レイキャビクは西街より、こんにちは/こんばんは。
相変わらず雪のない冬が続き(レイキャビクでは、の話しです)、春の気配が強く漂っています。いま、これを書いているのは25日木曜日の午後です。週末はちょっと立て込む予定ですので、先に書いておかないと。
本文とは無関係 清涼感アップ用のPic
Myndun er eftir Robert_Bye@Unsplash
天気はのんびりしているのですが、昨日の水曜日(24日)は、この界隈ではちょっとした騒動でした。地震です。
午前10時過ぎに、大きめの地震が続けて二回。それからは半日くらいの間、断続的に地震が起こりました。(追伸: 土曜日にもまだ続いています)
こちらでは、日本式の「震度」というものがあまり普及していません。地震はだいたい「大きさ」マグニチュードのみで言及されます。昨日の10時過ぎの地震はマグニチュードで言うと、5,7だったそうです。
震度はですねえ、私の勝手な体感によると、せいぜい3から4になるかならないか、くらいではなかったかと思います。あとにしつこく続いた余震というか、仲間の地震は3以下だったと思います。
昨今の日本の皆さんの経験からしたら「お子ちゃまランチ」の部類でしょうが、こちらでは、水曜日はそれしかニュースはありませんでした。
震源地は、レイキャビクと国際空港の町ケフラビクの間にあるKeilirケイリルという小さな火山付近ということなのですが、実はこの火山の隣りにThorbjornソールビョルンという別の火山があります。
今回の震源地ケイリル山
Myndin er ur Visir.is/Vilhelm
これらの火山の下一帯がマグマ帯であり、この一年余りとても元気になってしまっているのです。今回の地震に対する関心も、地震そのものに対してというよりは、マグマが吹き出すのかどうか?ということへの心配なようです。
このマグマ帯については一年ほど前にも書いていますので、そちらも参照してみてください。
起きるな! アイスランドのマグマゴジラ
水曜日の夜中から、木曜日の朝にかけて、実際は247回の地震が計測されたとのことですが、レイキャビクでは揺れを感じることは少なかったと思います。
それでも、震源地近くの町、グリンダビクなどでは体感される揺れも多かったようで、これらの地域の方は落ち着かないでしょうね。台風とかと違って、今、どこにいるのかわからない、というのが地震の嫌なところですね。
溶岩地帯のマップ 左上がケフラビクに続くニャルヴィクの町、左下中央寄りがグリンダビク
Myndin er ur gognum Haskola Islands
さて、最近、アイスランドで目立ったもうひとつのニュースがあります。なんと... 殺人事件。
これは今月の13日未明に発覚した事件なのですが、その土曜日の朝だか未明だかに、男性が自宅前で血を流して倒れているのが発見され、警察と救急隊が駆けつけましたが、男性はすでに死亡していたとのこと。
死亡したのは33歳のアルバニア人男性で、事件の報道の当初より「この事件はアイスランドの闇社会との関係が深い」と語られていました。
殺害の方法は、男性を自宅内から呼び出し、ガレージ前で後頭部に数発の銃撃があった、とされています。しかも「おそらくサイレンサー付きの銃」が使われたとかで、これはもうマフィア映画そのままではないですか。
警察は非常に口が固く、あまり詳細な情報は巡ってきません。これまでのところ明らかにされているのは、おそらく被害者の男性自身を含めて「闇社会」関連の事件であるということ、総勢11人程度が逮捕あるいは勾留されているということ、そのうちアイスランド人はひとりだけで、他はアルバニア人、リトアニア人、スペイン人、ポルトガル人等々の国際的メンツであること、等です。
なんか、麻薬の密輸売買に関連した国際的(少なくとも「欧州的」)犯罪組織がらみの事件のようです。
アイスランド、これまでも殺人事件は皆無ではなかったのですが、だいたいは「知り合い同士の痴情怨恨のもつれ」みたいなのが多かったように思われます。
それが、四年前になりますか?週末の夜に、ダウンタウンを歩いていた女の子が、道の男性数人に連れ去られて殺害される事件が起きてしまい、「ああ、この国もそういう意味での先進国入りをしてしまった」と感じさせられました。
雪、汗、焦りの一週間
今回の事件は、その女の子の事件の時と比べると、被害者自身もおそらく闇組織の関係者だった、ということで、事件そのものへの悲しさのようなものは漂っていません。
その男性には妻も子供もあるということなのですが、結構良い家に住んでいるようですし、車も大き目。「そういう仕事に関わって稼いだ金か?」というのは、どうしても心に浮かんでしまいますね。事実関係がわからないうちに、そう思ってしまうのは良くないことですし、決めつけてはいけませんが。
事件の起こった町 ただこの住宅ではありません
Myndin er eftir Visir.is/Vilhelm
悲しさがないかわりに、「怖さ」はあります。この事件が起きたのはレイキャビクのど真ん中。ただしダウンタウンではない、閑静な住宅地の中です。本当に住宅街なので、そこにようのない私などはめったにいかないような場所です。
そういうところで、サイレンサー付きの銃で人が「処刑」のように殺害されるというのは、かなり「場違い」「非日常」「怖い」という連鎖を呼んでしまいます。近所の人は、心中穏やかではないだろうとお察しします。
「平和な国」のイメージで売っているアイスランドですが、その分この社会の犯罪活動、組織等について、一般人はあまり知らされていないような気がします。
「組織犯罪」というトピックにからんでは、「マネーロンダリング」「ヒューマン・トラフィッキング」「麻薬」のみっつは、かなり頻繁にニュースで触れられますし、相当アイスランドにも入り込んでいることは、確かだと思うのですが。
住民も、それらがあるだろう、ということは承知しながらも、気が付かないフリをしているような、「ない」ことにしようと決め込んでいるような。
これからは、もう少しきちんと、そのような「闇社会」についても、一般の人たちに情報開示して知らせてくれないといけないでしょうね。嫌なトピックではありますが、身を守るためにも、社会を改善するためにも、きちんとした情報、知識は必要ですから。
ヤレヤレ、今回は久しぶりにアイスランド語について書く予定だったのですが、ニュース紹介が長引いてしまいました。アイスランド語はまたの機会に。
そしてコロナに続いて、地震も収まってくれますように、と願いながら今回はさようならです。
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
Facebook: Toma Toshiki
相変わらず雪のない冬が続き(レイキャビクでは、の話しです)、春の気配が強く漂っています。いま、これを書いているのは25日木曜日の午後です。週末はちょっと立て込む予定ですので、先に書いておかないと。
本文とは無関係 清涼感アップ用のPic
Myndun er eftir Robert_Bye@Unsplash
天気はのんびりしているのですが、昨日の水曜日(24日)は、この界隈ではちょっとした騒動でした。地震です。
午前10時過ぎに、大きめの地震が続けて二回。それからは半日くらいの間、断続的に地震が起こりました。(追伸: 土曜日にもまだ続いています)
こちらでは、日本式の「震度」というものがあまり普及していません。地震はだいたい「大きさ」マグニチュードのみで言及されます。昨日の10時過ぎの地震はマグニチュードで言うと、5,7だったそうです。
震度はですねえ、私の勝手な体感によると、せいぜい3から4になるかならないか、くらいではなかったかと思います。あとにしつこく続いた余震というか、仲間の地震は3以下だったと思います。
昨今の日本の皆さんの経験からしたら「お子ちゃまランチ」の部類でしょうが、こちらでは、水曜日はそれしかニュースはありませんでした。
震源地は、レイキャビクと国際空港の町ケフラビクの間にあるKeilirケイリルという小さな火山付近ということなのですが、実はこの火山の隣りにThorbjornソールビョルンという別の火山があります。
今回の震源地ケイリル山
Myndin er ur Visir.is/Vilhelm
これらの火山の下一帯がマグマ帯であり、この一年余りとても元気になってしまっているのです。今回の地震に対する関心も、地震そのものに対してというよりは、マグマが吹き出すのかどうか?ということへの心配なようです。
このマグマ帯については一年ほど前にも書いていますので、そちらも参照してみてください。
起きるな! アイスランドのマグマゴジラ
水曜日の夜中から、木曜日の朝にかけて、実際は247回の地震が計測されたとのことですが、レイキャビクでは揺れを感じることは少なかったと思います。
それでも、震源地近くの町、グリンダビクなどでは体感される揺れも多かったようで、これらの地域の方は落ち着かないでしょうね。台風とかと違って、今、どこにいるのかわからない、というのが地震の嫌なところですね。
溶岩地帯のマップ 左上がケフラビクに続くニャルヴィクの町、左下中央寄りがグリンダビク
Myndin er ur gognum Haskola Islands
さて、最近、アイスランドで目立ったもうひとつのニュースがあります。なんと... 殺人事件。
これは今月の13日未明に発覚した事件なのですが、その土曜日の朝だか未明だかに、男性が自宅前で血を流して倒れているのが発見され、警察と救急隊が駆けつけましたが、男性はすでに死亡していたとのこと。
死亡したのは33歳のアルバニア人男性で、事件の報道の当初より「この事件はアイスランドの闇社会との関係が深い」と語られていました。
殺害の方法は、男性を自宅内から呼び出し、ガレージ前で後頭部に数発の銃撃があった、とされています。しかも「おそらくサイレンサー付きの銃」が使われたとかで、これはもうマフィア映画そのままではないですか。
警察は非常に口が固く、あまり詳細な情報は巡ってきません。これまでのところ明らかにされているのは、おそらく被害者の男性自身を含めて「闇社会」関連の事件であるということ、総勢11人程度が逮捕あるいは勾留されているということ、そのうちアイスランド人はひとりだけで、他はアルバニア人、リトアニア人、スペイン人、ポルトガル人等々の国際的メンツであること、等です。
なんか、麻薬の密輸売買に関連した国際的(少なくとも「欧州的」)犯罪組織がらみの事件のようです。
アイスランド、これまでも殺人事件は皆無ではなかったのですが、だいたいは「知り合い同士の痴情怨恨のもつれ」みたいなのが多かったように思われます。
それが、四年前になりますか?週末の夜に、ダウンタウンを歩いていた女の子が、道の男性数人に連れ去られて殺害される事件が起きてしまい、「ああ、この国もそういう意味での先進国入りをしてしまった」と感じさせられました。
雪、汗、焦りの一週間
今回の事件は、その女の子の事件の時と比べると、被害者自身もおそらく闇組織の関係者だった、ということで、事件そのものへの悲しさのようなものは漂っていません。
その男性には妻も子供もあるということなのですが、結構良い家に住んでいるようですし、車も大き目。「そういう仕事に関わって稼いだ金か?」というのは、どうしても心に浮かんでしまいますね。事実関係がわからないうちに、そう思ってしまうのは良くないことですし、決めつけてはいけませんが。
事件の起こった町 ただこの住宅ではありません
Myndin er eftir Visir.is/Vilhelm
悲しさがないかわりに、「怖さ」はあります。この事件が起きたのはレイキャビクのど真ん中。ただしダウンタウンではない、閑静な住宅地の中です。本当に住宅街なので、そこにようのない私などはめったにいかないような場所です。
そういうところで、サイレンサー付きの銃で人が「処刑」のように殺害されるというのは、かなり「場違い」「非日常」「怖い」という連鎖を呼んでしまいます。近所の人は、心中穏やかではないだろうとお察しします。
「平和な国」のイメージで売っているアイスランドですが、その分この社会の犯罪活動、組織等について、一般人はあまり知らされていないような気がします。
「組織犯罪」というトピックにからんでは、「マネーロンダリング」「ヒューマン・トラフィッキング」「麻薬」のみっつは、かなり頻繁にニュースで触れられますし、相当アイスランドにも入り込んでいることは、確かだと思うのですが。
住民も、それらがあるだろう、ということは承知しながらも、気が付かないフリをしているような、「ない」ことにしようと決め込んでいるような。
これからは、もう少しきちんと、そのような「闇社会」についても、一般の人たちに情報開示して知らせてくれないといけないでしょうね。嫌なトピックではありますが、身を守るためにも、社会を改善するためにも、きちんとした情報、知識は必要ですから。
ヤレヤレ、今回は久しぶりにアイスランド語について書く予定だったのですが、ニュース紹介が長引いてしまいました。アイスランド語はまたの機会に。
そしてコロナに続いて、地震も収まってくれますように、と願いながら今回はさようならです。
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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