この前の委員会後の懇親会での話題ですが、「オリオンビール」というのがあります。沖縄で作っている、沖縄のビールなのですが、私が沖縄の教会に赴任していた頃、暑い夏、冷えたオリオンビールを飲んで、思わず「ウマい!」と唸っていたものです。ところが、オリオンビールが懐かしくて、関西で買って飲んでみても、沖縄で飲んだような感動が薄いのです。不思議です。そのことをN先生がお話ししていたので、思わず聞いていて、うなずいてしまいました。
また、「さんびん茶」という、沖縄で愛飲されている飲み物があります。ジャスミンティーのことですが、紅茶の茶葉のようではなく、日本茶くらいの茶葉の大きさがのものが入っています。この「さんびん茶」もまた、沖縄の暑い夏に飲むと最高にウマいのですが、関西で買って飲んでみても、不思議なことに、そんなにウマいと感じません。
そのことから、「オリオンビール」や「さんびん茶」は、沖縄で飲んでこそウマいのであって、沖縄を離れたところで飲んでも、そんなにウマく感じないのではないか、と個人的に思っています。そのことから、「オリオンビール」や「さんぴん茶」は、沖縄の、あの気候で飲んでこそウマいと言えるのではないかと思ったりします。
確かに、飲み物や食べ物は、気候に影響されるものです。気候が違えば、作れる作物の種類も違いますし、その作物からその土地の食べ物が作られ、その土地の人たちは、それを食べて生きています。
ただ、「沖縄そば」は、少し事情が違うように思います。私は、定期的に沖縄の「サン食品」というところに沖縄そばの材料を注文し、自宅で料理して食べています。その「沖縄そば」は、こちらで食べてもウマいと思います。その理由は、ビールやお茶と違って、調理されたものだからかもしれません。もしかしたら、自分の口に合うように、無意識のうちに味付けをしているのかもしれません。
食べ物は文化であり、その土地柄を表しています。つまりは、違いであり個性でもありますから、一様に考えることはできません。それぞれに、地域性というものがあるのですから、自分の考えがどこの地域に行っても通用するというものでもありません。特に、亜熱帯地域の南方の沖縄は、個性豊かな地域です。そのことを理解し、互いに理解を深めることができるような交流が求められているのではないかと思います。
そういった意味で、基地の問題について、あれこれと論じることもあるかと思いますが、自分の土俵だけで論じるのではなく、様々な土俵があるということを踏まえた上で論じられることが大切なのではないかと思います。