豪腕安楽、決勝で散る=連投で疲れ、五回に7失点―高校野球(時事通信) - goo ニュース
今日行われた今年の選抜高校野球のファイナルは浦和学院が済美に17-1で
勝ち悲願の初優勝を飾った。
とはいえ今大会で最も注目を集めたのが済美の2年生エースの安楽で、初戦の
広陵戦で延長13回232球投げたのを皮切りにSファイナルまで全試合を完投し
96年の智弁和歌山・高塚信幸が投げた712球を越す772球を投げたのだから
ある意味では凄いしマスゴミは‘鉄腕’などと褒め称えているが、個人的には
エースが4番を打ち全試合完投するというスタイルの済美が優勝しなくてよかった
と思っている。
勝つためには いろいろなスタイルがあるし勝ったチームのスタイルがセオリーに
なるのは自明の理だから広島商のような守りに特化したスタイルのチームが激減
したのも、そのスタイルでは甲子園で勝てなくなったからだ。
今大会の済美のようなエースが全試合に登板し4番を打つというワンマン
チームは昔から存在していたのだが、21世紀に入って こういうスタイルのチームは
優勝してないのが現状だ。
昔に比べて打力が飛躍的にレベルアップした時代に1人の投手が相手打線をねじ
伏せるというスタイルは よほどの事が無い限り厳しいし、それができるのは将来
プロでも活躍できる才能を持つ投手だろうが そういう投手を高校時代に投げ過ぎで
消耗させるというのは球界の将来のためにも決していいものではない。
つまり安楽のような才能を持った投手でなければ全試合投げてのファイナル進出
という事はできないわけだが、こういう将来ある投手を今大会だけで燃え尽きさせ
てはいけないという事。
仮に済美が優勝していれば昔のスタイルをこよなく愛す者達からは絶賛され、
こういう戦い方を模倣するチームが出てくる可能性があったが大敗した事により
‘安楽ほどの投手でも あれだけ投げれば疲弊して最後は打たれる’という事が
満天下に示されたため今年の済美スタイルは そこまで広まらないと思うのだ。
平成に入って春夏連覇を達成した横浜・興南・大阪桐蔭らは松坂・島袋・藤浪と
いう絶対的なエースを持ちながらも彼らのみに頼る事なく、打順は下位を打たせて
2番手以降の投手も充実させて戦ったのを忘れてはいけない。
あらゆるスポーツは年月を経る事によって進化するものだから昭和の時代に勝てた
スタイルが21世紀に通じる事自体が異常なわけで、それを考えると先祖返りした
ようなスタイルで戦った済美が優勝を逃したのは当然だろう。
ワンマンチームで優勝するというロマン?は進化した現代の野球では ありえ
ないし、時計の針を逆回転させる事はできないのだから。