３現主義から５ゲン主義

東日本大震災のテレビ報道で一番まともなことを言っているのが防災システム研究所の
所長をしている防災・危機管理の専門家山村 武彦さんだと思います。

山村 武彦氏著の「本当に使える企業防災・危機管理マニュアルのつくり方―被災現場からみつめたBCP」 の中で、

百聞は一見に如かず。百見は一考に如かず。百考は一行に如かず。百行は一果に如かず。
～どれほど多くの事象を見聞し、データを駆使し、考え、行動したとしても、結果が得られなければ価値がない。
と記述されているそうです。



そこで、関連事項を調べると、「５ゲン主義」という言葉を知りました。
３現主義は、昔から「大三現」という別の言葉で知っていましたが、
勉強になりました。



【５ゲン主義思想とは】
５ゲン主義の提唱者は、古畑友三氏（「５ゲン主義　品質管理の実践」）
３現主義（「現場」、「現物」、「現実」）に「原理」「原則」を加えた５ゲン主義
３現主義で現状を把握しただけでは、何が問題でどのようにすればよいかわからない
「げん」の字が違うので、５「ゲン」とカタカナ表記になっている

現状を確認したまでは良いが、問題点を確認しただけでは、本当の解決策は出ない。
たまたま特異的に発生したのか、起こるべくして起きたのか、どうしていけば良いのか
理論的によく考える必要があるので、一般的、根本的な原理に則ってどうあるべきか考え、
基本原則（ルール、社会的背景）に沿ってどのようにしていくべきか考えることが必要。


【５ゲン主義を示す言葉】
百読不如一聞　（百読は一見にしかず）
　・文献を調べるのも大事だが、直接専門家の意見を聞くことも大事。
百聞不如一見　（百聞は一見にしかず）
　・何度も他人の話を聞くよりも、実際に自分の目で確めた方がよくわかる
百見不如一考　（百見は一考にしかず）
　・百回データを見るだけでなく、一回じっくり考え、解析すること
百考不如一行　（百考は一行にしかず）
　・百回考えるより、仮説を立てて実行すべき
百行不如一効　（百行は一効にしかず）
　・百回行動を起こしても、効果がないといけないので結果をしっかり確認
百行不如一聞 (百行は一聞にしかず)
　・百回行動を起こしてだめなら、人の話を素直に聞き、知恵を借りよ
百効不如一幸　（百効は一幸にしかず)
　・どんな効果（利益）も社会の幸せをもたらすものでなければならない


「聞いて→見て→考えて→行動して→成果をあげる