旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

駅弁コレクション9 「峠の釜めし」(横川駅)

2021-11-07 07:38:47 | 駅弁コレクション
【峠の釜めし】(横川駅)
                           2021.11.07投稿

1976年(昭和51年)9月27日 横川駅で購入 価格500円
                       [製造元](株)荻野屋


 1982年(昭和57年)発行の『駅弁全線全駅』(主婦と生活社)に、当時の『峠の釜めし』がカラー写真と共に紹介されています。
 「横川の釜めしか、釜めしの横川かといわれるほどの名物弁当。万葉集に登場する下野国の防人、他田部子盤前(おさだべのこいわさき)が横川の峠を越えるとき、持参の土器で飯を炊いて食べたという言い伝えにちなんで、昭和33年に「峠の釜めし」が作られた。駅弁に焼き物の容器を用いたには、この弁当が第1号。益子焼きの小さな釜には、スープ炊きのご飯の上にとり肉の煮もの、ささがきごぼう、しいたけ、たけのこの煮もの、うずら卵、くりのふくめ煮と、素朴な土地の山菜がたっぷり入っている。別容器入りの漬けものも豊富。容器は荷物になるが、持ち帰ればいろいろ便利に使える。ちなみに釜めしを作るには、米140グラムg(1合)に煮出し汁180cc(1合)、水、しょうゆを適量、化学調味料を加え、さらにとり肉、えび、かきなど好みの具をたし、ふつうのご飯の要領で炊くと、おいしい釜めしができ上がる。」


 1976年(昭和51年)9月24日、前期試験が終わり友人と信州方面に出かけた旅は、25日に「浅間温泉ユースホステル」に泊まり、美ヶ原・霧ヶ峰を経由し26日に「白樺湖ユースホステル」。27日は21回目の誕生日。わざわざ横川駅まで行って購入したのがこの駅弁。初めての「峠の釜めし」でした。
 この掛紙には「お願い 危険ですから釜を投げずに屑物入又は腰掛の下にお捨て下さい」という、注意書きが印刷されています。時代を感じさせます。

1997年(平成9年)1月1日 横川駅で購入 価格800円
                       [製造元](株)荻野屋


 掛紙のデザインは基本的に変わっていませんが、書体が微妙に変わっていました。


 当時、JR東日本が1995年より発売をしていた、元日限定のJR東日本全線の新幹線・特急・急行・快速・普通列車の普通車自由席が乗り放題の『お年玉フリーきっぷ』を使って横川駅まで往復しました。

2018年(平成30年)6月26日 横川駅で購入 価格1,000円
                       [製造元](株)荻野屋


 1958年(昭和33年)2月1日から販売された峠の釜めしも、この年60周年。浮世絵風掛紙です。
 昔ながらに掛紙とお箸が紐で結ばれています。
 温かくならないように香の物は別容器に入っています。


 容器の釜は、栃木県芳賀郡益子町の窯元『つかもと』で製造されたものだそうで、釜の上半分の上薬が塗ってある茶色の部分に「横川駅」「おぎのや」という文字が刻まれていて、釜の上には厚さ5mmほどの素焼きの蓋が付いているため、持ち帰れば家庭でも実際に1合の御飯を炊くことができます。(荻野屋の公式サイトで炊き方が紹介されています。)


 御飯は、自家精米したコシヒカリを、利尻昆布と秘伝の出汁で炊きあげた、醤油風味の炊き込み御飯です。
 その上にうずらの卵を中心に、原木栽培された干し椎茸をちょっと濃いめの関東風の味付けした椎茸、甘みと酸味がほどよく調和した杏子、容器に合わせて扇形にカットし薄口しょうゆを使った関西風の味付けした筍、無漂白、無着色の栗の甘露煮、シャッキリ感のあるゴボウのささがき、秘伝のタレを絡ませた国産の若鶏のっていて、色鮮やかなグリーンピースと、紫芋の色素を利用した紅生姜が添えられています。
 釜の形をした別容器には、容器に、きゅうり・小茄子・ゴボウ・梅干し・わさび漬けの5種類の香の物が入っています。


 『小海線・大糸線・越後線・飯山線の旅』の途中、予約して横川駅の直営売店で購入したため、まだ温かく美味しく頂きました。

2020年(令和2年)10月5日 軽井沢駅で購入 価格1,100円
                       [製造元](株)荻野屋


 今年10月1日から10月31日までの間は、「乳がん検診の大切さ」を伝える、ピンクリボン活動応援掛紙が使われていて、期間中の売上の一部を日本対がん協会へ寄付するとのことです。


 容器の釜は、栃木県芳賀郡益子町の窯元つかもとで製造しているそうです。
 蓋は厚さ5mmほどの素焼きで、「横川駅おぎのや」の文字が刻まれています。




 釜は上半分の上薬が塗ってある茶色の部分に「横川駅」「おぎのや」という文字が刻まれています。




 この容器は、窯元のつかもとが、食べた後に「釜飯容器を利用した水栽培用鉢」として実用新案登録をしています。


 御飯は、自家精米したコシヒカリを利尻昆布と秘伝の出汁で炊きあげた、醤油風味の炊き込み御飯です。
 その上にうずらの卵を中心に、原木栽培された干し椎茸をちょっと濃いめの関東風の味付けした椎茸、甘みと酸味がほどよく調和した杏子、容器に合わせて扇形にカットし薄口しょうゆを使った関西風の味付けした筍、無漂白・無着色の栗の甘露煮、シャッキリ感のあるゴボウのささがき、秘伝のタレを絡ませた国産の若鶏がのっていて、色鮮やかなグリーンピースと、紫芋の色素を利用した紅生姜が添えられています。
 釜の形をした別容器には、きゅうり・小茄子・ゴボウ・梅干し・わさび漬けの5種類の香の物が入っています。


 今回の掛紙には「栄養成分表示」がのっていました。


 土鍋は保温性が高く、長い時間温かい状態が続くので、『鉄印 しなの鉄道 しなの鉄道線の旅』の途中、午後1時頃軽井沢駅で購入しましたが、未だ温かさが残っているうちに頂くことができました。

 日本最古の駅弁がどこの駅で発売されたのかについては諸説ありますが、1885年(明治18年)7月16日に旅館「白木屋」がこの日開業した宇都宮駅でおにぎり2個とたくあんを竹の皮に包んで販売のが最初とされ、7月16日は「駅弁記念日」となっています。
 荻野屋は同じ年の10月15日から横川駅で、駅弁「おむすび」(こちらもおにぎり2個とたくあん)を販売開始。
旅館「白木屋」はすでに廃業していますから、荻野屋は日本最古の現存する駅弁屋と言っても良いでしょう。
 1958年(昭和33年)2月1日から販売されているこの駅弁。折り詰めという当時の常識を破り、益子焼の器に入ったお弁当は温かく、大変な人気となりました。
 「森のいかめし」「崎陽軒のシウマイ弁当」と並び、「駅弁御三家」と言われたこともあり、現在でも根強い人気があり、横川駅の他東京駅・上野駅などの「駅弁屋」の他、直営店や関連グループ会社の店舗で販売されています。
 『あたたかくて、家庭的な楽しいお弁当』を目指して誕生した『峠の釜めし』、彩りが美しく上品な薄味の御飯と具、味のバランスも良く、香の物もアクセントにぴったりです。
 荻野屋の公式サイトでは空き釜を使った「御飯の炊き方」と、空き釜を使った『荻野屋おすすめレシピ』が18種類紹介されています。


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