こんにちは。先週はだんだんと気温が下がり始めたレイキャビクです。火曜日には郊外のエイシャという癒し系の山が雪で白く覆われたのが目に入りました。「雪か〜...」と思っていたら、木曜日には明け方の気温がマイナス1度にまで下がりました。
日中は気温は7度だか8度まで上がったのですが、風が強く「寒〜!!」の一日となりました。コートも秋後半用のユニクロアイテムにスイッチ。確か去年は十月の後半まで使わなかったような...
仕事で訪れたロイガネス教会のハウスキーパーのおじさんに「寒いですね」と挨拶すると「うーん、秋だねー」...「秋?... 」しばし沈黙。冬だと思うんだけど...

そろそろ引き際?の清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Josh_reid@Unsplash
同じ日のFNNのニュースダイジェストを見ていたら、台風12号の影響で東京は気温が下がり日中19度になったんですね。それで前日までの気温につられて半袖で出勤された方々が、慌てて長袖や上に羽織るものをお店で求めたとか。
「肌寒いです」とインタビューされた女性が答えていましたが、19度なんて夢のような夏天気なんですけど、私には。もうお馴染みの出来事なのですが、それでも時折不思議になります。
念のために言っておきますが、生活圏では日本の方がアイスランドよりもズーーーッと寒くなりますからね。アイスランドの寒さは、人が生活する地域を見るならば、例えば釧路や旭川よりは比較にならないくらい暖かいです。
ちなみに雪だって日本海側の諸地域よりはずっと少ないです。日本って、気候に関してはものすごく多様な国なんですよね、考えてみると。こっちはモノトーンです。
さて、今回は日アでの言葉教育の違い?というと大げさですが、ちょっとした言葉文化の違いというか、考え方の違いについてです。
最近、といってもこの一年間くらいのスパンですが、私の周囲でポンポコと赤ちゃんが誕生しています。私の娘に赤ちゃんが生まれたことは最近書きましたが、その他にも、日本語教室の生徒だった女の子が成人して、この夏にお母さんになりました。
ちょっと遡って、昨秋には私が担当している教会の集まりのメンバーの夫婦に第一子の女の子が与えられました。この子は確か妊娠二十週という早産だったので、生まれる前から心配していたのですが、幸いなことにすくすくと成長し先日満一歳のお誕生日を迎えました。

先週の火曜日の昼前 雪化粧のエイシャ
久しぶりに会ったら、まあ元気、可愛い、かつワイルド?で教会のテーブルに置かれていたミニサイズの紙テーブルクロスを引きちぎりまくっていました。
ワイルドをしながら、隣りに座っている私を見てニタリ?と笑いながら「ضصثقفعخحجکمن」としゃべります:「ワイルドだろ?」まあ、赤ちゃん言葉なので得体の知れないもの。パパとママはイラン人です。
だからこちらも得体の知れない宇宙語で受け答えしました。
で、フと思ったのですが、日本人って、赤ちゃんと話しをする時には、赤ちゃんの方に言葉のレベルを合わせる文化がありますよね。赤ちゃんと向き合っている時に、中高生に向かって話す時のような話し方は普通しないですよね。そういうことをするのは、大人の方がわきまえがない、という考えがあると思うのです。
で、さらに、そういうところから「赤ちゃん言葉」なるものが生まれてきたのではないかと考えます。つまり自動車のことを「ブーブーが来ますよ、気をつけてねー」とか「ほら、犬さん、ワンワンがいるよ」とか。
多分、私たちは日本で生活して、周囲の子供達に接している時や、自分の子供に言葉を教える環境の中で、この「赤ちゃん言葉」なるものの存在を特に問題にすることはないのではないか、と思います。成長につれて言葉も変わっていくものだ、というのがフツーではないかと。

金曜日には教会前の駐車場にも氷が...
それが、オドロ木モモノ木なのですが、アイスランドにはこの赤ちゃん言葉なるものがありません。一歳児の赤ちゃんに対しても、もちろん接する態度は赤ちゃん向きの態度を取るでしょうが、言葉そのものはほぼ大人に対するのと同じ言葉を用います。
私の長男が赤ちゃんでやっと言葉らしきものを発し始めた頃のことです。テレビでは「お母さんと一緒」とかを見始めていました。眺め始めていた、と言うべきかな?
お母さんはアイスランド人だったので、ママはアイスランド語で、パパは日本語で話す。というのが原則になっていました。テレビのことをアイスランド語ではSjonvarpショーンバルプ(「sjon=視野」を「varp=投げる」という構造の言葉)といいます。
赤ちゃんにとっては長いし、難しそうな言葉だったので私は「『ションパ』いっしょに見まちょーか?」とか阿部寛さんの芝山検事のように息子に話しかけていました。
すると当時のヨメさんが「ションパじゃなくて、Sjonvarp。言葉が乱れるからちゃんとした言葉を使って」と小言。その時、この「赤ちゃん言葉」の文化の違いについて気が付かされたのでした。
後年、それで思い当たることがありました。アイスランドへ移り、アイスランド語をカタコトで喋るように努め始めた頃、アイスランド人は平気でフツーにアイスランド語で話しかけてくるのです。
なんというか、「こちらの『程度』を考慮してさじ加減を加える」ということが、まったく思考回路の中にないように思えました。多分、「赤ちゃん言葉」の拒否の文化に由来する、あるいはそれを生み出している源泉なのかしら?
もっともそのような「さじ加減」の是非については、きちんとした言語教育の専門家の方々の間で、「正解」があるのかも知れません。ワタシはその正解がどのようなものであるのかは存じません。
ですが、私がさらに後にアイスランド大学のお手伝いをするようになり、日本語を習い始めたばかりの学生さんたちと日本語で話しをしたり、書いたものを直してあげる時などには、私は必ず相手の学習程度を考慮し「忖度」しましたけどね。
日本語を習い始めて一年の学生さん相手に、それこそ「忖度」などという言葉を使ったら、それは使う方が「バカだ」と私は今でも思っています。

私のホーム教会の周囲も深い秋色
赤ちゃん言葉に戻りますが、息子に使ったこの「ションパ」、実際には息子は小学校に入るくらいまで使っていたように記憶しています。
ちなみに息子が初めて口にしたアイスランド語の「完成された」単語はflugvelフルーグヴェル「飛行機」で、かなり難易度の高い言葉でした。ついでに日本語での初の完成単語は「ムラサキ」で、これも結構ひねりの効いた言葉だったと思うのですが...
2016年に日本語教室を引退して以来、子供に日本語を教えるという作業からも遠ざかっていましたが、「娘の娘に日本語を教える」という役割が回ってくるような気配です。
まあ、娘の娘はいわゆる「クォーター」?ですから、どれくらい日本語に対する必要があるのかは、今はまだ明らかではありません。
機会はきちんと用意してあげて、いずれ娘の娘が自分で興味を持つか、持たないか、のどちらかになることでしょう。それはそれで、また邦人の海外在住組としては大きなトピック、考えるべき課題となります。
でも、スマホとか、IPadとか、最新の赤ちゃん言葉がワタシには欠如しています。補充するか、自分で考え出さないといけないですね。Baby word creator。意外と必要かも... !!
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
日中は気温は7度だか8度まで上がったのですが、風が強く「寒〜!!」の一日となりました。コートも秋後半用のユニクロアイテムにスイッチ。確か去年は十月の後半まで使わなかったような...
仕事で訪れたロイガネス教会のハウスキーパーのおじさんに「寒いですね」と挨拶すると「うーん、秋だねー」...「秋?... 」しばし沈黙。冬だと思うんだけど...

そろそろ引き際?の清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Josh_reid@Unsplash
同じ日のFNNのニュースダイジェストを見ていたら、台風12号の影響で東京は気温が下がり日中19度になったんですね。それで前日までの気温につられて半袖で出勤された方々が、慌てて長袖や上に羽織るものをお店で求めたとか。
「肌寒いです」とインタビューされた女性が答えていましたが、19度なんて夢のような夏天気なんですけど、私には。もうお馴染みの出来事なのですが、それでも時折不思議になります。
念のために言っておきますが、生活圏では日本の方がアイスランドよりもズーーーッと寒くなりますからね。アイスランドの寒さは、人が生活する地域を見るならば、例えば釧路や旭川よりは比較にならないくらい暖かいです。
ちなみに雪だって日本海側の諸地域よりはずっと少ないです。日本って、気候に関してはものすごく多様な国なんですよね、考えてみると。こっちはモノトーンです。
さて、今回は日アでの言葉教育の違い?というと大げさですが、ちょっとした言葉文化の違いというか、考え方の違いについてです。
最近、といってもこの一年間くらいのスパンですが、私の周囲でポンポコと赤ちゃんが誕生しています。私の娘に赤ちゃんが生まれたことは最近書きましたが、その他にも、日本語教室の生徒だった女の子が成人して、この夏にお母さんになりました。
ちょっと遡って、昨秋には私が担当している教会の集まりのメンバーの夫婦に第一子の女の子が与えられました。この子は確か妊娠二十週という早産だったので、生まれる前から心配していたのですが、幸いなことにすくすくと成長し先日満一歳のお誕生日を迎えました。

先週の火曜日の昼前 雪化粧のエイシャ
久しぶりに会ったら、まあ元気、可愛い、かつワイルド?で教会のテーブルに置かれていたミニサイズの紙テーブルクロスを引きちぎりまくっていました。
ワイルドをしながら、隣りに座っている私を見てニタリ?と笑いながら「ضصثقفعخحجکمن」としゃべります:「ワイルドだろ?」まあ、赤ちゃん言葉なので得体の知れないもの。パパとママはイラン人です。
だからこちらも得体の知れない宇宙語で受け答えしました。
で、フと思ったのですが、日本人って、赤ちゃんと話しをする時には、赤ちゃんの方に言葉のレベルを合わせる文化がありますよね。赤ちゃんと向き合っている時に、中高生に向かって話す時のような話し方は普通しないですよね。そういうことをするのは、大人の方がわきまえがない、という考えがあると思うのです。
で、さらに、そういうところから「赤ちゃん言葉」なるものが生まれてきたのではないかと考えます。つまり自動車のことを「ブーブーが来ますよ、気をつけてねー」とか「ほら、犬さん、ワンワンがいるよ」とか。
多分、私たちは日本で生活して、周囲の子供達に接している時や、自分の子供に言葉を教える環境の中で、この「赤ちゃん言葉」なるものの存在を特に問題にすることはないのではないか、と思います。成長につれて言葉も変わっていくものだ、というのがフツーではないかと。

金曜日には教会前の駐車場にも氷が...
それが、オドロ木モモノ木なのですが、アイスランドにはこの赤ちゃん言葉なるものがありません。一歳児の赤ちゃんに対しても、もちろん接する態度は赤ちゃん向きの態度を取るでしょうが、言葉そのものはほぼ大人に対するのと同じ言葉を用います。
私の長男が赤ちゃんでやっと言葉らしきものを発し始めた頃のことです。テレビでは「お母さんと一緒」とかを見始めていました。眺め始めていた、と言うべきかな?
お母さんはアイスランド人だったので、ママはアイスランド語で、パパは日本語で話す。というのが原則になっていました。テレビのことをアイスランド語ではSjonvarpショーンバルプ(「sjon=視野」を「varp=投げる」という構造の言葉)といいます。
赤ちゃんにとっては長いし、難しそうな言葉だったので私は「『ションパ』いっしょに見まちょーか?」とか阿部寛さんの芝山検事のように息子に話しかけていました。
すると当時のヨメさんが「ションパじゃなくて、Sjonvarp。言葉が乱れるからちゃんとした言葉を使って」と小言。その時、この「赤ちゃん言葉」の文化の違いについて気が付かされたのでした。
後年、それで思い当たることがありました。アイスランドへ移り、アイスランド語をカタコトで喋るように努め始めた頃、アイスランド人は平気でフツーにアイスランド語で話しかけてくるのです。
なんというか、「こちらの『程度』を考慮してさじ加減を加える」ということが、まったく思考回路の中にないように思えました。多分、「赤ちゃん言葉」の拒否の文化に由来する、あるいはそれを生み出している源泉なのかしら?
もっともそのような「さじ加減」の是非については、きちんとした言語教育の専門家の方々の間で、「正解」があるのかも知れません。ワタシはその正解がどのようなものであるのかは存じません。
ですが、私がさらに後にアイスランド大学のお手伝いをするようになり、日本語を習い始めたばかりの学生さんたちと日本語で話しをしたり、書いたものを直してあげる時などには、私は必ず相手の学習程度を考慮し「忖度」しましたけどね。
日本語を習い始めて一年の学生さん相手に、それこそ「忖度」などという言葉を使ったら、それは使う方が「バカだ」と私は今でも思っています。

私のホーム教会の周囲も深い秋色
赤ちゃん言葉に戻りますが、息子に使ったこの「ションパ」、実際には息子は小学校に入るくらいまで使っていたように記憶しています。
ちなみに息子が初めて口にしたアイスランド語の「完成された」単語はflugvelフルーグヴェル「飛行機」で、かなり難易度の高い言葉でした。ついでに日本語での初の完成単語は「ムラサキ」で、これも結構ひねりの効いた言葉だったと思うのですが...
2016年に日本語教室を引退して以来、子供に日本語を教えるという作業からも遠ざかっていましたが、「娘の娘に日本語を教える」という役割が回ってくるような気配です。
まあ、娘の娘はいわゆる「クォーター」?ですから、どれくらい日本語に対する必要があるのかは、今はまだ明らかではありません。
機会はきちんと用意してあげて、いずれ娘の娘が自分で興味を持つか、持たないか、のどちらかになることでしょう。それはそれで、また邦人の海外在住組としては大きなトピック、考えるべき課題となります。
でも、スマホとか、IPadとか、最新の赤ちゃん言葉がワタシには欠如しています。補充するか、自分で考え出さないといけないですね。Baby word creator。意外と必要かも... !!
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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