そして誰もいなくなる!?代表決定1週前のリオ五輪出場予定選手
先日USPGAツアーでプレーしている松山英樹が蚊によるジカ
熱や治安への懸念などの理由から、代表として確実視されていた
リオ五輪への出場を回避する事を表明した。
また男子テニスのウィンブルドン選手権のベスト16で左脇腹
痛のため途中棄権した錦織圭も、故障箇所の回復が思わしくなけ
ればリオ五輪を辞退するというコメントも出ていた。
個人的には2人の決定を支持したいしゴルフやテニスにとって
五輪での金メダルは最高の価値ではないという事の証明だろう。
五輪の金メダルよりも価値がある種目としてサッカーやスキー
以外でもテニスやリオから復帰するゴルフなども然りなのに対し、
五輪大好きな日本人はどんな種目でも金メダルを喜ぶしマスコミ
も本当の事を伝えるどころか五輪の金メダルの方ばかりを煽って
しまう傾向が強い。
だからノルディックスキー複合で3シーズン連続W杯王者に
なったものの五輪の個人戦でメダルに届かなかった荻原健司の
事を‘W杯総合王者にこそなったが肝心の五輪では表彰台にす
ら届かなかった悲運な選手’などと恥ずかしげもなく平気で書く
わけだ。
たしかに五輪は本来ならアマチュアの大会ではあったがプロの
参入前は旧ソ連をはじめとした共産圏の独壇場になっていたので、
大会を盛り上げるためにはプロを入れざるを得なくなったという
事情がある。
ところがプロは収入を得るために多くの試合をこなし総合で優
劣を決めるのに対し、アマチュアは1つの大会で優劣を決めると
いう違った価値観で運営されているので五輪のような一発勝負の
大会はアマチュア向きであると同時にプロにとっては多くこなす
試合の1つに過ぎないという感覚だ。
だから五輪といえども出場したばかりに本業に支障が出るよう
な大会への参加にプロが難色を示すのは当然で、それを鈴木則夫
のように「松山の五輪辞退は情けない」と嘆く方が筋違いだろう。
マスコミもそういう事情をしっかりわきまえて報道するべきで、
間違っても五輪に出ないプロ選手を非難してはいけない。