融通無碍 翼を休めてみませんか

新温泉町浜坂にある日本キリスト教団浜坂教会の
牧師日記

勇気あるメールをいただきました

2016年07月03日 | 日記

 昨日、知人から勇気あるメールをいただきました。

 冒頭、「主にある兄弟姉妹のみなさま・・・〇〇教会の〇〇です。」とあります。教会の仲間を「兄弟姉妹」と呼び、自らを「〇〇教会の〇〇です」と称しているところから、教会と、そこに集う人たちに対する信頼の思いが伝わって来ます。

 メールの内容は、この国の将来のことを考えると、今度の参議院選挙がたいへん重要であるというメッセージです。そのことは、至極当然だと思います。

 どの政党を支持するとか、しないとか、それはその人の判断で、それを自由に表現することができます。メールを送った人が、自分の考えを主張するのと同じように、メールを受け取った人も、どの政党を支持するとか、しないとか、その人も自由に判断できます。

 知人は、「キリスト者として何をすべきか、何ができるか、教会は何をすべきか、何ができるか、宣教とは何か、宣べるべき教えとは何か、伝道とは何か、伝えるべき道とは何か、問われていると思います。」と訴えています。このことは、教会と、教会に連なる人たちにとって目標と言うべき根本的な問題だと思います。一体、どれだけの教会と、教会に連なる人たちがこの問題を真剣に考え、目標としているのでしょうか。 

 そして、「明日の礼拝で祈り、語ってください。役員会/長老会で話し合い、内外に向けてメッセージを発してください。定例の役員会/長老会が無ければ、臨時で開いてください。教区・教団に、アクションすることを要望してください。」というのは、いくつかの例を挙げて、教会と、教会に連なる人たちにとって根本的な目標に向かうための手段を示しています。

 「キリスト者として何をすべきか、何ができるか、教会は何をすべきか、何ができるか、宣教とは何か、宣べるべき教えとは何か、伝道とは何か、伝えるべき道とは何か」という根本的な問題を考えようとするとき、教会と、教会に連なる者として、「礼拝で祈り、語り、役員会/長老会で話し合う」手段をとることは、至極当然なことではないかと思います。そして、そのやり方は、それぞれに委ねられているのです。どこにも、おかしな言い分はありません。

 私は、二つのことを思います。

 まず一つ目は、参議院選挙で現与党勢力が3分の2が勝利してしまった場合、改憲への道に確実に進み、その動きはどうにもならないほどになり、若者の将来は混沌としたものになってしまうだろうということです。もう、元に戻すことさえ、至難の業になるでしょう。参議院まで現与党勢力が3分の2も占めてしまったら、もはや二院制の機能が果たされなくなってしまいます。それは、異なる意見を受け入れない世界です。

 まるで、政治家に白紙委任したも同然の状況を与えてしまいます。あたかも「ねじれ状態」が悪いかのようなプロパガンダがなされていますが、決して欺されてはいけません。「ねじれ」ていてるのが正常なのです。現与党勢力に、参議院の議席まで3分の2を占められてしまったなら、衆議院、参議院、オール現与党となりますので、そこから野党が盛り返すなんて実現不可能な夢のまた夢のような状況になってしまうでしょう。

 二つ目は、選挙に行く人を増やすための取り組みが必要ではないかと思います。投票率が上がるような取り組みです。特定政党の信者のような人たちは、必ず投票所に行きます。つまり、投票所に行かない人は、特定政党の信者でない人が多いと思われます。投票所に行かないような人が、投票所に行こうという気持ちになるような取り組みが求められています。そして、投票所に行かないような人が、登場所に行ってご自分で考えて投票なさるようになったなら、どこの誰に投票されたとしても、それを了とする考えを持ち、少しでも投票率を上げることを目標にする取り組みが求められているように思います。

 いただいた勇気あるメールを読ませていただいて、そんなことを思いました。

 

以下、メールの引用です。(教会名、名前は伏せています。)


主にある兄弟姉妹のみなさま

主のみ名を賛美します。
〇〇教会の〇〇です。

さて、参議院選挙の投票日が近づいて来ました。今日はそのことでメールさせていただきます。

選挙の際にこのようなメールを送るのははじめてで緊張しています。
はたしてよいことかどうかも迷いつつ。

今、日本は重大な岐路に立たされています。
改憲を訴える勢力が衆議院では既に3分の2を越えており、今度の参議院選挙で3分の2以上の議席を獲得すれば、国会が改憲の発議をすることが可能になります。

自民党の新しい憲法草案では、主権在民、平和主義、基本的人権の尊重という現憲法の3大柱を大きく後退させています。
立憲主義を否定しています。国家が憲法に縛られるのではなく、国民が憲法に縛られるように、と180度転換させています。

戦争の放棄を放棄し、国防軍をつくると言っています。
天皇を元首とする、としています。
自民党憲法草案にはまだこの3原則が残っていることが不満だ、これをなくさなければ真の自主憲法にならない、と元法務大臣が明言しています。

何としても、今回の参議院選挙で改憲勢力が3分の2以上の議席を獲得することを阻止しなければならないと思います。
そうでなければ、この社会はますます暗黒の時代へと邁進して行きます。

49年前、日本基督教団は「第二次大戦下における日本基督教団の責任についての告白」を告白しました。
「日本基督教団公式サイト」で全文を読むことができます。
http://uccj.org/confession

「まことにわたくしどもの祖国が罪を犯したとき、わたくしどもの教会もまたその罪におちいりました。わたくしどもは「見張り」の使命をないがしろにいたしました。心の深い痛みをもって、この罪を懺悔し、主にゆるしを願うとともに、世界の、ことにアジアの諸国、そこにある教会と兄弟姉妹、またわが国の同胞にこころからのゆるしを請う次第であります。
終戦から20年余を経過し、わたくしどもの愛する祖国は、今日多くの問題をはらむ世界の中にあって、ふたたび憂慮すべき方向にむかっていることを恐れます。この時点においてわたくしどもは、教団がふたたびそのあやまちをくり返すことなく、日本と世界に負っている使命を正しく果たすことができるように、主の助けと導きを祈り求めつつ、明日にむかっての決意を表明するものであります。 」

今こそ、「見張りの使命」を果たす時と感じています。
後になって再び罪責告白をしなければならないようなことにしないため、今できることを全力で尽くすべきと思います。

キリスト者として何をすべきか、何ができるか、
教会は何をすべきか、何ができるか、
宣教とは何か、宣べるべき教えとは何か、
伝道とは何か、伝えるべき道とは何か、
問われていると思います。

明日の礼拝で祈り、語ってください。
役員会/長老会で話し合い、内外に向けてメッセージを発してください。
定例の役員会/長老会が無ければ、臨時で開いてください。
教区・教団に、アクションすることを要望してください。

もう、時間がありません。
何が神のみ旨か、過たず聞きたいと思います。

※このメールは、全くの私個人の判断と責任で送信しています。

※公職選挙法では、一般人が電子メールで選挙運動を行うことは禁止されていますが、特定の候補者を落選させる「落選運動」は禁止されていないそうです。また、「一般論としては、一般的な論評に過ぎないと認められる行為は、選挙運動及び落選運動のいずれにも当たらないと考えられる」そうです。
その理解のもと、このメールを送信します。

みなさまの上に主の祝福を祈ります。

私たちに、知恵と力と勇気が与えられますように。

20167年7月2日
〇〇〇〇

(以上、引用終わり)


 

 


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