レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

We need you - あなた方が必要だ

2020-03-29 00:00:00 | 日記
始めにちっちゃなお知らせです。今回からブログの文字の色をグレーから藍色に変えました。以前、ある方から言われたことがあるのですが「グレーは背景色の白に溶け込んでしまって読みづらい」とのこと。

書いている本人の私は卓上マックを使っていますので、「気のせいだろう」とたかをくくっていました。ですが、先日スマフォで読んだ際に「おお、確かに見にくい」ということになり藍色にチェンジとなりました。黒の方が素直なんでしょうが、まずは藍色。

さて、前回のブログを読み直してみて、たった一週間のうちに全世界がこうも変わってしまったか、という感じがします。「外出禁止令」は「あそこでもここでも」になっていますし、東京オリンピックは遠のいてしまうし。

アイスランド社会を見てみても、もうCxxxx19しかニュースはない、というのが実際です。ウイルスを伏せ字にしたのは、単に感情的で無駄な抵抗のためです。すみません。




自宅待機の人々へのライブ演奏も2メートルの距離を保ちつつ
Myndin er ur MBL.is


本来なら -というか暦に変化はないのですが- あと二週間で復活祭(パウスカ)という時期です。そう気がついてびっくりします。いつの間にか、頭の中からパウスカさえ消えてしまっていたのです。

この時期は、教会の暦では「受難節」と呼ばれる期間で、慎んでキリストの十字架への道を偲ぶ時です。

ですから、あんまり飛んだり跳ねたりというはしゃぐ時期ではなく、どちらかというと暗く沈痛な期間ではあるのですが -少なくとも教会の側としては- 今年は敢えて勧めなくとも、みんなすでに沈痛な気分になってしまっています。

受難節の沈痛さと違うところは、受難節の場合は4月12日の復活祭でおしまい!とゴールがはっきりとしているのですが、このC19のヤツらの方は、いったいいつまで居座るのかわからないことです。

スーパーへ行けば、パウスカ用のチョコレートのタマゴが並んでいます。ですからいやでもパウスカのことを思い起こさせるはずなのです。しかし「集会禁止令」が先週からグレードアップして、スーパー等でも一時(いっとき)にお客さんが入れるのは二十人まで、とされました。

加えてもともと「外出はなるべく控えるように」とお触れが出ていますので、お店へ出向く人はめっきり減少しました。ホームデリバリーの方はチョー大忙しです。そういえばAmazonも大幅に人を雇った、とかラジオで言っていましたね。

そういうわけで、お店へ行く人は激減、行く人でもその回数は激減しています。で、パウスカのチョコレート・タマゴも目に入る機会が少ない。よってパウスカも意識から遠のいていく。という見事な理屈なのでした。

今書きましたように、先週の火曜日から「集会禁止令」が強化されたのですが、同時に「他者と非常に接近するサービス業」も営業を禁止されました。例えば床屋さんや美容院、あるいはマッサージ、いやエステか?等々のお仕事です。

私は十日くらい前に散髪に行きました。もう二十年も通っている「床屋さん」です。あの白、赤、青のポールがくるくる回っているようなところで、ヘアサロンではありません。

「こういう仕事の人は感染が怖くないのかなあ」とその時内心思っていました。でも、マスター(二代目。お父さんである初代は十年くらい前に引退していたのですが、その時たまたま店に寄ってくれ久々に顔を見ました)は、硬派っぽいしそんなこと気にしないのだろうな。

「理髪店等の営業禁止」のニュースの際に、その床屋さんがテレビのニュースに出ました。感想を聞かれて「いやあ、ここしばらく自主休業することを考えていたんだ。俺も六十三歳だし、敢えて危ない橋は渡りたくないし」

なんだ、やっぱり怖かったんだ。

この「他者と非常に接近するサービス業」の営業禁止令ですが、もちろん例外はあります。歯医者さんを含む、医療関係者。当然といえば当然でしょうが、でも歯医者さんだって怖いだろうと思いますよ。

ちなみの私の歯医者さんは、若くてきれいで素敵な女性です。彼女には絶対に感染してもらいたくないな。いや、別に他の歯医者なら感染して構わない、とかいう意味ではないですよ。「一般論プラス個人的感情」ということです。




大きなスーパーでは入り口に客数確認のためのスタッフを配置
Myndin er ur Visir.is


この「他者と非常に接近するサービス業」に加えて、映画館や一部の飲食や娯楽関係のお店も営業禁止となりました。

もちろん営業を休止する側にとっては死活問題です。収入源がなくなるのですから。政府としては、資金繰りを容易くするための税金の控除や、ローンを供給する政策を既に決めています。

また、予想される大量の失業者に関しても給与の75%を政府が補償することをすでに国会で可決しています。ワタシはこういう問題はチョー苦手なのですが、とんでもない額の支出になるのは間違いありません。

先日のモルグンブラウズィズ紙の記事でも「アイスランド国民の多くが、病気そのものよりも、経済の落ち込みの方を心配している」と報じていました。本人か家族が感染しない限りは、そうでしょうね、確かに。私もその組です。

私自身は教会のスタッフですので、日々の売り上げに生活を賭けているビジネスと違いますので、そういう意味でも不安はずっと軽いものです。幸いなことに。営業そのものがクローズドになることはありませんが、代わりに働き方を変えなくてはならなくなっています。

なにしろ、「集まるのはダメ」「2メートル以内に接近することもダメ」なので、伝統的に教会の活動の中心であったメサ(礼拝)や祈りの会、カウンセリングらがそのままの仕方では「不可」になってしまったのですから。

私の仕事に限って言いますと、難民関係の仕事がようやく「教会として本腰を入れる」ところまで来ていたので、この頓挫はやはりショックです。「なんでこのタイミングでこうなるかねー?」という思いから抜けられず、気力が失せてしまいました。




会見するプリツキー・イリノイ州知事
Myndin er ur NBC News


ですが、この間イリノイ州のプリツキー知事が「外出禁止令」発令の際の記者会見で、自宅外での勤務を許される例外職を紹介していた際に「それから、医療関係の従事者の人たち。あなた方は職場へ行ってください。あなた方が必要だ」と言っているのを見て気がつきました。 まあ、正確には「(これこれの人たちは)自宅に留まっていられない」という表現でしたが。

そうなんです。国の、世界の窮地にあって、凹んでいる場合ではないのです、教会関係者も。「あなた方が必要だ」と世間から乞われるようでないと。

ただ誤解を招かないように断っておきますが、職場へ行くのが良い、ということではありませんよ。自宅待機要請は、きちんとした理由があってなされているのですから、なるべく自宅にいるべきなのです。問題はそれでもなおかつ、何がしかの貢献をする方法があるだろう、ということです。

「あなたがたは世の光である」とキリストは言われます。(マタイ福音書5:14) 年中教会学校とかでこの言葉を子供たちに教えているのに、嵐の中で真っ先に暗くなっていたのでは「口先だけ」の見本なのでした。

そういえば「悲しい現実をなげくより 今何ができるかを考えよう  今日が変わる」と坂井泉さんも歌っていたではないか。フーッ!

たまにはこういうリンクも。 懐かしのチョー素敵さん、Zard




Zard 坂井泉さん
Myndin er ur Wikipedia.com



というわけで、一週間ほど「沈没」しましたが、今、再浮上中です。ワタシのような単細胞は、切り替えが早いのです。

でも日本の皆さん、このC19、大流行する前に塞ぎ込まないと後で大変ですよ。気をつけて!!


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「危ない国」アイスランド 昨今の様子

2020-03-22 00:00:00 | 日記
三月に入り、もう春分の日を迎えましたね。春分の日は、イランやアフガニスタン、それとその周辺のペルシャ語を話す文化圏では新年になるそうで、イランでは一週間だか二週間だかのお祭りシーズンなのだそうです。

私は仕事の関係で周囲にペルシャ語を話す人が多いのですが、アイスランドに在住しているイラン人やアフガン人もこの日にノズルート・モバラクとかサレーノー・モバラクとか(どちらも「新年おめでとう」)と挨拶を交わしています。カナ表記は私の耳による表記ですのでそのつもりで。(*^^*)

一昨年あたりから、このペルシャ語を話す人々が新年祝いのイベントを持つようになっていました。アイスランドに限って言いますと、ペルシャ語を話す人たちの中には、イラン人のコミュニティとアフガン人のコミュニティがあります。

教会の私がお世話をしている集会にもイラン人とアフガン人の双方がやってきます。普段は別に問題なく仲良く過ごしていますが、新年の祝い方とかでは、やはりそれぞれの流儀というものがあり、「さあ、みなさんご一緒に!」とはすんなり治らない部分もあるようなのです。




サレーノー・モバラク!


一昨年あたりからのイベントの主体はアフガン流でしたので、今年はイラン人の人たちが自分たちもイラン流のお祝いをしよう、と企画していました。中心になっている人たちが教会のメンバーなので、私もちょっとお手伝いをしながら準備していたのです。

ところがです。

C19の騒ぎのおかげで、アイスランドでは一週間前より「集会禁止令」が発動。このアフガン、イラン流の新年会もお流れになってしまいました。残念。

このC19を巡る状況は、日毎にかなりのテンポで変化、というか、ここまでのところエスカレートしており、ついていくのが大変なところがあります。

十日くらい前に、トランプ大統領が抜き打ち的にヨーロッパからの「鎖国」宣言をした時にはフザケンナ〜!的な反応が大でした。ところがそれから一週間で、デンマーク、ノルウェー、イタリア、さらにはEU全体が同様の「鎖国」宣言。

今(20日)現在では、スペインで集会禁止の上をいく「外出禁止令」が出ていますし、アメリカのカリフォルニア州でも同様の命令が出されたようです。

(その後さらにNY州、イリノイ州でも同様。イリノイ州知事の会見をニュースで見ましたが、「外出禁止」というよりは「強い自宅待機要請」みたいですね。食品の買い出しやその他生活に必要なことのための外出は可。気分転換や犬の散歩もOK。ガソリンスタンド、テイクアウトのレストラン、警察、病院等で働く人は例外だそうです)

アイスランドでは、「まだ『外出禁止令』は予定に入っていない」と関係者のトップは語っていますが、これまでの事態の進展のテンポを考えると、今週中に「外出禁止」が実施されてもおかしくはない気がします。

今のアイスランドの様子ですが、C19の感染が確認された人の数は330人。程度の差はあっても「隔離」の状態にある人が4000人弱あります。入院している人は意外に少なくて3人。亡くなった方はひとりだけで、この方はオーストラリアからの観光客の方でした。

絶対数はそれほどでもないのですが、やはり元々の人口が少ない国ですから、感染度というか感染可能性度はそれなりに高くなります。

それ故でしょうが、アイスランドは日本から「4段階で上から二番目の危険度3」の国と認定?されてしまいました。「危ない国」になったわけです。私たち在留邦人は以下のような通知を大使館からいただきました。

「1.当地在住アイスランド人または当地滞在中の外国人

アイスランド全域が,入管法に基づき入国拒否を行う対象地域として指定されました。これにより,14日以内にこれらの地域に滞在歴のある外国人は,特段の事情(※)がない限り,入国拒否対象となります(※ 外交・公用査証の保有者,緊急・人道案件)。

2.当地在住または滞在中の日本人
14日以内にアイスランドに滞在歴のある日本人に対し,入国時に検疫所長の指定する場所で14日間待機し,国内において公共共通機関を使用しないことが要請されます。」

こちらに住んでいる日本人は、まあこの時期に帰国の準備をしていなければ実害はないでしょう。ですが観光や商用でこちらに立ち寄られた人は災難ですよね。でも「さらなる災難」を防ぐためですから仕方ないでしょうが。

ちなみに同様の措置がアイスランドに帰国するアイスランド人にも適用されます。記憶に間違いがなければ「どこから」は問題ではなく、「帰国者全員」だと思います。 実際、北米かヨーロッパからしかないですからね、帰国路は。




「ヨーロッパ人以外はアイスランド入国禁止」を伝えるFrettablaid紙のネット版(20032020)
Myndin er ur Frettabladid.is


金曜日の新聞によりますと、その時点で6200人くらいのアイスランド人が世界のどこかで帰国するための飛行機を待っているそうです。フライトが次々とキャンセルされているので、席を得るために外務省が「帰国申し込みサイト」を用意したそうです。

そういうような「チョー非日常」的な日常生活になってしまっているのが今現在のアイスランドなわけですが、非常に不思議な感じがします。なんというか、ワクワク感のないクリスマス当日みたいな。

なぜかというと、町が静かなのです。外国人観光客がいない。通りの交通量も少ない。ホテルは軒並み休業していますし、タクシーもお客さんがいないので列を作って待ち状態。

直接の観光客相手ではないビジネスや店舗も、営業時間を短くする方向に向かっているようです。アイスランド人でも、数はわかりませんが、周囲を見渡した範囲では多くの人が外出を恐れて自宅待機しています。




個人的にお祈りくる人たちのためには開いている教会


私自身は毎日教会のオフィスに来ています。教会の日常の集会はすべてサスペンドされています。それでも「こういうような非常時にこそ教会は開いていなくては」とか大義を掲げて、教会を開けておく方針を決めたからです。が、大声でそういうことを言っていた人たちは、皆、自宅組のようです。

こういう時でも冬服のない外国人や、食べものがなくて困っている外国人はいますので、確かに教会は開いていた方がいいのは確かです。

ただ、困っている人が来ても、赤十字とか本来その人たちを援助するはずの機関自体がクローズドになってしまっていることがあります。そうなると、教会自体には古着や食物のストックはありませんので、こちらも困ってしまいます。負の連鎖か?

別に誰も意地悪をしているわけではなく、「人と人との接触をなるべく少なく」せざるを得ない状況にあるわけですから、これも仕方ないといえば仕方ないことでしょう。

「集会禁止令」のかたわらで、「人と会う時は、互いの間に2メートルの距離を保つように」という「2メートルルール」も実施されています。

スーパーとかへ行っても、皆、おとなしくこのルールに従っています。ちょっと意外だったのですが、皆さん、とても良い子なのです。まあ、実際には1メートル半くらいになっているでしょうが、それでもきちんとやっています。

始め聞いた時は「なんと面倒くさいルール」と思ったのですが、実際やってみると自然にできるようです。例外は「握手」で、これは条件反射的に手が出てしまうので、握手を避けるのにはかなり苦労しました。

握手さえ控えることに慣れれば、あとはたいしたことない。そう思って気がつきました。

ふ、ふだんから、誰かが2メートル以内、1メートルとかに接近してくることなんて、ほとんどない日常生活ではないか… ?? 別にC19 の騒ぎがなかったとしても。握手以外に他の人の肌に触れることなど「ないー!!」

C19、アイスランド社会を、そして世界をとてつもない闇の中へ連れ込んでいるだけではなく、ワタシのチョー個人的な「闇」をも引っ張り出したのでした... この「闇」... ウイルスとは別の次元でコワッ!!


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No borders! No nations! Stop C19! 

2020-03-15 00:00:00 | 日記
おはようございます。こんにちは。あるいは、こんばんは、ですね。日本の皆さん、または世界のどこかの日本人の皆さん、お元気でしょうか?

もう、おそらく世界のどこにいても(でもないか?)、あのC19のおかげでうんざり、ぐったり、げんなりしているのではないかと想像します。もう今年の流行語大賞、決まったような気さえしますね。

アイスランドでは木曜日のトランプ大統領の抜き打ち「鎖国」政策の発表に大騒ぎとなりました。経済的には大打撃となります、アイスランドだけではなく、ヨーロパ中が同じでしょうが。

いい加減、皆さんも辟易しているだろうと思い、今回はこの話題はやめよう!と考えていたのですが、金曜日の昼前のカトリーン首相や保健衛生大臣らの臨時記者会見で、アイスランド共和国になって初めての「集会禁止令」の発令がアナウンスされたため、その関連を触れないわけにはいかなくなってしまいました。

なるべくポジティブにいこうと思いますので、よろしく。(*^^*)




デンマークの教会の「やむをえず休止」を伝える報
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この「集会禁止令」ですが、発令されるの今日15日の真夜中、つまり明日月曜日になった時点からです。今、これを書いているのは実は金曜日の昼過ぎなので、まだ少し対抗策を練る時間があります。

実は集会禁止令の発令は、これまでも確実視されており「いつ?」ということの方が問われていました。ですから、周囲にも驚きはないですし「ついに」という受け止め方が大半だと思います。

隣国のデンマーク、ノルウェーでは一二日早く、同様の集会禁止令が発令されており、一定規模以上の集会が禁止されています。

*と、この投稿を書き終わったところでニュースがあり、デンマークが明日(土曜日)から四週間、陸海空とも国境を閉めるとのこと。 日本ではあまり報道されていないかもしれませんが、これもアイスランドには影響大です。

アイスランドですが、金曜日の記者会見で発表されたのは「百人以上が集まる集会は禁止」、それ以外の「百人以下の集まりは禁止ではないが、集まった際に各個人間に2メートル以上の距離を保つように」とのことです。期間は「とりあえず向こう四週間」

例外は国際空港とか、飛行機、国際便の船とかだそうで、これはおそらくアイスランドの政府の権能だけではコントロールできない部分があるからでしょう。

同じく金曜日の記者会見で発表されたのは、「高校、大学は当分閉鎖」そして幼稚園から小中学(アイスランドではまとめて「基礎学校」です)は授業は続けるが、クラス内での「2メートル」条項は守る、とのこと。

なぜ小中学校は全面休校にしないかというと、学校に行かない子供たちを誰が面倒見るのか?という点をクリアできないからだろうと思います。日本でも同じことが問題化しましたよね。

この「2メートル」条項は、例えばレストランなども例外とはしない、方針だそうで、つまりレストランは各お客さんのテーブル間を2メートル以上に開けないといけないということだそうです。

学校にしても、レストランにしても、屋内でそんなに距離を取ったら、一時(いっとき)に収容できる人数は減ってしまいますね。加えて幼稚園や基礎学校の低学年では、子供同士の間に2メートルの距離を保つのは無理ではないか?という疑問が出されました。ごもっとも。

理屈に照らして、「どうやって?」とか「こういう場合はどうなるのか?」という質問は山のようにあるはずです。

「大きなスーパーマーケットは入場制限するのか?」「バスの乗客数は制限するのか?」等の質問が記者の皆さんから投げかけられました。「制限を設けることは関係者と話し合いながら検討する」ようです。

またある記者は「例えばスーパーに警官が立ち会って、人数を確認するということか?」と質問していました。カトリーン首相は答えて「そういうことはしません。私はこの国の国民の皆さんの良識を信じています」

「集会の制限は健康的な弱者の保護をまず考えてのことであり、国民の協力なしに、権力でねじふせることはできない」という態度で貫いていました。

このところ貧困対策や難民政策で人気が陰り始めていたカトリーン首相ですが、今日は非常に頑張ったと思います。もともとのカトリーンさんを久しぶりに見る思いましました。私はもともと支持者ですから。




「集会禁止令」を発表したカトリーン首相 今日42歳の誕生日
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この記者会見が終わったのが金曜日の正午の直前。そして、わずか10分後くらいに教会のアグネス監督から「集会禁止令が発令されている期間は、教会も礼拝を自粛します。今年の春のフェルミング(少年少女たちの「堅信礼」という儀式で大きなイベント)も、夏以降に延期されることになります」との声明。

首相らの臨時記者会見に合わせて、あらかじめ準備されていたものでしょう。実はデンマーク、ノルウェーでもそれぞれの「集会禁止令」に合わせて、教会も「礼拝・集会の自粛」を表明していましたので、これも驚きではなかったです。

ただビミョーに考えさせられることがあるのです。集会禁止令では百人以上の集会が禁止されます。普通の教会の礼拝には百人以上集まることはマレ。「だったら教会はいいんじゃないの?」

「いや、それでも『2メートル条項』がある。」「教会はガランとしているから(?)2メートルOKだろ?」「でも雰囲気というものがねー...」

というわけで、私がお世話している難民の人たちを中心とした集会も、平均して25人から30人参加の小規模集会。聖餐式のある時で40人から50人ですから、集まることに問題はありません。

ですが、監督の「礼拝自粛宣言」もありますので、百人以下であっても自粛せざるを得ないのです。

ですが、難民の人たちの現実を考えると、四週間の間ほっておくことはできません。なんとか教会に集い、かつ2メートルを保ちつつもコミュニケーションを保てる方式を考え出さないと...

ああ、Youtubeビデオをもう少し頑張ってこれまでに軌道に乗せていたら役立ったろうに... とは己の怠惰を嘆く愚痴に他なりません。




記者会見後のカトリーン首相のFB 「生活は続いていくから...」と誕生日の感想


というわけで、現在考え込んでしまっているのですが、それでも「集会禁止令」にまつわる教会の問題などは、町中の商店やレストランに比べたら「お子様ランチ」程度のものでしょう。

観光業やその他もろもろの産業も同様、ということから以降は日本も同じだと思います。暗くなるので、これ以上は深追いしません。

難民の人たちの強制送還に抗議する集会にはこれまでも何度も参加してきましたし、その度にNo Bordersというラジカルな難民支援グループが音頭を取って「No borders! No nation! Stop deportations!」というシュプレヒコールを叫んできました。

まさしくNo bordes! No nations! が実証されてしまっていますよね、今。ただStopしなくてはならないのは、ここではデポテーションではなくC19です。

No borders! No nations! Stop C19! 


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漂流する二十五人 ... の中のひとりデス

2020-03-08 03:00:00 | 日記
三月に入りました。外はだいぶ明るくなってきていて、もう夕方7時になっても、まだまだ車のライトとかは必要ないくらいに明るいです。とはいってもこちらではヘッドライトは常時点灯なので実際には使うのですが。「なくても前が見えるよ」という意味です。

さて、今回はまず宣伝から。

河出書房新社から「わたしの外国語漂流記 – 未知なる言葉と格闘した25人の物語」という本が刊行されました。「14歳の世渡り術」というシリーズ企画の中の一巻だということです。

内容はというと、様々な職業や生活スタイルを持つ二十五人の皆さんが、それぞれの経験をもとに、外国語習得にまつわるアドバイス、体験談、秘伝?等を分かち合ってくださるものです。

「14歳の世渡り術」というのが、どの程度の水準なのかよく把握できていないのですが、ざっと目を通した限りでは、別に「普通」の内容というか水準です。正直言って、「14歳」という年齢が関係しているのは、その年齢が外国語に興味を持ち始める頃だから?くらいしか思い当たる節(ふし)がありません。まあ、別に悪いことでもなんでもないのですが。




新刊本です!!


ああ、それでその「格闘した二十五人」の中のひとりに、なんと「わたくし」が入っているのでした。ワタシのアイスランド語との格闘の様子と、そこから学んだいくつかのことを、語学学習のヒントとしてご紹介させていただきました。

河出書房で働いていらっしゃるマユコさん(許可を得ていないのでお名前はアイマイにしておきます。悪しからず)という女性の方が、この「ひとり日誌」ブログを目にしてくださったようで、昨秋くらいに連絡をいただいたのが始まり。とても感じの良いメイルをくださる方です。

あえて言いますが、某関西テレビの番組制作請負会社の「テレビに関係させてやろうか?嬉しいだろう?」と言わんばかりの横柄さとは大違いです。

ちなみにオラたち、外国住まい連中は、日本の民放からは締め出されていて、あのTVerですら視聴することができないのです。「あなたのお住まいになっている地域からはご利用できません」だと。

ああ、そうですか! それなら「私どもで企画している番組XX に出演していただけるアイスランド住まいの日本人の方、どなたかご紹介いただけませんか?」なんていうお願いも金輪際やめていただきたいものです。どうせ、見られないので、ばかばかしいのもありますが、それ以上に人を締め出しておきながら、自分に都合の良いようにだけ使おうという性根にウンザリさせられます。

河出書房のマユコさんはまったくそんなところのない素敵女子でいらっしゃいますが、その分まんまと丸め込まれてしまい、この企画の中の一章を書くことになりました。

てなこと言いながら、実はとても楽しく書かせていただきました。アイスランド語については、このブログでも何度も書いてきていますので、特にリサーチや調べ物も不必要。書きたいことは山ほどありましたので、ネタを捻り出す必要もなし。

ただ以前書いたことと重なる部分がないように、ということだけには注意しながら書かせていただきました。

先週、その出来上がった本が手元に届きました。マユコさん、ありがとうございます。m(_ _)m

他の「24人」を見て少しビックリ。プロテニスの杉山愛さんという有名人が入っているし、その他にはプロの翻訳家、大学教授、教授と探検家の間のような方達が目白押し。マイナーなブログ以外には(いやそれも含めて)見るべきものがなにもないワタシは「紛れ込んだ」感がハンパないのですけど...

まあ、いいや。マユコさんのためならそのくらいは耐えてしんぜましょう。




内容見本ですが「ちょっとだけヨー」ですみません


アイスランドに関する本に執筆協力するのは、実はこれが初めてではなく、以前にも明石書店の「アイスランド・グリーンランド・北極を知るための65章」という本で、移民に関する章とアイスランドの教会に関する章のふたつを書いたことがあります。

そちらの方は、内容から言ってももろに仕事関連だったので、そうですね、仕事の一部だった、と思います。早いもので、もう五年前の刊行。この春第三刷となるそうで、年明けに連絡をいただいておりました。

それに比して、今回の「漂流記」は、仕事というよりは趣味...ではないですけど、うーん、プライベート?感が強いですし、基本的に「オラはこう思う」という個人の見解と体験談でしたので、気楽に楽しんで書くことができました。

あと、二、三章付け加えてもいいんですけど... と言いたいくらいです。(*^^*)

〜14歳の世渡り術〜「わたしの外国語漂流記 – 未知なる言葉と格闘した25人の物語」(河出書房)

1400円です。どうぞよろしく。m(_ _)m

ついでにアマゾンのリンクも貼っておきましょう。
ここです。


ちょっとだけの宣伝のつもりが、メインになってしまいました。




本文とは無関係 修行中の写真です


本当はCOVID19について書こうと思っていたのですが。実はアイスランドでも大騒ぎになっており、(今日)金曜日の夜の時点で感染者43人。そのうち今日(金曜日)初めて「国内感染」者4人が確認されました。

感染の可能性の濃厚な人も含めて、隔離所へ入所または自宅待機ということですが、これが400人余り。国内感染が確認されたことで「非常事態」体制に入るそうで、「集会規制」が発令されるのも時間の問題だ、とニュースは報じています。

となると、教会も対応しなくてはなりません。ウチらは人を集めるが仕事ですので。日曜礼拝などはなんとか対応できるでしょうが、お葬式などはどうなるでしょうね?ウチウチしか集まっちゃいけなくなるのかな?

加えて、抗議集会なんかも禁止になるのだろうか?だったら難民支援にはまずい影響が出てきます。ヤバイ。公権に悪用されるかも。

まあ、ここでは日本ほど、そういう「国家的陰謀」の心配はしていないのですが。悪い奴がいないのではなくて、そこまで頭の良いヤツがいない、と思えるからです。

これから四月のパウスカ(イースター)に向けて、フェルミング(「堅信礼」という14歳の少年少女たちのためのキリスト教の儀式)等々、特別な集会が増えてくる時期なので、この「集会禁止令」は気になります。

まあでも、この話題は日本でもワンサカあるでしょうし、「いい加減ウンザリ」という方も多いでしょうから、ここではこのくらいでやめておきましょうか?

とにかく、皆様も十分に気をつけてお過ごしください。感染しないことは大切ですが、「感染させない」ことも同じく大切だと思いますので、万が一体調を崩された方は、そちらも気をつけてお過ごしくださいますよう。


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心をつなぐ便り – 昔も今も

2020-03-01 00:00:00 | 日記
先週も木曜日から金曜日にかけて天候は大荒れ。広汎な地域でイエロー警報(上から三番目)、一部の地域でオレンジ警報(上から二番目)が出されました。完璧に年中行事となりました。

一方、スペインの避暑地(避寒地か?)Tenerifeテネリフェでは、H10コスタ・アデヘ・パレスというホテルで新型ウイルスの感染者が確認され、ここ一週間くらいホテル客がそのまま「隔離所」と化したホテルに足止めされています。

その中に十人ほどのアイスランド人がいることが報じられています。どうやらこの、今の週末に家へ帰れるらしいと言う報道も。

実は知り合いの裕福なご夫婦もテネリフェへ避寒に行っているのですが、巻き込まれていないことを願っています。いや、嫌味ではなくてホントに。教会を援助してくれる良い人たちなので。

北イタリアでも感染者が確認されていますし、ノルウェー、デンマークでも。だんだんとアイスランドにも新型ウイルスが近付いてきているようです。今現在(28日金曜日午後)は、まだ国内の感染は確認されていませんが、時間の問題でしょうね。




内容とは無関係 最近写真を撮り始めました


と、書いている最中に「初感染確認者」のニュースが舞い込んできました。四十歳代の男性の感染が確認されたとのこと。これで、こちらでも緊急の問題となることでしょう。

日本の同僚の牧師先生方のお話しによると、様々な行事が中止されたり、礼拝を参加者全員がマスク着用で行なったり(牧師さんも)、聖餐式(パンと葡萄酒を分け合うキリスト教の儀式)をお休みにしたりと、教会内だけに限っても多くの影響が出ているようですね。

先日のこちらのレイキャネス地方でのマグマ警報の時にも感じたのですが、「目に見えないもの」を相手にして警戒するというのは大変なことですね。台風やストームのように「ああ、あそこにいる」とわかるものは、まだマシなのかな?

まあ、それでも大きな被害が出ていますからね。「マシ」だとしても、単に比較の問題でしょうが。

さて、いくつか書きたかったことがあったのですが、その中のひとつはいただくお便りについてでした。

こんなブログでも目を通してくださる方がありますし、中にはわざわざお便りをくださる方もあります。もちろん郵便ではなく、EメイルやFacebookのMessengerでブログ用のアドレスに送ってくださる方がほとんどです。

メジャーなブログではありませんので、そんなに週に何十も来るわけではありません。月にいくつか来る「時もある」程度です。ですから、読むのがうっとうしいとか、返事を差し上げるのが面倒くさいとか、そういうようなことはまったくありません。

ほぼすべてが日本人の方からです。ですが、必ずしも日本からではありません。日本国外からのお便りもかなりあります。

日本からいただくお便り、メイルの半分くらいはテレビやラジオからのオンタビュー依頼や、(それ以上に)「誰か適当な人、知りませんか?」という紹介依頼です。この場合、ほぼ間違いなくテレビです。

始めのうちはまじめに協力しましたが、それほど大きくもないアイスランドの日本人社会。すぐにネタ切れとなり、そこから先へ進まなくなりました。番組制作請負会社の担当者のしつこさにもうんざり。

加えて日本のテレビ各局の「海外日本人締め出し政策」にも頭に来るし、「なんでオラが協力しなければならないのかい?」と思い、今は始めよりお断りしています。

「日本人締め出し」とは、例えば「見逃してしまった」番組を見れる便利なTver。あれ、日本国外からは試聴できないんですよ。なんで?おかげで毎回楽しみにしていた「マツコ有吉かりそめ天国」とも、今は生き別れてしまっています。




「魚眼」を通して見た我がブレイズホルトゥス教会


日本からのお便りの後の半分くらいは、アイスランド観光に関しての問い合わせや相談か、結婚式等の依頼です。結婚式は仕事関係ではありますが、正確には仕事ではありません。アイスランドでの邦人の方の挙式は、別に「せねばならぬ」義務はなく、「せっかくだからお手伝いしよう」という性格のものです。

料金は一応頂きますが、そのためにしているのではありません。むしろ、式を通して日本の方と接触する機会があることが楽しいから、ということの方がメインです。

Facebookのおかげで、今では式を挙げた方のその後をフォローし、赤ちゃんの誕生を喜んだりすることもできますし、また、わざわざ式の様子を伝えるミニビデオをシェアしてくださる方もあります。こういうつながりは、金銭授受よりもはるかに生活を豊かにしてくれます。

日本国外からいただくお便りは、さすがに仕事の関係はなく、すべてパーソナルなものです。そしてすべて日本人の方から。

場所は様々で、ドイツ、フランス、イギリス、アメリカ、カナダ等々。意外とアメリカからいただくメイルが多数派。それでも絶対数は大したものではないですが。

何故だか理由はよくわからないのですが、これらのお便りのうちの多くは、とても内容が濃く、深く、時には難しい個人的な体験等まで伝えてくれるものです。

多分、私が牧師であるということもあるのでしょうが、ブログをとてもよく読んでくださったうえで、私のことを信頼してそのような内容までシェアしてくださっているのです。

これは実際、相当心に浸みることで、ありがたく思い、感謝しつつ拝読させていただいています。葉書、封書、Eメイル、Messengerと形態は変化しても、「お便り」そのものは、やはり心と心をを繋いでくれるものですね。

失礼なことになってしまうのですが、お返事を差し上げるまでには、大抵日数を費やしてしまいます。お手紙の形でいただくものは、やはり実際に会って話すのとは異なり、ニュアンスを推し量ったり、些細な点を問い質すこと等ができません。

内容が深いものである際には、それ故にいいかげんだったり、誤解されかねないことことをお返ししたくはないので、ああだこうだ考えていて日数が嵩んでしまうのです。

お便りくださいました方々、そういうわけですのでご容赦ください。




世界のどこにいても、見れる月は同じ


とにかく、今回お伝えしたかったことは、「お便りをいただくのは嬉しい!」ということでした。(*^^*)

ブログというのは、こちらからの一方的な?作業ですので、どういう方が読んでくださっていて、どんなふうに感じていてくださるのかわからないものです。

特に私が使わさせていただいているGoo.Blogというのは、コメントの書き込みが敷居が高いようなシステムなので(それはそれでメリットでもあるのですが)、メイルでのお便りには、とりわけ「心ときめく」のでした。

と、いうわけですので、もし「メイルしてみようか、どうしようか?」「これを言ってみようか、やめようか?」と迷っている方がいらっしゃいましたら、迷うのをやめてメイルしてみてください。

いや、ちょっと待って。残念な内容だったら聞かない方がいいいかな?ウーン... そういうのを「選り好み」と言うのだ。意見は正当に聞いてこそ意義があるのだ。そうですね、フェアなご意見でしたら、恨むことはありませんのでご心配なく。

プリントアウトして、クシャッと丸めて捨てるかもしれませんが... へへ’)


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is
コメント (2)
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