旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

仙山線経由左沢線と峠駅の旅 4 左沢線下り普通 左沢行 329D

2020-10-28 16:11:26 | 左沢線の旅
 『左沢(あてらざわ)線』は、山形市の北山形駅を起点に山形県西村山郡大江町の左沢駅を終点とする24.3kmの路線で、「フルーツライン左沢線」の愛称が付けられています。北山形駅を始発・終着とする列車は無く、運行系統上は山形駅を起点としていています。


 『左沢駅』は、難読駅の一つで、駅が所在する大江町の中心地名です。
 地名の由来は諸説有りますが、江戸時代の「出羽国風土略記」には最上川を基準にして「あちらの沢」「こちらの沢」といったことから、「あちらの沢」=「あてらざわ」になったという説があります。
元来、北山形駅は左沢線のみの停車駅で、当時は今の西口駅舎と左沢線のホームしかありませんでした。
 その後、奥羽本線・仙山線も停車するようになり東口駅舎と奥羽本線・仙山線のホームができ、Y字構造になりました。


左沢線下り 普通 左沢行 329D
 始発 山形09:19
 車両はキハ101形。左沢線用として1993年(平成5年)から1997年(平成9年)にかけて製造された13両です。
 オールロングシートに加え、営業距離24.3km・乗車時間40分と比較的短いことからトイレが付いていません。




北山形 キタヤマガタ      09:23着 09:29発
 左へカーブし西に向かい、国道49号をアンダーパスすると東金井駅に着きます。


東金井 ヒガシカナイ      09:32着 09:33発
 単式ホーム1面1線の無人駅です。


 東北中央自動車道をアンダーパスして稲刈りの進んでいる水田の中を進みます。


 78mの須川橋梁を渡り右にカーブすると羽前山辺駅に着きます。


羽前山辺 ウゼンヤマベ     09:37着 09:37発
 りんご生産量日本一の青森県内でも、りんごの形をして駅名標は見たことがありません。
 ここ山形県は、サクランボ生産量日本一。駅名標はサクランボの形です。なお、町の名は「やまのべ」と読むみますが、駅名は「やまべ」と読みます。


 水田の中に果樹園が目立つようになってきました。


羽前金沢 ウゼンカネザワ    09:41着 09:41発
 単式ホーム1面1線をの無人駅の待合所は、大空に羽ばたく翼をモチーフにした屋根でした。


 更に田んぼの中を北上すると羽前長崎駅に着きます。


羽前長崎 ウゼンナガサキ    09:43着 09:44発
 漢字だけ見ると『金沢』の次は『長崎』です


南寒河江 ミナミサガエ     09:47着 09:47発


寒河江 サガエ         09:50着 09:50発


 多くの乗客は寒河江駅で下車しました。


 市街地の中を進み、寒河江八幡宮の小山を右手に望むと西寒河江駅に着きます。


西寒河江 ニシサガエ      09:52着 09:53発
 右手に長岡山、左手に寒河江中央工業団地を見て進み、左に大きくカーブすると羽前高松駅に着きます。




羽前高松 ウゼンタカマツ    09:57着 09:57発


 更に左にカーブし、ほぼ南に向かい日田の山を右に見てその裾を回り、山形自動車道をアンダーパスすると柴橋駅です。


柴橋 シバハシ         10:01着 10:01発
 左手から最上川の曲流が山に迫っているところを2つのトンネ ルで抜けて、最上川を見ながら終点左沢駅に着きます。




左沢 アテラザワ        10:04着         

 つづく

仙山線経由左沢線と峠駅の旅 3 仙山線~左沢線へ

2020-10-27 16:22:45 | 仙山線の旅
 愛子駅を出ても上り勾配が続きます。


 右手にいくつかの工場が見え、程なく農村風景となり陸前白沢駅です。


 愛子駅までは各駅に停車しましたが、この先快速らしく通過駅が多くなります。
陸前白沢 リクゼンシラサワ    レ 
 相対式ホーム2面2線の列車交換可能な駅です。
 仙台駅を出て、列車交換可能な駅はここまで5駅。その全てで列車交換がありました。


 駅を出て右にカーブすると蛇行する広瀬川が右手に見え直進し、更に右にカーブすると峡谷に出ます。
 高瀬川に架かる、高さ51mの所謂「熊ヶ根橋梁」の第2広瀬川橋梁134mを渡ります。トレッスル橋の中では水面からの高さは日本一、橋長は南阿蘇鉄道高森線の立野橋梁136.8mに次ぐ全国2位です。


 並行する国道48号にはアーチ橋の熊ヶ根橋が架かっています。


熊ケ根 クマガネ         レ


 更に勾配を上り、左右に山が迫り、国道48号をくぐると左手に広瀬川に架かる赤い橋が見えます。このあたりに西仙台ハイランド駅がありました。


 更に進み、谷が開けると左手に林に囲まれた「ニッカウヰスキー仙台工場」が見えます。


作並 サクナミ         08:54着 08:54発
 行基が発見したとされ、かつては『仙台の奥座敷』と言われた作並温泉は、広瀬川の上流、駅から北西へ約2km離れたところにあります。 


 この先、県境越えのトンネルも有るため、スクリーンが降ろされました。


 作並駅を出ると第3広瀬川橋梁を渡り33‰の急勾配で作並トンル抜け右にカーブし、平坦になる辺りが八ツ森駅跡と思われます。


 再び33‰の勾配で森の中を北上し、左に大きくカーブすると奥新川駅です。


奥新川 オクニッカワ       レ
 標高も440mを越えると、宮城県と山形県境を跨ぐ5,361mの仙山トンネルに入ります。トンネルの中程がサミットで、3‰の上り勾配が5‰の下り勾配に変わります。

面白山信号場           レ
 仙山トンネルの山形方出口にから1km程の所にあるトンネル内に設置されている2線の信号場です。

面白山高原 オモシロヤマコウゲン      レ                
 仙山トンネルの山形県側出口に位置する単式ホーム1面1線の 無人駅。
 電車を降りれば、すぐにリフトに乗れる『スノーパーク面白山(旧「面白山高原スキー場」)』へは、スキー場への道路は存在しますが、冬期間は除雪しないため緊急車両も含めてスキーシーズン中は通行不可となります。そのため「全国で唯一鉄道でしか行けないスキー場」となっています。
 しかし、スキー場は2009年-2010年シーズン以降営業休止状態が続いていて、スキー場設備も老朽化が進むなど、事実上廃業状態に近くなっています。


 ここから33‰の勾配で、紅葉川の渓谷を一気に山寺駅へ下っていきます。




 集落が見え始めると山寺駅に着きます。




山寺 ヤマデラ         09:13着 09:14発
 通称『山寺』。『立石寺』の玄関口です。


高瀬 タカセ           レ 
楯山 タテヤマ          レ
         


 奥羽本線と合流し羽前千歳駅に着きます。


羽前千歳 ウゼンチトセ     09:22着 09:22発
 仙山線の終点ですが全列車が奥羽本線山形駅まで乗り入れています。
 奥羽本線の軌間は新幹線と同じ1,435mmの標準軌、山形駅まで乗り入れる在来線は軌間1,067mmの狭軌のため、この先複線のように見えますがそれぞれ単線です。


 山形県道172号を跨ぎ右にカーブして馬見ヶ崎川を渡り、左にカーブすると北山形駅に着きます。


北山形 キタヤマガタ      09:25着         

 つづく

仙山線経由左沢線と峠駅の旅 2 仙山線~愛子駅

2020-10-26 16:47:58 | 仙山線の旅
 北仙台駅を出た電車は、市街地の中を25‰の急勾配で北山丘陵北斜面を登っていきます。






北山 キタヤマ         08:27着 08:28発
 1984年(昭和59年)2月1日に、通勤勤通学用の駅として住民請願を受けて開業しました。ここ北山駅から葛岡駅までの4駅は1984年(昭和59年)以降に開業した駅が続きます。


 北山駅を出ると北山丘陵南斜面側に移りますが、5‰の上り勾配は続きます。よく見ると右手遠くに仙台大観音が見えてきます。


東北福祉大前 トウホクフクシダイマエ   08:29着 08:30発
 2007年(平成19年)3月18日に開業するまでは、東北福祉大学の最寄駅は隣の北山駅でしたが、同大学が新駅設置に動き出し、設置が決まりました。
 計画当初は「貝ヶ森駅」の仮称でしたが、東北福祉大学が駅建設費(駅隣接のステーションキャンパスを含む)を全額負担することになり、「東北福祉大前駅」の名称に決まりました。 


 更に上って行きます。


 左手遠くには青葉城址が見えているのですが…。


国見 クニミ          08:32着 08:34発
 1984年(昭和59年)2月1日、北山駅と同時に開業した 駅です。開業当初は単式ホーム1面1線でしたが、その後の仙山線の輸送量の増加に伴い、密度の高い列車ダイヤを組むため島式ホーム1面2線をもつ構造に改められた。しかし、1990年代中頃から利用者数が急増し、安全上から1997年(平成9年)に線路を挟んで既存のホームの向かい側に単式ホーム1面を増設しました。
  

 国見駅を出ると20‰の勾配になり、その勾配が和らぐと山屋 敷トンネルに入ります。




 トンネルを抜けると右手に大規模な仙台市葛岡墓園が広がっていますが車窓からは分かりませが、正面に石材店の大きな看板が目立ちます。


葛岡 クズオカ         08:36着 08:37発
 駅前にある、1991年(平成3年)に竣工したマンション「朝日プラザシティ広瀬の杜」の分譲会社の全額負担により、同年3月16日に開業した、単式ホーム1面1線の無人駅です。


 更に25‰の勾配を下っていき、宮城県道37号と東北自動車道を跨ぎ、更に森の中を下っていき、広瀬川を渡ると陸前落合駅に着きます。




陸前落合 リクゼンオチアイ   08:40着 08:40発
 開業当時は駅前に集落のない駅でしたが、現在は、相対式ホーム2面2線を持つ仙山線内では唯一の橋上駅舎があります。


 駅を出ると、国道8号(作並街道)と並行します。平坦な区間のように感じますが、徐々に勾配を上って行きます。


愛子 アヤシ          08:43着 08:43発
 単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線を持つ駅です。
 6割ほどの列車は、ここ愛子駅で折り返すため、この先は1時 間に上下各1本程度の運行となります。


 2001年(平成13年)12月7日に、敬宮愛子内親王のお名前が発表されると、普段1日1枚ほどしか売れない入場券が、11日までの5日間で約3万3200枚売れたそうです。


 つづく

仙山線経由左沢線と峠駅の旅 1 仙山線~北仙台駅

2020-10-25 15:37:36 | 仙山線の旅
 2020年(令和2年)10月3日 土曜日。今日から4日連続で日帰り旅です。


 新型コロナウイルス禍の影響で臨時設定された『大人の休日倶楽部パス(東日本)』を利用できる最後の4日間です。


 この4日間は、いつもより1本早い始発の新幹線に乗ります。
 最寄り駅の七戸十和田駅には停車しないのに加え、青い森鉄道線の始発電車が接続していないので、自宅から自家用車で1時間の所にある八戸駅から乗車します。


 1日目の今日は、仙山線経由で左沢線に乗り、帰りは峠駅で途中下車します。
東北新幹線上り はやぶさ4号 東京行 4B
 始発 新青森06:17

八戸 ハチノヘ         06:40着 06:41発
二戸 ニノヘ           レ
いわて沼宮内 イワテヌマクナイ  レ   
盛岡 モリオカ         07:09着  07:10発
新花巻 シンハナマキ       レ
北上 キタカミ          レ
水沢江刺 ミズサワエサシ     レ
一ノ関 イチノセキ        レ
くりこま高原           レ
古川 フルカワ          レ
仙台 センダイ         07:50着

 盛岡駅で「こまち号」との併結も設定されていないので、仙台駅までは1時間9分。新幹線の速さを実感します。


 仙台駅で仙山線に乗り換えます。


 仙山線は、仙台駅を起点に山形市の羽前千歳駅を終点とする58kmの路線です。運行形態としては、終点の羽前千歳駅で奥羽本線に接続し、すべての列車が山形駅に直通しています。全線単線ですが、日本初の交流電化が行われた路線でもあります。
※古い路線図のため、廃止された駅が載っていたり、新設された駅が載っていなかったりしています。


仙山線下り 快速 山形行 3831M 




仙台 センダイ              08:18発
 仙台駅を出た列車は暫く東北本線と並行してします。
 

 やがて東北本線を跨いで左にカーブし、北西に向きを変え東照宮駅に着きます。




東照宮 トウショウグウ     08:21着 08:22発
 1988年(昭和63年)に開業した請願駅です。駅名は近くに仙台東照宮があることに由来しますが、東照宮は全国至る所にありますが、駅名で東照宮を名乗っているのはこの駅だけです。
 高層マンションが立ち、都市部の風景が広がる丘陵の裾を西に進んで地下鉄との連絡駅、北仙台駅に着きます。
 



北仙台 キタセンダイ      08:24着 08:25発
 現在は、島式ホーム1面2線を持ち、仙台市交通局仙台市地下鉄南北線との接続駅ですが、1929年(昭和4年)9月29日開業した仙山線の前身、仙山東線(仙台駅・愛子駅間)当時からの駅です。

 つづく