前回書きました「アイスランド・日本 シンポジウム」が先の火曜日に無事に開催され、私も諸レクチャーを拝聴するために参列してきました。
平日の午後一時から五時までということでしたので、やはり集まってきたのは日本語学科の学生が中心で、それに日本からの留学生も幾人か加わっていました。あとは私のように時間の自由がきく社会人も多少。全体で五十人くらいだったでしょうか?
七人のスピーカーが三十分ずつ話す、というわりと単調な?プログラムだったため途中で飽きるかも、と危惧していたのですが、意外にも長さを感じないまま最後まいってしまいました。
日本語学科の主任、先生、日本語学科OBがアイスランド在住組のスピーカーでしたが、ここでは前回ご紹介しました日本からの四人の大学院生にスポットを当ててみたいと思います。
まず大手新聞社入りが決まっていて、ワシントン支局長を狙うNさんがトップバッターでした。Nさんは日本での国民番号制についてこれまでの経緯を含めて、どのような賛否の見解があるかを紹介してくれました。
アイスランドでは「ケンニターラ」と呼ばれるID番号制が確立していますので、日本との対比には面白い点が多くあると思います。ついでにこちらでは個々人だけではなく、各会社にもこのケンニターラがあります。
日本でこの番号制を確立するには、誰がそれを監督管理するのか、という点が一番のネックになるのではないでしょうか?人口三十万強の社会と一億強の社会では情報の管理維持というものの困難さが相当違ってくると思われます。
例えば同じ番号が絶対に複数存在しないようにする、というのは基本的なことですが、北海道から沖縄までの地域を見渡しながら、かつ続々と生まれてくる赤ちゃんたちに番号を振り分けていくというのは相当大変なことではないかと想像されます。
Nさんの紹介と参加者からのフィードバックを見る限りは、番号制の一番の危惧は個人情報の漏洩あるいは個人情報の行き過ぎた監督、というようなものであったと思われます。確かに心配だし信用できないですよねえ、あの社会保険庁の失態の後では...
Nさんの見解では国民番号制はこれからの日本にはどうしても必要になるということだったと思います。こちらに交換留学中からこのトピックに関心がると言っていましたし、プレゼンテイションでも「これからも考えていく」と言っていたと思いますので、ぜひこの難しい課題への新しいアプローチを造り出して欲しいものです。
書き手の勝手な都合により次はラストスピーカーだったIさんです。Iさんは博士課程修了目前の方ですので、レクチャーもそれなりにレベルが高いものでした。
テーマは「自然環境におけるア日間の類似性と相違性」。レクチャーでは海流、火山、海底プレート、地熱利用などをキーワードとして挙げた上で、それぞれの点についてアイスランドと日本で共通する点、異なる点等を説明してくれました。
Iさんのプレゼンはアイスランドと日本の自然に関して
私もアイスランドはメキシコからの暖流に囲まれているので、それほど寒くはならない、というのは聞いたことがありますし分かります。ですが海底プレート辺りになってくると、意識が遠のいていきました。
IさんはいろいろなチャートをPowerPointで示してくれたのですが、無精者のワタシはメモも取らなかったため、情報の正確さを欠きます。それでもアイスランドと日本の間での発電の主体の差は歴然としていました。アイスランドでは七割程度が水力発電で、あとは主に地熱発電ということだったと思います。
対して日本は、特に東北大震災以降は九割方が火力発電。一割弱の原子力発電とほんの僅かなその他(地熱発電を含む)ということのようです。こういうことはもちろん自然の環境の影響が大きいのでしょうが、重工業国の日本と、重工業がほとんどないアイスランドの社会構造の差も関係しているに違いありません。
それにしても今回のIさんのプレゼンはプレートから火山までものすごくマクロ的だったのですが、本来の専門は「岩」だそうです。前回の留学時もあちこちを回ってアイスランドの岩を採集したのだそうです。それを持ち帰ってから顕微鏡で覗いている、とかいうようなことも言っていたと思うので、随分大きいものから小さいものまで扱うものなのですねえ。
そういえば最近テレビでとてつもない大きな一枚岩というのをしばしば見かけるような気がします。オーストラリアのウルル(エアーズ ロック)はもとより、コロンビアの何とかという都市の山のような岩やらスリランカの聖なる岩やら。
でも、そもそもどうしてIさんは「岩」に興味を持ったのでしょうか?ウーン、肝心なことを尋ね忘れていたか...?ワタシはどうも、やはり「人間」の方に興味が行ってしまう気がします。(^-^;
残る二人、A子さんとY君のプレゼンについては次回書かせていただきます。m(_ _)m
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
平日の午後一時から五時までということでしたので、やはり集まってきたのは日本語学科の学生が中心で、それに日本からの留学生も幾人か加わっていました。あとは私のように時間の自由がきく社会人も多少。全体で五十人くらいだったでしょうか?
七人のスピーカーが三十分ずつ話す、というわりと単調な?プログラムだったため途中で飽きるかも、と危惧していたのですが、意外にも長さを感じないまま最後まいってしまいました。
日本語学科の主任、先生、日本語学科OBがアイスランド在住組のスピーカーでしたが、ここでは前回ご紹介しました日本からの四人の大学院生にスポットを当ててみたいと思います。
まず大手新聞社入りが決まっていて、ワシントン支局長を狙うNさんがトップバッターでした。Nさんは日本での国民番号制についてこれまでの経緯を含めて、どのような賛否の見解があるかを紹介してくれました。
アイスランドでは「ケンニターラ」と呼ばれるID番号制が確立していますので、日本との対比には面白い点が多くあると思います。ついでにこちらでは個々人だけではなく、各会社にもこのケンニターラがあります。
日本でこの番号制を確立するには、誰がそれを監督管理するのか、という点が一番のネックになるのではないでしょうか?人口三十万強の社会と一億強の社会では情報の管理維持というものの困難さが相当違ってくると思われます。
例えば同じ番号が絶対に複数存在しないようにする、というのは基本的なことですが、北海道から沖縄までの地域を見渡しながら、かつ続々と生まれてくる赤ちゃんたちに番号を振り分けていくというのは相当大変なことではないかと想像されます。
Nさんの紹介と参加者からのフィードバックを見る限りは、番号制の一番の危惧は個人情報の漏洩あるいは個人情報の行き過ぎた監督、というようなものであったと思われます。確かに心配だし信用できないですよねえ、あの社会保険庁の失態の後では...
Nさんの見解では国民番号制はこれからの日本にはどうしても必要になるということだったと思います。こちらに交換留学中からこのトピックに関心がると言っていましたし、プレゼンテイションでも「これからも考えていく」と言っていたと思いますので、ぜひこの難しい課題への新しいアプローチを造り出して欲しいものです。
書き手の勝手な都合により次はラストスピーカーだったIさんです。Iさんは博士課程修了目前の方ですので、レクチャーもそれなりにレベルが高いものでした。
テーマは「自然環境におけるア日間の類似性と相違性」。レクチャーでは海流、火山、海底プレート、地熱利用などをキーワードとして挙げた上で、それぞれの点についてアイスランドと日本で共通する点、異なる点等を説明してくれました。
Iさんのプレゼンはアイスランドと日本の自然に関して
私もアイスランドはメキシコからの暖流に囲まれているので、それほど寒くはならない、というのは聞いたことがありますし分かります。ですが海底プレート辺りになってくると、意識が遠のいていきました。
IさんはいろいろなチャートをPowerPointで示してくれたのですが、無精者のワタシはメモも取らなかったため、情報の正確さを欠きます。それでもアイスランドと日本の間での発電の主体の差は歴然としていました。アイスランドでは七割程度が水力発電で、あとは主に地熱発電ということだったと思います。
対して日本は、特に東北大震災以降は九割方が火力発電。一割弱の原子力発電とほんの僅かなその他(地熱発電を含む)ということのようです。こういうことはもちろん自然の環境の影響が大きいのでしょうが、重工業国の日本と、重工業がほとんどないアイスランドの社会構造の差も関係しているに違いありません。
それにしても今回のIさんのプレゼンはプレートから火山までものすごくマクロ的だったのですが、本来の専門は「岩」だそうです。前回の留学時もあちこちを回ってアイスランドの岩を採集したのだそうです。それを持ち帰ってから顕微鏡で覗いている、とかいうようなことも言っていたと思うので、随分大きいものから小さいものまで扱うものなのですねえ。
そういえば最近テレビでとてつもない大きな一枚岩というのをしばしば見かけるような気がします。オーストラリアのウルル(エアーズ ロック)はもとより、コロンビアの何とかという都市の山のような岩やらスリランカの聖なる岩やら。
でも、そもそもどうしてIさんは「岩」に興味を持ったのでしょうか?ウーン、肝心なことを尋ね忘れていたか...?ワタシはどうも、やはり「人間」の方に興味が行ってしまう気がします。(^-^;
残る二人、A子さんとY君のプレゼンについては次回書かせていただきます。m(_ _)m
応援します、若い力。Meet Iceland
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