのことが私が長らくオータニさんを応援しつつも、それほどのファンではなかった理由なんです。なんというか、グラウンド内ではものすごいし、それ故注目度もずば抜けているにもかかわらず、それを良いふうにも悪いふうにも用いていない、みたいな。なんで?

「僕はこう思います」みたいなことをオータニさんが、例えばSNSで発信したりしたら、まさしく「ほんまもん」のインフルエンサーになります。誰もが承知してることです。インスタグラムにはアカウントがあるみたいですが、本人かどうかは知りません。少なくとも私は「オータニさんがこう言った」というような話しを聞いたことはありません。皆さんはありますか?

もちろん、グラウンド内に限っても、オータニさんの影響力は凄まじいものがあります。試合での成績だけでなく。いつも礼儀正しく接する。いつもにこやか。ゴミを拾い、バットは丁寧にバットボーイに返し、相手を気遣う。こういうのは全部観ている人たちにプラスの影響を与えています。



オータニさんの特殊能力について語るサンデル教授
Youtubeより


大谷の”ある特殊能力”についてハーバード大学の名誉教授が大絶賛!(1)

大谷翔平の”ある特殊能力”をハーバードの名誉教授が大絶賛!(2)


あるYoutubeの中にこんなのがありました。ハーバー大学のサンデルという名誉教授がオータニさんを絶賛しているというのです。このサンデル教授は哲学と倫理学の先生だそうですが、オータニさんの持っている「謙虚さ」を、彼の成功を支える「特殊能力」としてみなしているとか。

その流れで紹介されたエピソードが、オータニさんが引退後の夢について聞かれた時のこと。「大学へ行っていないので、普通のキャンパス生活を体験してみたい。どいうものか聞いてはいるけど、体験していないので。授業へ出て、単位を取ってみたい」

確かに、これだけのスーパースターの口から出てくる「引退後の夢」とは思えないものがありますよね。

ダルビッシュやバウアーとは、違う意味で目立つタイプである、サッカーのロナウドや本田圭佑選手と比べてもオータニさんは「真逆」に思えます。

本田選手やロナウドは、良くも悪くも典型的なオレオレ族で、多分そうでなければやっていけない世界なのでしょう。ちなみに本田選手は好きですが、ロナウドは嫌いです。




ついに私もなってしまった... オータニ族


そんなことを昨晩の試合を観ながら考えていたのですが、ふと思い当たりました。

オータニさんというのは、すべてをグラウンド内に集約していく生き方を選んでいるのではないか。試合の成績ということにかかわらず、彼の世界観、人生観、対人感、価値観。それらのすべてを、グラウンド「内」から発信してくことにしているのではないか、と。

だから、より一層ファンはグラウンドでのオータニさんに注目することになります。他に彼について知る手立てがないから。

ここになにか、SNSが席巻している今の私たちの生活に対してのメッセージがあるような気がします。本当に大事なものは何か、あなた自身はわきまえているのか?と。あなたの生活の「芯」は何なのか?と。

現代のプロスポーツ界の只中にあって、オータニさんが「珍種」であることは間違いないようです。成績がずば抜けてることだけではなく、その存在がユニークです。多分、多くの人が言うようにオータニさんは本当にエイリアンなのでしょう。

チーム的にはヤンキースファンの私ですが、この夏秋は期間限定でエンジェルのサポーターになります。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

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マグマ噴出と閲覧総数百万バンザイ

2023-07-21 05:20:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。

ちょっと長めのインターバルが空いてしまいました。実は今週の月曜日から夏休み!に入っているのですが、休みに入る前というのはどうしても、区切りをつけておかねばならないことがありますので変に忙しくなったりします。

実際に休みになっても、五月雨式になんやかんやとしなければならないことが出てきます。これを防ぐには、もう国外へ脱出する以外はないのですが、金欠のワタシは(今年も)在宅夏休みとなります。




これは前回の噴火からのピック
Myndin er eftir Asa_steinarsdottir@unsplash_com


さて、前回のブログの中で「地震が絶えない」ということについて書きました。前回のブログの更新の二日後くらいに地震はきれいさっぱり消えてしまいました。噴火したからです。

「噴火」というのが正しい表現かどうか、ちょっと首を傾げます。ここ数年断続的に続いている火山活動は、例えば桜島や阿蘇山の噴火のように、山の天辺の噴火口から火山灰がもくもくと立ち上がる、というものではありません。

むしろ広大な原野のどこかの地面から溶岩が噴出する、という仕方での「噴火」なのです。それが面白いもので、しばらくマグマが噴出するうちに、固まったマグマが堆積していって、小さな山のようになっていきます。火山て、こうやってできるのかな?




今回の噴火
Myndin er ur Visir.is/VILHELM


溶岩の噴出はまだ続いています。もう一度場所を説明しますと、これはアイスランドの南西部、レイキャネス半島と呼ばれる地域になります。この半島には、日本からのお客様が到着するケフラビク国際空港があります。

ケフラビク空港とレイキャビクの中間あたりにある原野で、この火山活動が続いています。日本のニュースでもこの「噴火」が扱われていました。ちょっと大袈裟で、なんかマグマが今にもレイキャビクまで流れ込んでくるような感じで報じられていました。

実際は別に日常生活にはなんの影響もありません、今のところは。噴火地帯の近くに町グリンダビクとかでは、風向きによっては有害なガスが流れ込む可能性がありますから、まったく影響がないわけではないですね。

観光業会は大喜びで、いろいろと火山見学を観光の目玉のひとつにしようとしているようです。ただし、今回の噴火?噴出では、まず原野の草木に火がつき、野焼きのような状態になってしまいました。それで、これを鎮火するという膨大な作業がなされていたため、数日間立ち入りが禁止されました。

また、前回のようなきちんとした駐車場や見学用の登山道がまだ確立されていません。私が聞いている範囲では、陸路から噴火現場を観光することは、今はまだ難しいとのこと。ただ、高いところからの遊覧飛行とかはあるはずです。値段も高いでしょうが。




ここが噴火の地域
Myndin er ur Vedur.is


観光業界の人がテレビのニュースで話していましたが、間を置かないフライトの予約が増えているらしく、やはり「噴火した?じゃあ、見に行こう」式にやってくる外国の方が相当数あるようです。

そんなに見たいですかね?ワタシは観光オンチ...

さて、前回のブログ更新直後に、もうひとつのできごとがありました。チョーローカルで、ワタシにしかほとんど意味のないできごとです。

このマイナーブログの「閲覧総数」が百万回を超えました。「百万回なんて、今のSNSだったら一日、二日で稼ぐ数じゃん」とか言われそうですし、その通りなのでしょうが、ワタシにとっては「百万」というのは、日常生活ではそうそう縁のできない数なのです。

ちなみに「訪問者総数」は五十万強で、これは今年のブログお休み中に達していました。ブログお休み中でも、昔のものを読んでくださる方がいらっしゃるのですよ。ありがたいことで。




まさしく皆様のおかげ m(_ _)m


足掛け十一年での「百万」ですので、まさしく長くやっていれば、まあ、数はそれについてくるものだ、ということでしょうか。

というわけで、なんのためにもならないような、このマイナーブログを読んでくださる皆さんには、ひたすら感謝です。これからも期待しないで覗いてやってください。m(_ _)m


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女性用のタンクトップの夏

2023-07-08 22:27:11 | 日記
こんにちは/こんばんは。

アイスランド -というかレイキャビク界隈- では、今年の夏はあまり当たり年ではありませんでした。暑いくらいの日もあるのですが、翌日には「寒い」くらいに気温が下がったりして不順でした – です。

ですが、ここ数日は13〜15度くらいを保ってくれており、かつ向こう一週間もこの調子で行ってくれるような予報がでています。ホントかね?




清涼感アップ用ピック1
Myndin er eftir Lucas_davies@unsplash_com


13度あれば、もうこちらでは御の字なのですが、ちょっと日本と違うかなぁ?と思うのは気温の上がり方です。私も日本を出てからもう三十年経ちますので、今は違ってきているのかもしれませんが、日本だと大体夕方からは気温は下がり始めるものでしょ?一般的に。

こちらでは、四時過ぎあたりからさらに気温は上がってきます。これは単に日が落ちない故なのだろうと思います。私の個人的な体感では、一日の気温のピークは夕方過ぎにやってきます。

エアコンというものがありませんので、家の中にいる時にはもうショートパンツとタンクトップ。こういう姿でいられる一年の中での僅かな日々を楽しんでいます。アメリカからネットで買った紺色ベースに黄色で縁取りしたMICHIGANと入っているミシガン大学のタンクトップが今のお気に入りです。

実はこれ、女性用のものを間違って買ってしまったもの。出荷されてから気がつき、バスト部分がゆるゆるかな?と諦めていたのですが、意外とそんなことなくフツーに着れてます。何が違うのかな?丈がちょっと短めかも。「女性用」と思って着ると、変にコーフンしたりして。(^-^;

ちなみに、私には各スポーツごとにお気に入りのチームがあり、カレッジフットボールは高校生の頃よりミシガン大学のファンなのです。




今夏のお気に入り ミシガン大タンクトップ


さて七月中旬に入りますが、周囲はもうすっかり夏休みモードに入っています。そういう中での最近のアイスランドのメディアトピックは、まずは捕鯨禁止を巡る騒動。

アイスランドは依然として商業捕鯨を行う国のひとつです。周辺国からは捕鯨を批判する声が継続的に届いてきます。観光業が盛んになっている背景もあり、最近では国内でも「捕鯨廃止」論が強まってきていますね。捕鯨よりはホエール・ウォッチングを、と。

で、二週間くらい前だったか、割り当て捕鯨開始の数時間前になって、スヴァンディース食糧大臣が「一時的な捕鯨差し止め」令を出してしまいました。これは鯨資源保護の研究者からのリサーチ結果を受けての決断だったらしいのですが、国会での議論や賛同を経ていません。大臣ひとりの決断でした。

環境保護者や動物愛好者の人たちはこれを「素晴らしい英断」と讃えますし、捕鯨関係者は「行きすぎた独断」と糾弾します。捕鯨関係者が血相を変えるのは無理もないです。生活がかかってるのだから。「大体、大臣にそんな権限はないだろう」と、多分裁判になるんじゃないでしょうか?

ワタシ自身は特に意見のない日和見です。別に鯨が可愛いとは思いませんが、他に食べるものはいくらでもあるし、わざわざ捕鯨しなくてもいいのではないか、と。
でも、あまり鯨が増えるとアニサキスも増えるんだそうで... (アニサキスの生きる目的は鯨の体内に入ることだそうです)




フーサビークのホエールウォッチは鯨に近いので有名
Myndin er eftir Till_rottmann@unsplash_com


最近のトピックその二はアイスランド銀行です。2008年に国家規模での金融破綻に見舞われたアイスランド。すべての銀行は国有化され、それから経済の復興に合わせて徐々にまた民営へと戻されてきました。

昨年の春、国が保持していた22,5%分のアイスランド銀行の財産が民間へ売却されました。この時、相当な額の「値引き」がされたことが明らかになり、批判が湧き起こりました。買い手の中に、現財務大臣のビャルトゥニ氏の父親が含まれていたこともあり、「身内に値引きしたのだろう」との怒りも。

この問題は相当燻っていたのですが、これも二週間くらい前に最新の調査報告がなされ、売却のプロセスでアイスランド銀行が虚偽の資料を政府に提出していたことが発覚。頭取は即辞任。

それで問題が終わるわけではなく、政府の責任を問う声や、辞任した頭取への退職金等についてもすべてを一般に公開するように、との批判が強まっています。

金融問題についてはまったく音痴な私ですが、基本的に理解できないのは、虚偽の資料を提出していたのになんで訴追されないの?ということです。銀行人は手厚く保護されてるんだなあ、と感じ入ります。2008年の金融危機の立役者も銀行だったのですが、誰も責任を取らず。

顔ぶれは変わっても、以降もずっと銀行は巨大な利益を上げ続け、ローンの返済に困った人たちの家を取り上げ、中央銀行が公定歩合を引き上げるたびに、ローンの利子を引き上げて一般人の家計を拷問してきています。

これが「巨悪」と言われる力で、あがらう術もないのですが、ひとつだけ言わせてもらうと「お前らは、天国には入れないからな」

トピックその三。地震です。




自然の提供する観光スポット
Myndin er eftir Tobby_elliott@unsplash_com


そうなんです。ここ一週間くらい、空港の町ケフラビクのある南西部を震源とする地震が一日4000回とか記録されています。レイキャビクでも、本当に年中グラグラしています。

これはもちろん、火山活動に直結しているものです。予報ではここしばらくのうちに噴火が見られるだろうとのこと。これは三年ほど前に溶岩が噴出したのと同じ地域なのですが、どこから溶岩が噴出するかは「出てくるまでわからない」のだそうです。

前回も同じ状況で、毎日毎晩絶え間ない地震だったのが、マグマが噴出した途端にすべて地震は治まりました。今回もそうなるのでしょう。

起きるな! アイスランドのマグマゴジラ


あの辺りで平和的にエラプトして欲しいものです。観光業界はウハウハもんですね。投資ゼロで、勝手に観光スポットを提供してくれるわけですから。二、三年前コロナで苦しんでいた観光業界に一途の救いをもたらしてくれたのが、火山でした。

そこでトピックその四。アイスランドではコロナはもはや影響なくなりました。もちろんコロナに感染する人もあれば、重篤化する方もあるのでしょうが、もう一般の疾病として扱われます。

そして、そのことを顕著に表しているのが、ツーリストのwelcome backです。ダウンタウンなんか外国人しかいませんよ。(お前もだろ)  どこのカフェもレストランもいっぱい。ホテルはfully booked で満員御礼。今年の観光客の総数は230万人と見込まれており、コロナ前の2018年だか19年に続く記録になりそうだとのこと。

まあ、経済が潤うのは間違いないですし、国全体にとってはありがたいことですね。願わくは、その利益が一部の人たちだけではなく、国民全体にバランスよく還元されますよう。

観光業は、観光業界の人たちだけで賄われているわけでは決してありませんからね。230万人の観光客がやってくる状態の中で、なんらかの皺寄せをみんなで分け合っているわけですよ、特に利害関係がない人たちも。国や経済会のトップの方々はそのことをお忘れなく。

なんか、ウメザワトミオさんみたいになってきた。ああいう人にいてほしいなあ、アイスランドにも。


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増えてるの?減ってるの? アイスランドの殺人

2023-07-01 06:57:42 | 日記
こんにちは/こんばんは。

七月となりました。四月中旬から続けてきたケトジェニック・ダイエットは昨日でめでたく終了。またやりますが、とりあえず今回は終了。始めた時が70〜71キロだったのが、終了時には66,9キロまで下がりました。おおよそ3〜4キロ減?

体内の糖質が減ると、自然に水分が排出されるので、それだけで1〜2キロは減るのだそうです。逆に、ケトをやめて普通に食べ始めると、食べ過ぎでなくてもその分はまたすぐに戻るそうで。それを見て「リバウンドだ!」とパニックにならないように、と専門家の方々がおっしゃっています。了解です。




レイキャビク ダウンタウン際の海辺のオブジェ
Myndin er eftir Yanshu_lee@unsplash_com


さて、ここのところワタシ中心の私的な関心事ばかりを書くような傾向にありましたので、今回は少し社会事象についてです。

今回のトピックは殺人... ギョッ!

アイスランドというと「平和な国」のイメージが強いようです。確かに、私がこちらに移ってきた前世紀の末あたりは、凶悪犯罪の少ない平和な社会、という感じがしましたし、多分、本当にそうだったのでしょう。

ですが、国が発展し、普通の欧州大陸の国々に国として近づいてくるにつれ、やはり社会の良くない部分も近づいてきてしまうもののようです。麻薬、組織犯罪、人身売買、そして殺人。すべてこの国にもあります。

これらの犯罪関連分野の事柄について、すべてが明らかにされているわけではありません。正直、一般人は知らされていない事項が多くあります。そんな中で「殺人事件」というのは、やはり隠しようがないというか、皆の知るところになってしまいます。

で、ニュースを見る側としましては「やたら、殺人が多いなあ... 」というのが特に去年から今年にかけて、今に至るまでの感想なのです。これは、私だけの感想ではなく、周囲からも聞こえてくる声。

あー、ただですねぇ、ここで「殺人事件」と大雑把なまとめ方をしているものは、実際には殺意のある本当の殺人、殺意はなかったのに結果として殺してしまったという「致死事件」や、どちらなのかまだ決着していない事件も含めています。これらまとめて「殺人事件」としておきます。




本文には無関係 癒し系ピック
Myndin er eftir Dmitri_zotov@unsplash_com


この一年間の事件だけを振り返ってみると、まず昨年の六月に、レイキャビク市内の住宅街でアイスランド人の青年が、他の男性を自宅で殴り殺すという事件がありました。このふたりは、一軒の家が二世帯用に設計されているタイプの住宅に、それぞれの自宅を持っていました。そういう住宅はこちらでは普通にあります。また、この青年は普段より精神的なトラブルがあったとのこと。

アイスランド住宅様式の色々


次いで昨年の八月。ブランドウスという北部の町で、これも精神障害を持つ男性が、知人の夫妻の自宅へ夜明けに侵入し、寝ていた夫妻に向け猟銃(ライフルだったか?)を発砲して夫人を殺害。ご主人はからくも一命を取り留めました。

十月。西部の町、オーラフスビークで、男性が自分の妻がパーティーに参加していたある住宅を訪れ、そこで妻を刺し殺しました。捜査が進む中で、その半年前の三月には、妻の方が夫を刺し殺そうとしていたとの疑惑が出てきたそうで。ビックリですね。

今年になり、四月。まだ二十代のポーランド人男性が、レイキャビクの隣り町ハフナフョルズルにあるスーパーの駐車場で刺し殺されました。事件は夜半に起こり、複数の男性たちでトラブルになっていたとのこと。容疑者は拘束されていますが、確か十代の若者たちだったはず。まだ捜査中です。

五月。セルフォスというレイキャビクから車で一時間ほどの町で、三十代のコロンビア人女性が自宅で刺し殺されました。事件の容疑者のひとりがまだ拘置されているようで、事件の真相はいまだ不明。

そして、六月。独立記念日のウィークエンド。四月の事件と同じハフナフョルズルで、これも四月の事件と同じくポーランド人男性が刺殺されました。捜査はまだ進行中で、警察は四月のスーパー前での事件との関連を疑っています。

そして最近の事件。一週間前の週末、レイキャビクのダウンタウンで、リトアニア人の若い男性が襲われ、病院に搬送されましたが亡くなりました。繁華街のクラブ内でトラブルがあったようです。詳細は不明。




お口直し用ピック
ソイザークロークルという町へのゲストのセイウチ 帰る気配なし
Myndin er eftir Lara Halla Sigurdardottir via Visir.is


まあまあ、結構続いてますよね。お気づきになられたと思いますが、いくつかの特徴があります。まずは精神障害のある人が事件に関わっていること。これはとてもデリケートな問題で、障害のある人たちにきちんとした治療を施すゆとりのない医療体制にも批判の声が及んでいます。

それから、外国人が犠牲になることが多いこと。もしかしたら加害者の側にも外国人が多いかもしれません。この辺もデリケートな部分があり、すべてあけすけに情報が公開されるものでもありません。

もうひとつの特徴というか傾向があります。殺人事件よりも、ひとまわり範囲が広くなりますが、若年層を中心にした集団暴力事件が増加しているのです。いわゆるギャング的なグループ間の抗争です。

そして、これらの若者たちがナイフやそれに準じるような「武器」を携帯していて、それらを使用する率が高くなっているのだそうです。困ったものです。

警察の話しでは、長い目で見ると、年間だいたい1,7〜1,8件の殺人事件が起きているのだそうです。それから比べれば、この一年間は着実に数は増していますよね。一般大衆が感じている通り。

ところがです。「いいえ、実際は殺人事件は増えるどころか、むしろ減少しているんです」という驚くような声が聞こえてきました。

声の主はマルガリェット・ヴァルディマルスドティールさんというアイスランド大学の犯罪学の先生でPhD。時々、犯罪事件の関連でテレビやネットのニュースに登場します。その時は、私は一生懸命見ます。なぜならマルグリェットさん、相当に美しい方だからです。

なんていうことを書くと、すぐにセクハラの告発を受けるので気をつけないと。いや、Dr.マルグリェットの意見も聞く価値があるのですよ、ちゃんと。ただ意見は聞いてみてからでないと判断できませんが、美形かどうかは見た瞬間に大脳が判断してしまうもので...




Dr. Margret Valdimarsdotir
Myndin er ur Visir.is/VILHELM


さてDr.マルグリェット曰く:「1999年から2011年の13年間では28件の殺人がありました。2012年から2023年までの11年半では25件の殺人事件が生じています。

さらに単年度でいうと、2000年には5件の殺人事件があり、その前後の3年間を見ると、10件の事件で10人が亡くなっています。

これらは今から20年以上前の数字です。現在では、毎年百万人以上の観光客が訪れ、また人口も20年前に比べて飛躍的に増加していることを鑑みると、殺人事件の発生率は、増加しているよりはむしろ軽減していると言えるのです」

なるほど。人が増えれば事件もふえる、ってか。まあ、それもものの考え方ではあるのでしょうが、絶対数が増えているということも事実ではありますので。そして、それが起きている「空間」は大きくなっていません。

暴力的な事件が増えると、対抗して警察も武装を強化したいと考えます。一週間前まで法務大臣だったヨウン・グンナルソン氏は、議会に諮ることなく警察官のティーザー携帯を決めてしまいました。これは秋からの国会での議論のタネとなるでしょう。

私としてはですねぇ、「暴力は力で押さえろ」というのは、まったく反対ではありませんが、それは対処療法ですからね。根源にあるものをきちんと把握しないと。なぜ外国人が多く事件に関係するのか?なぜ若年層が集団暴力にはまっていくのか?精神に障害を持つ人たちへのサポートは何が足りないのか?

いろいろと課題は山積みです。

今回の結論。皆さん、アイスランドにお越しの際は「それなりに」注意を怠らないようにしてください。絶対安全な国なんて、どこにもありませんから。


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