新年、明けましておめでとうございます。
旧年中の御厚情に心より感謝申し上げ、また皆様の新年の御多幸をお祈りいたします。
日本の皆様には、嘘偽りなくそのようにご挨拶させていただくのですが、こちらアイスランドでは実はまだ2022年の大晦日です、という毎年恒例の「大晦日・新年の九時間差リンボーホール」にはまっています。
つまりは日本が列島を挙げて「ハッピーニューイヤー!」の雄叫びを上げる時間は、こちらではまだ大晦日の午後3時、というわけです。
日本の方は、おそらくそんなに自覚される機会はないかもしれませんが、日本は世界の中でも「時の最先端」を走っているグループで、日本より早い時間を保っている国というのは、ニュージーランドとか、オーストラリアの東部、さらには人が住んでいるかどうかは知りませんが、ロシア帝国の東の端っこの方くらいのものです。
グーグルしてみたのですが、南太平洋のど真ん中あたりにあるキリバスという人口十万人の島国が、世界の日付変更線の最先端にある国だそうで、そこでは日本時間よりもなんと五時間も先を行っているのだそうです。
日付変更線
Myndin er ur Social-line.com
乱暴な言い方になりますが、実際に日付変更線の近くに住んでいる人々はごく少ないのです。これは別に偶然そうなったわけではなく、もともと「陸地のない海の上に日付変更線を引こう」という意図の下でなされたこととのこと。
日付変更線という言葉は、誰でも聞き覚えのあるものでしょうが、実際にどこにどんな形で引かれているのかをじっと見つめたことがある方は少ないことでしょう。もちろん、本当に線があるわけじゃないですよ。観念的な線です。
改めて眺めてみると、日付変更線って上から下へ引かれた真っ直ぐの線ではなく、あちこちが凸凹で異様に折れ曲がっています。なぜでしょうか?
大海原の真ん中で、どこにも陸地がないように見えても、実際には無数の島がそこかしこに浮かんでいます。
多くの島は「島々」としてひとつの国、領土に属しているものですから、その「島々」を分割する形で日付変更線が引かれてしまうと、同じ国の中にふたつの日付が存在してしまうことになります。
それでは実際の生活上での不便を生じることになりますので、そういう「島々」が一括して日付変更線の右か左かに入るように、線を折り曲げる工夫がなされたのです。
雪景色のレイキャビク マイナス8度の中でのお散歩
「同じ国で日付が異なることは、アメリカとかでもあるじゃん」という風にお考えになる方もありましょう。東部標準時と西部標準時では、東部が三時間先を行っています。だからニューヨークが新しい日に入った時、ロサンジェルスはまだ前日の夜の9時。確かに同じ国内でふたつの日付。
余談ですが、この東部–西部の三時間差は、ワタシ的には結構大きかったりします。ヤンキースのホームの試合の多くはアイスランドの時間の夜11時(NY時間の夜7時)に始まります。その時間ならなんとか半分くらいは視聴可能。
ですが、我がダルビッシュや大谷さーん! のホームゲームは、サンディエゴとロスになりますので開始が夜中の2時(LA時間の午後7時)とか。これはさすがにライブ視聴不可なのでした。
それはさておき、四、五時間の差であるならば同一国内でも許容範囲内であるというか、それなりに無理なく対処していけるものなのでしょう。
ですが、僅か3キロしか離れていないこちらの島とあちらの島の間に日付変更線が引かれてしまうと、「あっちは1月1日のお昼なのに、こっちは12月31日のお昼」みたいな違いになってしまうわけです。これは確かに不便ですよね。
この不都合を回避するために、日付変更線間際にある、主に五つの群島について調整なされました。上の方から、米露間にあるダイオミード諸島、同じくアリューシャン列島、ずっと南下して先に触れましたキリバス共和国、さらにその南のサモア諸島、そして最後がニュージーランドの一部であるチャタム諸島です。
日付変更線は、この五つの修正の故に五箇所ではっきりと凸凹することとなりました。
凸凹をはっきりとさせた地図
Mynin er ur chirilabo.com
面白いのは、この日付変更線、別に国連とか国際日付管理センター(そんなもんあるかい?)のような公的な機関が管理しているものではなく、変更線付近の国々が自由裁量で設定、変更しているのだそうです。
この辺の知識はネットからの受け売りです。興味がある方は、こちらを覗いてみてください。結構「へえー!?」ですが、考えているうちに頭が混乱してきたりもします。(^-^;
ちりらぼ: 【解説】日付変更線がいびつな理由(時を歪めた島々5選)
さて、そのような遥か彼方の太平洋のど真ん中に、北から南まで(頭の中で)引かれた日付変更線。その影響が、ここ北大西洋の隅っこのアイスランドまでやってきており、ワタシは毎年大晦日に、一方では日本人として「明けましておめでとう」と言い、同時にアイスランド住民として「まだ大晦日だよん」という九時間を楽しむことになるのでした。
ちょっとグーグルしたら、意外と面白かったので、すっかり「日付変更線」の話しになってしまいました。本当は「2022年の振り返り」でもしようかと思っていたのですけどね。
まあ、ワタシの振り返りなんぞよりは、日付変更線のトラビアの方がまだ多少役に立つか?(^-^;
お散歩Pic2
末筆になってしまいましたが、今年(2022年)もブログを訪ねていただきありがとうございました。
ウクライナ危機、イランでのプロテスト、イエメンでの飢餓等々、世界は重く暗い問題に満ち満ちていますが、それでもなんとか良い方向へ向かおう、という気概だけは世界中が持っていて欲しいと願います。
新年(2023年)が、皆様にとって幸多き一日一日の集積となりますようお祈りさせていただきます。
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Church home page: Breidholtskirkja/ International Congregation
Facebook: Toma Toshiki
旧年中の御厚情に心より感謝申し上げ、また皆様の新年の御多幸をお祈りいたします。
日本の皆様には、嘘偽りなくそのようにご挨拶させていただくのですが、こちらアイスランドでは実はまだ2022年の大晦日です、という毎年恒例の「大晦日・新年の九時間差リンボーホール」にはまっています。
つまりは日本が列島を挙げて「ハッピーニューイヤー!」の雄叫びを上げる時間は、こちらではまだ大晦日の午後3時、というわけです。
日本の方は、おそらくそんなに自覚される機会はないかもしれませんが、日本は世界の中でも「時の最先端」を走っているグループで、日本より早い時間を保っている国というのは、ニュージーランドとか、オーストラリアの東部、さらには人が住んでいるかどうかは知りませんが、ロシア帝国の東の端っこの方くらいのものです。
グーグルしてみたのですが、南太平洋のど真ん中あたりにあるキリバスという人口十万人の島国が、世界の日付変更線の最先端にある国だそうで、そこでは日本時間よりもなんと五時間も先を行っているのだそうです。
日付変更線
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乱暴な言い方になりますが、実際に日付変更線の近くに住んでいる人々はごく少ないのです。これは別に偶然そうなったわけではなく、もともと「陸地のない海の上に日付変更線を引こう」という意図の下でなされたこととのこと。
日付変更線という言葉は、誰でも聞き覚えのあるものでしょうが、実際にどこにどんな形で引かれているのかをじっと見つめたことがある方は少ないことでしょう。もちろん、本当に線があるわけじゃないですよ。観念的な線です。
改めて眺めてみると、日付変更線って上から下へ引かれた真っ直ぐの線ではなく、あちこちが凸凹で異様に折れ曲がっています。なぜでしょうか?
大海原の真ん中で、どこにも陸地がないように見えても、実際には無数の島がそこかしこに浮かんでいます。
多くの島は「島々」としてひとつの国、領土に属しているものですから、その「島々」を分割する形で日付変更線が引かれてしまうと、同じ国の中にふたつの日付が存在してしまうことになります。
それでは実際の生活上での不便を生じることになりますので、そういう「島々」が一括して日付変更線の右か左かに入るように、線を折り曲げる工夫がなされたのです。
雪景色のレイキャビク マイナス8度の中でのお散歩
「同じ国で日付が異なることは、アメリカとかでもあるじゃん」という風にお考えになる方もありましょう。東部標準時と西部標準時では、東部が三時間先を行っています。だからニューヨークが新しい日に入った時、ロサンジェルスはまだ前日の夜の9時。確かに同じ国内でふたつの日付。
余談ですが、この東部–西部の三時間差は、ワタシ的には結構大きかったりします。ヤンキースのホームの試合の多くはアイスランドの時間の夜11時(NY時間の夜7時)に始まります。その時間ならなんとか半分くらいは視聴可能。
ですが、我がダルビッシュや大谷さーん! のホームゲームは、サンディエゴとロスになりますので開始が夜中の2時(LA時間の午後7時)とか。これはさすがにライブ視聴不可なのでした。
それはさておき、四、五時間の差であるならば同一国内でも許容範囲内であるというか、それなりに無理なく対処していけるものなのでしょう。
ですが、僅か3キロしか離れていないこちらの島とあちらの島の間に日付変更線が引かれてしまうと、「あっちは1月1日のお昼なのに、こっちは12月31日のお昼」みたいな違いになってしまうわけです。これは確かに不便ですよね。
この不都合を回避するために、日付変更線間際にある、主に五つの群島について調整なされました。上の方から、米露間にあるダイオミード諸島、同じくアリューシャン列島、ずっと南下して先に触れましたキリバス共和国、さらにその南のサモア諸島、そして最後がニュージーランドの一部であるチャタム諸島です。
日付変更線は、この五つの修正の故に五箇所ではっきりと凸凹することとなりました。
凸凹をはっきりとさせた地図
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面白いのは、この日付変更線、別に国連とか国際日付管理センター(そんなもんあるかい?)のような公的な機関が管理しているものではなく、変更線付近の国々が自由裁量で設定、変更しているのだそうです。
この辺の知識はネットからの受け売りです。興味がある方は、こちらを覗いてみてください。結構「へえー!?」ですが、考えているうちに頭が混乱してきたりもします。(^-^;
ちりらぼ: 【解説】日付変更線がいびつな理由(時を歪めた島々5選)
さて、そのような遥か彼方の太平洋のど真ん中に、北から南まで(頭の中で)引かれた日付変更線。その影響が、ここ北大西洋の隅っこのアイスランドまでやってきており、ワタシは毎年大晦日に、一方では日本人として「明けましておめでとう」と言い、同時にアイスランド住民として「まだ大晦日だよん」という九時間を楽しむことになるのでした。
ちょっとグーグルしたら、意外と面白かったので、すっかり「日付変更線」の話しになってしまいました。本当は「2022年の振り返り」でもしようかと思っていたのですけどね。
まあ、ワタシの振り返りなんぞよりは、日付変更線のトラビアの方がまだ多少役に立つか?(^-^;
お散歩Pic2
末筆になってしまいましたが、今年(2022年)もブログを訪ねていただきありがとうございました。
ウクライナ危機、イランでのプロテスト、イエメンでの飢餓等々、世界は重く暗い問題に満ち満ちていますが、それでもなんとか良い方向へ向かおう、という気概だけは世界中が持っていて欲しいと願います。
新年(2023年)が、皆様にとって幸多き一日一日の集積となりますようお祈りさせていただきます。
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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