レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

デンマーク語とジャガイモと美女

2013-11-28 05:00:00 | 日記
スカンジナビア語の話しになったついでに少しデンマーク語について。アイスランドは第二次世界大戦終了間近までデンマーク王国の自治領だったので長らくデンマーク語は公用語のひとつでした。

1944年にアイスランドが完全な独立共和国として生まれ変わってからも、デンマーク語は義務教育での第一外国語であり続けました。今では必ずしも第一外国である必要はなくなりましたが、それでも学生たちはどこかで幾ばくかデンマーク語を学ぶ羽目になります。

さて前回書きましたようにデンマーク語の発音は他の北欧語の発音とはかなり異なっています。アイスランド語やノルウェー語は口の前の方で舌をよく使って発音するのですが、デンマーク語はのどの奥の方から音を出します。よく「ジャガイモを口に入れたまま話すようだ」と言われます。

またノルウェー語やスウェーデン語はほぼ書かれた通りに発音していくので、ある意味とても分かりやすいのですが、デンマーク語は発音が省略されたり、明らかに書いてあるスペリングとは異なった発音になることがとてもよくあります。そのため話されるデンマーク語はちょっと中国語を聞いているような感じがすることがあります。(これはワタシの感想)

有名な童話作家のアンデルセン。Andersenと綴りますがアイスランド語では「アンデルセン」アにストレスを置いてルを巻き舌にして発音します。マンマです。ところがこれがデンマーク語では「エナション」のようになります。エはアとエの中間のような音といったほうが正しいでしょうが、Dの音は消えてしまいsenがション的になります。

いちいち挙げても退屈するだけでしょうが、長文になった場合にはデンマーク語とアイスランド語では発音数にかなり差が出て来るように思われます。例えばHallgrimurはよくあるアイスランド名ですが、アイスランド語ではハットゥルグリームルとかなり長い発音になります。これがデンマーク語ではハルグリーm(最後はmだけで曖昧に終わる)だけになってしまいます。(これもワタシの感想です)

アイスランド人は早口が多いとよく言われますし、実際にラジオなどを聞いているとそのように感じられます。これはおそらく文字に忠実に発音していく故に、早口でしゃべらないと追いついていかないからではないかと思うのです。

前に少しデンマークを勉強したことがあるのですが、なぜノルウェー語とかでなくデンマーク語を選んだかというとテレビの影響です。アイスランドではデンマークのTVシリーズを放映することがよくあります。そのうちのひとつに「Ornen」(鷹)というものがありました。ポリスものです。これにはまってしまい「デンマーク語を話したい」と憧れたのです。そのシリーズにきれいなデンマーク女性が登場してファンになりました。クリスマスにファンレター的なノリでカードを送ったのですが、なんと三日後に返事が来たのですよ!



人柄もいい美人女優Lotte Munkさん
–Myndin er úr LotteMunk.dk-


デンマークもそういう点ではまだまだ小国なんでしょうね。確かに超人気の女優さんではなかったのですが、それからも時々メイルをやりとりしたりしてFacebook友達でもあります。かなり舞い上がりました。ポッ!... (^-^; 

一度誕生日に寺山修司の英訳付きの本を贈ったことがあるのですが、後日演劇のセミナーでその本を使った、とメイルで伝えてきてくれました。会ったことはありません。178センチあるので引け目...

話しが大きく逸れました、スミマセン。結局デンマーク語の学習はある時点でストップしてしまいました。理由の第一は私の周囲にデンマーク人がいなかったからだと思います。やはりことばは実際に使う機会がないとモチベーションが下がっていってしまいますね。

その点、アイスランド大学で日本語を学んでいる若い諸氏は周囲に大勢日本人がいるのでラッキーです。チャンスを積極的に利用して欲しい者です。以外とシャイなのが多いからなあ...


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改めてスカンジナビア語の勧め

2013-11-25 05:00:00 | 日記
何回か前に「スカンジナビア語」の勧めというトピックについて書きました。その後「アイスランド語の日」にちなんだ「最も美しいアイスランド語の単語」の話しが出たり、フィリピンのハイヤンの災害などが起きてしまったために途切れてしまいました。今日はもう少し続きです。

以前書いた時は「アイスランドで生活する以上アイスランド語が必須であることは当然だが、アイスランド人と対等に仕事をしたかったら、スカンジナビア語(ノルウェー語、スウェーデン語、デンマーク語)の中のひとつもできた方がいい。ある程度のスカンジナビア語の知識を前提とした場面は結構な頻度で登場するから、というようなことを述べました。

北欧圏にはこれらの国に加えてもちろんフィンランドも入るわけですが、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、デンマークの四カ国はもともとが同じ言語を有し、歴史的にも相互の行き来が盛んであったため緊密な文化圏となっています。

話しが逸れますが、SASスカンジナビア航空はノルウェー、スウェーデン、デンマークの出資会社です。フィンランドはちょっと別。実はアイスランドも「おまけ」のように見られています。もうひとつ「おまけ」があります。フェロー諸島で人口僅か五万人弱ですがデンマークの自治領です。さらにいえばグリーンランドですが、これはまたちょっと別、の感があります。

よく言われることですがノルウェー語とスウェーデン語はお互いに自分の言葉をしゃべって会話が成り立つほど似ている言葉です。デンマーク語は発音が独特のため、会話は理解できないノルウェー人やスウェーデン人はあるようですが、書き言葉では問題ありません。

フェロー諸島もフェロー語という自前の言葉を持っていて、アイスランド語とデンマーク語のミックスのような感じです。フェロー人はアイスランド語を聞いて理解できると言っています。

で、アイスランド語は昔の複雑な文法を保っていますので、文法的なことを学ぶということに関しては、アイスランド人は他の北欧語の学習にそれほど難儀しません。ただデンマーク語の会話は別です。

さて仕事の上で日常的によく起ることはこのようなことです。「デンマークで面白い議論が起っていて、その紹介が昨日のBT(新聞)に出ていた」といってその記事のリンクがついた一斉メイルが送られてきます。デンマークの新聞なので当然デンマーク語。そして当然訳なし。

以前北欧各国にまたがる移民と労働市場についてのフォーラムのようなものがレイキャビクでありました。同時通訳付きだったので参加しましたが、途中のグループでのワークショップからは通訳なし。通訳がないのか、と問い質しても「そういうもんだ」というそっけない返事。ワタシもそっけなく帰りました。

大学でも同じです。もう何年も前ですが中国から来たばかりの女の子がアイスランド大学の神学部に入りたいと言います。もちろんアイスランド語はゼロ。学部長と掛合ったのですが「授業はアイスランド語だし、使う教科書にはノルウェー語やスウェーデン語のものも多くある。難しいのでは?」という返事でした。

その時は諦めたようですが、後年その子は神学部を卒業したと聞きました。諦めきってはいなかったのですね。拍手!

というわけでワタシも少しデンマーク語を勉強した時期があったのですが、沈没しました。ワタシのようにアイスランド語でも向上の余地が北海道の原野並みにあると、デンマーク語に時間を使ってしまっていいのか、という心配に襲われるのです。といいながら、デンマーク語を勉強しなくてもその時間をアイスランド語のために使っているわけではないのですが。よくある言い訳パターン。

デンマークで宝石デザインの修行をしていた若い邦人の女の子(しかも可愛い、加えて水泳国体レベル)が、レイキャビクにも出張修行に何年間か来ていました。彼女は頑張ってデンマーク語もマスターしていて、さらにあっという間にアイスランド語も身につけていました。かっこいい! できる人はできるんですねえ。

その彼女、今はドイツに移っているそうな。しばらくしたらドイツ語もできるようになるのかなあ?持つ者はますます豊かに、というパターンではないか?人生、公平ではありません。(*_*)


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ハイヤンとアイスランドの人々

2013-11-21 05:00:00 | 日記
二週間ほど前にフィリピンのレイテ島を始めとする六つの島を直撃した台風30号ハイヤンは甚大な被害をもたらしてしまいました。亡くなった方3.700人以上、行方不明者1.200人、住居を失った人が200万-300万人と聞いています。

被災者の方々には衷心よりお見舞い申し上げます。また復旧作業に携わっている皆さんにはねぎらいと支えのありますよう。

さて小国アイスランドには約2.500人のフィリピン人が住んでいるということです。そのうち1.500人ほどは既にアイスランドの市民権を得ており、1.000人がフィリピン人として生活しているとか。

移民の第二世代は統計に現れにくいのですが、そういう二世、三世を含めればおそらくフィリピンにルーツを持つ人はさらに多くいることでしょう。

そういうフィリピン出身の人の中にカクちゃん(仮名)という若い女性がいます。彼女はフィリピン出身なのですが、日本に移って長く暮らしていました。ですから日本語は完璧。母国語のタガログ語の方が苦労する、と笑っています。

ハイヤンの被害の様子が明らかになってくるにつれ在住フィリピン人の間にもショックが拡がっていきました。日本の東北大震災の時は時を移さず津波の様子などがこちらのニュースでもずっと流されたので、時間差無く私たちはショックを受けたのですが、ハイヤンの場合は少し時差が生じてしまいました。

カクちゃんはいの一番に「何かしなくちゃ」と考えたうちのひとりでした。皮肉なことですが二年前にはカクちゃんは「日本人」として震災復興支援の活動を私たちと一緒にしたので、経験を積んでいたわけです。

土曜日の夜半から被害の状況が伝わり始めたとして、日曜日には赤十字とUNICEFが特定支援募金を始めました。カクちゃんたちは他のフィリピンの人たちと会合をしながら企業や他のアソシエーションと連絡を取り、17日の日曜日にチャリティランチを開くことにしました。

月曜日にはポスターが印刷されて上がり、同じくチケットも印刷されました。会場には市内の新築されたばかりのガラス張り高層ビルの一階にあるしゃれたレストランが決まっていました。もちろん会場提供も支援のうち。

チケットは一枚2.000クローネでしたが、用意した400枚はすぐに完売。食材はあちこちのスーパーや食品会社からの支援。紙皿やプラスチックのフォーク等も寄付されてきました。実費なしでチケット代はそのまま支援金となるようなチャリティとしては理想的な環境です。

ポスターを作る段階で慌てていたカクちゃんは連絡先に職場のメイルアドレスを使ってしまいました。日本でなら始末書ものでしょうが、カクちゃんの勤め先は全然構わない、終わるまでオフィスの電話も時間も使っていい、と言ってくれたそうです。もっともメイルアドレスは会社の良い宣伝にもなったと思いますが。

ランチイベントの前日にカクちゃんと話したのですが「やっぱり大変。寝る時間がない。ひっきりなしに電話やメイルで問い合わせが来る。答えなきゃ悪いし、こちらにいるフィリピン人の七割が被災地の出身なので、家族にまだ連絡が取れていない人も大勢いる。電話先で泣いてる人もいるしどうしていいかわからない」と相当しんどい様子でした。

そして当日は...私は他の邦人の方数人と一緒に出かけたのですが、開場30分後には法定の定員を超してしまい会場を一時閉めなければいけないか、というくらいに人が来てくれました。

予想を上回る人手となってくれたので追加の料理を作らなければならなかったようですが、50人のボランティアがフル回転で働いたのでしのげそうです。

加えて、すみやかにレストランの裏側に続くスペースを開けてくれ、さらに隣接するカフェなどにも人が入ることを許してもらえたため、会場は閉めないで済みました。

こういうところが私はアイスランドの好きな点のひとつです。レストランの会場提供やカクちゃんの職場の好意ある態度もそうなのですが、融通が利くというか、皆が何がそこで起っているのか承知してくれていてそれを良しとしてくれるおおらかさがあると思います。

チャリティランチは成功裏(こういう機会にふさわしい言葉ではないかもしれませんが)に終わりました。このイベントだけで35万クローネが集められたそうです。

チャリティランチについてのモルグンブラーズ紙ネット版


ハイヤンの被害の大きさに照らしていえばこのチャリティランチは星の数ほど支援活動の中のひとつに過ぎないでしょう。復興にはまだまだ時間も巨額な資金も必要とされるでしょう。

にもかかわらず、それはそれ。星の数ほどある支援活動のひとつとして、それを企画し運営する真摯なボランティアの人たちの献身なしに実現することはありません。世界中で行われている「星の数ほど」の支援活動のひとつひとつに「カクちゃん」が献身しているに違いありません。

カクちゃん、お疲れ様。立派な働きをありがとうございました。

被災者への慰めと支え、被災地の一早い復興を祈ります。


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最も美しいアイスランド語

2013-11-18 05:00:00 | 日記
先週の土曜日は「アイスランド語の日」で、前回書きましたようにこの機会に「最も美しいアイスランド語の言葉」が一般から募集されました。

第一次選考では15歳以下の若者から寄せられたもの、16-25歳の人からのもの、25歳以上の成人からのものの三つのグループに分けて、それぞれのベスト10が選ばれました。

応募した人は「なぜその言葉が美しいと思うか」の理屈も付けなくてはならず、このサポート論がかなり面白いものがありました。
ですが、まずはどんな言葉がベスト10入りしたのかご紹介しましょう。

まず15歳以下部門。

Einstokエインスターク(ユニークな)、Fyrirgefduフェーレルゲブズュ(ごめんなさい)、Hjartaヒャルタ(心)、Mammaマンマ(ママ)、Nunaヌナ(今)、Saknaサクナ(英語のmiss)、Sjonaukiショウンオイキ(望遠鏡)、Spekopparスピェコッパー(ディンプル)、Uglaウグラ(フクロウ)、Velkominヴェルコミン(英語のwelcome)。

次に16-25歳部門。

Fidringurフィズリングル(ピリピリした痛み)、Gluggavedurグルッガヴェーズル(窓辺では好天だが外に出ると寒い天気)、Hjardjaxlヒャルズヤクスル(タフなキャラクター)、Hljodフリョウズ(音、沈黙)、Hugfanginnフーグファンギン(心奪われた)、Ktroskinコトゥロスキン(自己自信)、Kradakクラザーク(数が多いこと)、Ratljostラートリョウスト(見分けがつく程度の明るさ)、
Seiglaセイグラ(粘り強さ)、Skumaskotスクーマスコート(暗い角)。

最後は1987年以降生まれの成人部門。

Agnarognアグナーオグン(何かが非常に少ないこと)、Barujarnバウルヤルン(波型のついた鉄)、Bergmalベルクマウル(こだま)、Einurdエインウルズ(決心)、Hughrifフーグフリーブ(精神的な影響)、Ivafイヴァーフ(趣き)、Jaejaヤイヤ(さてと、みたいな間投詞)、Ljosmodurリョウスモウズル(助産婦)、Sindrandiシンドランディ(スパークリング)、Vidsyniヴィーズスィーニ(広い視野)。

はっきり言って歳が上に行くほど当たり前になってきて面白くない気がします。成人グループで面白いのはヤイヤでしょうか?ヤイヤという言葉は非常に良く使われます。それでいてコレという意味がないのです。

無駄話を切り上げて仕事に戻る時にヤイヤ、仕事を切り上げて帰る際にヤイヤ、何かの集まりで挨拶を始める際にヤイヤ、話すことが無くなって沈黙した後でヤイヤ...等々。その場で意味が変る点では、多少日本の「どうも」に似た感もあります。

真ん中の青年グループはやはり若者感が溢れています。Fidringurという言葉は私も知らなかった言葉なのですが、サポートの理屈によると「ピリピリするお腹の痛みの感じ。ファーストキッスの前とかの」

Hljodという言葉は面白く「音」を意味するのですが同時に「沈黙」「静けさ」を意味することもあります。たまにではなく、どちらも同じくらい頻繁に使われるのです。サポートでは「ひとつの言葉で真逆の概念を表せるのは素晴らしい」

Uglaのサポート。「フクロウはきれいな鳥で、ポーランドにもいる」って、きっとポーランド出身の子供が選んだのでしょう。以前大人の人が「UglaはUglyだ」と言っていたのも覚えていますが...

Velkomin。「なぜなら人に、自分がそこにいることになっているのだ、と感じさせるから」なるほど。

Spekoppar。この言葉も知りませんでした。「Spekoppar(dimples)は美しい。それにスピェコッパアって言うのは面白い。不気味な感じがする!」確かにスピェコッパアってハリーポッター的な響きがなくもないですねえ。

最後になりましたが今年の「最も美しいアイスランド語の言葉」です。「助産婦」を意味するLjosmodurリョウスモウズルでした。Ljosは「光」を意味しmodurは「母」。赤ちゃんを取り上げる助産婦さんは、アイスランドでは「光の母」と呼ばれれるのです。

確かに美しい言葉でしょうね。赤ちゃんとお母さんには勝てない?(*^^*)


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「アイスランド語の日」11月16日

2013-11-14 05:00:00 | 日記
今週末の土曜日、11月16日はDagur islenskrar tungu 「アイスランド語の日」と定められています。1996年に初めて祝われたのですが、その主旨は言うまでもなくアイスランドの言語をきちんと維持し大切にしていこうということにあります。

なぜ11月の16日かと言うと、この日がアイスランドを代表する詩人であるヨナス・ハットゥルグリムスソンの誕生日だからです。この人は十九世紀前半に生きた人で、 新一万クローナ札の肖像画にもなっています。

ヨナスはデンマーク統治下のアイスランド人に、詩を通してアイスランド語の美しさとアイスランド人であることの誇りを鼓舞したとされています。大酒飲みで三十八歳の若さで世を去ってしまったことは前にも書きました。

さて毎年この日にはアイスランド語にまつわるシンポジウムのようなものが開催されたりするのですが、今年はもうひとつ面白い企画があります。これまでにも企画されたことがあったようなのですが、私は気がつきませんでした。

それは「最も美しいアイスランド語の言葉」を投票によって決めるというものです。言葉のコンテストですね。主催するのはアイスランド大学の人文科学部です。

コンテストは二段階に分かれ、まず九月から十月下旬にかけて一般の人から「最も美しい言葉」を募集します。応募する人々は年齢によって15歳以下、16-25歳、26歳以上の三つのグループに分けられます。そして審査チームが応募された言葉の中から各グループごとに十ヶの言葉を選びます。

そして11月上旬の第二次投票期間に一般の人たちが改めて一次選考に残った三十ヶの言葉の中から、グループ毎にひとつの「最も美しい言葉」を選んで投票するのです。最終的には絶対数で一番得票した言葉がチャンピオンです。後日(11月16日?)に発表されるとのこと。

この年齢別グループ毎に十ヶずつの言葉が選ばれ、計三十ヶの言葉が紹介された際に審査委員二人がテレビのトークショーに出演しました。第一次の応募では8.500人が言葉を送ってきたとのこと。

「最も美しい言葉、ということですが「美しい」とはどういうことなのでしょうか?言葉が指し示す概念?音の響き?書いた時の形態ですか?」という司会者の質問に委員のお二人:「それらのいずれでもあります。美しさも多面性がありますから」

実はこの「最も美しい言葉」を応募する際には、応募する人はただ言葉を書いて送るだけではなく、なぜそう思うのかという説明も付け加えることになっていました。委員の人の話しを聞いていると結構この説明がものを言っているような気がします。

例えば15歳以下のグループでBest10入りしている言葉のひとつは「フェーレルゲブズュ」Fyrirgefdu(ごめんなさい)。これは実は文で、きちんと書けばFyrirgef thuとなります。(Fyrirgefa「許す」の命令形プラス「あなた」)

この言葉のサポートの論理はこうです:「この言葉は壊れた友情や変な方向へ進んでしまった諸々のことを癒すことができます。あたかもこの言葉が魔法の力を持っているみたいです」

子供らしくていいやなー!v(^^)/

同じグループのもうひとつの言葉は「マンマ」Mamma(ママ)です。サポート:「(母親)どうしてママがきれいな言葉だと思うの? (子供)だって、ママがあたしのママだから」(母親はとろけてしまう)

他にも面白い言葉とサポートがありますので、それは次回ご紹介したいと思います。


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