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レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

「英語併記」 日本とアイスランド

2013-09-30 05:00:00 | 日記
前回ハイキング中に悪天候に見舞われ遭難し、行方不明になったポーラン人の女の子について触れました。彼女は幸いにもレスキュー隊の荒天の中での必死の捜索により発見され無事保護されました。

この騒動があったのは北の街アクレイリの近郊なのですが、騒動の直後にアクレイリの観光局の局長が、外国人観光客に対して悪天候の予報をきちんと伝えるようにする必要がある、とラジオで述べました。「観光業に従事しているものの責任だと思う」ということです。

実は先日の荒天の際には、このポーランド人の女の子だけではなく、多数のツーリストの人々があちこちで立ち往生になったりして相当な混乱になってしまったのです。加えてこの夏にもドイツ人の女性が山の天候を軽く見てハイキングコースでレスキュー隊のお世話になる、という出来事が起きていました。

天気予報は新聞でもラジオでも全てアイスランド語です。ストームは前日から予測されることもありますが、アイスランドの天気予報はかなり流動的でむこう一週間の予報が昨日と今日では全く変ってしまうということは珍しくありません。

ですからツーリストが二三日前に天気予報を確認してそれで安心してしまったら困ることになることがあるわけです。アイスランド人であればラジオを聞いていたりテレビのニュースを見て予報をアップデートできますし、あるいは口コミで悪天候襲来の予報を共有できます。ですがツーリストは置いてけぼりを喰らってしまいます。

ちょっと脱線しますが、春先にものすごい強風で学校が休校になり、ラジオで「学校は休み。自宅待機するように」旨ニュースが流されました。ところが外国人家庭の子供たちだけは普通に登校してきた、という笑い話のような出来事もあったのです。アイスランド語と外国人の間には確かに「壁」があるようです。




車の安全に貢献する電光表示板
-Myndin er úr RUV.is-


さてこのアクレイリ観光局の局長さんのコメントに敏感に?反応したのか別の動機があったのかは定かではありませんが、「ヴェーガゲルズィン」という道路管理の公的機関が道路の電光表示板の表記をアイスランド語から英語に変える、しかもすみやかに変える、と発表しました。

電光表示板というのは国道の、特に田舎の方などで設置されているもので、例えば「この先路面凍結」とか降雪などで「この先通行不能」とか、ドライバーに必要な情報を与えるためのものです。

確かにこのような安全に関わる表示がアイスランド語で(のみ)出されているのは好ましいことではありませんね。旅行者にとっては助かることでしょう。

ところがです。

アイスランド語委員会から物言いがつきました。アイスランド語委員会というのは教育文化省によって任命される有識者の委員会で、アイスランド語の維持と望ましい発展を旨として色々な案件の決裁をしたり提言をしたりする委員会です。

物言いは「アイスランド語はこの国の公用語であり、公のサービスはアイスランド語でなされるよう法律に定められている」という主旨でした。

アイスランド語はこの国では他に替えがたいアイデンティティの根拠であることは何度も書いてきましたが、ここでも「やっぱり、また」という感じです。

ヴェーガゲルズィンはこれにはグーの音も出ず、提案を撤回してどうやらアイスランド語と英語の併記を目指すようです。

ただ併記するには表示板を追加して設置するか、システムを変えないといけないように思われます。時間もお金もかかります。それが完了するまでの期間、ツーリストの安全を保証するために何か策を講じる必要があるでしょう。

そういえばネットで見ましたが、東京でもオリンピックを念頭に置いて表示板のアルファベット表示を改良していくようですね。何でも現在では例えば「都庁」などの表示が「Tocho」と単にローマ字で読み方を示しただけのものと、「Metropolitan Government Office」の様にきちんと英語表記したものが入り交じっているとか。

もともとの法律が「アルファベット表記を合わせて表示すること」のように曖昧な表現だったのがこの混乱のもとのようです。しかし「Tocho」とか読み方を示すのが何の役に立つのか?訳が分かんねえ。設置する際、誰も疑問に思わなかったのでしょうか?

これも五輪効果なのでしょうが将来的には英語(と他の言葉)での併記にするようですね。健全な発展だと思いますし、アイスランドも同じ途をたどっているようです。


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天候は信ぜず、されど敬まわねば

2013-09-26 05:00:00 | 日記
十日ほど前のことですが、ほぼアイスランド中をストームのような荒天が襲いました。15日、16日が特にひどかったのですが、その前後もかなりの強風が続いた地域もあったようです。

ストームのような、と言いましたが実際にこれはストームであることもあります。厳密にどういうものがストームと呼ばれるのか知らないのですが「明日の夜から次の日の朝にかけて非常な強風になるので、不必要な外出は控えるように」などと予報が出るので、きちんと予想できるもののようです。

かといって台風のように今どこに中心があるのか、どっちへ進むのか、というように具体的には天気図には現れません。ワタシ的はこのアイスランド的荒天はゴーストストームとも呼びたくなるものです。

「アイスランドの荒天なんていつものことでブログで扱う必要もないだろう」と思われるかもしれませんが、知っておいても損はないという面がまだ多少ありますので。

先日の強風では東海岸沿いの町、ハマルスフョルズルでは瞬間風速で秒速71mという猛烈な風を記録しました。この付近や南部海岸沿いのフリョートスクヴェルフィ辺りでは国道が少なからず損傷を受けました。

田舎の国道では積雪の中でも道路を示すために、道路の両側に背の高い(雪に埋もれてしまわないように)反射版付きのポールが並んで立っているのですが、これが強風で軒並み破損してしまったとのことです。

屋根が飛んだりする家屋の損害もかなり出たようです。また車のボデイが飛んで来る小石などでメタメタになった、という珍妙な?被害もあったようです。ジープのレンタル会社などでは冗談事ではない損害になってしまったとのこと。

北東部のヨクルダールルという地域には羊の放牧地があるのですが、ここでは雪も降り、羊はまだ全てを集め終わっていなかったため、昨年のゲリラ雪悲劇の二の舞かと酪農家は青くなりました。問題は雪だけではなくこの強風。羊の保護活動がほとんど行えなかったことです。

天候が納まるまでは羊たちの状況も定かでなかったようで、結局天候が納まってみると数百匹の羊が不明になっているとのことです。ただ今回は昨年のように雪に埋まってしまったわけではないようで、文字通りの行方不明ということのようです。どこかに無事に身を寄せてくれていればいいのですが。




アクレイリ近郊のスールル山


行方不明になったのはメーちゃん達だけではありませんでした。北の街アクレイリにはスールルという名前のハイキングに人気のある山があります。標高1144メートルで登山道もあり、往復7時間程度というコースなのですが、頂上まで行かなくても楽しめるお手軽ハイキングコースだということです。(スミマセン、ワタシは行ったことありません)

この山でポーランドから遊びに来ていた女の子が遭難、行方不明になってしまったのです。レスキュー隊が出動し懸命に捜索しましたがなかなか見つからず。羊たちの場合と同様で、ものすごい荒天の故に捜索活動がままならなかったとのこと。

結局、相当な時間が経ってから女の子は救出されました。幸い無事。翌日のニュースで取材を受けた女の子は「気楽に行けるコースと聞いていたし、それほど天気は悪くなかったので登り始めました。天気が悪くなったらすぐ引き返せると思ったし。でも天気があっという間に変ってしまい、風雪で5メートル先くらいしか前が見えなくなって、戻る道さえ分からくなってしまいました」。

最後に、よく天候とかを確かめずに登り始めたことを「自分でもバカな判断をしたと思う」と反省していました。

この女の子の遭難騒ぎにはまだ後日談がありますので、それはまた次回。

さて、最後に今回のブログのメッセージです。これからアイスランドへお出かけの方もいらっしゃると思いますが、アイスランドの天気は日本の山の天気と思ってください。

同じ天気は長続きせず、今暖かくとも陽が陰れればあっというまに野外冷蔵庫になります。天候を信じず、油断せず、十分に備えて敬って下さい。そうすれば天候に全てを支配されきれないで最後の勝利を得られるでしょう!


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「生めよ、増えよ、地に満ちよ!」

2013-09-23 05:00:00 | 日記
アイスランドでは子供は天からの祝福です。もちろん世界のどこをとっても子供は祝福であるのでしょうが、現代では少子化を国是として掲げている国もありますし、いつどのタイミングで子を授かるかということは、おそらく多くの国の一般家庭でも真剣に考えられていることでしょう。

子供は祝福ではあるけれど「タイミングや生活条件を加味しての祝福」というのがとりわけ先進国では事実ではないでしょうか?

そのコンテクストで考えた場合、アイスランドでは昔風の意味で子供は祝福だ、という気風が残っていると思うのです。その理由は単純で小国意識の強いアイスランドでは、ひとりでも国民を増やしたいのです。

「生めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ」これは旧約聖書の冒頭の天地創造の物語りの中の言葉です。旧約聖書などを読んでいても「子孫が増える」ということが大変重要なことと考えられていたことがわかります。子孫を増やすということが、文字通り一族郎党の運命に関わることだったのでしょう。

ちなみにこの国で昨年オギャーと生まれた赤ちゃんは総勢4.450人。アイスランドの人口は増加しています。

さてここから先がアイスランド的な話しです。

それならば子供に関することは全て良く考えられているのだろう、と思われるでしょうが、それがどうもそではないようで。

2008年の経済恐慌でもっともしわ寄せをくらったのは保健衛生及び医療機関と言われています。なぜかはわかりませんが、大幅な合理化(というか不合理化)やサービスの統廃合が行われました。

出産に関する機関を見ると、十年前にはきちんと登録された出産所が16ヶ所あったのですが、現在では半分の8ヶ所に激減しています。

登録された出産所というのはその提供できるサービスによってAからDまでの四段階に分かれています。トップのAはレイキャビクの総合病院のみ。Bは北部のアクレイリの病院。Cは帝王切開などの執刀もできる場所で三カ所。Dは助産婦さん主体でホームドクターが控えているところです。これも三カ所あります。

これらの出産所はレイキャビク近隣に四ヶ所、北のアクレイリに一ヶ所、北西部のフィヨルド地域に一ヶ所、東の果てに一ヶ所、そして夏の野外フェスティバルで有名なヴェストゥルマンナ諸島に一ヶ所です。

アイスランドで人が居住する地域は大体海辺の平野地帯で、言い換えるとアイスランドの島をぐるりと回る部分になります。実際に基幹国道もぐるりと島を囲んで通っています。

南東部の海岸線にホブンという町があるのですが、ここからの最寄りの出産所は東へ向かって何と270キロのネスコイプスターズルという町になってしまいます。西へ向かった場合はセルフォスという南部の町でそこまで450キロ。

いずれにしてもとても陣痛が始まってっから間に合う距離ではありません。実際に毎年間に合わずに国道上で生まれる赤ちゃんがいるとのこと。昨年は三人の赤ちゃんが「出生地: 国道上の車内」となりました。

普通の女性はそういうのは嫌なはずです。苦肉の策として出てきたのが、生まれてもおかしくない時期(38週目以降)にレイキャビクなりアクレイリなりに出て行ってそこに滞在して出産に備える、というものです。

もちろん病院には滞在できませんから、親戚などの家を頼っていくのでしょう。時には一ヶ月近くその状態で過ごす人もあるようです。

ひと言加えますと、ここでは助産婦さんを頼んで自宅で出産する、というのが十年ほど前から人気になってきていました。昨年も99人の赤ちゃんが自宅で生まれているとのことです。

それで思い出したのでもうひと言。以前プエルトリコから来ていて滞在許可で問題のあった女性がいました。すでに三人の子供がいて四人目がもうすぐ、という状況でした。

彼女とお腹の赤ちゃんだけが先に来ていて、ご主人と子供三人はまだ
母国。ところが滞在許可でもめてお金がなく、私やソーシャルワーカーの人は病院での出産費用をどこからひねりだそうかと苦心していました。

そしたら彼女は「自宅で自分で生むから、大丈夫」とのたまいます。そうは言っても、と説得にかかると「あたし、三人目は町の通りで生んだわ。なにビビってんの?」小柄で可愛らしい女性でしたが、やはり母は強いのだ。タジタジ...

結末は助産婦さんが無事に赤ちゃんを取り上げてくれました。ホッ...


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アイスランド的「モツ」の季節

2013-09-19 05:00:00 | 日記
前回は九月の中旬となって放牧されていた羊を集めるリェッティルという町村をあげてのイベントについてご紹介しました。今回はその続きです。

羊たちが集められる季節ということは、残酷な事実になりますが彼らのうちの相当数が一生を終える季節ということでもあります。いわゆるスローターが始まるのです。この時期に全ての食用羊をしてしまうのか、順番待ち?で残しておく羊があるのかまでは知りません。機会があれば酪農家の人に尋ねてみます。ですが、多くの羊がこの時期にサヨウナラとなるのは確かです。

アイスランド北部ではこの冬の厳しさから牧草の育ちがいまいちだったようで、羊の育ちも例年よりもこぶりだった、と食肉関係の人がニュースのインタビューでボヤいていました。

されてから供される上質のラム肉は、店舗に出されるものの他に冷凍保存されるもの、輸出されたり他の食品加工に回されたりするものもあります。既にスーパーの食肉コーナーには新鮮なラム肉がどんどん搬入されています。

ところがこの時期に特に目につくのが、ラムはラムでもステーキやハンギキョート(アイスランド人のソウルフードの半燻製ラムで、特にクリスマス期には大量に消費されます)ではなく、レバ、キドニー、ハツなどのいわゆる「モツ組」なのです。




スーパーの広告も「モツ組」を強調(レバ、キドニー、ハツ)


日本でなら焼き鳥屋さんや居酒屋で「モツ組」には馴染みがあるのですが、こちらでは私はあまりモツ類を食したことがありません。どうもこういうものは専門家が調理して供してくれるのならいいのですが、自分の腕では信頼がいかないようで。

ところでそういう「モツ組」の中でも、専門家が調理して供している半調理済み食品もあります。「ブローズモル」というブラッドプッディングと「リフラピルス」というレバ肉を主体にしたソーセージです。もっとも形態はソーセージよりもブラッドプディングに似ていますが。

この両者のことを指して特に「スラウトゥル」と呼ぶ習慣があります。すぐ分かるように英語のslaughterに通じる言葉です。スラウトゥルは出来合いのものをお店でも買えますが、自宅でせっせと作る人もいるようでレシピなどもネットには掲載されています。

このうちブローズモルの作方を簡単にご紹介しましょう。まず入れ物として羊の胃の皮を使います。胃を切って広げ、また袋状に縫うのだそうです。いきなりすごい作業です。

次に羊の腎臓をチョップでみじん状態にします。腎臓の周りに付いている脂肪分も同様。この両者にさらに羊の血を加え、つなぎとして片栗粉か小麦粉を混ぜます。よーく混ぜ混ぜしたら、胃袋を新たに縫い直した袋に詰め縫って口を閉じます。これを二、三時間煮て完成。

リフラピルサの方はきちんと調べなかったのですが、大体同じような手順だと思われます。はっきり言いますがワタシはゼッタイにやろうとは思いません。

スラウトゥルは好きな人、嫌いな人がかなりはっきり分かれるように見受けられます。「スラウトゥル食べるからおいで」と知り合いの牧師さんに招かれたことがあります。まさかスラウトゥルだけではなくて他の料理も出るのだろう、と思ってでかけたのですが、完璧にスラウトゥルだけでした。参った...




左がブローズモル、右がリフラピルサ
-Myndin er úr is.wekipedeia-


面白いと思うのは、例えば日本の漁師町などでは魚を本当に食べ尽くす文化がありますよね。普通東京の人などが知らないような調理の仕方で頭から骨から全て食べ尽くすような。

アイスランドの羊に関しても同じような文化があると思うのです。肉はもちろんのこと、モツ類、血、頭。豚足ならぬメー足はないようですが、羊の足は先細りなので食用は無理なようです。腿肉に足骨がくっついていることはありますが。

羊の皮と毛はどうしてるのかな?これも今度誰かに聞いて調べてみます。

ともあれ自分的には、田舎へドライブに行ってそこここで見かけるのんびりメーちゃんと、スーパーの食肉コーナーのラム肉の間には深くて暗い河があります。その河の中へ入らないでいいワタシは幸運なのか、偽善者なのか、人任せなのか... 羊たちがいなくなった山肌に、秋風が冷たく吹き抜ける今日この頃であった... (完)


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羊たちのメーメー

2013-09-16 05:00:00 | 日記
夏の第二十一週を迎える頃になると羊たちの命運を分ける時期がやって来ます。夏の第二十一週というのはSumar dagurinn fyrsti(夏の第一日)とされている四月の第四木曜日から数えての週で、毎年大体九月の中旬くらいになります。

この時期になると夏の間のんびりと放牧生活をしていた羊ちゃんたちを集めて持ち主の農家の舎屋へ戻す作業が、村をあげて行われるのです。これは 「リェッティル」Rettirと呼ばれます。

リェッティルは二日から三日かかる大イベントで地域の人は皆協力して働くことになっています。この時期が近づくとその村や町の役場が正式にリェッティルの日付けを発表し、人々は準備を始めるようです。

今年は北部の地域の一部では、すでに八月の末からリェッティルが開始されていました。北部では昨年の九月初めにまさかのゲリラ大雪でまだ放牧中だった羊たちに大損害が出ました。今年も悪天候の可能性が出ていたため早めの「招集」となったわけです。

夏期の間羊ちゃんたちは文字通りの放任主義のもと、好き勝手に野や丘を歩き回っています。相当広範な地域に拡がって生活しているのです。もちろんここから先はダメ、というフェンスが最後には出てきますが。

この羊たちを追い立てて行くのですから、ある人はジープで、ある人は馬で、そこへ犬たちも加わっての行軍となります。羊は基本的に群れで動くようで、勝手にあちこちへは行かないようです。(聖書の中には九十九匹の羊とはぐれた一匹の羊の譬えがあるのですが、めったにあることではないようで)

そのため追い立てられると、洪水のような勢いで羊ちゃんたちは同じ方向へ走り続けます。羊たちが追い立てられて行く先は、その地域に羊集合用に設けられている広い空き地です。この場所自体のこともリェッティルと呼ばれるようです。




石を積み上げた壁によって仕切られた古いリェッティル
-Myndin er úr Skessuhorn.is-


そうして羊が一匹も残さず集められると「お疲れさまー!」ということでみんなで食べたり飲んだり、大人たちは乾杯したりという楽しい宴が始まります。

フルーナマンナ郡という南部の村の今年のリェッティルの様子がネット新聞のビデオニュースにありましたので、ぜひ見てみてください。言葉はわからないでしょうが、雰囲気は伝わると思います。

フルーナマンナ郡のリェッティルの様子


「このリェッティルに着るように特性のセーターを編んだのよ」という女性もいれば、「ホットチョコレート、コーヒー、それに手焼きのクレーヌル(アイスランドの名物のツウィストしたようなパン)に薄焼きパンを用意したわ」という女性。祭りに通じるものがありますね。

さて羊ちゃんたちなのですが、彼らには身体のどこかは忘れましたが持ち主の農家の焼き印が押されており、それを目印にしてそれぞれの農家へと振り分けられていきます。そして生家へご帰還となります。

しかし、それからが羊たちの沈黙です。

酪農家の方から直接聞いたわけではないので、詳しくはわかりません。が、基本的に来春また子供を産むメス羊たちは生き残り組。オス羊たちはワタシたちのお腹を満たすための道をたどるようです。

もちろん種馬ならぬ種羊も必要でしょうから、全部ではないのでしょうが...

今の時期、既にスーパーの広告などには様々な羊肉が登場しています。シーズンなのです。これについてはまた次回。


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