レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

復活祭後の「シャッパズル」な週

2019-04-28 00:00:00 | 日記
先週のパウスカー(復活祭、イースター)を境にして「春」が到来した感があります。気温も十度くらいまで上がる日が多くなっています。

実は先週の木曜日はSumardagurinn fyrsti スーマルダーグリン・フィルスティ「夏の第一日」という祝日でした。毎年四月の第四木曜日がこの祝日と定められています。春どころか、暦上は夏なわけです。

凍てつく夏 古の知恵では想定内


復活祭は、日本ではあまり馴染みのない祭りと思いますので、念のために書いておきますが、これはクリスマスのような「固定祭日」ではなく、一定の期間内で移動する「移動祭日」です。

基本的に「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」ということなのですが、その「最初の満月の日」が日曜日の際は、翌週の日曜日がイースター・サンデーとなります。ちなみにグレゴリオ暦を用いるカトリック及びプロテスタント諸教会と、ユリウス暦を使っている正教会では日付けにズレが生じます。

パウスカ、新年度、そしてエイプリルフール


だいたい早くて三月の最終の週、遅くて四月の第四週くらいになるみたいですね。きちんと計算すれば、「いつからいつまで」とわかるはずですが、そこまで突っ込む気になれないのでスミマセン。(^-^;





この先しばらくの復活祭の日取り 左側がカトリック及びプロテスタント用 右側は正教会用
Myndin er ur Wikipedia.org


とにかく、今年の場合は復活祭が四月の21日とかなり遅かったわけです。それでイースター明けに「夏の第一日」の祝日がすぐに続きました。

こちらでは復活祭の日曜日の翌日の月曜日まで祝日のため、火曜日、水曜日と二日間の平日を挟んで木曜日が祝日。そして、金曜日の次が土日とまた休みになります。もちろん土日に働く人も大勢いますけどね。なんというか、「伝統的な勤労観」では。

ということで、今年は復活祭前の聖週間の祝日、聖木曜日あたりから、足掛け11日間のバケーションを決め込んで海外などへ出かけていった人が相当多かったようです。

ワタシなんぞは、復活祭時期はもちろん仕事がありますので、バケーション感覚はもともとなかったのですが、言われてみると確かにバケーションの機会だったわけですね。

ついでに言いますと、今週の水曜日、5月1日はメーデーで、日本とは異なり、こちらではメーデーも祝日となっています。おっと、書きながら今気がつきましたが、日本でもゴールデン・ウィークに入っているではありませんか。全然気がつきませんでした。

さて、私たち教会関係者も、復活祭中はともかく、復活祭が終わってしまえば「やれやれ、一休み」という感が例年ならあるのですが、今年は一休みどころか、むしろ過密なスケジュールが組まれてしまっています。

例えば明日の月曜日は、牧師協会が主催する「再教育デー」。夜は牧師協会の懇親会。火曜日は日中は牧師協会の総会。そしてそのまま夕方からは「シノッド」と呼ばれる教会の総会のような行事が始まります。

このシノッドはメーデーの祝日をまたいで、木曜の夕方まで。「祝日をまたぐ」というのは、過去に前例のないものではないかと思います。「またぐ」というのは、事実上「祝日出勤」ですからね。メーデーというのは、キリスト教にゆかりの祝日ではないので、本来牧師さんたちは本当に休める祝日なのですが...




シノッドはこのような牧師の大名行列で始まります
Myndin er ur Grafarvogsbuar.is


そして、シノッドが終わる木曜日の夜から、今度はスカウルホルトというレイキャビクから車で一時間ほどの場所で、教会主催の「再教育デー」が始まり、これが土曜日まで。

翌日は日曜日ですから、牧師の皆様、お仕事です。

要するに、まるまる一週間、文字通り毎日、教会関係の行事が組まれていることになります。まあ、日本の教会ならこれくらいは年中ではないか、とは思いますが。ものすごく委員会とかが多いですよね、日本の教会。今は違うのかな?違ったらすみません。

さて、こういう風にいろいろな予定を短期間に詰め込まれた予定を、アイスランド語ではThjappadurシャッパズルと呼びます。Thjappaシャッパという動詞は「詰め込む」という意味で、その受動系がthjappadurで「詰め込まれた」ということになります。

なんで、復活祭明けがこんな具合にシャッパズルなのか?と考えたのですが、アイスランドでは五月はすでに「夏休み」っぽい時期に入ります。また、様々な会議やシンポジウムが国の内外で開催される時期でもあります。

早めの休暇に出かけていく人がかなりあるのと、会議に行ってしまう人たちの都合も考えると、「ねばらならい」例年の行事は、無理をしてでもいの一番に終わらせてしまいたい。と、いうのが理由ではないかと想像します。

理由はどうあれ、これらの日程にすべて参加する人は偉いなあ、と感じ入ります。お察しの通り、ワタシは身体に鞭打って行事に参加するようなヤカラではありません。

「再教育デー」?パス。まあ、ワタシなんぞは最も「再教育」が必要な牧師ではありますが、プログラムの内容が「リーダーシップのなんたらかんたら」とかで、興味の対象外。

シノッドは始まりの部分と、美味しそうなところだけを拾って参加するつもりです。懇親会とかが、一週間で三回くらいあるのですが、それらもすべてパス!! 友達がいないワタシは、参加しても楽しくもなんともないのです。




アイスランドの教会史では大切な場所スカウルホルト
Myndin er ur BBL.is


「じゃあ、サボりまくりの週か?」と、お思いでしょうが、そういうことでもないのです。通常の業務というか、お仕事はちゃんと存在していますで。普通の牧師さんたちは、今週の集会とかは臨時休業にしているはずですが、私の場合はなるべく臨時休業をしないように努めています。

難民の人たちとの関係が強いので、強制送還とかがあり得ますから、会える最後の時がいつなのかわからない人も少なくないのです。

さらに加えておくと、日頃から他の人たちとの接触が少ないような、隔てられた環境に滞在している人たちも多いため、臨時休業でその隔絶感を深めてしまうことを避けたいのでした。

六月の中旬には、毎年の業務報告の締め切り日と、2012年の活動費の申請の締切日がやってきます。ワタシの大嫌いな書類仕事のダブルパンチ。ムムム... 五月はタフな月になりそうです。

「五月病」という言葉がありましたよね。なんでしたっけ?大学に入学した新入生たちが無気力になる、んでしたっけ?今はそういうことはないのかな?

私の方が五月病になりそうです。無気力ではなくて、書類仕事を前にしての、絶望感、倦怠感、現実逃避願望からくるストレス病。ああ、イヤだ。なんとかしなくては。

というわけで、今回は特にこれというトピックもないままに終わってしまいました。こういうことも定期的にありますが、ご容赦ください。

皆様におかれましては、良いゴールデン・ウィークでありますように。それといよいよ天皇陛下の代替わりですね。式が無事に、とにかく平和のうちに執り行われますように願います。


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聖木曜日の宣伝部長

2019-04-21 00:00:00 | 日記
Gledilega paska! グレーズィレーガ・パウスカ! 復活祭の主日おめでとうございます。

日本ではあまりメジャーなあいさつ言葉ではないでしょうが、ついでに英語ではHappy Easterと言うのだそうです。Merry Easterではありません。(^-^;




Gledilega paska!!


今日はイースターサンデーですね。自動的に先の一週間は「聖週間」と呼ばれる特別な週でした。キリストの受難(十字架刑の死)を悼み覚える週です。

キリスト教文化圏のアイスランドでは、小中学校は週を通じてお休み。木曜日と金曜日は国の祝日でした。特に金曜日はキリストの死を悼む日で、教会やまれに一般の家庭でも半旗を掲げます。

この聖週間についてはこちらも;

アイスランドの聖週間

教会の鐘がミュートになる時...?


さて、特別職の牧師の私は(移民牧師)、職務の中心が礼拝(ミサ)ではなかったので、かつてはこの時期はわりとヒマで「旗本退屈牧師」となっていたのですが、事実上の「難民牧師」となったここ四、五年、様子が変わってきました。

難民の人たちとの集会が毎週欠かさずあるようになり、さらに付属する様々な実際的なサポート等が絶え間なく出てくるからです。

以前も書いたことがあるのですが、私は牧師が「忙しい」を連発するのはよろしくないことだ、という考えを持っているので、「忙しい」を禁句にしています。それでもこの二週間ほどはその禁句を叫びたくなる思いでした。

そうなった理由のひとつに、私のいるブレイズホルトゥス教会の聖歌隊のコンサートがありました。教会のコーラスを、日本語では「聖歌隊」と特別な風に呼びますが、こちらではただKorコールと呼び、町の「コーラス」と変わりありません。

こちらでは、地域や学校、施設等でそれぞれのkorを持っていることがよくあり、「コーラス文化」はかなり発達していると言ってよいでしょう

そのブレイズホルトゥス教会のコールが、昨年の十一月にコンサートを開きました。コールのコンサートは年間四、五回はあります。

その十一月のコンサートでは、ふたつの演目があり、ふたつともオリジナルのコーラス曲でした。作ったのはコールにいるふたりの若い女性メンバーで、ふたりとも音楽を専攻している学生でした。

これが偶然の一致で、両者とも「難民」をモチーフとしており、その関連からコンサート前から私も関心を持っていました。

ひとつは「スンネファ・ミグラント」といい、迫害を逃れて、人々を連れてボートで脱出したという、アイルランドの聖人スンネファ伝説を、現代のボート難民に被せています。

もうひとつは「チリからのスーラ」という、アイスランドの有名な詩を基にして、これも現代の難民問題と掛け合わせ、平和を祈願する内容となっています。

そして実際に、コンサートでふたつの演目を聞いたのですが、これがかなり素晴らしいもので、私はとても感激しました。

「感激「というのは、多少不正確な言葉でしょうね。初めて聞いたものなので、メロディも頭に入っていないし、歌詞も正確には理解できていません。でも、あの「衝撃」があるのです。

皆さんも、そういう経験はあると思うのですが、とても良い曲を、それでも初めて耳にした時は、十分咀嚼できていないので「ああ、なんかいい気がする」というだけのポコポコした気持ちを持ちますよね。あの感じでした。




ブレイズホルトゥス教会の円形の内部


ただ前に立って歌うだけではなく、教会内いっぱいに円に広がったり、また縮んだりしながら歌ったり、さらに「セリフ」も随所に散りばめられていて、多少ミュージカル風なところもあります。

さらに面白いのは、楽曲の一部として、教会の鐘が使われていることです。ブレイズホルトゥス教会の鐘というのは、普通のピアノのように、音階が作られていて、オルガンの脇にある鍵盤を操ることによって、「生」で演奏をすることもできるのです。

これを、生の演奏中にするのはかなり難しいのではないかと想像します。なぜなら、鍵盤を打ってから、鐘が動いて音を出すまでに、さらにその音が外の塔の鐘から内側に伝わってくるまでに時間差があるからです。

ですが、コンサートでは、見事に教会の外の鐘の音が、教会内でのコーラス、オルガンとマッチしていました。この教会の「外」「内」のコラボというのは、私にとっては初めて体験するものでした。

結果素晴らしいコンサートだったのですが、その時は、コールの指揮者であるオルンさん(教会のオルガニスト)も、パフォーマンスを作り上げるのに集中していて、それほど外部に向かっての宣伝等はしていませんでした。

で、コンサオートが終わるや否や、私はオルンさんと、教会の主任牧師、さらにその場に居合わせた教会の人たちに「これは是非とも再演を」と提案したのでした。

「モチーフが難民にある、素晴らしい楽曲なのだから、是非とももっと宣伝をして、特に難民と関わっている赤十字やその他の団体のスタッフを招いてみたい。加えて全国の教会にも呼びかければ、『難民問題』へのアピールにもなる」というんが私の考えでした。

それ以来、レイキャビク近郊の地区の基金に助成金を申請したり、ポスターを作成配布したり、チラシを作ったりとセッセと準備を進めたのでした。コールはパフォーマンスに専念。宣伝、マネジメントは私ひとり、という図式。まあ。いいや、そういうのには慣れてる。




コールの最終リハーサルの様子


そのコンサート、「スンネファ・ミグラント」と「チリからのスーラ」の再演コンサートが、先日聖木曜日の夕に開催されました。宣伝担当の私はコンサートタイトルをAkall um frid「平和への希求」として、ふたつの演目の間に、実際に難民だった経験を持つ人 -アブラヒムさん- に短い体験談を語ってもらうことにしました。

というわけで、木曜日前の一週間は、プログラムの作成とコピープリント(私の教会のコピーはモノクロなので、カラーコピーを借りに、古巣のヒャットラ教会まで三日連日で日参。ただで使うのは気がひけるので、ちゃんとお印のお花を献上)をしたり、アブラヒムさんのスピーチ作成を助けたりと慌ただしかったのです。

ですが、それだけでは宣伝部長の名にもとる。マスコミ対策も必要です。で、ラジオ局ふたつのインタビューも取り付けて、先の月曜日の午後はラジオデーとなりました。

ひとつ目はLindin「泉」というキリスト教系のラジオ。「チリからのスーラ」の作者である若いアイスランド女性が一緒に行ってくれました。助かります。一人だけで「アイスランド語で十五分」は結構しんどいのです。

二軒目はぼう国営放送のラジオで、今回はコーラスの指揮者オルンさんが一緒。どうもオルンさんは、福音系キリスト教のラジオであるLindinとはなにか確執があるらしく、同行をしぶっていたのですが、某国営放送には喜んでついてきてくれました。

宣伝部長とは、そのような個人的確執までカバーする必要があります。

クタクタになって木曜日当日を迎えましたが、ここから先は何もすることはできません。お客さんが大勢来てくれることを祈るばかりです。

幸い百人以上の方が来場してくれました。うち三十人弱が「元」もふくめて難民の人たち。本当は百五十人くらいを期待していたのですが、この聖木曜日は、教会に縁遠い人たちにとっては「長い連休の始まり」でもあり、そのことを鑑みれば十分な来場だったと思います。

こうして聖週間と復活祭の週末を乗り切って一安心していますが、次の目標が浮かんできています。それは、このふたつの楽曲「スンネファ・ミグラント」と「チリからのスーラ」のパフォーマンス、是非ともCDで発売してほしい。これから掛け合います。


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妖精エルフィスの同伴 - アイスランド快適ドライブ

2019-04-14 00:00:00 | 日記
四月も中旬に入りましたね。もう各種の学校も始まっていることと思います。こちらでは、気温も10度近くまで上がる日も出てきています。天気の週間予報を見ても、気温がグッと下がる予報は出ていなかったため、月曜日に車のタイヤをサマータイヤに替えてしまいました。

しかし、こちらには「イースターには雪が降る」という都市伝説があるため、まだあと一週間は安心できないのですが。まあ、雪が降ってしまったらバスを使いましょう。タマのことだし。

ところで、新しい元号が「令和」と決まったとのこと。おめでとうございます。というのも変でしょうか?

「和」は非常に「さもありなん」なのですが、「令」は「冷」を連想される方も多いのではないだろうかと思います。私の個人的な第一印象は「律令」「命令」の「令」で、「無理やりまとめさせられる(和)のかなあ」ということでした。

でもそれはあくまで第一印象であって、慣れてしまえばそのような偏見は消えることでしょう。まあ、よく取れば、なんとなく背筋がシャンとしていない平成?よりも「凛(りん)」とした感じがしますかね〜?

ただ、この元号というもの。私にはなかなかクセモノで、なにしろこちらでの日常生活では元号というものは一切関わりがないのです。ですから、「今年は平成.... 何年?だっけ」ということは年中ありました。

日本に帰った時に、何かの申請書等に元号で記入しなければならない時など、うろたえたり頭にくることもしばしばありました。「もういいかげんに西暦で統一してもらえんかなあ?」と思うことも。

しかしながら、「明治」「大正」「昭和」「平成」と並べて見ると、なんとなくそれぞれにふさわしい情景が目に浮かぶ気がしますし、単なる数字の羅列よりは風情がある気がします。

日本の文化の継承という点からも、あっていいのではないか、と最近では考えるようになりました。もうすぐ「令和元年」なわけですね。

それにしても、今回の新元号ではなにか懸賞クイズまであったようで、それなりに盛り上がったのでしょうか?よーく考えて出てきたものなんですよね。それに比べると、「平成」というのは、考え出すのにどれだけのゆとりがあったのでしょうか?

ちょっと不思議。まさか、作り置きしてあったとか?あり得そう。




安全運転へのガイド 妖精エルフィス
Myndin er ur Samgongustofa.is


さて、今回の本題です。始まりで、車のサマータイヤへの交換と雪の可能性について触れましたが、ちょっと関連してアイスランドでの車の運転に関する事柄です。

最近、Youtubeを見ていると、こちらでの車の運転に関する注意というかアドバイスのような広告が入るようになりました。

過去数年、アイスランドでの外国人旅行者の車での事故は後を絶ちません。昨年末のクリスマス直後、南部の川に掛かる橋から自動車が転落し、乗っていた兄弟のふた家族のうち、双方の家族の奥さん二人と赤ちゃんひとりが亡くなるという大事故が起きました。

この事故は、計七人が乗っていたランドクルーザーが、対向車を避けたわけでもなんでもなく、勝手に橋下に転落したことであったこと、また、乗っていた家族がイギリスで名の知れた資産家であったことからも注目を浴びました。

もちろんそのようなことよりも、バカンスに来ていて一瞬にして家族を失うという悲惨さが際立っていたのですが。

2018年の年間を通して見ると、「大事故」とみなされる車の事故は183件ありました。亡くなったかたが18人で、重傷者が183人。亡くなった方の半数、9人が外国からの旅行者でした。

遡って九月のことですが、アメリカ人旅行者の若夫婦が運転する車が、川を横断しようとして深みにはまり、奥さんが流されて死亡する、という事故もありました。写真で見ると、普通の乗用車で、とても川に入って行けるような車ではないのがわかります。

これは交通事故ではなく、水難事故として分類されたようですが、いずれにしてもこの辺りに運転する側の予備知識の不十分さが指摘され、それに対する措置の必要が訴えられてきたわけです。




川にはまり、結果惨事を招いた事故
Myndin er ur Ruv.is/Hermann_Valsson


で、今回Youtubeを見ていて、目についたというか、見させられた広告ビデオなのですが、私の評価としてはよくできているのではないか、と思いました。なんというか、見ていてそれなりに面白い?のです。

先に述べましたような、悲惨な事故の現実を前にして「面白い」は不謹慎かもしれませんが、安全運転を呼びかける広告ビデオというものは「どうやったってつまらないものになるであろう」という、否定的な先入観からすれば、うまくいっているのではないかと思うのわけです。

まあ、説明よりも実際にご覧いただくのが一番。英語ですが、これは勘弁してください。

Dangers on Icelandic roads? - Driving with Elfis


アイスランドの妖精エルフであるエルフィスさんが、アイスランドでの運転に関する様々なアドバイスをしてくれるというアニメです。

他にもありますのでこちらからピックアップしてみてください。

妖精エルフィスのアイスランド安全運転講座


この安全運転アピールのための広告ビデオはSamgongustofaサムガンガストーバという交通局が作成したものです。




こちらでの運転に必要な基礎の標識
Myndin er ur Samgongustofa
.is

交通局はこれに関連して、Drive.isという、アイスランドでの運転に関する基礎情報を与えるためのサイトも開設しました。こちらで運転をされる予定の方には是非とも閲覧していただきたと願います。

さらにVegagerdinヴェーガゲルズィンという「道路管理公社」が、道路情報に関するサイトを提供しています。こちらは「アイスランドに来て、実際に運転する」という時に参照していただきたいと思います。

このブログでは、かなりしつこく旅行者の方々の運転に際しての注意を喚起してきています。「言われなくてもわかってら」という向きもあるでしょうが、実際に事故が起きてしまうと、まったく関係のない人たちにまで、様々な影響 -それもかなりシビアな影響- が出てきます。

「ワタシの勝手でしょ」とはくれぐれもお考えにになられませんようお願いいたします。m(_ _)m


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WOWの再生?と武装闘争宣言

2019-04-07 00:00:00 | 日記
先週の月替わり、年度替り(日本の)の頃は、雪がまだ降ったり積もったりしていましたが、ここ数日は雪も消え、気温も七、八度まで上がってきています。この時期は着るものを選ぶのに苦労します。

といっても、上に羽織るコート類のことですが、風が強かったり雪が降りそうな日には迷わずユニクロのダウンのロングを選びます。多少暑かろうが、寒い思いをする危険よりはマシです。

天気が安定している時には、少し薄いそれでも冬用のコートか、あるいはユニクロのウルトラ・ライト・ダウンになります。このウルトラライトが出てくると「春」を実感できます。

あと十日ほどすると、スパイクタイアの使用許可期間が過ぎるのですが、まだ雪が完全に視野から消えていない今の状況では、いつサマータイアに変えるか、まだ迷いますねえ。去年の今頃はもうサマータイアでした。しかも、ワタシは日本にいましたよ。

さらに二週間後の日曜日はPaskarパウスカ、復活祭の日曜日となります。その前の一週間は「聖週間」と呼ばれ、キリスト教文化圏では特別な週です。その週の木曜日 -「洗足木曜日」と呼ばれ、キリストが弟子たちの足を洗ってあげたことを記念する祝日- に、私が企画しているクワイアの音楽会があります。




企画中のクワイヤの「難民を支援する」音楽会


そんなこんなでアタフタとした日が続いています。昨年の夏は、例年に比べて楽なゆとりのある夏だったのですが、秋以降はコンスタントに仕事が流れ込んできていて、なかなかホッとする日が続いてくれないようです。

と、格好のいいことを言いながら、実は暇な日が来ると「何をしたらいいのか?」と悩み、寂しくなる老人のワタシでした。

さて、今回は最近のニュースの中からふたつをピックアップしてご紹介してみようと思います。

まずは、前回のWOWair倒産の続報です。「倒産」というよりは身請け人がなくサービスが100%ストップしてしまったことの方が、問題なのですが、このWOWの最高経営責任者がスクーリ・モーゲンセンさんという男性です。そもそもWOWを立ち上げた人でもあります。

もちろん個人的には会ったこともありませんが、写真を見れば一目で「ヤッピー!」とわかる人物です。これまではずいぶんと羽振りの良い生活をなさっていたようで、レイキャネス(空港のある地域の町)では、一番高価な住宅に住んでいるそうです。屋内600平米だそうで。

会社が倒産したのだから、スクーリさんも地に落ちたのだろう、と下々の私たちは思うでしょうが、必ずしもそうならないのが金持ちの世界のようです。

三日前、木曜日のニュースによると、このスクーリ氏、「WOWを下敷きとした新しい航空会社を作る」との企画書を発表したとか。これもワオ!です。

メディアに送った声明書の中でスクーリさんは「WOWの倒産により、40億クローナを失った」そうです。それでも新会社の基礎資金の51%にあたる4000万米ドルを拠出する用意があるとか。

残りの49%に当たる約4000万米ドルを、投資家などから集める算段なのでしょうが、それも順調にいっているとか。

新会社は航空機5台で運行を開始する予定で、これは2011年にWOWが運行を開始した時と同じ機数だそうです。路線はアイスランドと、ロンドン、パリ、アムステルダム、ベルリンそしてアメリカへ飛んでニューヨークとボストン。

驚くのは、今年の六月から運行を開始できるよう許可申請をしたということです。そんなことが可能なのだったら、なぜWOWの保有機数を減らすとか、採算の悪い路線を放棄するとかして、会社そのものがペシャるのを回避しなかったか、ということでしょう。




スクーリ・モーゲンセン氏
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経営のことなど何もわからないワタシでさえそのくらいのことは頭に浮かびますので、おそらくアイスランド中の人が同じことを考えていることでしょう。まあ、何かカラクリがあるのでしょうが、少なくとも不法、不道徳なものでないことを願います。

今の段階では、真面目に受け取るのかどうか半々くらいの反応なようです。私自身も「ホントかよ?」が正直な気持ち。それでもうまくいけば喜ぶ人は多いでしょうし、できるならそうなってほしいものです。

スクーリ氏自身の「株価」は今はドン底ですが、もしこの「復活」がなせられるならば、おそらくスーパースターに返り咲くことでしょう。どうなりますやら。

次のニュースです。

ヨーロッパにはEuropean Security Academy という、私設の軍事教育機関があるそうです。銃器の使い方や、戦闘訓練等をするところのようです。そのアカデミーがアイスランド分校?を開くらしく、近々レイキャビクでプロモーションのためのイベントを持つそうです。

「誰が行くんかい?」というのがフツーのアイスランド人の感覚でしょうが、喜んで参加する意思を表明している人たちがいます。主にIslenska Thodfylkinnginn イースレンスカ・ショーズフィルキンギン、そしてFrelsisflokkurinn フレルシスフロックリンという政党の人たちです。

前者は「アイスランド愛国党」とでも訳すべきでしょうか?後者は「自由の党」です。両者ともいわゆる「民族主義的」「右翼的」な考えを持つ人たちの集まりです。

さらに言うと、「白人優位主義」「古ヨーロッパ回帰主義」「反イスラム」「反移民」等が彼らの主張のキーワードになるだろうと思います。加えてそこには「武装闘争是認」を匂わせる言質が以前からあったのですが、それがこのESAのプロモーションを機会にグッと前に出てきた感があります。

「自由の党」の役員を務めるマリア・マグヌスドッティールさんと言う女性の弁では、「誰も銃器を好んだりはしません」そうな。「でも、これら(移民のこと)は、こうしてヨーロパ中に広がっている。このまま広がっていくなら、銃器で止めるしかないわ、残念だけど」だそうです。残念がっているようには思えませんが。




「自由の党」の勇士?たち
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どこの社会にも不平分子はいますし、頭のそれほど良くない人もいます。自分の生活が苦しいのは誰それのせいだ、と考えるのが正しいと思っている人もいます。

そういうのを「移民が悪い。イスラム教徒が悪い」という風に先導して勢力を作りたがる人たちもいます。前述の二つの党はその見本でしょう。

先日のニュージーランドのテロ事件、あるいはそれまでの米国での幾多のシューティング事件等を省みてみると「ねじ曲がった考えの持ち主に銃器」というのが、冗談では済まされない時代を私たちは生きています。

ここではまだ、多数の支持は受けていない両党ですが、支持の有無にかかわらずその動向をきちんと把握してもらいたいと考えます。もし、「邪魔な移民」を「排除」しようとしたら、私は間違いなくリストの上から十人に中に入ることでしょうからね。ある意味名誉なことかも。

ヘイトクライムは、ここアイスランドではまだ表に浮き出てきてはいませんが、これからもそうだという保障はないです。きちんとした意識を持って対応すべきと考えます。

「黙って見てるだけ」はダメですよ、私たちの世の中。かつ私らは銃器で対抗することはできませんからね。言葉とものの考えで対抗することになります。それも牧師の仕事の大切な一部ですし、また、まっとうなものの考え方をする大多数の国民の仕事の一部でもあるでしょう。

*昨日の土曜日にこのプロモーションが開かれるはずだったそうですが、新聞記事が反響を呼び、開催場所だったグランドホテルがこのプロモーション予約をキャンセルしたそうです。ESAの方では「自分たちはどのような政治的団体とも関係はない」と言っているようです。詳細はまだこれから明らかになるでしょう。


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