Gledileg jol! グレージィレーグ・ヨウル! 口にする際には「グレリヨ」になるアイスランドでのメリークリスマスです。
と言いながらこれを書いているのは23日の夜になります。この23日はソルラウクスメサと呼ばれる、これも一種の祭日のようなものになっています。祝日には指定されていませんが、事実上クリスマスの入り口の祭り化していることは否めないでしょう。
クリスマス前夜祭?
ソルラウクスメサのソルラウクスとはThorlakurソルラウクルという男性の名前です。メサの方はクリスマスの「マス」に当たるアイスランド語で、この場合は「祭り」「礼拝」を意味します。
ソルラウクルという人は十二世紀のアイスランドの人で、この国で唯一「聖人」に列せられている人物です。この方にあやかる礼拝を持ったのがソルラウクスメサの始まりでした。
12月23日の伝統「エイのおしっこ」
この日はいつもあたふたとしているような気がします。自分自身はそうではない時でも、町中が急いでいるようで、ワサワサ感が押し寄せてくるのです。祭りの前はそういうものか?
レイキャビク市内ハウテイグス教会
今年は自分自身もワサワサしました。午後にマイ教会で祈りの会があったのですが、その最中にコソ泥が玄関ホールに入り込み、掛けてあった上着等からいくばくかの金品を盗んでいったのです。
お茶の時間の後で発覚したのですが、被害にあったのはふたりのイラン人青年の難民。トータルで二万円足らずで、額はそう大きいものではないとはいえ、難民生活の二人にとっては向こう二週間の大切な食費。
教会の救援基金と、同席していたアイスランド人の方の善意で、損失そのものはなんとか賄えましたが、被害にあったふたりにとっては「安全な国だと信じていたのに... 何故?...」と盗みの被害にあったことのショックの方が深刻な様子。
泥棒、ジャンキー、詐欺師はアイスランドにも大勢いますから、それほど「安全な国」とは、私は思いませんが「難民が被害に会うわけはない」という心の緩みが私自身にあったようです。
貴重品の管理については、もっときちんと伝えておくべきでした。教会はコソ泥連中にとっては、Very good locationなのです。なにしろ、不特定多数の人がごった返しになる機会がありますからね。見知らぬ人がいても、誰もなんとも思わない。
その後、一応警察に連絡。やってきた警官と話しをしたりして、予定時刻を大幅に過ぎて自宅へ戻る羽目になりました。ワサワサ。しょうがない。そういう日なのだ、今日は。
このソルラウクスメサが明けて、翌日の午後になるとワサワサ感は一挙になくなり、厳粛とも言える静けさがやってきます。明るいうちはそれでも、クリスマスプレゼントを配って歩く人たちもあり、まだ人気はあります。
それが暗くなり夕刻になると、人通りは絶えガランとした街並みになります。例外は教会で、午後六時からのクリスマスイブ礼拝はほとんどの教会で満席になります。
このワサワサ感から静寂への移行。例えて言えば、日本お大晦日の町中とお正月の朝と考えていただければ、イメージしていただけるのでは?相当似ている感があります。
昨日の夕方辺りに気がついたのですが、今年は23日が日曜日、ということは天皇誕生日の祝日が重なり、月曜日もお休みなのですね?そういえば、これが最後の12月23日の天皇誕生日だったのですね?
この辺のズレが外国住まいの人間のしょうもないところです。来年以降は、23日は祝日として存続するのでしょうか?「緑の日」みたいに?
日本も同じ時期のスケジュールに関してはワサワサしているのかもしれませんね。っていうか、年末のこの時期は日本は超ワサワサが慢性化していましたね。失礼しました。
この時期は当然一番暗い日々 これは朝10時05分の様子
アイスランドに戻りますが、先ほど書きましたように、レイキャビクのほとんどの教会では夕方六時から礼拝が始まり、これをもって「クリスマス、IN」となります。国営放送RUVも六時からの一時間余りはテレビは「放送休憩」となり、ラジオのみでカセドラルでの礼拝の中継となります。これは「国民がクリスマス礼拝に集中するように」との配慮からだと思います。
そして、最近はそうは多くはないのですが、いくつかの教会では夜半の十一時半くらいから深夜礼拝が持たれます。最近減ってきた理由は、やはり「参加者が少なくなってきたから」とのこと。
深夜メサ(礼拝)の難点は、出席する際には、その前の晩餐で一杯飲めなくなることですね。やはり晩餐ですから、ワインの一二杯飲みたがる向きは多いのではないでしょうか?
翌日はヨウラダーグルと呼ばれます。Jol(クリスマス)のdagur(日)で、クリスマス当日ということになります。この日は、だいたいの教会では午後二時からクリスマス礼拝があります。この礼拝は少し格式張っているのが普通で、特別のソプラノのソロだとかが組み込まれていることが多いようです。
その翌日も祝日。Annar i jolumといい、annar(二番目の)i jolum(クリスマスの中で)なので、「クリスマスの二番目の日」を意味します。
この日は多少砕けてきて、礼拝をしない教会も多いですし、子供用のプログラムを持ってくるところもあります。私が担当している英語での礼拝も、今年はこの「クリスマスの二番目の日」にもたれることになっています。メインの礼拝ではないですからね、まあ、自然といえば自然。
その翌日からは、普通のカレンダーに戻りますが、大晦日、元旦をはさんで、1月の6日までがクリスマスの「祭り」の期間になっています。「普通のカレンダーに戻る」と書きましたが、「戻る『はず』」といった方が正しいかも。
やはり休み気分は抜けるものではなく、なんとなく「ミニマム、最低限の義務を全うしよう」的な雰囲気が町中に漂っています。
この期間が終わると、飾っていたクリスマスツリーを片付けます。私のところのように人工のツリーなら「また来年」。本物のもみの木を使っている場合は「さようなら」。多少日本のお正月の「門松」に似たところがあるような気がしますね。
ワサワサ感に押されて、今回は深みのない(いつもか?)内容でしたが、最後にとっても「濃い」トピックを。
私の「仲の良い」「美人」のお友達である大丸智子さんが執筆した大丸本(だいまるぼん)、正式には「大自然とカラフルな街 アイスランド」(イカルス出版)が、全内容を更新して版を重ねます。今月の28日だそうです。
パワーアップした大丸本 各家庭に一冊!
手に取っていただければわかりますが、ガイドブックでありながら、さらに「ライフスタイルブック」にもなっているお洒落な本です。アイスランドに関心のある方は、持っていて絶対に損をしない「MUST」アイテムと太鼓判を押しておきましょう。
こちらから予約できるそうです。
大自然とカラフルな街-アイスランドへ-最新版-旅のヒントBOOK
それではレイキャビクより、もう一度グレリヨ!! メリークリスマス!!
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
と言いながらこれを書いているのは23日の夜になります。この23日はソルラウクスメサと呼ばれる、これも一種の祭日のようなものになっています。祝日には指定されていませんが、事実上クリスマスの入り口の祭り化していることは否めないでしょう。
クリスマス前夜祭?
ソルラウクスメサのソルラウクスとはThorlakurソルラウクルという男性の名前です。メサの方はクリスマスの「マス」に当たるアイスランド語で、この場合は「祭り」「礼拝」を意味します。
ソルラウクルという人は十二世紀のアイスランドの人で、この国で唯一「聖人」に列せられている人物です。この方にあやかる礼拝を持ったのがソルラウクスメサの始まりでした。
12月23日の伝統「エイのおしっこ」
この日はいつもあたふたとしているような気がします。自分自身はそうではない時でも、町中が急いでいるようで、ワサワサ感が押し寄せてくるのです。祭りの前はそういうものか?
レイキャビク市内ハウテイグス教会
今年は自分自身もワサワサしました。午後にマイ教会で祈りの会があったのですが、その最中にコソ泥が玄関ホールに入り込み、掛けてあった上着等からいくばくかの金品を盗んでいったのです。
お茶の時間の後で発覚したのですが、被害にあったのはふたりのイラン人青年の難民。トータルで二万円足らずで、額はそう大きいものではないとはいえ、難民生活の二人にとっては向こう二週間の大切な食費。
教会の救援基金と、同席していたアイスランド人の方の善意で、損失そのものはなんとか賄えましたが、被害にあったふたりにとっては「安全な国だと信じていたのに... 何故?...」と盗みの被害にあったことのショックの方が深刻な様子。
泥棒、ジャンキー、詐欺師はアイスランドにも大勢いますから、それほど「安全な国」とは、私は思いませんが「難民が被害に会うわけはない」という心の緩みが私自身にあったようです。
貴重品の管理については、もっときちんと伝えておくべきでした。教会はコソ泥連中にとっては、Very good locationなのです。なにしろ、不特定多数の人がごった返しになる機会がありますからね。見知らぬ人がいても、誰もなんとも思わない。
その後、一応警察に連絡。やってきた警官と話しをしたりして、予定時刻を大幅に過ぎて自宅へ戻る羽目になりました。ワサワサ。しょうがない。そういう日なのだ、今日は。
このソルラウクスメサが明けて、翌日の午後になるとワサワサ感は一挙になくなり、厳粛とも言える静けさがやってきます。明るいうちはそれでも、クリスマスプレゼントを配って歩く人たちもあり、まだ人気はあります。
それが暗くなり夕刻になると、人通りは絶えガランとした街並みになります。例外は教会で、午後六時からのクリスマスイブ礼拝はほとんどの教会で満席になります。
このワサワサ感から静寂への移行。例えて言えば、日本お大晦日の町中とお正月の朝と考えていただければ、イメージしていただけるのでは?相当似ている感があります。
昨日の夕方辺りに気がついたのですが、今年は23日が日曜日、ということは天皇誕生日の祝日が重なり、月曜日もお休みなのですね?そういえば、これが最後の12月23日の天皇誕生日だったのですね?
この辺のズレが外国住まいの人間のしょうもないところです。来年以降は、23日は祝日として存続するのでしょうか?「緑の日」みたいに?
日本も同じ時期のスケジュールに関してはワサワサしているのかもしれませんね。っていうか、年末のこの時期は日本は超ワサワサが慢性化していましたね。失礼しました。
この時期は当然一番暗い日々 これは朝10時05分の様子
アイスランドに戻りますが、先ほど書きましたように、レイキャビクのほとんどの教会では夕方六時から礼拝が始まり、これをもって「クリスマス、IN」となります。国営放送RUVも六時からの一時間余りはテレビは「放送休憩」となり、ラジオのみでカセドラルでの礼拝の中継となります。これは「国民がクリスマス礼拝に集中するように」との配慮からだと思います。
そして、最近はそうは多くはないのですが、いくつかの教会では夜半の十一時半くらいから深夜礼拝が持たれます。最近減ってきた理由は、やはり「参加者が少なくなってきたから」とのこと。
深夜メサ(礼拝)の難点は、出席する際には、その前の晩餐で一杯飲めなくなることですね。やはり晩餐ですから、ワインの一二杯飲みたがる向きは多いのではないでしょうか?
翌日はヨウラダーグルと呼ばれます。Jol(クリスマス)のdagur(日)で、クリスマス当日ということになります。この日は、だいたいの教会では午後二時からクリスマス礼拝があります。この礼拝は少し格式張っているのが普通で、特別のソプラノのソロだとかが組み込まれていることが多いようです。
その翌日も祝日。Annar i jolumといい、annar(二番目の)i jolum(クリスマスの中で)なので、「クリスマスの二番目の日」を意味します。
この日は多少砕けてきて、礼拝をしない教会も多いですし、子供用のプログラムを持ってくるところもあります。私が担当している英語での礼拝も、今年はこの「クリスマスの二番目の日」にもたれることになっています。メインの礼拝ではないですからね、まあ、自然といえば自然。
その翌日からは、普通のカレンダーに戻りますが、大晦日、元旦をはさんで、1月の6日までがクリスマスの「祭り」の期間になっています。「普通のカレンダーに戻る」と書きましたが、「戻る『はず』」といった方が正しいかも。
やはり休み気分は抜けるものではなく、なんとなく「ミニマム、最低限の義務を全うしよう」的な雰囲気が町中に漂っています。
この期間が終わると、飾っていたクリスマスツリーを片付けます。私のところのように人工のツリーなら「また来年」。本物のもみの木を使っている場合は「さようなら」。多少日本のお正月の「門松」に似たところがあるような気がしますね。
ワサワサ感に押されて、今回は深みのない(いつもか?)内容でしたが、最後にとっても「濃い」トピックを。
私の「仲の良い」「美人」のお友達である大丸智子さんが執筆した大丸本(だいまるぼん)、正式には「大自然とカラフルな街 アイスランド」(イカルス出版)が、全内容を更新して版を重ねます。今月の28日だそうです。
パワーアップした大丸本 各家庭に一冊!
手に取っていただければわかりますが、ガイドブックでありながら、さらに「ライフスタイルブック」にもなっているお洒落な本です。アイスランドに関心のある方は、持っていて絶対に損をしない「MUST」アイテムと太鼓判を押しておきましょう。
こちらから予約できるそうです。
大自然とカラフルな街-アイスランドへ-最新版-旅のヒントBOOK
それではレイキャビクより、もう一度グレリヨ!! メリークリスマス!!
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is