toty日記

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密度の濃い本

2012-04-24 18:16:11 | 
以前、読み始めたと書いた覚えがあるが
山田風太郎の「人間臨終図鑑」を読み終えた。

亡くなった時の年齢順に、古今東西の人が出てくる。
そして、その臨終の場面が山田風太郎の目を通して述べられる。

世間的に褒め称えられた人に対しても、彼独自の見方があって
ふーむとうならせる。

文中、自分のことも、
その場にいた山田風太郎はと、自分でないかのように述べて
その登場人物に「風ちゃん、…」と話しかけさせている。

そうか、風太郎はふうちゃんとよばれていたのかと、
ちょっと近寄りがたい風体の風太郎が近しく感じる。


一人につき、少ない人は一ページ、多くても数ページ。
それが、全4巻。
その取り上げられた人物の多さと、
その人たちに関する本を読破したことにも感心する。

そして、それぞれの人に対する風太郎のみかたが
みごとに、簡潔に現されている。

知らない人に関しては、その人を知りたくなるし、
知っていた人も
知られざる面が明らかになって、また興味が湧く。

総じて、世間的な名声と、家庭内の評価とはかなり違う人が多い。

破天荒でも評価された時代と、
ちょっとでもスキャンダルがあると、叩かれて評価されない現代と
なんてことも感じる。

読み終わって、山田風太郎が著わした時点後の人物について
彼だったらどう描くだろうなんてことも、興味が湧いた。

読んだ内容を、こんなに反芻できる本も少ない、というのが感想。
読んだ方がいらしたら、話してみたい本。


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