ECEというのはEarly Childhood Educatorのことで、カレッジでのコースを受講することでその資格を得られますが、オンタリオ州では それぞれのカレッジでのコース終了後に、College of Early Childhood Educatorsという機関へ登録をし
RECE(Registered Early Childhood Educator)となってから「私はECEです」と名乗って仕事ができると、オンタリオ州では定められています
このCollege of Early Childhood Educatorsでは、登録後にもワークショップがあったり、自分のステイタスがパブリックに公開されているので、何か不祥事を起こしてしまったり、更新をしていなかったりすると、それも記載されるし、免許剥奪された場合はそれも記録に残るし、登録されていないのにECEだと名乗って仕事をしていることが発覚すると、その氏名リストも公開されています
子供の発達や気質を理解し、遊びを通して子供自身が心身知能共に健やかに発達できるよう、子供達にポジティブな働きかけと問題解決への導き、適切な環境設定、ドキュメンテーション作り、ご家庭とのコミュニケーション等から共に子供達を健やかに育むスキルを求められるお仕事です
大人と比べると様々な部分が未発達の子供達を理解するのに、とても良い内容のカリキュラムで子育てにも活かせる内容がたくさんあります
私は平日仕事をしながら受講していたので、4年半かかりましたが、フルタイムの学生になれば2年間で終了可能なプログラム。
子供の人権が尊重され、多様性やインクルージョンを理解&実行するにもおすすめのコース内容なので、受講者が増えれば、子供の発達やその凸凹、どのような事を意識することでインクルージョンを実現させられるか。また、差別とは何か、虐待とはどういった事か、そんな事を意識できる人達が世の中に増えるのも嬉しい事
仕事の活動範囲も色々あります
- Advocacy
- Government
- Post-Secondary Institutions
- Full-day Kindergarten & Other Classroom Settings
- Children’s Services
- Family Support Programs
- Licensed Child Care
- Unlicensed Home Child Care
- Recreation Program
このコースがね、最近いくつかのカレッジで「受講費用無料」をうたっているようなんですね
この理由には、待機児童問題がきっと関係していて、それを解決するために預け先を増やす。そこに配属するECEを増やす。という目的だと思うんです
でもね、私は思うんです
それだったら、ECEに対する賃金や待遇をもっとフェアになるように改善すれば、すでにECEとして働ける資格があるけど、待遇の悪さに離職してしまった人達が即戦力として再び活躍できるのではないかと
例えば、キンダーガーデンだと先生とECEでは仕事内容はほぼ同じなのに、賃金はかなり違う。しかもECEは長期休暇中は賃金が発生しません。 また、勤務時間中に先生にはプランニングタイムという時間帯があり、代わりにプランニング時間の先生がクラスに来ますが、ECEにはないため、休憩時間以外は常に子供達に対応をしています。なのでスキルは持っているのに、ドキュメンテーションを作るような時間がない
保育所の方は、その機関によって異なるのかもしれませんが、私が時々代行で行く保育所には、プランニングタイムがあってドキュメンテーションの作成が勤務時間内にできるように職員の勤務時間を調整しているようで、そこはいいなと感じました
もしかしたらECEのイメージは、単なる子供の遊び相手とか、キンダーでの補佐役みたいなイメージが世間一般ではあるのかな。。。と思ったりします
そう言った事が根底にあって、賃金や待遇がなかなかフェアにならないのかな。。。
せっかく仕事に情熱もあって、知識もスキルもあるのに、自身の生活を現実的に考えて 離職してしまったECEの方達がどれくらいいるでしょう。
カレッジの受講費用を免除するよりも、質の良い人材をカレッジのプログラムを通してきちんと育て、卒業後も仕事に対するフェアな対価が得られ、家庭の経済を支えられる、そして継続してスキルを磨き続けられる待遇であれば、離職も減り、質の良い教育者が増えれば、幼児教育の環境が今よりももっと整い、待機児童も減り、多くのご家庭がお子さん達を安心して預けられるのではないかな。。と思うのです
政府からカレッジのお金が出ているのだと思いますが、それ、そっちじゃなくて、RECEへの待遇改善にその費用を使った方がMake senseじゃない??