短打主義に栄光なし!

 昨日で夏の甲子園が終わった。

 今大会の特徴は以前も記したようにホームランの多さが目立つ大会で06年
の60本には及ばなかったが57本とは凄い数字だ。


 ファイナリストの両校が放ったHRが共に7本づつと2校だけで14本ものHRが
出ているし、特に両校のHRは試合の流れを自らに引き寄せる一発が多くファイ
ナルでも押し気味にも拘らず無得点だった桐蔭が7番・白水のHRで流れを引き
寄せたのが印象深い。


 面白いのが最もホームランとは遠いチームと思われていた古豪の済々黌で
すら3-1で勝った初戦では2点目をHRで挙げているし、5年前に公立普通校
で優勝した佐賀北も優勝を決めた満塁HRを含めて4本のHRを放っているのだ。


 ご存知のように今年は‘やまびこ打線’の池田が打ちまくって初優勝した82年
から30年目にあたるのだが、当時の池田で衝撃的だったのは当時の発想では
守り専門と思われていた9番の山口が2試合連続でバックスクリーンに叩き込む
HRを放っただけでなく1本目が同点、2本目は勝ち越しのHRで流れを引き寄
せる価値ある一発だったのだ。


 こう着状態に入った時に どんな関係者でも言うのが均衡を破るのはHRか
エラー。


 つまり先発投手のできがいいと連打は期待できないのでミス絡みで点を取れ
なければ一発長打で点を取るしかないが、昨今の甲子園では よほどの事が
無い限りエラーは期待できないので一発長打で点を取りに行く方が合理的と
いう事になる。


 そして長打力があるチームを相手にすると投手はプレッシャーを受けコーナー
を狙い過ぎて球数を増やして疲弊するし、ボール球が増える事で守備のリズム
も崩れてエラーも誘発してしまう。


 それを考えると長打力がないチームというのは勝ち進むのは厳しいという
事になるだろうし長打が増えると快く思わない輩が必ず出るものの、もはや
そういう見方は時代錯誤も甚だしいというのを結果が証明している。

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