toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「誘拐」 アンソロジー

2015年07月17日 | 読書日記
有栖川 有栖,折原 一,山口 雅也,香納 諒一,吉村 達也,霞 流一,五十嵐 均,法月 綸太郎、8作家の書いたアンソロジー。
解説によれば、「野生時代」の誘拐特集のための作品らしい。

短編のミステリーということで、どうしても薄っぺらな内容になってしまうが、それぞれ一流のミステリー作家だけあって工夫が凝らされていてなかなか面白い。

五十嵐の「セコい誘拐」は発想が素晴らしいけれど結末がイマイチで惜しい。
香納の「知らすべからず」、法月の「トランスミッション」は特に秀作。



角川文庫
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「ゴッサムの神々」 リンジー・フェイ(訳:野口百合子)

2015年07月16日 | 読書日記
出版社のプレゼントで当選した本。

英語の原文をそのまま直訳しました、という感じの文章でわかりにくい上、私自身がアメリカの独特の言い回しや、カトリックとプロテスタントについて良く知らないため、何度読んでもとうとう理解できないところもあって上下2冊読むのに5日もかかってしまった。
苦労して読んだけれど(苦労して読んだから・・・)、それほどの話じゃなくて残念な気分。

折角貰った本だから、しばらくしたらまた読み返してみようかな。。





創元推理文庫
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「抱く女」 桐野夏生

2015年07月12日 | 読書日記
学校もその時住んでたところも中央線だったし、ジャズ研だったから吉祥寺や新宿のジャズ喫茶には良く行きました。
場所的にCHETはメグ、COOLはファンキーかなと思ったけれど、店の描写ではちょっと違うなぁと思いながら読みました。

時代的には違うけれど、町の雰囲気はこんな感じだったかな。

工学部の学生は毎日実験が有るから、この話のような生活は想像できないけれど、文系の学生さんってこんなもんなの?
この物語の時代のことは良くわからないけれど、危うさとか不安定な状況とか今に通じる気がする。





新潮社
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「深紅の断片」 麻見和史

2015年07月12日 | 読書日記
救急隊の物語。

救急隊の物語というと、日明恩の「ロード&ゴー」だけど、こちらは救急隊員が事件の謎を解いて解決する話。
そもそも救急隊員が探偵役というところでリアリティに欠けるけれど、それはそれとして物語としては楽しく読める。

救急隊長の真田の補佐役の茂刈の過去がエピローグで明かされるけれど、病院内で一人だけ暇そうにしていられることについての説明がない。





講談社
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「十字路が見える」 北方謙三

2015年07月10日 | 読書日記
週刊誌に連載したエッセイ集。

ハードボイルド作家は私生活もハードボイルド。
料理、釣り、音楽、車、映画・・・などについて。


新潮社
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「ターンオーバー」 堂場瞬一

2015年07月09日 | 読書日記
スポーツがテーマの短篇集。
高校野球、アメフト、やり投げ、マラソン、ラグビー、プロ野球の話が1話ずつ。

アメフトの一篇が一番緊張感が有って面白かった。

プロ野球の話は、予告先発の今では成立しない話。




角川春樹事務所
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「ギャラリスト」 里見蘭

2015年07月08日 | 読書日記
原田マハの題材を幸田真音が料理して出来上がったような作品。

新野剛志の「明日の色」だと素人がギャラリストになってしまうけれど、これを読むとそれはありえない話だと思える。

はじめは応援していた主人公の真治だったけど、物語が進むにつれどんどん嫌な奴になっていくので、結末はほぼ想像通り。
ストーリ展開がうまい。

「藍のエチュード」で登場した芸大の剣道部が出てきたのには笑ってしまった。




中央公論新社
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「怪獣の夏 はるかな星へ」 小路幸也

2015年07月07日 | 読書日記
ウルトラマンのオマージュと思わせるファンタジー。

4人の仲の良い子供達とウルトラマンを連想させる近所のお兄さんと写真館の主人が怪獣を倒す話。
冒頭からラストまで一気に読めてしまう。
少年の一人が主人公のメインストーリの短い章の合間に写真館の主人の短い解説で背景の説明などが入る。
こういう手法は珍しいと思う。
これによって物語がものすごく分かりやすくなっている。
一歩間違うと滅茶苦茶になりそうだけど・・。

ファンタジーと言えども、科学的に出鱈目な表現がちょっと気になる。
(例えば、空の星の主成分は土だとか・・・)
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「ゆらやみ」 あさのあつこ

2015年07月07日 | 読書日記
決してつまらないわけじゃないけれど、登場人物に誰ひとりとして感情移入できなくて、最後まで傍観者の視線で読み終わった。
人や環境の変化が徐々にではなく突然過ぎるせいかもしれない。

読めなくて振仮名もない漢字があちこちに有ったので配慮願いたい(特に外国の地名とか)。



新潮社
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「リビジョンA」 未須本有生

2015年07月06日 | 読書日記
様々な問題を乗り越えて新しい戦闘機を開発する話。
私も長いこと製品開発に携わってきたのでよく理解できるけれど、この物語はちょっと上手くいきすぎかな。。
全体としてはこの手の小説でおなじみの成功物語で面白く読める。

主人公の沢本と恋人との会話がいつまでも他人行儀なところに違和感が有るのと、場面展開したとき「○○に言った」と言えば済むところをわざわざ意味もなく「電話の相手に言った」という書き方が多用されているところが気に入らない。

ストーリに直接関係しないためか「過去の事故」が最後まで明らかにされないが、ちょっと気になる。

専門的なことをさりげなく説明したりして未知の世界のことでも分からなくて戸惑ってしまうことがなく、安心して読める。




文藝春秋
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「風の如く 久坂玄瑞篇」 富樫倫太郎

2015年07月04日 | 読書日記
登場人物が多くて、しかも個々の説明も殆どない。
史実に基づいた話だろうから、歴史好きな人なら説明なんかなくても知ってる事なのかもしれないけれど、私には全く知らなかったり、かろうじて名前だけ聞いたことがあったりする程度だったりで、フィクションとして読んでいたのでもう少し説明して欲しかった。

それでも終盤にかけて、緊張感が高まってくると俄然面白くなってくる。

しかし、最終章になると歴史上の出来事で知ってる人にはわざわざ説明の必要がないのかもしれないけれど、私には説明不足でついていけなくなる。
最後は中途半端で終わったいるけれど、続編があるのかも・・。




講談社
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「ビオレタ」 寺地はるな

2015年07月02日 | 読書日記
文章、登場人物、ストーリ展開、さりげなく入るギャグ・・・どうしたってこれは群ようこが変名で書いたとしか思えないような作品。
最後は群ようこにしてはちょっと詰めが甘いから、やっぱり別人(笑)。




ポプラ社
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「作家で十年いきのびる方法」 鯨統一郎

2015年07月01日 | 読書日記
小説が好きな人なら一度くらい作家になることを夢見たと思う。
そして実際に書いてみて満足いかなかったり、書こうとしても書けなくて諦めた人が大部分でしょう。
私も高校生の頃は小説家になろうと思っていたけれど、今はまったく無理だと自分で良くわかっています。

この本は、本人がモデルの小説家・伊留香総一朗がデビューしてから10年目までの物語。

作家ってやっぱり大変、ならなくて良かったと思いました。。。





光文社
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「今日からは、愛のひと」 朱川湊人

2015年07月01日 | 読書日記
「箱庭旅団」の朱川湊人とは思えない、全く作風が違う小説。

所々に入る細かいギャグや、ドタバタっぽい展開の後に続く意外なラストは荻原浩の作品だと言われれば納得してしまう。
設定だけは朱川湊人っぽいと言えないこともないけど・・。

登場人物たちはみんな個性的て面白いし、ストーリも楽しくて期待以上でした。



光文社
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