ガメラ対バルゴン レビュー

 昨日WOWOWで久しぶりにガメラ対バルゴンがOAされていた
のでレビューを。


 ガメラ対バルゴンといってもメインはバルゴン対自衛隊という
形になっておりガメラは冒頭に黒部ダムを破壊すると大阪城での
バルゴン戦では冷凍ガスを受けて氷結し、後は琵琶湖畔での最終
決戦で勝ぐらいで後は欲にまみれた人間達のドラマと自衛隊がバ
ルゴンの弱点を突いていかに攻略するかというパターンで進む。

 この作品は主役?のガメラが人類の脅威という扱いで登場人物も
本郷功次郎演じる平田圭介ですら欲に心を囚われている存在だし、
一番の悪人である小野寺をはじめサソリに刺されて死ぬ川尻に圭介
の兄・平田一郎らも決して‘いい人’ではないのが面白いところ。

 面白いのが最初に底なし沼に沈みかけ何とか救出された小野寺が
一番の悪人で、オパール=バルゴンの卵が見つかった時にサソリが
川尻の足に取り付いていたのを教えずに見殺しにしたあたりから
欲のスイッチが入り洞窟を爆破して圭介を生き埋めにしようとする。

 そして最後は迎えに来た平田一郎とのやり取りの中で圭介を殺し
た事を口を滑らせて仲間割れとなり一郎夫婦を殺すと、バルゴンを
誘導するダイヤを強奪して逃走中にバルゴンの舌に捕まって捕食さ
れるという欲にまみれた報いを受ける形。

 小野寺がジャングルで底なし沼に嵌った事から水虫になり治療用
の赤外線がバルゴンの卵に照射されたのがバルゴン誕生&巨大化の
原因になったというのも東宝作品には見られない設定で新鮮だった。

 自衛隊も最初は戦車砲から始まり戦闘機による攻撃がバルゴンの
冷凍ガスで壊滅すると遠距離ミサイルで狙ったものの、バルゴンの
背中から発射される虹の光線で壊滅する一方で虹が熱線という事で
それに誘われてガメラがやって来るという展開。

 そしてガメラが氷結した後はダイヤの光で琵琶湖に誘導する水没
作戦に虹を鏡で反射させる反射鏡作戦と、バルゴンの特徴を突いた
対策を立てて後一歩のところまで追い込むが小野寺の欲望とバルゴ
ンの自己防衛本能の前に失敗するという形だ。

 セスナを使った観光会社立ち上げ資金調達という形で足の悪い兄
・一郎の代わりにオパール探索に加わった圭介が結果的に何もかも
失ったものの、最後にカレンとの愛だけが残ったという救いで終わ
るのを見ると羅生門などの文芸作品を得意としていた大映テイスト
満載の作品ではないだろうか。

 それにしても小野寺を演じた藤山浩二や川尻の早川雄三に、平田
一郎の夏木章ら見るからに‘いい人ではなさそう’なキャスティン
グは今では難しいと思えるのだ。

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