教区総会の1日目が終わり、元町で予約しているホテルに向かって歩いていたときのことです。元町駅前の手前にある横断歩道で、信号が青になるのを待っていました。
いつまで経っても青にならないので、おかしいなぁと思いつつ、「ま、いいか」と思い、そのまま立ち続けていました。安物の古びたリュックを背負い、両手にたくさんの荷物を持つという出で立ちでした。
ふと、背後に横を過ぎ去ろうとする人の気配を感じたので、何気なくそちらの方を向くと、カップルとおぼしき若い男女のうちの女性が、歩行者用押しボタンを押して、そのまま立ち去って行きました。すると、車道の信号がすぐに黄色になり、赤になり、そして横断歩道の信号が青になりました。
そのとき、この横断歩道は、歩行者用押しボタンを押さない限り、いつまで経っても青にならないのだということに気がつきました。それで、立ち去って行く若い二人の背中に向かって、「どうもすみません」と声を掛けました。すると、女性が歩きながら顔だけこちらを向けて、小さく会釈してくださいました。
私は、横断歩道を歩きながら、あの女性は、両手が塞がっていて、押しボタンを押さないと信号が変わらないことを知らなさそうな私の姿を見て、さりげなく押しボタンを押すという親切をしてくれたのだと悟りました。こんな親切な若い人たちがいるんだと思うと、心が暖かくなりました。
ふと、自称・他称クリスチャンという人なら、「貧しい人々は幸いである。」と教えられている人なら、どうだったのかと想像してみました。いかにも都会に溶け込んでいない風体丸出しの、両手に荷物をいっぱい持った人を見て、どう思うのだろうかと。
いずれにしても、そのような私の姿は、弱そうな姿であったと思います。そうすると、私が弱いから、恵みを得たのかも知れません。とにかく、若い人の親切に触れて心が暖かくなりました。弱いこともまんざらではないと思わされました。
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