先週のパウスカー(復活祭、イースター)を境にして「春」が到来した感があります。気温も十度くらいまで上がる日が多くなっています。
実は先週の木曜日はSumardagurinn fyrsti スーマルダーグリン・フィルスティ「夏の第一日」という祝日でした。毎年四月の第四木曜日がこの祝日と定められています。春どころか、暦上は夏なわけです。
凍てつく夏 古の知恵では想定内
復活祭は、日本ではあまり馴染みのない祭りと思いますので、念のために書いておきますが、これはクリスマスのような「固定祭日」ではなく、一定の期間内で移動する「移動祭日」です。
基本的に「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」ということなのですが、その「最初の満月の日」が日曜日の際は、翌週の日曜日がイースター・サンデーとなります。ちなみにグレゴリオ暦を用いるカトリック及びプロテスタント諸教会と、ユリウス暦を使っている正教会では日付けにズレが生じます。
パウスカ、新年度、そしてエイプリルフール
だいたい早くて三月の最終の週、遅くて四月の第四週くらいになるみたいですね。きちんと計算すれば、「いつからいつまで」とわかるはずですが、そこまで突っ込む気になれないのでスミマセン。(^-^;
この先しばらくの復活祭の日取り 左側がカトリック及びプロテスタント用 右側は正教会用
Myndin er ur Wikipedia.org
とにかく、今年の場合は復活祭が四月の21日とかなり遅かったわけです。それでイースター明けに「夏の第一日」の祝日がすぐに続きました。
こちらでは復活祭の日曜日の翌日の月曜日まで祝日のため、火曜日、水曜日と二日間の平日を挟んで木曜日が祝日。そして、金曜日の次が土日とまた休みになります。もちろん土日に働く人も大勢いますけどね。なんというか、「伝統的な勤労観」では。
ということで、今年は復活祭前の聖週間の祝日、聖木曜日あたりから、足掛け11日間のバケーションを決め込んで海外などへ出かけていった人が相当多かったようです。
ワタシなんぞは、復活祭時期はもちろん仕事がありますので、バケーション感覚はもともとなかったのですが、言われてみると確かにバケーションの機会だったわけですね。
ついでに言いますと、今週の水曜日、5月1日はメーデーで、日本とは異なり、こちらではメーデーも祝日となっています。おっと、書きながら今気がつきましたが、日本でもゴールデン・ウィークに入っているではありませんか。全然気がつきませんでした。
さて、私たち教会関係者も、復活祭中はともかく、復活祭が終わってしまえば「やれやれ、一休み」という感が例年ならあるのですが、今年は一休みどころか、むしろ過密なスケジュールが組まれてしまっています。
例えば明日の月曜日は、牧師協会が主催する「再教育デー」。夜は牧師協会の懇親会。火曜日は日中は牧師協会の総会。そしてそのまま夕方からは「シノッド」と呼ばれる教会の総会のような行事が始まります。
このシノッドはメーデーの祝日をまたいで、木曜の夕方まで。「祝日をまたぐ」というのは、過去に前例のないものではないかと思います。「またぐ」というのは、事実上「祝日出勤」ですからね。メーデーというのは、キリスト教にゆかりの祝日ではないので、本来牧師さんたちは本当に休める祝日なのですが...
シノッドはこのような牧師の大名行列で始まります
Myndin er ur Grafarvogsbuar.is
そして、シノッドが終わる木曜日の夜から、今度はスカウルホルトというレイキャビクから車で一時間ほどの場所で、教会主催の「再教育デー」が始まり、これが土曜日まで。
翌日は日曜日ですから、牧師の皆様、お仕事です。
要するに、まるまる一週間、文字通り毎日、教会関係の行事が組まれていることになります。まあ、日本の教会ならこれくらいは年中ではないか、とは思いますが。ものすごく委員会とかが多いですよね、日本の教会。今は違うのかな?違ったらすみません。
さて、こういう風にいろいろな予定を短期間に詰め込まれた予定を、アイスランド語ではThjappadurシャッパズルと呼びます。Thjappaシャッパという動詞は「詰め込む」という意味で、その受動系がthjappadurで「詰め込まれた」ということになります。
なんで、復活祭明けがこんな具合にシャッパズルなのか?と考えたのですが、アイスランドでは五月はすでに「夏休み」っぽい時期に入ります。また、様々な会議やシンポジウムが国の内外で開催される時期でもあります。
早めの休暇に出かけていく人がかなりあるのと、会議に行ってしまう人たちの都合も考えると、「ねばらならい」例年の行事は、無理をしてでもいの一番に終わらせてしまいたい。と、いうのが理由ではないかと想像します。
理由はどうあれ、これらの日程にすべて参加する人は偉いなあ、と感じ入ります。お察しの通り、ワタシは身体に鞭打って行事に参加するようなヤカラではありません。
「再教育デー」?パス。まあ、ワタシなんぞは最も「再教育」が必要な牧師ではありますが、プログラムの内容が「リーダーシップのなんたらかんたら」とかで、興味の対象外。
シノッドは始まりの部分と、美味しそうなところだけを拾って参加するつもりです。懇親会とかが、一週間で三回くらいあるのですが、それらもすべてパス!! 友達がいないワタシは、参加しても楽しくもなんともないのです。
アイスランドの教会史では大切な場所スカウルホルト
Myndin er ur BBL.is
「じゃあ、サボりまくりの週か?」と、お思いでしょうが、そういうことでもないのです。通常の業務というか、お仕事はちゃんと存在していますで。普通の牧師さんたちは、今週の集会とかは臨時休業にしているはずですが、私の場合はなるべく臨時休業をしないように努めています。
難民の人たちとの関係が強いので、強制送還とかがあり得ますから、会える最後の時がいつなのかわからない人も少なくないのです。
さらに加えておくと、日頃から他の人たちとの接触が少ないような、隔てられた環境に滞在している人たちも多いため、臨時休業でその隔絶感を深めてしまうことを避けたいのでした。
六月の中旬には、毎年の業務報告の締め切り日と、2012年の活動費の申請の締切日がやってきます。ワタシの大嫌いな書類仕事のダブルパンチ。ムムム... 五月はタフな月になりそうです。
「五月病」という言葉がありましたよね。なんでしたっけ?大学に入学した新入生たちが無気力になる、んでしたっけ?今はそういうことはないのかな?
私の方が五月病になりそうです。無気力ではなくて、書類仕事を前にしての、絶望感、倦怠感、現実逃避願望からくるストレス病。ああ、イヤだ。なんとかしなくては。
というわけで、今回は特にこれというトピックもないままに終わってしまいました。こういうことも定期的にありますが、ご容赦ください。
皆様におかれましては、良いゴールデン・ウィークでありますように。それといよいよ天皇陛下の代替わりですね。式が無事に、とにかく平和のうちに執り行われますように願います。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
実は先週の木曜日はSumardagurinn fyrsti スーマルダーグリン・フィルスティ「夏の第一日」という祝日でした。毎年四月の第四木曜日がこの祝日と定められています。春どころか、暦上は夏なわけです。
凍てつく夏 古の知恵では想定内
復活祭は、日本ではあまり馴染みのない祭りと思いますので、念のために書いておきますが、これはクリスマスのような「固定祭日」ではなく、一定の期間内で移動する「移動祭日」です。
基本的に「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」ということなのですが、その「最初の満月の日」が日曜日の際は、翌週の日曜日がイースター・サンデーとなります。ちなみにグレゴリオ暦を用いるカトリック及びプロテスタント諸教会と、ユリウス暦を使っている正教会では日付けにズレが生じます。
パウスカ、新年度、そしてエイプリルフール
だいたい早くて三月の最終の週、遅くて四月の第四週くらいになるみたいですね。きちんと計算すれば、「いつからいつまで」とわかるはずですが、そこまで突っ込む気になれないのでスミマセン。(^-^;
この先しばらくの復活祭の日取り 左側がカトリック及びプロテスタント用 右側は正教会用
Myndin er ur Wikipedia.org
とにかく、今年の場合は復活祭が四月の21日とかなり遅かったわけです。それでイースター明けに「夏の第一日」の祝日がすぐに続きました。
こちらでは復活祭の日曜日の翌日の月曜日まで祝日のため、火曜日、水曜日と二日間の平日を挟んで木曜日が祝日。そして、金曜日の次が土日とまた休みになります。もちろん土日に働く人も大勢いますけどね。なんというか、「伝統的な勤労観」では。
ということで、今年は復活祭前の聖週間の祝日、聖木曜日あたりから、足掛け11日間のバケーションを決め込んで海外などへ出かけていった人が相当多かったようです。
ワタシなんぞは、復活祭時期はもちろん仕事がありますので、バケーション感覚はもともとなかったのですが、言われてみると確かにバケーションの機会だったわけですね。
ついでに言いますと、今週の水曜日、5月1日はメーデーで、日本とは異なり、こちらではメーデーも祝日となっています。おっと、書きながら今気がつきましたが、日本でもゴールデン・ウィークに入っているではありませんか。全然気がつきませんでした。
さて、私たち教会関係者も、復活祭中はともかく、復活祭が終わってしまえば「やれやれ、一休み」という感が例年ならあるのですが、今年は一休みどころか、むしろ過密なスケジュールが組まれてしまっています。
例えば明日の月曜日は、牧師協会が主催する「再教育デー」。夜は牧師協会の懇親会。火曜日は日中は牧師協会の総会。そしてそのまま夕方からは「シノッド」と呼ばれる教会の総会のような行事が始まります。
このシノッドはメーデーの祝日をまたいで、木曜の夕方まで。「祝日をまたぐ」というのは、過去に前例のないものではないかと思います。「またぐ」というのは、事実上「祝日出勤」ですからね。メーデーというのは、キリスト教にゆかりの祝日ではないので、本来牧師さんたちは本当に休める祝日なのですが...
シノッドはこのような牧師の大名行列で始まります
Myndin er ur Grafarvogsbuar.is
そして、シノッドが終わる木曜日の夜から、今度はスカウルホルトというレイキャビクから車で一時間ほどの場所で、教会主催の「再教育デー」が始まり、これが土曜日まで。
翌日は日曜日ですから、牧師の皆様、お仕事です。
要するに、まるまる一週間、文字通り毎日、教会関係の行事が組まれていることになります。まあ、日本の教会ならこれくらいは年中ではないか、とは思いますが。ものすごく委員会とかが多いですよね、日本の教会。今は違うのかな?違ったらすみません。
さて、こういう風にいろいろな予定を短期間に詰め込まれた予定を、アイスランド語ではThjappadurシャッパズルと呼びます。Thjappaシャッパという動詞は「詰め込む」という意味で、その受動系がthjappadurで「詰め込まれた」ということになります。
なんで、復活祭明けがこんな具合にシャッパズルなのか?と考えたのですが、アイスランドでは五月はすでに「夏休み」っぽい時期に入ります。また、様々な会議やシンポジウムが国の内外で開催される時期でもあります。
早めの休暇に出かけていく人がかなりあるのと、会議に行ってしまう人たちの都合も考えると、「ねばらならい」例年の行事は、無理をしてでもいの一番に終わらせてしまいたい。と、いうのが理由ではないかと想像します。
理由はどうあれ、これらの日程にすべて参加する人は偉いなあ、と感じ入ります。お察しの通り、ワタシは身体に鞭打って行事に参加するようなヤカラではありません。
「再教育デー」?パス。まあ、ワタシなんぞは最も「再教育」が必要な牧師ではありますが、プログラムの内容が「リーダーシップのなんたらかんたら」とかで、興味の対象外。
シノッドは始まりの部分と、美味しそうなところだけを拾って参加するつもりです。懇親会とかが、一週間で三回くらいあるのですが、それらもすべてパス!! 友達がいないワタシは、参加しても楽しくもなんともないのです。
アイスランドの教会史では大切な場所スカウルホルト
Myndin er ur BBL.is
「じゃあ、サボりまくりの週か?」と、お思いでしょうが、そういうことでもないのです。通常の業務というか、お仕事はちゃんと存在していますで。普通の牧師さんたちは、今週の集会とかは臨時休業にしているはずですが、私の場合はなるべく臨時休業をしないように努めています。
難民の人たちとの関係が強いので、強制送還とかがあり得ますから、会える最後の時がいつなのかわからない人も少なくないのです。
さらに加えておくと、日頃から他の人たちとの接触が少ないような、隔てられた環境に滞在している人たちも多いため、臨時休業でその隔絶感を深めてしまうことを避けたいのでした。
六月の中旬には、毎年の業務報告の締め切り日と、2012年の活動費の申請の締切日がやってきます。ワタシの大嫌いな書類仕事のダブルパンチ。ムムム... 五月はタフな月になりそうです。
「五月病」という言葉がありましたよね。なんでしたっけ?大学に入学した新入生たちが無気力になる、んでしたっけ?今はそういうことはないのかな?
私の方が五月病になりそうです。無気力ではなくて、書類仕事を前にしての、絶望感、倦怠感、現実逃避願望からくるストレス病。ああ、イヤだ。なんとかしなくては。
というわけで、今回は特にこれというトピックもないままに終わってしまいました。こういうことも定期的にありますが、ご容赦ください。
皆様におかれましては、良いゴールデン・ウィークでありますように。それといよいよ天皇陛下の代替わりですね。式が無事に、とにかく平和のうちに執り行われますように願います。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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