金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

たくさんの金繕い その1

2017-03-16 23:32:45 | 多種類の繕い例
西宮のお二人から依頼された繕いの品物に取り掛かりました。

先ずはこの2点が、どなたかが接着剤で補修しようとしたものなので、その接着剤を剥がすところからスタートです。

こうやって熱湯の中で結構長い時間をかけてボイルして剥がすのですが、結局この2点、接着剤は取れたように思いますが、なぜか断面はピッタリとあわさりませんでした。
初心者の方がいろいろと試みたので、何かあるのでしょうかね。


さあ、スタートですね。
下駄さんが壊れた取っ手の断片を見て、「そんなの直るの」と驚いていましたが、直さないとね。
4点が取っ手の部品で、あとの二つは丹波焼の方です。


金粉や銀粉を蒔いた最後の工程で磨きをかける鯛の牙、あげたい人がいますのでアラルダイトを使ってついでに制作です。


繕い本体の方です。
先ずは簡単な口辺にほころびがある個所の修復です。
アラルダイトと地の粉を混ぜたもので。


厄介な取っ手の部分にも取り掛かります。
セロテープで固定しながら。


一応こんな形でOKですね。
段階を踏まないといけないかなと思っていたのですが、一気に仕上げてしまいましたね。


注ぎ口も少し欠けていましたので、盛り上げて修復。


もう一つの丹波焼の小さな品、ぐい飲みでしょうか。
これも一気に接着して二つの断片を収めてしまいました。


そして、もう一つは下駄さんの友人からの依頼品の龍の置物。
どうしても断面がピタリと収まりません。
でも、セロテープを沢山巻き付けて固定して。

こちらは磁器ですので、小麦粉をアラルダイトに混ぜるのですが、丁度強力粉を切らしていて、シッカロールを使いました。

これと同様に、急須の蓋の持ち手の部分もぴったりとは収まりませんので、困りましたね。随分時間をかけてピッタリとくる部分を探したのですが。


さあ、初日はここまでですね。
鯛の牙も固まるまで安定させないといけないので、セロテープで貼りつけて姿勢を保持。
他にキノコグッズで金具がついていないものが2点ありましたので、ついでの作業として、ループタイの金具をアラルダイトで接着していてます。

この段階で、食堂の方のテーブルにすべてを移して、接着剤が固まるまでに数時間以上(12時間タイプ)要しますので、ずっとテレビを見ながらズレなどが生じないように起きている間見守り続けます。
たくさんの繕いですね。


その2に続く。


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