アイスランドと日本には火山、温泉、島国などよくいわれるように共通点がいくつもあります。「捕鯨国」ということもそのひとつです。
実際 「捕鯨」は捕鯨反対の大合唱の四面楚歌の中での同盟国的な心情が生まれてくるので、 他の共通点に比して感情的な結びつきをもたらしているかのように思います。
さて、伝統的捕鯨国のアイスランドですが、昨今では必ずしも「捕鯨推進」の一枚岩ではなくなってきています。先日のニュースで流されたものをもとにしてクジラを巡るアイスランド事情をお伝えしたいと思います。
五月の始め、今年の捕鯨が六月に開始されると報じられました。協定によると今年はアイスランドは154頭のナガスクジラ、229頭のミンククジラを獲ることができるのだそうです。(これが単年度の割り当てなのか、複数年なのか少し疑問があります)
色々な世論によって休止していた捕鯨が再開された2006年以降、この国は223頭のナガス、296頭のミンクを捕鯨しました。ミンククジラは一頭につき1.500kgの肉を得ることができるのだそうです。ですから300頭を獲るとした場合、クジラ肉は450tとなり、これは4億5千万クローナのお金になるのだそうです。
クジラ肉は50%が国内のレストランや食用に回され(冷凍保存されるものも含まれます。捕鯨禁止の期間でも鯨肉はレストランにはありました)、残りの半分は輸出されます。最大のお客さんは我らがニッポンで、過去三年間に日本は2.700tのクジラ肉をアイスランドから購入しており、そのお代は38億クローネとか! 過去三年間といえば経済崩壊後の苦しい状況でしたので、ニッポンはある意味アイスランドのお助け国のように映ったようです。
付け加えるとこの捕鯨漁業ですが、150人に職を与えるということも大切なポイントです。今言った経済崩壊後の状況では特にです。
ところがです。この捕鯨ビジネスに真っ向から立ち向かう形で伸びてきた別のビジネスがあります。「ホエールウォッチング」です。レイキャビクに限っていいますと、クジラ達は実は「すぐそこ」まで回遊してきます。ですからレイキャビクのオールドポートから出発し半時間もすればクジラとのミーティングスポット入りできるのです。
クジラ観光の参加者は2002年には62.000人でしたが、十年後の2012年には175.000人へと三倍増しており、観光収入としては11億クローネ相当になるのだそうです、クジラ観光に限っただけで。当然、宿泊や飲食、その他の観光ビジネス業も笑いが止まらないでしょう。
現在、10社のホエールウォッチング業者が存在し、ピークで250人、通年では50人が職を得ています。

奇麗なパフィンの島もホエールウォッチングのコースに入いることがあります
Myndin er ur Elding.is
この両者、ひとつの点を巡りまさしく真正面から衝突してしまっています。先ほど述べましたようにクジラの回遊路は湾から遠くないところにあり、つまりそこはクジラを獲るにもお友達になるにも絶好のポイントであるわけです。
ところがさすがに大勢の観光客が見ている前でクジラにモリを突き刺すわけにはいかない。ということで今現在ではお互いに絶対立ち入らない境界線を設けているとのことです。
アンケートによると、当然でしょうが観光客の80%は「捕鯨反対」。ところがそういう人たちの少なからざる割合が、同じ夜レストランでクジラ肉をほおばることもあるのも事実のようで。
人間とは複雑な存在のようです。以前、私自身もホエールウォッチングに参加した時のこと。若い女性ガイドがパフィンというきれいな容姿の鳥について解説していました。「本当に奇麗な鳥でしょ?でも生きるためですからね、私たちはパフィンも食べます」...レレ?
こいつらバイキングだ。
ついでにいうけど、お姉さん。パフィン、うまくないぞ...
応援します、若い力。Meet Iceland
実際 「捕鯨」は捕鯨反対の大合唱の四面楚歌の中での同盟国的な心情が生まれてくるので、 他の共通点に比して感情的な結びつきをもたらしているかのように思います。
さて、伝統的捕鯨国のアイスランドですが、昨今では必ずしも「捕鯨推進」の一枚岩ではなくなってきています。先日のニュースで流されたものをもとにしてクジラを巡るアイスランド事情をお伝えしたいと思います。
五月の始め、今年の捕鯨が六月に開始されると報じられました。協定によると今年はアイスランドは154頭のナガスクジラ、229頭のミンククジラを獲ることができるのだそうです。(これが単年度の割り当てなのか、複数年なのか少し疑問があります)
色々な世論によって休止していた捕鯨が再開された2006年以降、この国は223頭のナガス、296頭のミンクを捕鯨しました。ミンククジラは一頭につき1.500kgの肉を得ることができるのだそうです。ですから300頭を獲るとした場合、クジラ肉は450tとなり、これは4億5千万クローナのお金になるのだそうです。
クジラ肉は50%が国内のレストランや食用に回され(冷凍保存されるものも含まれます。捕鯨禁止の期間でも鯨肉はレストランにはありました)、残りの半分は輸出されます。最大のお客さんは我らがニッポンで、過去三年間に日本は2.700tのクジラ肉をアイスランドから購入しており、そのお代は38億クローネとか! 過去三年間といえば経済崩壊後の苦しい状況でしたので、ニッポンはある意味アイスランドのお助け国のように映ったようです。
付け加えるとこの捕鯨漁業ですが、150人に職を与えるということも大切なポイントです。今言った経済崩壊後の状況では特にです。
ところがです。この捕鯨ビジネスに真っ向から立ち向かう形で伸びてきた別のビジネスがあります。「ホエールウォッチング」です。レイキャビクに限っていいますと、クジラ達は実は「すぐそこ」まで回遊してきます。ですからレイキャビクのオールドポートから出発し半時間もすればクジラとのミーティングスポット入りできるのです。
クジラ観光の参加者は2002年には62.000人でしたが、十年後の2012年には175.000人へと三倍増しており、観光収入としては11億クローネ相当になるのだそうです、クジラ観光に限っただけで。当然、宿泊や飲食、その他の観光ビジネス業も笑いが止まらないでしょう。
現在、10社のホエールウォッチング業者が存在し、ピークで250人、通年では50人が職を得ています。

奇麗なパフィンの島もホエールウォッチングのコースに入いることがあります
Myndin er ur Elding.is
この両者、ひとつの点を巡りまさしく真正面から衝突してしまっています。先ほど述べましたようにクジラの回遊路は湾から遠くないところにあり、つまりそこはクジラを獲るにもお友達になるにも絶好のポイントであるわけです。
ところがさすがに大勢の観光客が見ている前でクジラにモリを突き刺すわけにはいかない。ということで今現在ではお互いに絶対立ち入らない境界線を設けているとのことです。
アンケートによると、当然でしょうが観光客の80%は「捕鯨反対」。ところがそういう人たちの少なからざる割合が、同じ夜レストランでクジラ肉をほおばることもあるのも事実のようで。
人間とは複雑な存在のようです。以前、私自身もホエールウォッチングに参加した時のこと。若い女性ガイドがパフィンというきれいな容姿の鳥について解説していました。「本当に奇麗な鳥でしょ?でも生きるためですからね、私たちはパフィンも食べます」...レレ?
こいつらバイキングだ。
ついでにいうけど、お姉さん。パフィン、うまくないぞ...
応援します、若い力。Meet Iceland